TotalNET Advanced Server 5.2 の管理

TNAS

TNAS の構造

TAS の構成と管理は、TNAS (TotalNET Administration Suite) で行います。TNAS では HTML ベースのメニューとダイアログボックスを使用して構成および管理を行うので、UNIX の管理手法を詳しく知らない一般ユーザーでも UNIX の諸機能を利用できます。TAS ホストの 1 つを「マスター」サーバーにします (「2.1 TotalNET マスターサーバーの構成」を参照)。残りの TAS ホストは、このマスターサーバーのクライアントになります。各クライアントは定期的にマスターサーバーにチェックインして自分の状態を報告し、企業内の他のホストに関する情報を得ます。このメカニズムにより、ユーザーがいったん TAS ホストとの TNAS セッションを確立すれば、企業内の他の TAS ホスト上の TNAS にもログインできます。このとき、同じ UNIX ユーザー名とパスワードが使用できる TAS ホストであれば、ログイン時の再認証も必要ありません。

TNAS が実行されている UNIX ホストでは、TAS が TNAS スフィアの 1 つを構成します。TNAS はユーザーとの対話に従って、各 HTML ページを生成していきます。すなわち、あるページでユーザーが入力した情報に応じたアイコン、メニュー、テキスト、グラフィック、ボタン、テキストフィールド、選択ボックスが次の HTML ページに表示されます (次の図を参照)。TNAS の各画面は、使用するブラウザによって多少異なることがあります。

システム、ライセンス、TotalNET は、TNAS を使用して管理できます。主に使用するのは、TNAS の TAS 管理スフィアである TotalAdmin です。このマニュアルでは、TotalAdmin の使用方法について説明します。TNAS 画面は、次の図に示す四つの部分 (制御フレーム [Control Frame]、スフィアフレーム [Sphere Frame]、メニューフレーム [Menu Frame]、ワークフレーム [Work Frame]) で構成されます。

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制御フレーム - TNAS 管理フレームです。このフレームは次の要素で構成されます。

サーバーセレクタ - このアイコンをクリックすると、現在アクティブな TNAS サーバーが一覧表示されるので、そこから管理対象とするサーバーを選択します。TotalNET マスターサーバーを構成すると (その方法については、「2.1 TotalNET マスターサーバーの構成」を参照)、サーバーセレクタをクリックすれば、ネットワーク上の TAS システムがすべて表示されます。別のブラウザウィンドウが開かれ、そこに現在アクティブなサーバーの一覧が表示されます。サーバー名をクリックすると、構成メニューが有効になり、現在のウィンドウでそのサーバーを管理できるようになります。そのホストへのユーザー名とパスワードがこれまでのホストのものと同じであれば、再認証手続きは必要ありません。別のサーバーの TNAS を使用している間も、元のサーバーとのセッションは、元のウィンドウでそのままアクティブになっています。どのセッションもログアウトするか有効期間が切れるまではアクティブになっています。ウィンドウを閉じてもセッションが放棄されることはありません。

サーバー名 - 現在のサーバー名です。

「Disable Session」アイコン - このアイコンをクリックして、TNAS を終了します。

TNAS 管理アイコン - このアイコンをクリックして、アクティブな TNAS セッションの表示、ライセンスの管理、TNAS タイムアウトと有効期間の設定を行います。

スフィアフレーム - サーバー上の各 TotalNET 製品に対応するアイコンが一覧表示されます。アイコンをクリックすると、その製品による構成と管理に進みます。どのスフィアも、システム管理タスクの論理セットを実行するためのメニュー集合です。このマニュアルでは、TotalAdmin スフィアを使用して、構成および管理を行う方法を説明します。

メニューフレーム - 選択したスフィアの構成アクティビティが表示されます。たとえば、メニューの先頭の TAS アイコンをクリックすると、そのメニューが展開してサブリンクが表示されます。このメニューには、対象とするシステムの構成に関連するオプションだけしか表示されません。たとえば「AppleTalk Realm」メニューオプションは、AppleTalk レルムを構成する場合にしか表示されません。

ワークフレーム - 構成および管理作業の各手順についてのメニュー、サブメニュー、入力フォームが表示されます。

TNAS の用語解説

TNAS - TotalNET Administration Suite の略語。TotalNET 製品の管理、ライセンス管理、システム管理のためのタスク指向のグラフィックインタフェースです。TNAS には、TAS 管理のための TotalAdmin スフィアが入っています。

アイコン - オブジェクトやプロセスのグラフィック表現。本書では、アイコンをクリックして実行できる諸機能について説明します。

ボタン - アクションを実行したり、属性や機能を変更したりするコントロール。

スフィア - システム管理タスクの論理セットを実行するためのメニューの集合。ホストサーバーには、このような「プラグイン」スフィア (「スナップイン」スフィア) を追加したり削除できます。

スフィアアイコン - スフィアフレームに表示されるアイコン。これをクリックすると、そのスフィアによる構成および管理メニューがメニューフレームに表示されます。

TNAS セッション - TNAS でユーザーを特定し、そのアクティビティを個別に管理する方法。セッションはユーザーのログインで開始し、ユーザーのログアウトで終了します。

TotalAdmin - TNAS における TAS 管理スフィア。TotalAdmin スフィアともいいます。TAS にバンドルされています。

TotalAdmin メニューフレーム - TAS 構成のためのメニュー。スフィアフレームで TAS アイコンをクリックすると表示されます。

TotalNET システムマネージャ - TotalNET システムの全般的管理を行うデーモン。

TNAS のアイコンとボタン

TNAS のアイコンとボタンを使用すると、ナビゲーションが簡単になります。TNAS の使用中は、ブラウザのナビゲーションボタンを使用しないでください。TNAS がセッション状態を正しく把握できなくなり、予測できない結果が起きる可能性があります。ほとんどの TNAS アイコンは、その機能を説明するポップアップテキストボックスを持っているので、この機能をサポートするブラウザ (すなわち "ALT" タグをサポートするブラウザ) を使用するとアイコンの機能を示すテキストがポップアップ表示されます。

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サーバーセレクタ - 管理するサーバを選択します。 

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「Disable Session」アイコン - TNAS からログアウトします。 

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TNAS 管理アイコン - 現在の TNAS セッションの表示、ライセンスの管理、TNAS の構成のためのメニューを表示します。 

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TAS スフィアアイコン - スフィアフレームでこのアイコンをクリックすると、TotalAdmin メニューフレームが表示されます。メニューフレームではメニューをクリックするたびに短縮表示と詳細表示が切り替わります。 

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「Start」ボタン - ウィザードを開始します。 

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「Up」ボタン - メニュー階層において 1 つ上のレベルに移動します。ブラウザの「戻る」ボタンの代わりに使用します。 

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「Help」ボタン - 関連する属性についてのヘルプ画面を表示します。 

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「Administer」- 構成オプションを選択するメニューを表示します。 

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「Cancel」- 現在の作業をキャンセルします。 

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「Delete」- 選択した項目を削除します。 

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「Finish」- ウィザードを終了します。 

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「Modify」- 選択したオブジェクトの属性を変更するメニューを表示します。 

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「Next」- ウィザードにおいて次のステップに進みます。 

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「OK」- 指定のアクションを実行または了承します。 

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「Previous」- ウィザードにおいて前のステップに戻ります。 

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「Reset」- 画面上のすべての属性値を元の値に戻します。 

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「Submit」- 構成した属性値をシステムに投入します。 

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「View」- 選択したオブジェクトに関する詳しい情報を表示します。