Solaris Resource Manager 1.1 のシステム管理

階層構造

Solaris Resource Manager 管理モデルでは、l ノードが「スケジューリングツリー」と呼ばれる階層構造に編成されます。スケジューリングツリーはユーザー ID を使って編成され、各 l ノードはツリーにおいてその親のユーザー ID を参照します。

スケジューリングツリーのサブツリーは「スケジューリンググループ」と呼ばれ、スケジューリンググループのルートにあるユーザーがグループのヘッダーです。(root ユーザーは、スケジューリングツリー全体のグループヘッダーです。) グループヘッダーには、グループ内の資源ポリシーを管理する機能を持たせることができます。

l ノードを最初に作成するときにはユーザー ID ファイルを解析して作成します。Solaris Resource Manager をインストールした後は、l ノード管理コマンド (limadm(1MSRM)) で追加の l ノードを作成し、l ノードを親に割り当てます。スケジューリングツリーのデータはテキストファイルのデータベースに格納されるので、必要に応じて limadm を使用して変更できます。

l ノードが使用するユーザー ID はシステムアカウント (エントリがシステムパスワードマップにある) に対応する必要はありませんが、各 l ノードのユーザー ID に対しシステムアカウントをできるだけ作成してください。葉 (leaf) ではない l ノード (階層でその l ノードの下に従属 l ノードがあるもの) の場合は、その l ノードに対応するアカウントは純粋に管理用であり、ユーザーがそれにログインすることはないかもしれません。しかし、この l ノードが、ログインを行う実ユーザーの l ノードとして、この葉ではない l ノードに接続されているプロセスを実行することもできます。

Solaris Resource Manager のスケジューリンググループとグループヘッダーは、/etc/group データベースに定義されているシステムグループとは関係ありません。グループヘッダーを含め、スケジューリングツリーの各 1 ノードは、固有のユーザー ID を持つ実システムユーザーに対応しています。