Solaris Resource Manager は Solaris システムの管理に広範囲に影響を与えるため、Solaris Resource Manager のインストールや保守にあたっては、システムのセキュリティを損なわないようにすることが重要です。
システム管理者が Solaris Resource Manager のセキュリティを維持するための方法はいくつかあります。最も重要なことは、Solaris システムの場合と同様、root パスワードの機密を保護することです。root パスワードを知っていれば、だれでも中央のシステム管理者と同じようにシステム資源に無制限にアクセスできます。
Solaris Resource Manager のユーザーに与えることができる特別な管理特権がいくつかあります。そのためには、ユーザーの l ノードにあるシステムフラグを設定する必要があります。この方法では、ユーザーに完全なスーパーユーザー特権を与えることなく、特権を獲得したユーザーが必要な作業を実行できるため、システムのセキュリティが向上します。
これらの特権の中には簡単に与えてはならないものがあります。この特権を獲得するとユーザーは広範囲に権限を持つことになるからです。これらの特権を持つユーザーのパスワードは、スーパーユーザーのパスワードと同様、厳格に保護される必要があります。
副管理者が、与えられた管理特権を誤用することがないように、Solaris Resource Manager ではセキュリティに関していくつかの予防策が用意されています。「一般的なアプリケーションサーバー」と 「l ノードの保守プログラム」を参照してください。
中央のシステム管理者は、スケジューリングツリーの構造を注意深く扱わないと、システムのセキュリティが侵害される場合があります。そのため、スケジューリングツリーを適切に変更する方法を理解し、現在の構造の潜在的な問題を発見する方法を知ることが重要です。これについては、「スケジューリングツリーの構造」で説明しています。