宛先ワークスペースのファイルを更新する場合 (つまり、ブリングオーバーまたはプットバックトランザクションのソース側でファイルが変更されていて、宛先側では変更されていない場合)、新しいデルタが宛先の履歴ファイルに追加されます。この場合、SCCS 履歴ファイルがソースから宛先にコピーされるのではなくマージされる理由は、宛先の履歴ファイルに格納されているフラグやアクセスリストなどの管理情報を保持しておくためです。
ワークスペース管理ツールはデルタ履歴の分岐箇所を判別し、その分岐の発生以後にソースワークスペースで作成されたデルタのみを宛先ワークスペースに追加します。履歴の分岐箇所を判別するために、親と子の履歴ファイルのデルタテーブルを比較します。この比較に使用される情報には、該当デルタがいつ誰によって作成されたかといったデータやコメントが含まれています。図 9-1 に、プットバックトランザクションで子ワークスペースのデルタ 1.3 と 1.4 を親ワークスペースの SCCS 履歴ファイルに追加する例を示します。