Sun Ray Enterprise Server Software 1.0 管理マニュアル

サーバーの必要事項

この節では、Sun Ray サーバーのハードウェアの必要事項について説明します。

ハードウェアシステム

Sun Ray サーバーは、Solaris 2.6 または Solaris 7 オペレーティング環境の稼働している UltraSPARC サーバー上で動作するように設計されています。Sun Ray サーバーとして使用できる製品 (sun4u アーキテクチャに分類されるプラットフォーム) は、以下のとおりです。

ディスク容量


注 -

サーバーの構成にあたっては、1 セッションあたり約 50 〜 100 MB のスワップ空間を確保しておくことを推奨します。


Sun Ray server software の標準的なインストールでは、10 MB 以上のディスク容量が必要です。次の表に、ディレクトリごとに必要なディスク容量を示します。

表 2-1 Sun Ray server software に必要なディスク容量

製品 

デフォルトのインストールパス 

必要条件 (容量) 

Sun Ray Core ソフトウェア 

/

/opt

/var

1 MB 

8 MB 

1 MB + ログファイル 

LDAP クライアントライブラリ 

/usr

350 K 

Sun Directory Services 3.1 

/opt/SUNWconn

ディレクトリデータベースのデフォルトの場所は、/var です。

  • /opt に 25 MB

  • /var に 2.0 MB

  • /etc に 0.4 MB

データベースのために十分なディスク容量を確保する必要があります。1,000 エントリのデータベースの場合は、約 1.5 MB のディスク容量、64 MB の RAM、128 MB のスワップ空間が必要です。 

Sun WebServer(TM) 2.1 

/usr

  • ソフトウェア ― ドキュメントに 9.5 MB、ログファイルに 2 MB のディスク容量が必要です。

  • メモリー ― 64 MB 以上。推奨値は 96 MB です。

  • JDKTM 1.1.6 またはその互換バージョンが必要です。

JDK 1.1.6 

/usr

31.5 MB 

メモリー

Sun Ray 1 appliance のパフォーマンスレベルは、サーバーのリソース、アクティブなセッションの数、アクティブなセッションが実行している具体的なアプリケーションに依存して決まります。

表 2-2 推奨するシステム構成

システム 

プロセッサ 

メモリー 

セッションの数 (英語版 Solaris の場合) 

Enterprise 2 

2 基の 200 MHz UltraSPARC  

512 MB 〜 2 GB 

5 〜 25/CPU 

Enterprise 450 

4 基の 300 MHz UltraSPARC 

2 〜 4 GB 

20 〜 30/CPU 

Enterprise 4500  

8 基の 336 MHz UltraSPARC 

4 〜 8 GB 

30 〜 45/CPU 


注 -

具体的なサーバー構成としては、2 基以上のプロセッサを搭載し、CPU あたりのアクティブセッションは約 25 セッションまで、1 アクティブセッションあたり 20 〜 40 MB 以上の RAM (同時に使用した場合)、1 セッションあたり 50 〜 100 MB のスワップ空間を確保した環境を、推奨します。


サンが行った初期テストでは、1 セッションあたり 25 〜 40 MB 以上の RAM を確保した状況では、NetscapeTM、Adobe® Photoshop および FrameMaker、個人情報管理 (PIM、たとえば、電子メール、カレンダ、テキスト編集など) アプリケーションが動作しました。1 基の CPU 上で 25 を超えるアクティブユーザーが高度な対話型アプリケーションを実行すると、応答時間は著しく低下しました。PIM のような通常の対話型アプリケーションの場合は、アクティブユーザー数が 50 を超えると、応答時間が遅くなりました。

サンが行ったテストでは、すべてのアプリケーションについて、インターコネクトファブリックのトラフィックの 80 % が 10 Mbps 未満で、平均トラフィックはユーザーあたり約 1 Mbps でした。


注意 - 注意 -

上記の例は、英語版 Solaris を使用した環境を前提としています。日本語版 Solaris を使用した環境での状況については、次の Web サイトを参照してください。 http://www.sun.co.jp/nc/sunray1


Ethernet カード

Sun Ray サーバーには、Sun Ray インターコネクトファブリック専用 Ethernet カードをインストールする必要があります。次の表に、Sun Ray サーバーのインターコネクトファブリック対応の Ethernet カードを示します。

表 2-3 Ethernet インタフェース

インタフェース 

デバイス名の例 

速度 

(Mb/s) 

コメント 

Gigabit Ethernet 

gem0

1000  

この高速インタフェースは、サーバーから Ethernet へのスイッチとして最適です。 

SunFastEthernetTM

hme2

100 

 

Lance Ethernet  

le1

10 

多くの Sun Ray サービスでは、従来の 10 Mbps Ethernet では遅すぎます。100Base-T 以上のインタフェースを使用してください。 

QEC/MACE Ethernet 

qe0

10 

 

Quad FastEthernet 

qfe0、qfe1、qfe2、qfe3

100 

1 枚のカードで 4 つの Ethernet インタフェースを使用できます。Quad FastEthernnet カードを使用する場合には、システムに SUNWqfed パッケージがインストールされていることを確認してください。SUNWqfed パッケージは、Solaris 2.6 には付属していません。初期リリース以降、SUNWqfed パッケージに対して、パッチは必ず発生しています。

最新のドライバパッチと更新状況については、次の Web サイトを参照してください。

http://access1.sun.com/


注 -

10Base-T の帯域幅は限られているため、ビデオや複雑な Web ページを描画する場合には、負荷が大き過ぎることがあります。Sun Ray インターコネクトファブリックは、カテゴリ 5 の回線上での動作を前提に設計されていますが、カテゴリ 3 の回線と 10Base-T を使用した環境でも動作します。