ブリングオーバーおよびプットバックのトランザクションでは、実際にはソースファイルが SCCS デルタから得られ、SCCS デルタ ID (SID) で識別されます。ファイルをプットバックあるいはブリングオーバートランザクションでコピーするとき、ワークスペース管理ツールはそのファイルの SCCS 履歴ファイル (ファイル名の先頭に s. が付くのでエスドットファイルとも呼ばれる) を操作しています。
あるワークスペースから別のワークスペースにファイルをコピーする場合、ワークスペース管理ツールは、SCCS 履歴ファイルをどのように操作して該当ファイルを得るかを決定します。ターゲットワークスペースに該当ファイルが存在しない場合には、ソースワークスペースからターゲットワークスペースにその履歴ファイルを単にコピーします。もっと複雑なケース、たとえばファイル (および SCCS 履歴ファイル) がソースとターゲットの両方に存在するような場合には、そのファイルのデルタ、管理履歴、コメント履歴を維持するように SCCS 履歴ファイルをマージしなければなりません。
以降、「ファイル」という表現が、実際には SCCS の get コマンドによって最新およびそれ以前のデルタから得られたファイルと、元になる SCCS 履歴ファイルの両方を指していることを念頭に置いてください。ワークスペース間でファイルをコピーする場合には、SCCS 履歴ファイルもそれに合わせて適宜調整されます。