Sun Ray Enterprise Server Software 1.0 管理マニュアル

デスクトップ属性の定義

この節では、Sun Ray 1 設定 GUI (グラフィックユーザーインタフェース) の使用方法と構成方法について説明します。この Sun Ray 1 設定 GUI は、Sun Ray 1 enterprise appliance の設定変更に使用します。

図 5-1 「Sun Ray 1 設定」ウィンドウ

Graphic

Sun Ray 1 設定 GUI の使用

Sun Ray 1 設定 GUI は、ユーザーが現在ログインしている Sun Ray 1 enterprise appliance の設定内容を表示および変更するための対話型プログラムです。このプログラムは、以下の 2 つの方法で起動できます。

いずれの場合も、Sun Ray 1 設定 GUI はセッションマネージャに問い合わせて現在使用されている enterprise appliance を特定し、その appliance に接続して現在の値を取得します。この GUI はセッションマネージャへの接続の維持もサポートするので、ユーザーが別の appliance に移動した場合でも、セッションマネージャはこの GUI の通知が可能です (ユーザーの移動は、スマートカードを取り出して別の enterprise appliance に挿入することによって行います)。

ユーザーが別の enterprise appliance に移動すると、Sun Ray 1 設定 GUI はユーザーを追跡し、移動先の appliance に接続して現在の設定を取得します。Sun Ray 1 設定 GUI はユーザーの移動を追跡しますが、appliance の設定はそのまま維持されます。たとえば、ユーザーが Sun Ray 1 設定 GUI を使って appliance 1 の音量を 28 に設定した後に appliance 2 に移動した場合、Sun Ray 1 設定 GUI には appliance 2 の現在の音量が表示されます。その後、ユーザーが appliance 1 に戻った場合、その間にほかのユーザーが設定を変更していなければ、Sun Ray 1 設定 GUI の音量表示は 28 に戻ります。

Sun Ray 1 設定 GUI を起動すると、ユーザーは「カテゴリ」プルダウンメニューから「オーディオ出力」、「オーディオ入力」、「マウス」、「ディスプレイ」、「ビデオ」の各グループの設定を表示することができます。適切なスライダ、チェックボックス、またはプルダウンの移動や変更を行うだけで、appliance の設定が直ちに更新されます。ただし、「解像度@リフレッシュレート」の設定だけは例外で、appliance が変更される前と後に確認のダイアログが表示されます。

Sun Ray 1 設定 GUI では、次のコマンド行オプションがサポートされます。

表 5-5 コマンド行オプション

オプション 

説明 

-H

Sun Ray 1 設定 GUI をホットキーモードで起動します。このモードでは、Sun Ray 1 設定 GUI は非表示であり、ホットキーを押すと表示されます。ホットキーをもう一度押すと、「Sun Ray 1 設定」ウィンドウが閉じます。ホットキーはユーザーまたはサイト単位で定義できますが、デフォルトのホットキーは Shift+Props です (Shift キーを押しながら Props キーを押します)。このモードの場合、Sun Ray 1 設定 GUI ではほかの appliance への移動が追跡されます。ホットキーの定義の詳細は、「Sun Ray 1 設定 GUI の設定」 を参照してください。


注 -

Sun Ray 1 設定 GUI は、ホットキーモードでは 1 セッションにつき 1 つのインスタンスしか実行できません。


Sun Ray 1 設定 GUI の設定

Sun Ray 1 設定 GUI では、ウィンドウの表示と非表示を切り替えるときにユーザーが押すホットキーを設定できます。このカスタマイズは 3 つのレベルで行うことができます。

これらのカスタマイズレベルをサポートするために、Sun Ray 1 設定 GUI は起動時に以下の Java 属性ファイルを以下の順序で探します。

使用例

属性ファイルのホットキーエントリの形式は、次のとおりです。

utsettings.hotkey=value

ここで、value には、サポートされている修飾キー (CtrlShiftAltMeta) を 1 つ以上、任意の順序で指定し、有効な X の keysym 名を指定します。次の表に値の例を示します。

表 5-6 ホットキーの値の例

値の例 

備考 

Shift SunProps

これがアプリケーションのデフォルトです。 

F3

 

Shift F4

 

Ctrl Shift Alt F5

 

Sun 以外のキーボードのホットキー設定をサイト全体で変更する
  1. root でログインし、テキストエディタで /etc/opt/SUNWut/utsettings_defaults.properties ファイルを開きます。


    注 -

    必須の値に変更を加えるには、 /etc/opt/SUNWut/utsettings_mandatory.properties ファイルの値を変更します。


  2. ホットキーの本来のエントリを見つけたら、文の先頭に # を追加します。

    # は本来のホットキー属性をコメントアウトします。

    # utsettings.hotkey=Shift SunProps

  3. 最初のステートメントの後に、新しいホットキー属性を入力します。たとえば、次のように入力します。

    utsettings.hotkey=Shift F8

  4. utsettings_defaults.properties ファイルを保存します。

    新しいホットキーは、次にユーザーがログインしたときに有効になります。変更後にログインしたユーザーは、新しいホットキーを使って「Sun Ray 1 設定」ウィンドウを表示できます。変更前にすでにログインしていたユーザーは、以前の値を使用します。

Sun 以外のキーボードのホットキー設定をユーザー単位で変更する
  1. ユーザーのホームディレクトリ (/home/username) で、ユーザーに次のように入力させます。

    % touch .utsettings.properties

    これにより、.utsettings.properties ファイルが作成されます。

  2. ユーザーに .utsettings.properties ファイルを編集させます。ユーザーが希望するホットキーを指定する行をファイルに追加します。たとえば、次の行を追加します。

    utsettings.hotkey=Shift F8

  3. .utsettings.properties ファイルをユーザーに保存させます。

  4. 新しいホットキーを有効にするために、ユーザーにログアウトさせ、続いてログインさせます。