TotalNET Advanced Server 5.2 の管理

5.1.5 ファイルサービスの作成と変更

TAS では、LM-NT-OS/2 レルムを通じて LM-NT-OS/2 互換クライアントを接続すると、互換クライアント同士がファイルとプリンタの資源を共有できます。

LM-NT-OS/2 レルムでファイルサービスを作成または変更する手順を次に示します。ファイルサービス作成ウィザードを使用してファイルサービスを作成するには、「LM-NT-OS/2 Realm」->「File Service Creation」、または「System」->「File Service Creation」->「LM-NT-OS/2 Realm File Service」を選択します。

  1. 次のリンクをたどります。

    • 「LM-NT-OS/2 Realm」->「Manage File Services」

      「List of LM-NT-OS/2 File Services」画面が表示されます。

  2. 変更するファイルサービスをリストから選択するか、作成するファイルサービス名をテキストフィールドに入力します。ファイルサービス名は、15 文字までの空白を含まない ASCII 文字列でなければなりません。また、先頭の文字をアスタリスク (*) にしてはいけません。ファイルサービスが存在しない場合、リストは空になっています。

  3. 「Create」または「Administer」をクリックします。ファイルサービスが存在しない場合、「Administer」ボタンは表示されません。

    「Create」をクリックすると、次のような「New LM-NT-OS/2 File Service」画面が表示されます。ステップ 4 に進みます。

    「Administer」をクリックすると、「LM-NT-OS/2 File Service servicename」画面が表示されます。「Configuration」をクリックするか、「Accept Service Connections」、「Reject Service Connections」、「Status」、「Start Service」、または「Shutdown Service」のいずれかのリンクをクリックし、次に表示される画面で「OK」をクリックします。「Configuration」をクリックした場合は、次の「New LM-NT-OS/2 File Service」画面に類似した「Update LM-NT-OS/2 File Service servicename」画面が表示されます。ステップ 4 に進みます。

    Graphic
  4. 必要に応じて次の属性値を入力または選択します。

    • 「LM-NT-OS/2 File Service Name」-「ネットワークコンピュータ」ウィンドウにリストされ、ユーザーが接続するファイルサービス。一般に、ファイルサービス名はクライアントでは小文字で、ネットワークでは大文字で表示されます。Windows、DOS、OS/2 のクライアントはサービス名を大文字に変換します。「Administer」と「Configuration」をクリックした場合、この属性は表示されません。

    • 「Service description」- TAS で使用されるサービスの説明。任意のテキスト行を入力できます。

    • 「Transport」- LM-NT-OS/2 レルムでサポートされるトランスポート。クライアントが使用しているプロトコルに合わせて、TCP/IP (tcpip) または TAS NetBEUI (tnnbu) のいずれか、あるいは両方を選択します。

    • 「Make this the CIFS service」- 一部の PC (例えば、Windows NT 4.0 を使用している PC) が NetBIOS を使用せずに TCP/IP の名前解決または IP アドレスを使用して、サーバーを特定して接続できるようにするオプション。CIFS (Common Internet File System) を有効にするには、このサービスで TCP/IP を有効にする必要があります。また、他のいずれのサービスでも CIFS が有効になっていないことも確認してください。また、サービス名とシステムホスト名はできるかぎり一致させるようにします。

    • 「Volume references」- このファイルサービスが参照しエクスポートするボリュームのリスト。参照されるボリュームとその属性を構成するには、「System」->「Volumes」を選択します。参照するボリュームを選択します。

    • 「Printer references」- このサービスがエクスポートするプリンタのリスト。参照されるプリンタとその属性を構成するには、「System」->「Printers」を選択します。参照するプリンタを選択します。

    • 「Browse master」- LM-NT-OS/2 ファイルサービスにおけるブラウズマスター選出への参加。サービスは LM-NT-OS/2 レルムにおいてブラウズマスターになろうとします。この属性のデフォルト値は off です。domain を選択すると、ファイルサービスは選出方法を操作して、ドメインのブラウズマスター (そのネットワークセグメントのブラウズマスター) になります。1 つのドメイン内では、1 つのサービスだけしかブラウズマスターに設定できません。

    • 「Browse user」-「ネットワークコンピュータ」ウィンドウにアクセスするためだけにログインする LM-NT-OS/2 レルムクライアントに与えられる UNIX ユーザー ID。この属性のデフォルト値は TotalNET administrator です。この属性は、「Browse master」が off の場合は意味を持ちません。

    • 「Browse election bias」- ブラウズマスター選出に勝つための LM-NT-OS/2 レルムの構成。0 〜 255 の値を選択します。TAS はこの値とオペレーティングシステムを次のように関連付けます。1 は Windows for Workgroups と Windows 95、16 は Windows NT Workstation、32 は Windows NT Server です。255 を指定すると、できるかぎり選出に勝とうとします。デフォルト値は 0 で、この属性は無効です。この属性は、「Browse master」が off の場合は意味を持ちません。

    • 「Browse election Version」- 同じオペレーティングシステムを稼動する 2 つのホスト間でブラウズマスターを選出する際の優先度を指定します。0 〜 65535 の値を選択します。65535 を指定すると、できるかぎり選出に勝とうとします。デフォルト値は 0 で、この属性は無効です。この属性は、「Browse master」が off の場合は意味を持ちません。

    • 「Spool directory」- TAS がこのサービスの印刷データファイルをスプールするディレクトリ。この属性のデフォルト値は /tmp です。UNIX システムによっては、/tmp ディレクトリに「スティッキビット」が設定されていることがあります。その場合、システムはスプールしたファイルを印刷後に削除できません。そのような UNIX システムでは、/tmp ディレクトリをスプールディレクトリに指定してはいけません。

    • 「Create directory?」- 指定したスプールディレクトリが存在しない場合に作成するオプション。

    • 「Keepalive」- キープアライブパケットのディスパッチ間隔 (分単位)。サーバーはキープアライブプローブを送信して、アクティブなクライアントセッションを検出します。ここで、キープアライブとは NetBIOS キープアライブを意味します。アクティブでない TCP キープアライブ、または送信間隔が非常に長い TCP キープアライブにのみ使用します。この属性のデフォルト値は 1 です。

    • 「Umask」- TAS クライアントのためのデフォルトのファイルアクセス許可。3 桁の umask は UNIX のファイル保護マスクを表し、UNIX の umask コマンドと同じ機能を持ちます。umask の数値をシステムがどのように解釈するかについては、umask(1) マニュアルページを参照してください。

    • 「Default attach point」- ボリューム名が指定されていないときにクライアントが接続するサーバーディレクトリ。デフォルトでは、このファイルサービスに最初に定義されたボリュームになります。

    • 「Client character set」- このサービスの全クライアントが使用するものと TAS が想定する文字セット。デフォルト値は builtin-codepage-437 です。必要に応じて別の文字セットを選択してください。

    • 「SMB dialect」- サービスがクライアント PC に提示するダイアレクトレベル。default を選択すると、ファイルサービスは自分の識別子をサーバとクライアントの両マシンがサポートする最高レベルに設定します。その他のレベルを次に示します。

      core

      lanman 1.0

      lanman 2.0

      lanman 2.1

      基本サービス 

      パフォーマンス高速化ネットワーク IO 

      OS/2 と NT のロングファイルネーム 

      Windows95 ロングファイルネーム 

       

      名前付きパイプサポート 

      OS/2 拡張ファイル属性 

       

       

      セキュリティ認証 

       

       

    • 「Freespace report method」- ディスク空き容量の計算方法。UNIX の statfs() システムコールまたはそれと同等の機能がサポートされていないシステムでは、このオプションは無効です。この属性値がデフォルトの all の場合、TAS は全パーティションの空き容量をすべてクライアントに報告します。root に設定すると、TAS はこの接続の TAS ボリュームのディスク空き容量だけを報告します。

    • 「Use client specified file time stamps」- クライアントがサーバー上でファイルを作成したり変更したときに、サーバー側ではなくクライアント側の日時でタイムスタンプを作成するオプション。

    • 「Allow whitespace in file names」- LM-NT-OS/2 互換クライアントがファイル名に空白を使用できるようにするオプション。

    • 「Log activity」- アクティビティログを有効にするオプション。このオプションを選択すると、ファイルサービスは TAS ホームディレクトリ内の activity.tn にクライアントアクティビティを記録します。クライアントがセッションを終了すると、そのクライアントセッションに関するデータが activity.tn の最後の行に追加されます。デフォルトではアクティビティログは作成されません。

    • 「Windows 95 logon server」- LM-NT-OS/2 ファイルサービスがそのドメインのログオンサーバーとして機能するためのオプション。この属性をサポートするのは Windows 95 クライアントだけです。このオプションを選択する場合は、NETLOGON ボリューム参照またはこのファイルサービスの接続ポイントが存在していなければなりません。NETLOGON ボリューム参照が存在しないと、クライアントが接続したときに予測できないエラーが発生します。

    • 「Tracing」- このファイルサービスがデバッグ追跡情報をファイルに書き込むようにするオプション。Syntax テクニカルサポートはこの情報を利用して、問題点を解析できます。

    • 「Start this file service?」-「Submit」をクリックしたときに、このファイルサービスが起動されるようにするオプション。「Administer」と「Configuration」をクリックした場合、この属性は表示されません。

  5. 「Submit」をクリックします。

    「Create New LM-NT-OS/2 File Service servicename」画面、または「Update LM-NT-OS/2 File Service servicename」画面が表示されます。

  6. 「OK」をクリックします。

    UNIX コマンドラインからファイルサービスを管理するには、tnservice コマンドを使用します。