Management Information Base (MIB) は、ネットワーク管理プロトコルを介してアクセスできるオブジェクトのコレクションです。オブジェクトの定義は、さまざまな管理プラットフォームがその定義を読み込んで解析できるように、一般的で、一貫したものでなければなりません。
snmpd デーモンは、クラスタ管理ワークステーションである管理サーバー、または任意のクライアントで実行してください。このエージェントは、クラスタ MIB に定義されているすべての SNMP 属性に、smond から収集された情報を提供します。この MIB ファイルは、一般に SunNet Manager Console のような「SNMP 対応の」ネットワークマネージャにコンパイルされます。「snmpd.conf ファイルの変更」を参照してください。
sun.mib ファイルは、クラスタ情報を次に示すテーブルの形で提供します。
clustersTable
clusterNodesTable
switchesTable
portsTable
lhostTable
dsTable
dsinstTable
上記のテーブルにおける、時刻はテーブルが管理される SNMP サーバー上のローカル時刻を指します。したがって、時刻はサーバー上で属性変更が報告される時刻を示します。
clustersTable (クラスタテーブル) は、監視対象のすべてのクラスタのエントリから構成されます。テーブル内の各エントリには、クラスタ情報を提供する特定の属性が含まれています。clustersTable の属性については、表 D-1を参照してください。
表 D-1 clustersTable の属性
属性名 |
説明 |
---|---|
clusterName |
クラスタ名 |
clusterDescr |
クラスタの説明 |
clusterVersion |
クラスタのリリースバージョン |
numNodes |
クラスタ内のノード数 |
nodeNames |
コンマで区切られた、クラスタ内のすべてのノードの名前 |
quorumDevices |
コンマで区切られた、クラスタ内のすべての定足数デバイスの名前 |
clusterLastUpdate |
このエントリの属性のどれかが最後に変更された時刻 |
clusterNodesTable (クラスタノードテーブル) は、監視対象のすべてのクラスタの既知のノードから構成されます。各エントリには、そのノードについての具体的な情報が含まれています。clusterNodesTable の属性については、表 D-2を参照してください。
相互参照を使用する場合、belongsToCluster の属性はこのテーブルと clustersTable 間のキー参照として動作します。
属性名 |
説明 |
---|---|
nodeName |
ノードのホスト名 |
belongsToCluster |
このノードが属しているクラスタの名前 |
scState |
このノード上の Sun Cluster ソフトウェアコンポーネントの状態 (Stopped、Aborted、In Transition、Included、Excluded、Unkonwn)。エンタプライズ固有のトラップが、状態の変化を知らせる |
vmState |
このノード上のボリュームマネージャソフトウェアコンポーネントの状態。エンタプライズ固有のトラップが、状態の変化を知らせる |
dbState |
このノード上のデータベースソフトウェアコンポーネントの状態 (Down、Up、Unknown)。エンタプライズ固有のトラップが、状態の変化を知らせる |
vmType |
このノードで現在使用されているボリュームマネージャの種類 |
vmOnNode |
このノード上の SSVM ソフトウェアコンポーネントのモード (Master、Slave、Unkown)。エンタプライズ固有のトラップが、状態の変化を知らせる。この属性は、ほかのボリュームマネージャを使用しているクラスタには無効 |
nodeLastUpdate |
このエントリの属性のどれかが最後に変更された時刻 |
switchesTable (スイッチテーブル) は、すべてのスイッチのエントリから構成されます。このテーブルの各エントリには、クラスタ内のスイッチについての具体的な情報が含まれています。switchesTable の属性については、表 D-3を参照してください。
表 D-3 switchesTable の属性
属性名 |
説明 |
---|---|
switchName |
スイッチ名 |
numPorts |
スイッチのポートの数 |
connectedNodes |
スイッチのポートに現在接続されているすべてのノードの名前 |
switchLastUpdate |
このエントリのスイッチ属性のどれかが最後に変更された時刻 |
portsTable (ポートテーブル) は、すべてのスイッチポートのエントリから構成されます。このテーブルの各エントリには、スイッチ内のポートについての具体的な情報が含まれています。portsTable の属性については、表 D-4を参照してください。
相互参照を使用する場合、belongsToSwitch の属性はこのテーブルと switchesTable 間のキー参照として動作します。
属性名 |
説明 |
---|---|
portId |
ポート ID または番号 |
belongsToSwitch |
このポートが属しているスイッチの名前 |
connectedNode |
このポートが現在接続されているノードの名前 |
nodeAdapterId |
このポートが接続されているノード上の SCI カードのアダプタ ID |
portStatus |
ポートの状態 (Active、Inactive など) |
portLastUpdate |
このエントリのポート属性のどれかが最後に変更された時刻 |
lhostTable (論理ホストテーブル) は、クラスタに構成されている各論理ホストのエントリから構成されます。lhostTable の属性については、表 D-5を参照してください。
表 D-5 lhostTable の属性
属性名 |
説明 |
---|---|
lhostName |
論理ホストの名前 |
lhostMasters |
論理ホストを構成しているノードの名前リスト |
lhostCurrMaster |
論理ホストの現在のマスターであるノードの名前 |
lhostDS |
この論理ホスト上で実行されるように構成されているデータサービスのリスト |
lhostDG |
この論理ホスト上に構成されているディスクグループ |
lhostLogicalIP |
この論理ホストに対応する論理 IP アドレス |
lhostStatus |
論理ホストの現在の状態 (UP または DOWN) |
lhostLastUpdate |
このエントリの属性のどれかが最後に変更された時刻 |
dsTable (データサービステーブル) は、監視対象クラスタ内のすべての論理ホストに構成されているすべてのデータサービスのエントリから構成されます。このテーブル内の各エントリには、論理ホストに構成されているデータサービスについての具体的な情報が含まれています。dsTable の属性については、表 D-6 を参照してください。
相互参照を使用する場合、dsonLhost の属性はこのテーブルと lhostTable 間のキー参照として動作します。
属性名 |
説明 |
---|---|
dsName |
データサービスの名前 |
dsOnLhost |
データサービスが構成されている論理ホストの名前 |
dsReg |
値は、データサービスが動作するように設定されている (1) か、動作しないように設定されている (0) |
dsStatus |
データサービスの現在の状態 (ON、OFF、INST DOWN) |
dsDep |
このデータサービスが依存しているほかのデータサービスのリスト |
dsPkg |
データサービスのパッケージ名 |
dsLastUpdate |
このエントリの属性のどれかが最後に変更された時刻 |
dsinstTable (データサービスインスタンステーブル) は、すべてのデータサービスインスタンスのエントリから構成されます。dsinstTable の属性については、表 D-7を参照してください。
相互参照を使用する場合、dsinstOfDS の属性はこのテーブルと dsTable 間のキー参照として使用できます。同様に、dsinstOnLhost 属性は、このテーブルと lhostTable 間のキー参照として使用できます。
属性名 |
説明 |
---|---|
dsinstName |
データサービスインスタンスの名前 |
dsinstOfDS |
このデータサービスインスタンスのデータサービスの名前 |
dsinstOnLhost |
このデータサービスインスタンスが動作している論理ホストの名前 |
dsinstStatus |
データサービスインスタンスの状態 |
dsinstLastUpdate |
このエントリの属性のどれかが最後に変更された時刻 |