SCCS ファイルに適用されるデルタは、ファイルの初期バージョンをルートとしたツリーのノードとして考えることができます。ルートデルタには、デフォルトで 1.1 の番号が付けられます。SCCS デルタ ID (SID) は、リリース番号とレベル番号の 2 つの部分から構成されます。ルートデルタ以降のデルタ (ノード) は、1.2、1.3 というように順番に番号が付けられます。この構造は、SCCS デルタツリーのトランク (幹) と呼ばれ、SCCS ファイルが通常の順編成ファイルとして開発されることを表わしています。
ツリーには、別の分岐を作成しなければならない場合もあります。分岐は、バグの修正のように、並行して開発される複数のバージョンを追跡するために使用することができます。
分岐デルタの SID は、リリース番号、レベル番号、分岐番号、シーケンス番号の 4 つの部分から構成され、<リリース番号>.<レベル番号>.<分岐番号>.<シーケンス番号>という形になります。分岐番号は、特定のトランクデルタの子孫である分岐ごとに割り当てられ、最初の分岐は 1、次の分岐は 2 というように順番に番号が付けられます。シーケンス番号は、特定の分岐上の各デルタに順番に割り当てられます。したがって、1.3.1.1 は、1.3 のデルタから派生した最初の分岐の最初のデルタとして識別されます。このデルタの 2 番目の分岐には、1.3.2.1 という番号が付けられます。
分岐の概念は、ツリー内のどのデルタにも適用できます。分岐番号は、トランクに対する相対位置とは無関係に、分岐が作成された順番に割り当てられます。したがって、分岐デルタは、常にその名前で識別することができます。分岐のデルタ名からトランクデルタを識別することはできますが、トランクデルタから分岐デルタまでの完全なパスを判断することはできません。
たとえば、デルタ 1.3 に分岐が 1 つ存在する場合、その分岐上のデルタはすべて 1.3.n という名前になります。この分岐上のデルタから、新たに別の分岐が派生している場合、その新しい分岐上のデルタの名前は、1.3.2.n になります。1.3.2.2 というデルタ名からわかることは、トランクのデルタ 1.3 を祖先とする 2 番目に作成された分岐上で 2 番目に作成されたデルタである、ということです。ただし、1.3.2.2 というデルタ名から、そのデルタとトランクの祖先 (1.3) との間に存在しているすべてのデルタを知ることはできません。