Sun Directory Services 3.1 管理ガイド

NIS から Sun Directory Services への移行

Sun Directory Services の NIS サーバーでは、従来の NIS ネーミングサービスが持ついくつかの制限が除かれています。

NIS 環境がすでに確立されているサイトにおいて、ネーミングサービスに影響を与えずにうまく移行する方法を図 6-1図 6-2、および図 6-3 に示します。

図 6-1 に示す純粋な NIS 環境では、クライアントからの NIS 要求は同じネットワークにある最も近い NIS サーバーで処理されます。マスターサーバーとスレーブサーバーにある情報の同期は、NIS のテーブル伝達機能によって行われます。

図 6-1 純粋な NIS 環境

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図 6-2 は、NIS スレーブを Sun Directory Services ディレクトリサーバーで段階的に置き換えた環境を示しています。マスターサーバーよりスレーブサーバーを先に置き換えることをお勧めします。これは、変更の影響がネットワーク全体ではなく、一部のクライアントだけに限定されるためです。また、この間に新しいツールへの手順を検証できます。最終的には NIS マスターサーバーを Sun Directory Services に移行できます。

この段階では、ローカルスレーブサーバーは LDAP クライアントを同時にサポートします。複製には引き続き NIS を使用しなければなりません。

図 6-2 NIS と Sun Directory Services が混在した環境

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図 6-3 は、従来の NIS サーバーをすべて Sun Directory Services で置き換えた環境を示しています。これらのサーバーでは NIS 要求と LDAP 要求がサポートされます。マスターサーバーとスレーブサーバーの間では LDAP 複製を使用してください。

図 6-3 Sun Directory Services 環境

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