Sun Cluster 2.2 では、インストール時に端末集配信装置 (TC) またはシステムサービスプロセッサ (Sun Enterprise 10000 のみ) についての情報を必要とします。この情報は、クラスタ構成ファイルに格納されています。
この情報は次の目的で使用されます。
ハングアップしたノードを強制的に停止する。
パーティション分割されたノードがクラスタに加わることを防ぐクラスタ全体のロック機構を実装する。
この 2 つの機構は、直接接続された記憶装置を使用した 4 ノード構成のクラスタにおけるデータの完全性を守る役割を果たします。
Solstice DiskSuite を使用している場合、tcmon と quorum は無効になっており、TC 情報は不要です。
scconf(1M) コマンドを使用すると、クラスタハードウェア構成の TC または SSP 情報が変更される場合などに、クラスタ構成ファイルの情報を変更できます。
TC または SSP 情報の変更の詳細は、表 8-1と scconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
これらのコマンドは、すべてのクラスタノードで実行する必要があります。
目的 |
実行するコマンド |
---|---|
TC の IP アドレスまたは名前を置換する |
scconf(1m) -t -i new-IP-address old-IP-address|TC-name |
新しいパスワードを指定する |
scconf(1m) -t -P old-IP-address|TC-name |
クラスタ全体のロック機構に使用されるポート番号を変更する (TC のみ) |
scconf(1m) -t -l new-port old-IP-address|TC-name |
特定のホストに対応する情報を変更するには、scconf -H コマンドを使用します。たとえば、あるホストのアーキテクチャタイプを変更して、その SSP (または TC) に新しい IP アドレスを指定するには、すべてのクラスタノードで次のコマンドを実行します。このコマンドの -d には、そのホストに対応する新しいアーキテクチャ (この例では Sun Enterprise 10000) を指定します。-t には、そのホストに接続された SSP (または TC) の新しい IP アドレスまたはホスト名 (この例では foo-ssp) を指定します。
# scconf clustername -H foo -d E10000 -t foo-ssp |
SSP (または TC) のホストのコンソールにポート番号を指定するには、すべてのクラスタノードで scconf -p コマンドを実行します。
# scconf clustername -H hostname -p port-number |
次に例を示します。
# scconf clustername -H foo -p 10 |
複数のホストを同じ TC に接続できます。-H オプションは、特定のホストに対応する情報にだけ影響します。
システム内の特定の TC の構成を変更するには、すべてのクラスタノードで scconf -t コマンドを実行します。たとえば、TC の IP アドレスを変更するには、次のコマンドを使用します。このコマンドの -i には、指定する端末集配信装置 (または SSP) の IP アドレス (この例では 129.34.123.52) を指定します。-l には、障害防御でロックのために使用する新しいポート (この例では 8) を指定します。
# scconf clustername -t foo-tc -i 129.34.123.52 -l -8 |
端末集配信装置が使用中の場合は、2 〜 n の範囲の未使用の TC ポートを指定します (n は TC 内のポートの数)。SSP が使用中の場合、値 -1 を指定する必要があります。
SSP (または TC) に新しいパスワードを指定するには、すべてのクラスタノードで scconf -P コマンドを実行します。
# scconf clustername -t foo-ssp -P foo-ssp(129.34.123.51) Password:***** |
SSP または TC でユーザーパスワードを変更する場合は、各クラスタノードからこの作業を実行して、 Sun Cluster ソフトウェアにも変更を知らせる必要があります。この通知を行わないと、SSP または TC から「ブレーク送信」を行うことにより障害のあるノードを強制的に停止する必要がある場合に、障害防御が適切に動作しない場合があります。