この節では、Sun Ray サーバーのハードウェアの必要事項について説明します。
Sun Ray サーバーは、Solaris 2.6 または Solaris 7 オペレーティング環境の稼働している UltraSPARC サーバー上で動作するように設計されています。Sun Ray サーバーとして使用できる製品 (sun4u アーキテクチャに分類されるプラットフォーム) は、以下のとおりです。
Sun Enterprise UltraTM 10S
Sun Enterprise 2
Enterprise 250/450
Enterprise 3500/4500/5500/6500
サーバーの構成にあたっては、1 セッションあたり約 50 〜 100 MB のスワップ空間を確保しておくことを推奨します。
Sun Ray server software の標準的なインストールでは、10 MB 以上のディスク容量が必要です。次の表に、ディレクトリごとに必要なディスク容量を示します。
表 2-1 Sun Ray server software に必要なディスク容量
Sun Ray 1 appliance のパフォーマンスレベルは、サーバーのリソース、アクティブなセッションの数、アクティブなセッションが実行している具体的なアプリケーションに依存して決まります。
表 2-2 推奨するシステム構成
システム |
プロセッサ |
メモリー |
セッションの数 (英語版 Solaris の場合) |
---|---|---|---|
Enterprise 2 |
2 基の 200 MHz UltraSPARC |
512 MB 〜 2 GB |
5 〜 25/CPU |
Enterprise 450 |
4 基の 300 MHz UltraSPARC |
2 〜 4 GB |
20 〜 30/CPU |
Enterprise 4500 |
8 基の 336 MHz UltraSPARC |
4 〜 8 GB |
30 〜 45/CPU |
具体的なサーバー構成としては、2 基以上のプロセッサを搭載し、CPU あたりのアクティブセッションは約 25 セッションまで、1 アクティブセッションあたり 20 〜 40 MB 以上の RAM (同時に使用した場合)、1 セッションあたり 50 〜 100 MB のスワップ空間を確保した環境を、推奨します。
サンが行った初期テストでは、1 セッションあたり 25 〜 40 MB 以上の RAM を確保した状況では、NetscapeTM、Adobe® Photoshop および FrameMaker、個人情報管理 (PIM、たとえば、電子メール、カレンダ、テキスト編集など) アプリケーションが動作しました。1 基の CPU 上で 25 を超えるアクティブユーザーが高度な対話型アプリケーションを実行すると、応答時間は著しく低下しました。PIM のような通常の対話型アプリケーションの場合は、アクティブユーザー数が 50 を超えると、応答時間が遅くなりました。
サンが行ったテストでは、すべてのアプリケーションについて、インターコネクトファブリックのトラフィックの 80 % が 10 Mbps 未満で、平均トラフィックはユーザーあたり約 1 Mbps でした。
上記の例は、英語版 Solaris を使用した環境を前提としています。日本語版 Solaris を使用した環境での状況については、次の Web サイトを参照してください。 http://www.sun.co.jp/nc/sunray1
Sun Ray サーバーには、Sun Ray インターコネクトファブリック専用 Ethernet カードをインストールする必要があります。次の表に、Sun Ray サーバーのインターコネクトファブリック対応の Ethernet カードを示します。
表 2-3 Ethernet インタフェース
インタフェース |
デバイス名の例 |
速度 (Mb/s) |
コメント |
---|---|---|---|
Gigabit Ethernet |
gem0 |
1000 |
この高速インタフェースは、サーバーから Ethernet へのスイッチとして最適です。 |
SunFastEthernetTM |
hme2 |
100 |
|
Lance Ethernet |
le1 |
10 |
多くの Sun Ray サービスでは、従来の 10 Mbps Ethernet では遅すぎます。100Base-T 以上のインタフェースを使用してください。 |
QEC/MACE Ethernet |
qe0 |
10 |
|
Quad FastEthernet |
qfe0、qfe1、qfe2、qfe3 |
100 |
1 枚のカードで 4 つの Ethernet インタフェースを使用できます。Quad FastEthernnet カードを使用する場合には、システムに SUNWqfed パッケージがインストールされていることを確認してください。SUNWqfed パッケージは、Solaris 2.6 には付属していません。初期リリース以降、SUNWqfed パッケージに対して、パッチは必ず発生しています。 |
最新のドライバパッチと更新状況については、次の Web サイトを参照してください。
10Base-T の帯域幅は限られているため、ビデオや複雑な Web ページを描画する場合には、負荷が大き過ぎることがあります。Sun Ray インターコネクトファブリックは、カテゴリ 5 の回線上での動作を前提に設計されていますが、カテゴリ 3 の回線と 10Base-T を使用した環境でも動作します。