この節では、Sun GlassFish Enterprise Server をインストールする前に満たしている必要のある要件を示します。
次の表に、Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 と互換性があるオペレーティングシステムを示します。サポートされているオペレーティングシステムはすべて、特に断らない限り、32 ビットです。64 ビットの JDK は、サポートされている 64 ビットのオペレーティングシステムでのみサポートされます。
表には、サポートされる各オペレーティングシステムの、必要最小限のバージョンが示されています。必要最小限のバージョンに対するサービスパックの更新もサポートされます。
オペレーティングシステム |
最小メモリー |
推奨メモリー |
最小ディスク容量 |
推奨ディスク容量 |
JVM |
---|---|---|---|---|---|
Sun Solaris 9、10 (SPARC) Solaris 9、10 (x86) |
512M バイト |
512M バイト |
250M バイトの空き領域 |
500M バイトの空き領域 |
J2SE 5.0 Java SE 6 |
64 ビット版 Sun Solaris 10 (SPARC、x86) |
512M バイト |
512M バイト |
250M バイトの空き領域 |
500M バイトの空き領域 |
J2SE 5.0 Java SE 6 |
Red Hat Enterprise Linux 3.0 Update 1、4.0、5.x |
512M バイト |
1G バイト |
250M バイトの空き領域 |
500M バイトの空き領域 |
J2SE 5.0 Java SE 6 |
64 ビット版 Red Hat Enterprise Linux 5.x |
512M バイト |
1G バイト |
250M バイトの空き領域 |
500M バイトの空き領域 |
J2SE 5.0 Java SE 6 |
SUSE Linux Enterprise Server 10 (SP1、SP2 もサポートされます) |
512M バイト |
1G バイト |
250M バイトの空き領域 |
500M バイトの空き領域 |
J2SE 5.0 Java SE 6 |
64 ビット版 SUSE Linux Enterprise Server 10 (SP1 もサポートされます) |
512M バイト |
1G バイト |
250M バイトの空き領域 |
500M バイトの空き領域 |
J2SE 5.0 Java SE 6 |
64 ビット版 SuSE Linux Enterprise Server 11 |
512Mバイト |
1G バイト |
250M バイトの空き領域 |
500M バイトの空き領域 |
J2SE 5.0 Java SE 6 |
Ubuntu Linux 8.04 (Hardy Release) 開発者プラットフォームとしてのみサポートされます。 |
512M バイト |
1G バイト |
250M バイトの空き領域 |
500M バイトの空き領域 |
J2SE 5.0 Java SE 6 |
AIX 5.2、5.3、6.1 |
512M バイト |
1G バイト |
250M バイトの空き領域 |
500M バイトの空き領域 |
J2SE 5.0 Java SE 6 |
Windows 2000 SP4 以降 Advanced Server SP4 以降 Windows Server 2003、2008 Windows XP Pro SP3 Windows Vista Windows 2008 |
1G バイト |
2G バイト |
500M バイトの空き領域 |
1G バイトの空き領域 |
J2SE 5.0 Java SE 6 |
Windows 7 開発者プラットフォームとしてのみサポートされます。 |
1G バイト |
2G バイト |
500M バイトの空き領域 |
1G バイトの空き領域 |
J2SE 5.0 Java SE 6 |
Macintosh OS 10.4、10.5 (Intel、Power) 開発者プラットフォームとしてのみサポートされます。 |
512M バイト |
512M バイト |
250M バイトの空き領域 |
500M バイトの空き領域 |
Java SE 5 |
OpenSolaris 評価サポートのみ |
512M バイト |
512M バイト |
250M バイトの空き領域 |
500M バイトの空き領域 |
Java SE 5 Java SE 6 |
Microsoft Windows プラットフォームで Enterprise Server を実行している場合は、FAT や FAT32 ではなく NTFS ファイルシステムを使用する必要があります。
UNIXTM では、オペレーティングシステムのバージョンを uname コマンドで確認できます。ディスク容量は df コマンドで確認できます。
Mac OS は本稼働環境への配備ではサポートされませんが、開発の目的ではサポートされます。Macintosh オペレーティングシステムのダウンロード情報は、GlassFish ダウンロードページか、Mac が一覧に示されている SDK ページから入手できます。たとえば、Java EE 5 SDK Update 5 のダウンロードページ https://cds.sun.com/is-bin/INTERSHOP.enfinity/WFS/CDS-CDS_Developer-Site/en_US/-/USD/ViewProductDetail-Start?ProductRef=java_ee_sdk-5_05-nojdk-oth-JPR@CDS-CDS_Developer で入手できます。
システムの仮想化は、複数のオペレーティングシステム (OS) インスタンスを共用ハードウェア上で個別に実行できるようにするテクノロジです。機能的にいうと、仮想化された環境でホストされる OS に配備されたソフトウェアは、通常はベースとなるプラットフォームが仮想化されていることを認識しません。Sun では、精選されたシステムの仮想化と OS の組み合わせについて、その Sun Java System 製品のテストを行なっています。これは、Sun Java System 製品が、適切な規模と構成の仮想化環境でも、仮想化されていないシステム上の場合と同様に機能することを効果的に確認するためのテストです。
Solaris 10 (x86 または SPARC) を使用する場合には、「Sun 推奨パッチクラスタ」をインストールすることをお勧めします。このパッチクラスタは、SunSolve Web サイトの「推奨 & セキュリティーパッチ」で入手できます。
Enterprise Server で必要な、動作が保証されている JDK の最小バージョンは、1.5.0_14 です。
次の手順で asenv file を編集して、サポートされている Java SE バージョンに切り替えることができます。
システムに新しい Java SE バージョンをインストールします (インストールしていない場合)。
Java SE SDK は http://java.sun.com/javase からダウンロードできます。
Enterprise Server を停止します。
install_dir/config/asenv.conf ファイル (Windows では asenv.bat) を編集して、新しい Java ホームディレクトリをポイントするように AS_JAVA の値を変更します。
as-install/samples/common.properties ファイルを編集して、com.sun.aas.javaRoot... で始まる行を、新しい Java ホームディレクトリを参照するように変更します。
Application Server を再起動します。
Ubuntu Linux を除くすべてのオペレーティングシステムでは、Apache Ant の Version 「1.6.5」 が Enterprise Server に含まれています。Ubuntu Linux では、Apache Ant の Version 「1.7.0」 が Enterprise Server に含まれており、このバージョンが使用されます。
表 2–2 に、Java EE の互換性要件を満たすデータベースとドライバを示します。サポートされるすべての Sun GlassFish Enterprise Server の構成では、バンドル版 Java DB データベースとドライバなどの、この表に基づくデータベースとドライバの組み合わせを少なくとも 1 つ含める必要があります。さらに、Enterprise Server は、対応する JDBC ドライバを使用してほかのどの DBMS に対する JDBC 接続もサポートするように設計されています。
表 2–2 Java EE 互換の JDBC ドライバ
JDBC ドライバベンダー |
JDBC ドライバのタイプ |
サポートされるデータベースサーバー |
---|---|---|
Derby Network Client |
Type 4 |
Derby 10.2 |
DataDirect 3.6.x、3.7.x (または、Sun JDBC ドライバ) 注 – Sun JDBC ドライバは、Enterprise プロファイルに対応するインストールバンドルのみで提供されます。 |
Type 4 |
Oracle 10g Oracle 9i Sybase ASE 12.5、15 MS SQL 2000、2005 DB2 9.1 DB2 8.1、8.2 |
MySQL Connector/J Driver 3.1 |
Type 4 |
MySQL 5.0 |
Oracle 10g、11g |
Type 4 |
Oracle 10g、Oracle 11g -RAC |
PostGres |
Type 4 |
8.1、8.2 .x |
通常、Enterprise Server v2.1.1 は、Java EE 仕様に適合するすべての JDBC ドライバをサポートします。
この節では、Enterprise Server v2.1.1 にバンドルされた Java DB データベース実装の使用方法について説明します。Java DB は Apache Derby データベースに基づいています。
Sun GlassFish Enterprise Server には、Java DB ネットワークサーバーの起動と停止を行うために、次の asadmin コマンドが導入されています。
Java DB Network Server のインスタンスを開始するには、asadmin start-database コマンドを使用します。
asadmin start-database [--dbhost 0.0.0.0] [--dbport 1527] [--dbhome path] |
ホストのデフォルト値は 0.0.0.0 です。この値によって、Java DB は IP/ホスト名のインタフェースと同様に localhost で待機できます。dbhome プロパティーの値は、Java DB データベースの格納場所です。デフォルトの path は as-install/javadb です。
Java DB Network Server の実行中のインスタンスを停止するには、次のように asadmin stop-database コマンドを使用します。
asadmin stop-database [--dbhost 0.0.0.0] [--dbport 1527] |
Enterprise Server 2..1.1 に付属の Java DB の設定には、Java DB の使用に役立つスクリプトが含まれます。 as-install/javadb/bin ディレクトリには、次の使用可能なスクリプトがあります。
startNetworkServer、startNetworkServer.bat— ネットワークサーバーを開始するスクリプト
stopNetworkServer、stopNetworkServer.bat— ネットワークサーバーを停止するスクリプト
ij、ij.bat — 対話式の JDBC スクリプト記述ツール
dblook、dblook.bat — データベースの DDL の全部または一部を表示するスクリプト
sysinfo、sysinfo.bat — Java DB 環境に関するバージョン情報を表示するスクリプト
NetworkServerControl、NetworkServerControl.bat — NetworkServerControl API でコマンドを実行するためのスクリプト
JAVA_HOME 環境変数が JDK のインストールディレクトリを指定していることを確認します。
as-install/javadb ディレクトリをポイントするように DERBY_HOME 環境変数を設定します。
これらのユーティリティーの詳細については、次の Derby ドキュメントを参照してください。
ファイルベースのインストールでは、Message Queue 4.4 が Enterprise Server と一緒にパッケージされています。
Enterprise Server の一部として提供される埋め込みの Sun GlassFish Message Queue コードは、一般的に同等のバージョンの Message Queue ブローカに対してのみ、テストおよび認証されています。つまり、提供される埋め込みの Message Queue コードを使用して、別のバージョンの Message Queue コードを実行しているリモート (Enterprise Server で管理されていない) Message Queue ブローカに接続することは、サポートされません。
この節では、Sun GlassFish Enterprise Server 負荷分散プラグイン向けにサポートされている Web サーバーを示します。
表 2–3 サポートされている Web サーバー
Web サーバー |
バージョン | |
---|---|---|
Sun Java System Web Server (32 ビット) |
6.1、7.0 |
Solaris SPARC 9、10 Solaris x86 9、10 Red Hat Enterprise Linux 3、4、5 |
Apache Web Server (32 ビット) |
2.0.x、2.2.x |
Solaris SPARC 9、10 Solaris x86 10 Red Hat Enterprise Linux 3、4、5 |
Microsoft IIS (32 ビット) |
5.0 以降、6 |
Windows Server 2003 |
ここでは、Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 でサポートされているブラウザを示します。
表 2–4 サポートされている Web ブラウザ
ブラウザ |
バージョン |
---|---|
Mozilla |
1.7.12 |
Internet Explorer |
6.0 Service Pack 2、7.0 |
Firefox |
2.x、3.x |
Safari |
3.x、4.x |
Netscape |
8.0.4、8.1、9.0、9.0.x |
「ハードウェアとソフトウェアの要件」に示されている要件に加えて、システムが、下に示されている HADB を実行するための要件を満たしていることを確認してください。
HADB は Enterprise Server v2.1.1 エンタープライズプロファイルにのみバンドルされています。また、システムの Java コンポーネントは、JDK 5 および JDK 6 でビルドおよびテストされていることに注意してください。
Solaris (SPARC)。 – Solaris 8 MU7、Solaris 9 MU7、Solaris 10 RR。
Solaris (x86)。 – Solaris 9 MU7、Solaris 10 RR。
Red Hat Enterprise Linux。 - 2.1 U5 (ext2 ファイルシステムのみサポートされます。ext3 はサポートされません)。3.0 U4 (ext2 と ext3、4、5 のいずれもサポートされます。U4 より前のアップデートは、過剰なスワッピングのために推奨されません)。これらのオペレーティングシステムバージョンでは、HADB が 32 ビットモードでのみテストされていることに注意してください。また、オペレーティングシステム内のバグのために、HADB が 64 ビットモードで動作している Red Hat Enterprise Linux 3.0 をサポートしていないことにも注意してください (HADB への影響の詳細は、「高可用性」の既知のバグ 6249685 を参照)。Version 4 および 5 もサポートされます。
Microsoft Windows。 – Microsoft Windows 2000 Advanced Server Service Pack 4、Microsoft Windows 2003 Enterprise Edition、Windows 2008、Windows XP Professional がサポートされます。HADB が、間もなく登場する、64 ビットモードの Microsoft Windows オペレーティングシステムバージョンをまったくサポートしていないことに注意してください。
最小メモリー - ノードあたり 320M バイト。
最小空きディスク容量 - ホストあたり HADB バイナリ用に 70M バイト。さらに、データデバイスにもディスク容量が必要、ノードあたりテストインストール用に 512M バイト。
推奨メモリー - ノードあたり 512M バイト。
推奨空きディスク容量 - ホストあたり HADB バイナリ用に 70M バイト。さらに、データデバイスにもディスク容量が必要、ノードあたりテストインストール用に 1200M バイト。
HADB データとログファイルを格納するデバイスで書き込みキャッシュが無効になっていることを確認してください。一部の Solaris プラットフォーム (たとえば、Solaris x86) では、デフォルトで書き込みキャッシュが有効になります。
最小メモリー - 128M バイト
最小空きディスク容量 - ノードあたり HADB バイナリ用に 70M バイト
最小メモリー - 120M バイト
最小空きディスク容量 - 20M バイト
以前のバージョンの Enterprise Server から現在のバージョンへのアップグレードに関する詳細な手順については、『Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 Upgrade Guide』を参照してください。
Sun GlassFish Enterprise Server ソフトウェアをインストールする前に、次の追加の要件が満たされるようにしてください。
空き領域: 一時ディレクトリには、少なくとも、Sun GlassFish Enterprise Server のインストール用に 35M バイトの空き領域と、SDK のインストール用に 250M バイトの空き領域が必要です。
アンインストールプログラムの使用: システムから Enterprise Server を削除する必要がある場合は、ソフトウェアに付属のアンインストールプログラムを使用することが重要です。ほかの方法を使用して削除すると、同じバージョンの再インストールや新しいバージョンのインストールを行うときに問題が発生する可能性があります。
空きポート: 利用可能な未使用ポートが 7 つ必要です。インストールプログラムは、使用されているポートを自動的に検出し、その時点で未使用のポートをデフォルトのドメインとして示します。デフォルトの初期ポートは次のとおりです。
HTTP については 8080、HTTPS については 8181
IIOP については 3700、IIOP/SSL については 3820、相互認証の IIOP/SSL については 3920
Administration Server については 4848 (HTTP)
pure JMX Client については 8686 (RMI) ポート
インストール済みサーバーの起動 (UNIX) - インストール済みサーバーを置き換える場合以外は、Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 のインストール処理を開始する前に、インストール済みサーバーを起動してください。インストールプログラムが使用中のポートを検出するため、使用中のポートがほかの目的に使用されることはありません。
インストール済みサーバーの置き換え (UNIX) - 以前のバージョンの Enterprise Server から現在のバージョンへのアップグレードに関する詳細な手順については、『Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 Upgrade Guide』を参照してください。
ファイアウォールのシャットダウン (Microsoft Windows) — Sun GlassFish Enterprise Server ソフトウェアをインストールする前に、すべてのファイアウォールソフトウェアを停止する必要があります。一部のファイアウォールソフトウェアはデフォルトですべてのポートを無効にするからです。インストールプログラムは、使用可能なポートを正確に検出できる必要があります。
互換性の詳細は、『Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 Upgrade Guide』を参照してください。