図 7-2 では、親ワークスペース内のファイル "C" の名前が "D" に変更されています。この場合、ワークスペース管理ツールはファイルを子ワークスペースにコピーする際に、次のいずれが正しいのかを判断しなければなりません。
"D" は親ワークスペースで新たに作成されたものか
子ワークスペースの "C" と同じファイルに新しい名前が付けられたものか
プットバック操作の場合も同様の判断が必要です。つまり、子ワークスペース内の "C" は新しいファイルなのか、それとも別のファイルの名前が変更されたものなのか、という判断です。
対象となるファイルが新規ファイルである場合と既存ファイルである場合とでは、処理の内容がかなり異なります。親ワークスペースの新規ファイルである場合、ワークスペース管理ツールは子ワークスペースにも新しいファイルを作成します。一方、親ワークスペース内で既存のファイルの名前を変更したものであれば、子ワークスペース内でファイルの名前を "C" から "D" に変更します。
ワークスペース管理ツールは、名前が変更された場合でもファイルを特定できるように、SCCS 履歴ファイルに情報を記憶します。ブリングオーバーおよびプットバックのトランザクションの出力を表示させると、次のようなメッセージが含まれています。
検査したファイル数:
ワークスペース管理ツールは、更新ブリングオーバーまたはプットバックトランザクションに関連するすべてのファイルをチェックし、名前の変更が行われていないことを確認した上でファイルの転送を開始します。
名前が変更されたファイルを検出すると、名前の変更を子 (ブリングオーバーの場合) または親 (プットバックの場合) に通知します。「トランザクション出力」ウィンドウに次のようなメッセージが表示されます。
名前変更 旧: old_filename 新: new_filename