デバイスのサービスを開始する前に、すべてのクラスタノードで scconf -q コマンドを実行して定足数デバイスを別のデバイスに変更できます。
たとえば、ノード phys-hahost1 と phys-hahost2 のクラスタ haclust の定足数デバイスを変更するには、次のように scconf(1M) コマンドを実行します。
# scconf haclust -q phys-hahost1 phys-hahost2 Select quorum device for nodes 0 (phys-hahost1) and 1 (phys-hahost2). Type the number corresponding to the desired selection. For example: 1<CR> 1) DISK:c2t2d0s2:01943825 2) DISK:c2t3d0s2:09064321 3) DISK:c2t4d0s2:02171369 4) DISK:c2t5d0s2:02149886 5) DISK:c2t8d0s2:09062992 6) DISK:c2t9d0s2:02166472 7) DISK:c3t2d0s2:02183692 8) DISK:c3t3d0s2:02183488 9) DISK:c3t4d0s2:02160277 10) DISK:c3t5d0s2:02166396 11) DISK:c3t8d0s2:02164352 12) DISK:c3t9d0s2:02164312 Quorum device: 12 |
-q オプションは、各ノードに接続されたデバイスの一覧を調べ、2 つのノードが共有しているデバイスを表示します。この一覧から、定足数デバイスを選択できます。
遠隔ホストに接続されたデバイスを検証できるように、ローカルの /.rhosts ファイルは rsh(1) 権限を与えるように変更されます。この権限は、このコマンドが完了すると無効になります。
この動作は、このコマンドがすべてのノードから同時に実行される場合だけ発生します。遠隔の root アクセス機能が必要ない場合は、-m オプションを使用してください。
この一覧の SSA コントローラまたはディスクを定足数デバイスとして選択できます。
SSA コントローラを選択すると、そのコントローラ内のディスクの一覧が表示されます。
手順 2で SSA コントローラを選択した場合、その SSA のディスクを定足数デバイスとして選択できます。
この手順でディスクを選択しないと、手順 2 で選択された SSA コントローラが定足数デバイスとなります。
-q オプションは、メンバーシップに含まれないほかのノードが原因で、ノードが定足数デバイスを予約していないかどうかも確認します。予約している場合、-q オプションは、古い定足数デバイスの予約を解放し、新しい定足数デバイスを予約します。
scconf -q コマンドを正常に実行するためには、指定されたすべてのノードを起動する必要があります。起動されないノードがあると、このコマンドはローカルノード上のすべてのデバイスを検証し、そのリストを表示します。定足数デバイスには、必ず共有デバイスを選択してください。
定足数デバイスとして使用するデバイスの名前がわかる場合は、-m オプションを使用して新しいデバイスを指定してください。
# scconf clustername -q -m quorum-device hostname1 hostname2 |
定足数デバイスは、SSA コントローラの固有の名称 (World Wide Name: WWN)、SSA ディスクのディスク識別子 (WWN.disk-serial-id)、または SSA 以外のディスクのディスク識別子 (disk-address:disk-serial-id) で指定できます。disk-address は、cxtydzs2 という形式で指定します。SSA ディスクまたは SSA 以外のディスクのシリアル番号を調べるには、finddevices(1M) コマンドを使用します。
すべてのノードが共通定足数デバイスを共有する、3 ノード以上から構成されるクラスタでは、-q -D オプションを使用して新しい共通定足数デバイスを指定できます。
# scconf clustername -q -D |
クラスタ内のホストはすべて共通デバイスを共有するため、ホスト一覧の指定は不要です。
これは、各ホストに接続されたデバイスの一覧を検証し、続いて共有されたデバイスの一覧を示す対話型のオプションです。この一覧から定足数デバイスを選択してください。
scconf -q -D コマンドを正常に実行するためには、クラスタ内に定義されたすべてのアクティブホストを起動する必要があります。起動されないノードがあると、このコマンドはローカルホスト上のすべてのデバイスを検証し、そのリストを表示します。定足数デバイスには、必ず共有デバイスを選択してください。
-q -D オプションは、クラスタに含まれないほかのノードが原因で、クラスタのノードが定足数デバイスを予約していないかどうかも確認します。予約している場合、古い定足数デバイスの予約は解放され、新しい定足数デバイスが予約されます。
このコマンドが cconsole と crlogin GUI インタフェースを介してすべてのノードから同時に実行されると、rsh(1) 権限を与えるようにローカルの /.rhosts ファイルが変更されます。これにより、遠隔ホストに接続されたデバイスの検証が行えるようになります。この権限は、このコマンドが完了すると無効になります。
遠隔の root アクセスが必要ない場合は、-m オプションを追加できます。定足数デバイスを構成するこのオプションは、指定されたノードに対するコマンドの最後の引数として指定します。
# scconf clustername -q -D -m quorum-device |
定足数デバイスは、cxtydzs2:disk-serial-ID という形式のディスク識別子です。ディスクのシリアル番号を調べるには、finddevices(1M) コマンドを使用します。