Sun Cluster 2.2 のシステム管理

ゴールデンメディエータ

一部の dual-string 障害において不要なユーザー介入を防ぐために、ゴールデンメディエータという概念が実装されました。複製データベースのちょうど半分がアクセス可能なときにメディエータホストの更新が必要なイベントが発生すると、2 つのメディエータの更新が試みられます。最初の更新は、コミット回数の変更を試み、メディエータを「非ゴールデン」に設定します。2 つめの更新は、最初の段階ですべてのメディエータホストが正常なことが確認され、かつアクセス可能な複製 (これらはコミット回数が増えている) の数が複製の合計数のちょうど半分であった場合だけ発生します。すべての条件が満たされると、2 つめの更新によってメディエータの状態が「ゴールデン」に設定されます。これにより、ユーザーの介入なしで、ゴールデン状態のホストに対するテイクオーバーが進行します。状態がゴールデンではない場合、データは読み取り専用に設定されます。テイクオーバーやフェイルオーバーを正常に行うためにはユーザーの介入が必要です。ユーザーがテイクオーバーやフェイルオーバーを開始するには、複製のちょうど半分がアクセス可能でなければなりません。

ゴールデン状態は、揮発性メモリー (RAM) にだけ格納されます。いったんテークオーバーが発生すると、メディエータデータは再更新されます。メディエータホストのどれかが更新不可能な場合、ゴールデン状態が取り消されます。状態は RAM だけに格納されるため、メディエータホストを再起動するとゴールデン状態が取り消されます。メディエータのデフォルト状態はゴールデンではありません。