帯域幅を割り振るとき、すべてのクラスには最低保障帯域幅があります。ただし、そのクラスのトラフィック量が割り振られている帯域幅を超えた場合に、他のクラスが使用していない予備の帯域幅が存在すれば、そのクラスはその予備の帯域幅を借用できます。
上記設定において、クラス 1.2 のトラフィックが割り振られている 5% を超えて 7% になったと仮定します。ただし、クラス 1 の総トラフィックが 20% まで増加しただけで、クラス 1 には借用のための 10% の予備の帯域幅が残っているとします。つまり、クラス 1.2 はクラス 1 から 10% までの帯域幅を借用できます。したがって、この場合は必要な 2% の帯域幅を借用できます。
ただし、別のクラスの最低保障帯域幅を犠牲にしてまで、借用はできません。クラス 1.2 のトラフィックが 7% のままで、クラス 1.1 のトラフィックが 15% までに増加し、クラス 1 における総トラフィックが 30 % まで増加したと仮定します。この場合、クラス 1.2 はその親クラス (クラス 1) から借用し続けることはできません。しかし、クラス 1 がその親クラス (root クラス) から借用できる場合もあります。この場合、クラス 1.2 はクラス 1 からその追加の帯域幅を借用できます。
複数のクラスが帯域幅を借用したい場合、どのクラスが借用できるかはクラスの優先度によって決定されます。最高の優先度を持つクラスは、必要としている帯域幅以上のすべてを (利用可能な場合に) 借用できます。さらに帯域幅が残っている場合、次に優先度の高いクラスが借用できます。以降、同じように借用できます。
同じ優先度を持つ複数のクラスが借用したい場合は、最低保障帯域幅の量によって決定されます。たとえば、クラス 1.1 (15%) とクラス 1.2 (5%) の両方が借用したい場合に、両方が同じ優先度を持っていると、使用可能な帯域幅が 3:1 の割合で分割されます。
優先度の高いクラスが他のクラスを無視してすべての帯域幅を借用することを防ぐためには、次のようにします。
設定において、すべてのクラスに十分なレベルの最低保障帯域幅を割り振ります。
優先度の高いクラスには、保証帯域幅を最大レベルで設定するように考慮します。