Solaris Bandwidth Manager 1.6 のシステム管理

帯域幅の割り振り

最低保障帯域幅を割り振るときの単位は、百分率 (%) またはビット/秒 (bps) です。root クラスには 1 つのインタフェースについて 100% の帯域幅が割り振られています。root の子クラスには root の帯域幅を割り振ります。それらのクラスの子クラスには、その親クラスの帯域幅を割り振ります。割り振った帯域幅は、そのクラスの最低保障帯域幅となります。必要であれば、上限、つまり、最高帯域幅も設定できます。

この節の残りでは、クラス階層に帯域幅を割り振る例を示します。次のようなクラス階層を仮定します。

図 3-2 帯域幅の割り振りの例: クラス階層

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帯域幅を子クラスに割り振る前、root クラスは 100% の帯域幅を持ちます。

図 3-3 帯域幅の割り振りの例: root には 100% が割り振られている

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root クラスの子クラス (図 3-4 の、1、2、3) に、root クラスに割り振られている帯域幅を分配します。

図 3-4 帯域幅の割り振りの例: root の子クラス

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root クラス自身にも、自分に割り振られたトラフィックを処理するためにいくらかの帯域幅が必要です。したがって、子クラスには帯域幅の 100% を割り振らないようにしてください。上記の root クラスは残りの 5% を使用します。

それぞれの子クラスにおいて、割り振られている帯域幅を自身の子クラスに分配します。たとえば、クラス 1 に割り振られている 30% の帯域幅を、子クラスであるクラス 1.1 とクラス 1.2 に分配します。図 3-5 で括弧内の数字は、子クラスに割り振った後の残りの帯域幅を示しています。この残りの帯域幅は実際には親クラスに対する最低保障帯域幅となります。

図 3-5 帯域幅の割り振りの例: 2 番目のレベルのクラス

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すべてのクラスに帯域幅が割り振られるまで、各クラスに割り振られた帯域幅をその子クラスに分けていきます。

図 3-6 帯域幅の割り振りの例: 割り振りの完了

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注 -

設定ファイル内でクラスに帯域幅を指定する場合、または batool を使う場合は、クラスとそのすべての子孫に割り振る帯域幅の合計を指定する必要があります。たとえば、クラス 3.1 には 20% を指定し、クラス 1 には 30% を指定します。