GNOME 2.0 ユーザーズガイド (Solaris 版)

第 3 章 デスクトップセッション

この章では、デスクトップセッションの開始、管理、および終了について説明します。

デスクトップセッションの開始

デスクトップにログインし、それをログアウトするまでをデスクトップセッションといいます。ログインマネージャによって表示されるログイン画面は、デスクトップへの入口です。 ログイン画面には、ユーザー名とパスワードを入力するフィールドがあります。ログイン画面の「オプション」メニューには、セッションで使用する言語を選択するなどのログインオプションがあります。

セッションは、ログインすると開始されます。ログインマネージャがユーザー名とパスワードを認証すると、セッションマネージャが起動します。セッションマネージャはセッションを管理します。たとえば、一番最後のセッションの状態を保存し、次回ログインしたときに、そのセッションから開始することができます。セッションマネージャは次のものを保存し復元します。

デスクトップセッションにログインする

セッションにログインするには、次の操作を実行します。

  1. 「オプション」->「セッション」を選択します。 利用可能なデスクトップ環境のリストから GNOME デスクトップを選びます。

  2. 「ログインマネージャ」ダイアログのフィールドにログイン名を入力して、「了解」をクリックします。

  3. 「ログインマネージャ」ダイアログのフィールドにパスワードを入力して、「了解」をクリックします。

正常にログインできると、セッションマネージャがセッションを開始します。初めてセッションにログインする場合、セッションマネージャは新しいセッションを開始します。以前にログインしていた場合は、セッションマネージャは以前のセッションを復元します。

異なる言語でセッションを開始する

異なる言語でセッションを開始するには、次の操作を実行します。

  1. ログインダイアログで、「オプション」-> 「セッション」を選択します。利用可能なデスクトップ環境のリストから GNOME デスクトップを選びます。

  2. ログインダイアログで、「オプション」-> 「言語」を選択します。

  3. ログインしたい言語が含まれる言語グループを選択します。

  4. 言語を選択します。

  5. ログインします。

システム管理者は、システムのデフォルトの言語を設定します。ほかの言語には、「ログインマネージャ」ダイアログの「オプション」メニューからアクセスできます。「オプション」メニューで言語を選択すると、システムはそのセッションの LANG 変数を設定します。システムはセッションの終了時にデフォルトの言語に戻します。

スクリーンロック

この節では、スクリーンロックとスクリーンセーバーの設定方法について説明します。

スクリーンロックする

スクリーンロック機能を表すロックアイコンのイメージを示しています。

スクリーンロックするには、次のいずれかの操作を実行します。

スクリーンロックすると、スクリーンセーバーが起動します。スクリーンロックを解除するには、マウスを動かして、「スクリーンロック」ダイアログを表示します。ユーザー名とパスワードを「スクリーンロック」ダイアログに入力して、Return キーを押します。


注 –

正しくスクリーンロックするには、スクリーンセーバーを有効に設定しておく必要があります。


スクリーンセーバーを設定する

スクリーンセーバーは、画面が使用されていないときに、画面の画像の代わりに使用されるアプリケーションです。スクリーンセーバーは、次の方法で使用できます。

スクリーンセーバーを設定するには、次の手順を実行します。

  1. 「ロック」ボタンを右クリックして、ポップアップメニューから「設定」を選択します。 「XScreenSaver」ダイアログが表示されます。

    パネルに「ロック」ボタンがない場合は、ボタンをパネルに追加できます。「ロック」ボタンを追加するには、そのパネルで右クリックします。「パネルに追加」-> 「ロックボタン」を選択します。

  2. スクリーンセーーバを設定するには、「表示モード」タブ内の要素を使用します。 次の表に、「表示モード」タブセクションのダイアログ要素を示します。

    設定 

    機能 

    「モード」

    ドロップダウンリストを使用して、スクリーンセーバーの動作を指定する。次のオプションから選択する  

    • 「スクリーンセーバーを無効化にする」: スクリーンセーバーを使用しない場合に選択する

    • 「ブランク・スクリーンのみ」: 画面をロックしたときに、画面を空白にする場合に選択する

    • 「1 つのスクリーンセーバーのみ」: 画面をロックしたときに、ディスプレイリストから、単一のスクリーンセーバーディスプレイを表示する場合に選択する

    • 「ランダムなスクリーンセーバー」: 画面をロックしたときに、ディスプレイリストから無作為に選択したスクリーンセーバーディスプレイを表示する場合に選択する

    ディスプレイリスト 

    リストから希望のスクリーンセーバーディスプレイを選択する 

    「XScreenSaver の起動」

    最後にマウスまたはキーボードを使用してから、スクリーンセーバーを起動するまでの待ち時間を指定する 

    「繰り返す周期」

    あるスクリーンセーバーの表示から次のスクリーンセーバーの表示までの時間を指定する 

    「画面ロックの起動」

    スクリーンセーバーが起動したあと、スクリーンロックする場合に選択する。スピンボックスを使用して、スクリーンセーバーの起動とスクリーンロックまでの遅延時間を指定する 

    「プレビュー」

    このボタンをクリックすると、スクリーンセーバーディスプレイリストで選択したスクリーンセーバーディスプレイをプレビューできる。プレビューを停止するには、任意のキーを押すか、マウスボタンをクリックする 

    「設定」

    このボタンをクリックすると、スクリーンセーバーディスプレイリストで選択したスクリーンセーバーディスプレイのオプションを表示できる 

  3. 拡張機能を設定するには、「拡張」タブをクリックします。次の表に、「 拡張」タブセクションのダイアログ要素を示します。

    設定 

    機能 

    「デスクトップ画像を操作対象にする」

    一部のスクリーンセーバーでは、デスクトップのスクリーンショットを撮ることができるため、そのスクリーンショットを使用してスクリーンセーバーディスプレイを作成できる。スクリーンセーバーでデスクトップのスクリーンショットを撮る場合は、このオプションを選択する 

    「ビデオ入力を操作対象にする」

    一部のスクリーンセーバーでは、ビデオのフレームを取り込めるため、取り込んだ画像を使用してスクリーンセーバーディスプレイを作成できる。システムにビデオキャプチャカードがある場合、このオプションを選択すると、スクリーンセーバーでビデオのフレームを取り込むことができる 

    「画像をランダムに選択」

    指定したディレクトリ内の画像をスクリーンセーバーに使用する場合に選択する。ディレクトリのパスをフィールドに入力する。または、「参照」をクリックしてダイアログを表示し、ディレクトリを選択する

    「診断情報」

    スクリーンセーバーの診断情報を表示する場合に選択する 

    「サブプロセスのエラーを表示する」

    画面上のスクリーンセーバーのサブプロセスに関連するエラーを表示する場合に選択する 

    「起動時にスプラッシュスクリーンを表示する」

    Xscreensaver を開始したときに、Xscreensaver が「スプラッシュ」ダイアログを表示するようにする場合に選択する

    「パワーマネージメントを有効にする」

    モニタの電源管理機能を有効にする場合に選択する。電源管理機能は、モニタを使用していないときの電力消費を削減する 

    「スタンバイ」

    モニタが予備モードになるまでの時間を指定する。モニタが待機モードになると、画面は空白になる 

    「サスペンド」

    モニタが省電力モードになるまでの時間を指定する 

    「電源 OFF」

    モニタの電源を切るまでの時間を指定する 

    「カラーマップをインストールする」

    スクリーンセーバーがアクティブのとき、専用のカラーマップをインストールする場合に選択する。専用のカラーマップを使用することで、特定のスクリーンセーバーディスプレイの画像品質を改善できる 

    「スクリーンセーバーをフェードインする」

    スクリーンセーバーを起動するときに、徐々に黒の画面を表示したい場合に選択する 

    「スクリーンセーバーをフェードアウトする」

    スクリーンセーバーを停止するときに、表示を徐々に黒から画面の内容へ表示したい場合に選択する 

    「フェードする時間」

    スクリーンセーバーを起動するときに、黒にフェードする時間を指定します 

  4. 「ウィンドウを閉じる」 ウィンドウフレームボタンをクリックして、「XScreenSaver」ダイアログを閉じます。

セッションの管理

デスクトップのセッション管理を設定するには、「アプリケーション」-> 「デスクトップ設定」-> 「拡張設定」-> 「セッション」を選択します。セッション設定ツールは、アプリケーションの形式を次のように認識します。

ログインおよびログアウト時のセッションの動作を定義する

ログインおよびログアウト時のセッションの動作を定義するには、「アプリケーション」-> 「デスクトップ設定」-> 「拡張設定」-> 「セッション」を選択します。「セッションのオプション」タブセクションで、必要な変更を行います。たとえば、ログイン時にスプラッシュ画面を表示するように選択できます。

スタートアップを使用する

セッションは、非セッション管理のアプリケーションで開始するように設定できます。非セッション管理のスタートアップを設定するには、「アプリケーション」-> 「デスクトップ設定」-> 「拡張設定」-> 「セッション」を選択します。アプリケーションの追加、編集、および削除には、「自動起動プログラム」タブセクションを使用します。設定を保存し、ログアウトすると、次回ログインしたときにスタートアップが自動的に起動されます。

現在のセッションでアプリケーションをブラウズする

現在のセッションでアプリケーションをブラウズするには、「アプリケーション」-> 「デスクトップ設定」-> 「拡張設定」-> 「セッション」を選択します。「現在のセッション」タブセクションには、次の項目がリストされてます。

「現在のセッション」タブセクションを使用して、アプリケーションまたは設定ツールのセッション設定で操作 (数に制限あり) を実行できます。たとえば、起動順序を編集したり、リストに載っているすべての GNOME アプリケーションまたはデスクトップ設定ツールのスタイルを再設定できます。

セッション設定を保存する

セッションの設定を保存するには、次の手順を行います。

  1. セッションの終了時に、自動的に設定を保存するようにセッションを設定します。セッションを設定するには、 「アプリケーション」-> 「デスクトップ設定」-> 「拡張設定」-> 「セッション」を選択します。セッション設定ツールが起動します。「セッションのオプション」タブセクションの「変更を自動的にセッションに保存する」オプションを選択します。

  2. セッションを終了します。

「変更を自動的にセッションに保存する」オプションを選択しない場合、ログアウトしたときに、現在の設定を保存するかどうかを問うダイアログが表示されます。設定を保存するには、このオプションを選択してからログアウトします。

セッションの終了

ログアウトアイコンを示しています。

セッションを終了するには、現在アクティブなプロセスをすべて閉じ、次のいずれかの操作を実行します。

セッションを終了する前に、現在の設定を保存しておくと、次回ログインしたときに、セッションを復元できます。ログアウト処理中に、現在の設定を保存するかどうかを問うダイアログが表示されます。セッション設定ツールでは、現在の設定を自動的に保存するオプションを選択できます。