この節では、主要な製品マニュアルに含まれていない最新の情報を示します。次の項目について説明します。
このリリースをインストールするには、まず Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q4 をインストールしてから、ご使用のオペレーティングシステム用のパッチを適用して、このリリースにアップグレードする必要があります。パッチは SunSolve Online から入手できます。
SolarisTM (SPARC ®) – 118789-13、118786-11、120841–01 (ローカリゼーション用)
SolarisTM (x86) – 118790-13、118787-11、120841–01 (ローカリゼーション用)
Linux – 118791-13、118788-11、120842–01 (ローカリゼーション用)
(問題番号: 6365694) ユーザープロパティーを LDAP に格納する場合は、configure ユーティリティーを実行する前に、Sun Java System Access Manager をインストールする必要があります。
『Instant Messaging インストールガイド』はなくなりました。Instant Messaging 7 2006Q1 を初めてインストールする場合は、『Sun Java System Enterprise System インストールガイド』でインストール方法を参照してください。Instant Messaging の以前のリリースからアップグレードする場合は、『Sun Java System アップグレードと移行』で手順を参照してください。
(問題番号: 6339952、Linux のみ) Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q4 からこのリリースにアップグレードする予定で、ユーザープロパティーを格納するファイルをデフォルトの場所で使用している場合 (iim.userprops.store = "file")、アップグレードする前にユーザーデータを /var/opt/sun/im/db から /var/opt/sun/im/default/db にコピーすることが必要です。
Instant Messaging の設定時に、Sun Java System Identity Server を使用してポリシーを保存するように選択すると、次のようなポリシーが作成されます。
Instant Messaging サービスおよび Presence サービスの管理権限
Instant Messaging の設定変更権限
Instant Messaging 会議室の管理権限
『Sun Java System Instant Messaging 7 2006Q1 Administration Guide』は英語版でのみ入手できます。このマニュアルは、このリリースでは地域対応されていません。
Instant Messenger 7 2006Q1 には 7 2006Q1 サーバーが必要です。サーバー間通信は、サーバーのリリース 7 2005Q4 と7 2006Q1 とで互換性があります。iim.conf のサーバー設定を変更する必要はなく、ほかのサーバー関連のデータを移行する必要もありません。『Sun Java Enterprise System 2005Q4 Upgrade and Migration Guide』も参照してください。
Instant Messaging をサーバープールが設定されている環境に配備するときの調整とパフォーマンス、およびガベージコレクションの最適化に役立つ情報を、次の節で説明します。
この情報は、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Deployment Planning Guide』とともに使用するようにしてください。
サーバープールの配備では、サーバープール内の各 Instant Messaging サーバーをそれぞれ同じようにセットアップする必要があります。
Instant Messaging サーバーの実行には、パフォーマンスに優れ、人間工学機能のサポートによりコマンド行による調整を必要としない J2SE バージョン 5 を使用してください。このバージョンの Java の使用に関する詳細については、次の文書を参照してください。
Instant Messaging サーバーは、iim.conf の iim.jvm.maxmemorysize パラメータを使用して、割り当てる JVM ヒープの最大サイズを設定します。このパラメータのデフォルト値は 256M バイトですが、Instant Messaging のアクティブな大容量配備ではそれ以上のメモリーが必要になります。サーバープール内の Instant Messaging サーバーに割り当てるメモリーの容量は、サポートが必要となる並行アクティブユーザーの数によって異なります。サーバープール内の各 Instant Messaging サーバーに 256M バイトが必要となることに加えて、接続/アクティブ状態の各ユーザーが次のような操作を毎日実行する場合には、個々のユーザーにさらに 65K バイトが必要となります。
Presence 更新を 2 回
10 分間のチャットを 5 回
15 分間のマルチユーザー会議室を 1 回
ログアウトとログインを 1 回
ニュースやファイル転送といった Instant Messaging の追加サービスを使用したり、メッセージフィルタ、アーカイブ、SSL などの機能を使用することによりユーザーの作業負荷が増える場合には、消費するメモリーがさらに増えます。Instant Messaging を本稼働環境に配備する前に、標準的なユーザー活動のロードプロファイリングを行うようにしてください。Instant Messaging 配備のロードプロファイリングの詳細については、Sun サポートサービスにお問い合わせください。
Instant Messaging には、クライアントとサーバー間、およびサーバーとサーバー間での要求の受け渡しに使用するスレッドプールのサイズと動作を調整する、一連の設定オプションが備わっています。これらのスレッドプールと関連付けられたサービスポートとを組み合わせることで、Instant Messaging サーバーのスループットを向上させることができます。
| 
 オプション名  | 
 説明  | 
 デフォルト値  | 
|---|---|---|
| 
 iim_server.maxthreads  | 
 デフォルトスレッドプールの最大スレッド数。  | 
 20  | 
| 
 iim_server.threadpool  | 
 個々のスレッドプールのリスト。  | 
 (すべてがデフォルトスレッドプールを使用する。)  | 
| 
 iim_server.threadpool.capacity  | 
 デフォルトスレッドプールの容量 (*)。  | 
 10 * maxthreads  | 
| 
 iim_server.threadpool.aaa.maxthreads  | 
 指定したスレッドプール aaa の最大スレッド数: maxthreads(aaa)  | 
 4  | 
| 
 iim_server.threadpool.aaa.capacity  | 
 指定したスレッドプール aaa の容量。  | 
 10 * maxthreads(aaa)  | 
表 3 Instant Messaging 用に定義されているスレッドプール
| 
 名前  | 
 用途  | 
|---|---|
| 
 s2s-in  | 
 すべてのサーバー間インバウンド通信。ポートがサーバー間通信を許可する場合には、このスレッドプールが使用されます。  | 
| 
 s2s-out  | 
 すべてのサーバー間アウトバウンド通信。ポートがサーバー間通信を許可する場合には、このスレッドプールが使用されます。  | 
| 
 s2s  | 
 すべてのサーバー間通信、つまり s2s-in と s2s-out の和集合。  | 
「サービスポートの設定」 で説明されている手順にしたがって、定義したスレッドプールを関連付けられたサーバー専用のサービスポートで使用するよう指定することができます。
スレッドプールの容量を超えると、メッセージが標準エラーに出力されます。Instant Messaging サーバーは、要求の数がスレッドプール容量の値より少なくなるまで、スレッドプールに対する追加要求を受け入れません。この状況がサーバープール環境で発生した場合には、次の操作が必要となる可能性があります。
スレッドプールの容量を増やす
定義したスレッドプールを指定する
スレッドプールの maxthreads の数を調整する
サーバー専用のサービスポートを使用する
メモリーを増やすことが必要となる場合もある
サーバープール内でユーザーをより効率的に分散させる
!s2s thread pool iim_server.threadpool=s2s-in iim_server.threadpool.s2s-in.maxthreads=5  | 
サービスポートにはいくつもの設定オプションがあります。この節では、それらのオプションについて説明します。
| 
 オプション  | 
 定義  | 
 デフォルト値  | 
|---|---|---|
| 
 iim_server.useport  | 
 標準ポートを開く (StartTLS で可能)  | 
 true  | 
| 
 iim_server.usesslport  | 
 SSL ポートを開く (折衝不能 TLS)  | 
 false  | 
| 
 iim_server.usemuxport  | 
 マルチプレクサポートを開く  | 
 true  | 
| 
 iim_server.port  | 
 標準ポートのリスト  | 
 5269  | 
| 
 iim_server.sslport  | 
 SSL ポートのリスト  | 
 5270  | 
| 
 iim_mux.serverport  | 
 マルチプレクサポートのリスト  | 
 45222  | 
| 
 iim_server.port.port .sndbuf  | 
 ソケット send バッファーサイズ  | 
 なし  | 
| 
 iim_server.port.port .rcvbuf  | 
 ソケット recv バッファーサイズ  | 
 なし  | 
| 
 iim_server.port.port .interface  | 
 バインド先の個別ネットワークインターフェースのリスト  | 
 なし (任意)  | 
| 
 iim_server.port.port .protocol  | 
 このポート (クライアント、サーバー、コンポーネント、ピア) で許可されているプロトコルのリスト  | 
 all/any  | 
| 
 iim_server.port.port .nodelay  | 
 Nagles アルゴリズムを有効にする  | 
 false  | 
サービスポートのスループットは、ポートの送信または受信バッファーサイズを調整することによって向上する場合があります。
iim_server.port = 5269, 45269, 15222 iim_server.port.5269.protocol = server iim_server.port.45269.protocol = peer, component iim_server.port.45269.sndbuf= 512000 iim_server.port.45269.recvbuf= 512000 iim_server.port.15222.protocol = client  | 
(問題番号: 6279277) JRE のバージョン 1.4.2 と 1.5 でガベージコレクションの処理方法が異なるため、サーバーのホストでバージョン 1.4.2 のデフォルトガベージコレクションを使用した場合に、最適なパフォーマンスが得られない場合があります。この状況を修正するには、JRE のバージョンを 1.5 にアップグレードするか、またはサーバー起動時に次のコマンド行オプションを組み込むことができます。
-XX:+UseParallelGC  | 
JRE ガベージコレクションの詳細については、次を参照してください。
JRE 1.4.2 - Tuning Garbage Collection with the 1.4.2 Java Virtual Machine
JRE 1.5 – Tuning Garbage Collection with the 5.0 Java Virtual Machine
(問題番号: 6298156) オンラインヘルプに、会議室モデレータはメッセージを承認する前に編集可能であるという間違った記述があります。これは誤りです。会議室モデレータは、ほかのユーザーによって送信されたメッセージを編集できません。
(問題番号: 6279307) 連絡先グループからすべての連絡先を消去してからログアウトして再びログインすると、連絡先を消去した連絡先グループが削除されるということが、オンラインヘルプに記述されていません。
(問題番号: 5010947) マルチプレクサは DNS を直接照会し、getbyhostname を使用しないということを、マニュアルに記述すべきです。ホスト名の解決に DNS を使用しない場合は、iim.conf でホスト名の代わりに IP アドレスを使用できます。DNS を使用している場合、nsswitch.conf 内の hosts を次のようにして変更します。
hosts: files dns  |