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Sun ONE Directory Server インストールおよびチューニングガイド |
パフォーマンスをチューニングすることは、特定の導入要件を反映するためにデフォルトの設定を変更することを意味します。
このマニュアルでは、単一の Directory Server インスタンスをチューニングする方法について説明します。ここでの説明は、レプリケーショントポロジを含めたディレクトリサービス全体の設計がすでに完了され、ここに記載された情報を使って、その設計要件を満足できるように Directory Server インスタンスをチューニングすることを前提にしています。ディレクトリサービス全体の設計をまだ行なっていない場合は、『Sun ONE Directory Server Deployment Guide』を参照し、設計方法を確認してください。
パフォーマンスのチューニングには、表 3-1 に示すように、時間と労力をかけて検討することが必要です。
この章では、Directory Server インスタンスのほとんどのチューニングで該当する基本的な要件を一覧にして表示しています。ここで提示した要件は一般に有効なものですが、特定の導入に与える影響を理解しないまますぐに適用することは避けてください。この章はチェックリストとして使用されることを想定しています。内容を理解せずにそのまま使用しないでください。
- キャッシュサイズを調整します。
サーバーには、Directory Server で使用されるキャッシュをすべて保持するのに十分な利用可能物理メモリがあることが理想的です。この場合、エントリキャッシュにはディレクトリ内のすべてのエントリを保持するのに十分なサイズを設定し、データベースキャッシュにはすべてのインデックスを保持するのに十分なサイズを設定します。
詳細は、第 6 章「キャッシュサイズのチューニング」を参照してください。
- インデックスを最適化します。
- 不要なインデックスを削除し、予想される要求に対応するためのインデックスを追加します。
新しいアプリケーションからの要求をサポートするインデックスを追加する必要が生じる場合があります。Directory Server の実行中にインデックスを追加、削除、および修正することは可能ですが、既存のデータはその時点から時間経過に従って段階的にインデックスされるだけです。
詳細は、「利点: 検索でインデックスを使用する方法」と「コスト : 更新がインデックスに与える影響」を参照してください。
- インデックスされた検索だけを許可します。
インデックスされていない検索では、サーバーのパフォーマンスに強い悪影響を与えるおそれがあり、サーバーリソースを著しく消費する可能性があります。アプリケーションで実行する特定の検索をサポートするインデックスを追加し、インデックスされていない検索を拒否するようにサーバーで設定することを検討します。
詳細は、「インデックス検索だけを許可する」を参照してください。
- インデックスリストの最大長を調整します。
詳細は、「インデックスリストの長さを制限する」を参照してください。
- 基盤となるオペレーティングシステムをチューニングします。
詳細は、第 5 章「オペレーティングシステムのチューニング」を参照してください。
- 操作の上限を調整します。
操作の上限を調整すると、Directory Server で単一の操作に過度のリソースを割り当てることがなくなります。強化された機能を要求するクライアントアプリケーションに一意のバインド DN を割り当て、それらの一意のバインド DN に固有のリソース制限を設定することを検討します。
詳細は、第 9 章「その他のリソースの使用の管理」を参照してください。
- 不必要なログを無効にします。
ディスクアクセスは、メモリアクセスよりもかなり速度が遅いです。頻繁にディスクのログファイルに書き込むと、パフォーマンスに強い悪影響を与えるおそれがあります。可能ならば、アクセス、エラー、監査の各ログは、必要がないときにオフにして、ディスクに書き込まないようにします。少なくとも、別のコントローラを使用する別のディスクにログファイルを配置することで、ログの影響を減らすようにしてください。
詳細は、第 8 章「ログのチューニング」を参照してください。
- ディスク活動を分散させます。
特に大量の更新をサポートする導入の場合、Directory Server では大量のディスク I/O を集中的に使用します。可能ならば、別々のコントローラを使用する複数ディスクに負荷を分散させることを検討します。
詳細は、「ディスクサブシステムのサイジング」を参照してください。