このセクションでは、グローバルクラスタやゾーンクラスタ全体の管理作業を実行する方法を説明します。次の表に、これらの管理作業と、関連する手順を示します。Solaris 10 OS の場合、クラスタの管理作業は通常は大域ゾーンで行います。ゾーンクラスタを管理するには、そのゾーンクラスタをホストするマシンが 1 台以上クラスタモードで起動していることが必要です。すべてのゾーンクラスタノードが起動し動作している必要はありません。現在クラスタ外にあるノードがクラスタに再結合すると、構成の変更点が Sun Cluster によって再現されます。
この章での phys-schost# は、グローバルクラスタのプロンプトを表します。clzonecluster の対話型シェルプロンプトは clzc:schost> です。
表 8–1 作業リスト : クラスタの管理
作業 |
参照先 |
---|---|
クラスタ名を変更 | |
ノード ID およびそれらの対応するノード名の一覧の表示 | |
クラスタへの新しいノードの追加を許可または拒否 | |
Network Time Protocol (NTP) を使用してクラスタの時刻を変更 | |
ノードを停止し、SPARC ベースのシステムでは OpenBoot PROM ok プロンプト、x86 ベースのシステムでは GRUB メニューで「Press any key to continue」というメッセージを表示 | |
ホスト名を非公開にする | |
クラスタノードを保守状態に変更 | |
クラスタノードを保守状態から復帰 | |
ノードをクラスタに追加 | |
ノードをクラスタから削除 | |
ゾーンクラスタの移動と、アプリケーション用のゾーンクラスタの準備 | |
ノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールします。 | |
エラーメッセージの修正 |
必要に応じて、初期インストール後にクラスタ名を変更できます。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
グローバルクラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。
clsetup ユーティリティーを起動します。
phys-schost# clsetup |
メインメニューが表示されます。
クラスタ名を変更するには、クラスタその他のプロパティーのオプションに対応する番号を入力します。
「クラスタその他のプロパティー」メニューが表示されます。
メニューから選択を行って、画面の指示に従います。
Sun Cluster のサービスタグに新しいクラスタ名を反映させる場合は、既存の Sun Cluster タグを削除してクラスタを再起動します。Sun Cluster サービスタグインスタンスを削除するには、クラスタ内のすべてのノードで次のサブステップを完了します。
次の例に、新しいクラスタ名 dromedary へ変更するために、clsetup(1CL) ユーティリティーから生成される cluster(1CL) コマンドを示します。
phys-schost# cluster -c dromedary |
Sun Cluster のインストール中、ノードにはそれぞれ一意のノード ID 番号が自動で割り当てられます。このノード ID 番号は、最初にクラスタに加わったときの順番でノードに割り当てられます。ノード ID 番号が割り当てられたあとでは、番号は変更できません。ノード ID 番号は、通常、エラーメッセージが発生したクラスタノードを識別するために、エラーメッセージで使用されます。この手順を使用し、ノード ID とノード名間のマッピングを判別します。
グローバルクラスタまたはゾーンクラスタ用の構成情報を表示するために、スーパーユーザーになる必要はありません。グローバルクラスタのノードから、このプロシージャーの 1 ステップが実行されます。他のステップはゾーンクラスタノードから実行されます。
clnode(1CL) コマンドを使用して、グローバルクラスタに対するクラスタ構成情報を一覧表示します。
phys-schost# clnode show | grep Node |
1 つのゾーンクラスタに対して、複数のノード ID を一覧表示することも可能です。ゾーンクラスタノードは、実行中のグローバルクラスタノードと同じノード ID を持っています。
phys-schost# zlogin sczone clnode -v | grep Node |
次の例は、グローバルクラスタに対するノード ID の割り当てを示しています。
phys-schost# clnode show | grep Node === Cluster Nodes === Node Name: phys-schost1 Node ID: 1 Node Name: phys-schost2 Node ID: 2 Node Name: phys-schost3 Node ID: 3 |
Sun Cluster では、新しいノードをグローバルクラスタに追加できるようにするかどうかと、使用する認証の種類を指定できます。パブリックネットワーク上のクラスタに加わる新しいノードを許可したり、新しいノードがクラスタに加わることを拒否したり、クラスタに加わるノードを特定できます。新しいノードは、標準 UNIX または Diffie-Hellman (DES) 認証を使用し、認証することができます。DES 認証を使用して認証する場合、ノードが加わるには、すべての必要な暗号化鍵を構成する必要があります。詳細は、keyserv(1M) と publickey(4) のマニュアルページを参照してください。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
グローバルクラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。
clsetup(1CL) ユーティリティーを起動します。
phys-schost# clsetup |
メインメニューが表示されます。
クラスタ認証で作業するため、新規ノードのオプションに対応する番号を入力します。
「新規ノード」メニューが表示されます。
メニューから選択を行って、画面の指示に従います。
clsetup ユーティリティにより、claccess コマンドを生成します。次の例は、新しいマシンがクラスタに追加されないようにする claccess コマンドを示しています。
phys-schost# claccess deny -h hostname |
clsetup ユーティリティにより、claccess コマンドを生成します。次の例は、すべての新しいマシンをクラスタに追加できるようにする claccess コマンドを示しています。
phys-schost# claccess allow-all |
clsetup ユーティリティにより、claccess コマンドを生成します。次の例は、1 台の新しいマシンをクラスタに追加できるようにする claccess コマンドを示しています。
phys-schost# claccess allow -h hostname |
clsetup ユーティリティにより、claccess コマンドを生成します。次の例は、クラスタに参加している新規ノードの標準 UNIX 認証に対し、リセットを行う claccess コマンドを示しています。
phys-schost# claccess set -p protocol=sys |
clsetup ユーティリティにより、claccess コマンドを生成します。次の例は、クラスタに参加している新規ノードの DES 認証を使用する claccess コマンドを示しています。
phys-schost# claccess set -p protocol=des |
DES 認証を使用する場合、クラスタにノードが加わるには、すべての必要な暗号化鍵を構成します。詳細は、keyserv(1M) と publickey(4)のマニュアルページを参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアは、Network Time Protocol (NTP) を使用し、クラスタノード間で時刻を同期させています。グローバルクラスタの時刻の調整は、ノードが時刻を同期するときに、必要に応じて自動的に行われます。詳細は、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』および『Network Time Protocol User's Guide』を参照してください。
NTP を使用する場合、クラスタの稼動中はクラスタの時刻を調整しないでください。date(1)、rdate(1M)、xntpd(1M)、svcadm(1M) などのコマンドを、対話的に使用したり、cron(1M) スクリプト内で使用して時刻を調整しないでください。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
グローバルクラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。
グローバルクラスタを停止します。
phys-schost# cluster shutdown -g0 -y -i 0 |
SPARC ベースのシステムではノードが ok プロンプトを表示し、x86 ベースのシステムでは GRUB メニューで「Press any key to continue」というメッセージが表示されていることを確認します。
非クラスタモードでノードを起動します。
SPARC ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
ok boot -x |
x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
# shutdown -g -y -i0 Press any key to continue |
GRUB メニューで矢印キーを使用して該当する Solaris エントリを選択し、e と入力してコマンドを編集します。
GRUB メニューは次のようになっています。
GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory) +-------------------------------------------------------------------------+ | Solaris 10 /sol_10_x86 | | Solaris failsafe | | | +-------------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line. |
GRUB ベースの起動についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「GRUB を使用して x86 システムをブートする (作業マップ)」を参照してください。
ブートパラメータの画面で、矢印キーを使用してカーネルエントリを選択し、e を入力してエントリを編集します。
GRUB ブートパラメータの画面は、次のような画面です。
GNU GRUB version 0.95 (615K lower / 2095552K upper memory) +----------------------------------------------------------------------+ | root (hd0,0,a) | | kernel /platform/i86pc/multiboot | | module /platform/i86pc/boot_archive | +----------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the selected line, or escape to go back to the main menu. |
コマンドに -x を追加して、システムを非クラスタモードで起動するように指定します。
[ Minimal BASH-like line editing is supported. For the first word, TAB lists possible command completions. Anywhere else TAB lists the possible completions of a device/filename. ESC at any time exits. ] grub edit> kernel /platform/i86pc/multiboot -x |
Enter キーを押して変更を受け入れ、ブートパラメータの画面に戻ります。
画面には編集されたコマンドが表示されます。
GNU GRUB version 0.95 (615K lower / 2095552K upper memory) +----------------------------------------------------------------------+ | root (hd0,0,a) | | kernel /platform/i86pc/multiboot -x | | module /platform/i86pc/boot_archive | +----------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the selected line, or escape to go back to the main menu.- |
b と入力して、ノードを非クラスタモードで起動します。
カーネル起動パラメータコマンドへのこの変更は、システムを起動すると無効になります。次にノードを再起動する際には、ノードはクラスタモードで起動します。クラスタモードではなく、非クラスタモードで起動するには、これらの手順を再度実行して、カーネル起動パラメータコマンドに -x オプションを追加します。
単一のノードで、date コマンドを実行して時刻を設定します。
phys-schost# date HHMM.SS |
ほかのマシンで、rdate(1M) コマンドを実行し、時刻をこのノードに同期化します。
phys-schost# rdate hostname |
各ノードを起動し、クラスタを再起動します。
phys-schost# reboot |
すべてのクラスタノードで変更が行われたことを確認します。
各ノードで、date コマンドを実行します。
phys-schost# date |
OpenBoot™ PROM 設定を構成または変更する必要がある場合は、この手順を使用します。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
停止するノード上でコンソールに接続します。
# telnet tc_name tc_port_number |
端末集配信装置 (コンセントレータ) の名前を指定します。
端末集配信装置のポート番号を指定します。ポート番号は構成に依存します。通常、ポート 2 (5002) と ポート 3 (5003) は、サイトで最初に設置されたクラスタで使用されています。
clnode evacuate コマンドを使用してから、shutdown コマンドを使用することで、クラスタノードを正常に停止します。clnode evacuate コマンドは、すべてのデバイスグループを、指定ノードから次に優先されるノードに切り替えます。またこのコマンドは、グローバルクラスタ内の指定された投票ノードまたは非投票ノードから、次に優先される投票ノードまたは非投票ノードに、すべてのリソースグループを切り替えます。
phys-schost# clnode evacuate node # shutdown -g0 -y |
クラスタノードを停止する場合は、クラスタコンソール上で send brk を使用してはいけません。
OBP コマンドを実行します。
このプロシージャーを使用して、インストール終了後にクラスタノードのプライベートホスト名を変更します。
デフォルトのプライベートホスト名は、クラスタの初期インストール時に割り当てられます。デフォルトのプライベートホスト名の形式は、clusternode<nodeid>-priv です (clusternode3-priv など)。名前がすでにドメイン内で使用されている場合にかぎり、プライベートホスト名を変更します。
新しいプライベートホスト名には IP アドレスを割り当てないでください。クラスタソフトウェアが IP アドレスを割り当てます。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
クラスタ内のすべてのノード上で、プライベートホスト名をキャッシュする可能性があるデータサービスリソースやアプリケーションをすべて無効にします。
phys-schost# clresource disable resource[,...] |
無効にするアプリケーションには次のようなものがあります。
HA-DNS と HA-NFS サービス (構成している場合)
プライベートホスト名を使用するためにカスタム構成されたアプリケーション
クライアントがプライベートインターコネクト経由で使用しているアプリケーション
clresource コマンドの使用に関する詳細は、clresource(1CL) のマニュアルページおよび『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。
NTP 構成ファイルが、変更しようとするプライベートホスト名を参照している場合、クラスタの各ノード上で Network Time Protocol (NTP) デーモンを停止します。
SPARC: Solaris 9 OS を使用している場合は、xntpd コマンドを使用して NetworkTime Protocol (NTP) デーモンを停止してください。NTP デーモンについての詳細は、xntpd(1M) のマニュアルページを参照してください。
phys-schost# /etc/init.d/xntpd.cluster stop |
Solaris 10 OS を使用している場合は、svcadm コマンドを使用して NetworkTime Protocol (NTP) デーモンを停止してください。NTP デーモンについての詳細は、svcadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
phys-schost# svcadm disable ntp |
clsetup(1CL) ユーティリティーを実行して、適切なノードのプライベートホスト名を変更します。
クラスタ内の 1 つのノードでのみユーティリティーを実行します。
新しいプライベートホスト名を選択するときには、その名前がクラスタノード内で一意であることを確認してください。
プライベートホスト名用のオプションに対応する番号を入力します。
プライベートホスト名を変更するためのオプションに対応する番号を入力します。
表示される質問に答えます。変更しようとしているプライベートホスト名のノード名 (clusternode<nodeid> -priv) および新しいプライベートホスト名を入力してください。
ネームサービスキャッシュをフラッシュします。
クラスタの各ノードで次の手順を実行します。フラッシュすることによって、クラスタアプリケーションとデータサービスが古いプライベートホスト名にアクセスしないようにします。
phys-schost# nscd -i hosts |
NTP 構成ファイルでプライベートホスト名を変更した場合、各ノード上で NTP 構成ファイル (ntp.conf または ntp.conf.cluster) を更新します。
任意のエディタを使用してください。
この手順をインストール時に行う場合は、構成するノードの名前を削除する必要があります。デフォルトのテンプレートには 16 のノードが事前構成されています。通常 ntp.conf.cluster ファイルは各クラスタノード上で同じです。
すべてのクラスタノードから新しいプライベートホスト名に ping を実行できることを確認します。
NTP デーモンを再起動します。
クラスタの各ノードで次の手順を実行します。
SPARC: Solaris 9 OS を使用している場合は、xntpd コマンドを使用して NTP デーモンを再起動してください。
ntp.conf.cluster ファイルを使用している場合は、次のように入力します。
# /etc/init.d/xntpd.cluster start |
ntp.conf ファイルを使用している場合は、次のように入力します。
# /etc/init.d/xntpd start |
Solaris 10 OS を使用している場合は、svcadm コマンドを使用して NTP デーモンを再起動してください。
# svcadm enable ntp |
手順 1 で無効にしたデータサービスリソースとそのほかのアプリケーションをすべて有効にします。
phys-schost# clresource disable resource[,...] |
scswitch コマンドの使用に関する詳細は、clresource(1CL) のマニュアルページおよび『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。
次に、ノード phys-schost-2 上のプライベートホスト名 clusternode2-priv を clusternode4-priv に変更する例を示します。
[Disable all applications and data services as necessary.] phys-schost-1# /etc/init.d/xntpd stop phys-schost-1# clnode show | grep node ... private hostname: clusternode1-priv private hostname: clusternode2-priv private hostname: clusternode3-priv ... phys-schost-1# clsetup phys-schost-1# nscd -i hosts phys-schost-1# vi /etc/inet/ntp.conf ... peer clusternode1-priv peer clusternode4-priv peer clusternode3-priv phys-schost-1# ping clusternode4-priv phys-schost-1# /etc/init.d/xntpd start [Enable all applications and data services disabled at the beginning of the procedure.] |
インストール完了後、グローバルクラスタ上の非投票ノードのプライベートホスト名を追加するには、次の手順を使用します。この章の手順の phys-schost# は、グローバルクラスタプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上のみで実行します。
clsetup(1CL) ユーティリティーを実行して、適切なゾーンにプライベートホスト名を追加します。
phys-schost# clsetup |
プライベートホスト名のオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。
ゾーンプライベートホスト名を追加するためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。
表示される質問に答えます。グローバルクラスタの非投票ノードには、デフォルトのプライベートホスト名はありません。ホスト名を入力する必要があります。
インストール完了後、非投票ノードのプライベートホスト名を変更するには、次の手順を使用します。
プライベートホスト名は、クラスタの初期インストール時に割り当てられます。プライベートホスト名の形式は、clusternode<nodeid>-priv です (clusternode3-priv など)。名前がすでにドメイン内で使用されている場合にかぎり、プライベートホスト名を変更します。
新しいプライベートホスト名には IP アドレスを割り当てないでください。クラスタソフトウェアが IP アドレスを割り当てます。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
グローバルクラスタ内のすべてのノード上で、プライベートホスト名をキャッシュする可能性があるデータサービスリソースやアプリケーションをすべて無効にします。
phys-schost# clresource disable resource1, resource2 |
無効にするアプリケーションには次のようなものがあります。
HA-DNS と HA-NFS サービス (構成している場合)
プライベートホスト名を使用するためにカスタム構成されたアプリケーション
クライアントがプライベートインターコネクト経由で使用しているアプリケーション
clresourceコマンドの使用に関する詳細は、clresource(1CL) のマニュアルページおよび『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。
clsetup(1CL) ユーティリティーを実行して、グローバルクラスタ上の適切な非投票ノードのプライベートホスト名を変更します。
phys-schost# clsetup |
この手順は、クラスタ内の 1 つのノードからのみ実行する必要があります。
新しいプライベートホスト名を選択するときには、その名前がクラスタ内で一意であることを確認してください。
プライベートホスト名のオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。
ゾーンプライベートホスト名を追加するためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。
グローバルクラスタのプライベートホスト名の非投票ノードには、デフォルトは存在しません。ホスト名を入力する必要があります。
ゾーンプライベートホスト名を変更するためのオプションに対応する番号を入力します。
表示される質問に答えます。ここでは、プライベートホスト名を変更する非投票ノードの名前 (clusternode<nodeid> -priv) と新しいプライベートホスト名を入力してください。
ネームサービスキャッシュをフラッシュします。
クラスタの各ノードで次の手順を実行します。フラッシュすることによって、クラスタアプリケーションとデータサービスが古いプライベートホスト名にアクセスしないようにします。
phys-schost# nscd -i hosts |
手順 1 で無効にしたデータサービスリソースとそのほかのアプリケーションをすべて有効にします。
グローバルクラスタ上の非投票ノードのプライベートホスト名を削除するには、次の手順を使用します。この手順は、グローバルクラスタ上のみで実行します。
clsetup(1CL) ユーティリティーを実行して、適切なゾーン上のプライベートホスト名を削除します。
ゾーンのプライベートホスト名用のオプションに対応する番号を入力します。
ゾーンプライベートホスト名を削除するためのオプションに対応する番号を入力します。
削除する非投票ノードのプライベートホスト名の名前を入力します。
サービスからグローバルクラスタノードを長時間はずす場合は、そのノードを保守状態にします。保守状態のノードは、サービス対象中に定足数確立の投票に参加しません。クラスタノードを保守状態にするには、clnode(1CL) evacuate および cluster(1CL) shutdown コマンドを使用して、ノードを停止しておく必要があります。
ノードを 1 つだけ停止する場合は、Solaris の shutdown コマンドを使用します。クラスタ全体を停止する場合にだけ、 cluster shutdown コマンドを使用します。
クラスタノードが停止されて保守状態になると、そのノードのポートで構成されるすべての定足数デバイスの、定足数投票数 (quorum vote count) が 1 つ減ります。このノードが保守状態から移動してオンラインに戻されると、ノードおよび定足数デバイスの投票数は 1 つ増えます。
クラスタノードを保守状態にするには、clquorum(1CL) disable コマンドを使用します。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
保守状態にするグローバルクラスタノード上で、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。
すべてのリソースグループとデバイスグループをノードから退避します。clnode evacuate コマンドは、すべての非投票ノードを含むすべてのリソースグループとデバイスグループを、指定ノードから次に優先されるノードに切り替えます。
phys-schost# clnode evacuate node |
退避させたノードを停止します。
phys-schost# shutdown -g0 -y-i 0 |
クラスタ内の別のノード上で、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になり、手順 3 で停止したノードを保守状態にします。
phys-schost# clquorum disable node |
保守モードにするノードの名前を指定します。
グローバルクラスタノードが保守状態にあることを確認します。
phys-schost# clquorum status node |
保守状態にしたノードの Status は offline で、その Present と Possible の定足数投票数は 0 (ゼロ) である必要があります。
次に、クラスタノードを保守状態にして、その結果を確認する例を示します。clnode status の出力では、phys-schost-1 のノードの Node votes は 0 (ゼロ) で、その状態は Offline です。Quorum Summary では、投票数も減っているはずです。構成によって異なりますが、Quorum Votes by Device の出力では、いくつかの定足数ディスクデバイスもオフラインである可能性があります。
[On the node to be put into maintenance state:] phys-schost-1# clnode evacuate phys-schost-1 phys-schost-1# shutdown -g0 -y -i0 [On another node in the cluster:] phys-schost-2# clquorum disable phys-schost-1 phys-schost-2# clquorum status phys-schost-1 -- Quorum Votes by Node -- Node Name Present Possible Status --------- ------- -------- ------ phys-schost-1 0 0 Offline phys-schost-2 1 1 Online phys-schost-3 1 1 Online |
ノードをオンライン状態に戻す方法については、「ノードを保守状態から戻す」を参照してください。
次の手順を使用して、グローバルクラスタノードをオンラインに戻し、定足数投票数をリセットしてデフォルト設定に戻します。クラスタノードのデフォルトの投票数は 1 です。定足数デバイスのデフォルトの投票数は N-1 です。N は、投票数が 0 以外で、定足数デバイスが構成されているポートを持つノードの数を示します。
ノードが保守状態になると、そのノードの投票数は 1 つ減ります。また、このノードのポートに構成されているすべての定足数デバイスの投票数も (1 つ) 減ります。投票数がリセットされ、ノードが保守状態から戻されると、ノードの投票数と定足数デバイスの投票数の両方が 1 つ増えます。
保守状態にしたグローバルクラスタノードを保守状態から戻した場合は、必ずこの手順を実行してください。
globaldev または node オプションのどちらも指定しない場合、定足数投票数はクラスタ全体でリセットされます。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。
グローバルクラスタの、保守状態のノード以外の任意のノード上で、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。
グローバルクラスタ構成内にあるノードの数に応じて、次の手順のいずれかを実行します。
保守状態から解除するノードに定足数デバイスがある場合は、保守状態にあるノード以外のノードからクラスタ定足数のカウントをリセットします。
保守状態ではないノードの定足数投票数をリセットするのは、そのノードを再起動する前である必要があります。そうしないと、定足数の確立を待機中にハングアップすることがあります。
phys-schost# clquorum reset |
定足数をリセットする変更フラグです。
保守状態を解除するノードを起動します。
定足数投票数を確認します。
phys-schost# clquorum status |
保守状態を解除したノードの状態は online であり、Present と Possible の定足数投票数は適切な値である必要があります。
次に、クラスタノードの定足数投票数をリセットして、その定足数デバイスをデフォルトに戻し、その結果を確認する例を示します。scstat -q の出力では、phys-schost-1 の Node votes は 1 であり、その状態は online です。Quorum Summary では、投票数も増えているはずです。
phys-schost-2# clquorum reset |
SPARC ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
ok boot |
x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。
GRUB メニューが表示された時点で、適切な Solaris エントリを選択し Enter キーを押します。GRUB メニューは次のようになっています。
GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory) +-------------------------------------------------------------------------+ | Solaris 10 /sol_10_x86 | | Solaris failsafe | | | +-------------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line. |
phys-schost-1# clquorum status --- Quorum Votes Summary --- Needed Present Possible ------ ------- -------- 4 6 6 --- Quorum Votes by Node --- Node Name Present Possible Status --------- ------- -------- ------ phys-schost-2 1 1 Online phys-schost-3 1 1 Online --- Quorum Votes by Device --- Device Name Present Possible Status ----------- ------- -------- ------ /dev/did/rdsk/d3s2 1 1 Online /dev/did/rdsk/d17s2 0 1 Online /dev/did/rdsk/d31s2 1 1 Online ` |