Sun WorkShop の概要 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
第 1 章
Sun WorkShop について
Sun WorkShop は、C++、C、Fortran 77/95 ソフトウェア開発プロジェクトの構築、編集、デバッグ、ソースブラウズ、チューニングのための統合開発環境を提供することによって、複雑な開発作業を簡略化するプログラミング環境です。
Sun WorkShop は、次のコンポーネントで構成されています。
統合テキストエディタ
テキストエディタは、構築、デバッグ、ブラウズ機能を持つ、Sun WorkShop 統合開発ツールセットの中核ツールです。Sun WorkShop プログラミング環境では、テキストエディタから式の評価、ブレークポイントの設定、関数のステップ実行を行うことができます。
Sun WorkShop 6 には、次の統合エディタが用意されています。
- NEdit バージョン 5.0.2: X/Motif システム用のグラフィカルユーザーインタフェース形式のプレーンテキストエディタ。デフォルトでは、Sun WorkShop は、このエディタを使用します (テキストエディタの変更については、「テキストエディタの選択とテキストエディタのオプション」を参照)。NEdit については、オンラインヘルプと、NEdit の Web ページ (
http://www.nedit.org
) を参照してください。- XEmacs バージョン 20.4 (または互換バージョン): アプリケーション開発システムとしての機能も備えた、カスタマイズ可能なテキストエディタ。XEmacs についての詳細は、オンラインヘルプと、XEmacs の Web ページ (
http://www.xemacs.org
) を参照してください。- GNU Emacs バージョン 19.28 (または互換バージョン): マニュアル類が充実していて、拡張性が高く、カスタマイズ可能なリアルタイムディスプレイエディタ。GNU Emacs についての詳細は、オンラインヘルプと、GNU の Web ページ (
http://www.gnu.org
) を参照してください。- vi: UNIX システム標準のスクリーンエディタ。vi についての詳細は、オンラインヘルプの該当項目を参照してください。
- vim バージョン 5.3 (グラフィカルユーザーインタフェースオプション付き): UNIX システム標準の vi テキストエディタの改良版。vim についての詳細は、オンラインヘルプと、vim の Web ページ (
http://www.vim.org
) を参照してください。
注 - NEdit と vim は日本語化されていないため、日本語環境で日本語を扱うことはできません。また、純正の GNU Emacs も日本語を扱うことはできません。GNU Emacs の多国語対応版であるMule は日本語を扱うことができます。日本語環境で WorkShop を起動した場合に、Mule をエディタとして起動するように設定できます。
XEmacs の Mule 機能
XEmacs には Mule 機能が含まれているため、日本語を扱うことができます。
WorkShop のエディタのオプションで選択可能なエディタと起動されるコマンドは、以下の表のように環境によって異なります。
NEdit 付属の nedit Vi 付属の Vi エディタ Vi 付属の Vi エディタ Mule PATH 中の mule GNU Emacs PATH 中の emacs XEmacs 付属の xemacs-mule XEmacs 付属の xemacs Vim 付属の gvim
Sun WorkShop のエディタについては、次を参照してください。
- 「テキストエディタの選択とテキストエディタのオプション」
- オンラインヘルプ
コンパイラ
Sun WorkShop 6 では、次のコンパイラをサポートしています。
- Sun WorkShop C++ コンパイラ (Sun Visual WorkShop C++ で使用可能)
- この C++ コンパイラ (
CC
) は、C++ に関する ISO 規格の ISO IS 14882:1998, Programming Language C++ に対応しています。ただし、この規格にある「テンプレートはテンプレートパラメタとユニバーサル文字名である」という仕様には対応していません。C++ コンパイラについては、『C++ ユーザーズガイド』を参照してください。
- Sun WorkShop C コンパイラ
- このコンパイラは、ANSI C 言語および環境規格に完全準拠しているとともに、従来の K&R C にも対応しています。C オプティマイザによって、最適化されていないコードよりも大幅にパフォーマンスが向上します。このコードオプティマイザは、冗長なコードを取り除いて、レジスタを効率よく割り当て、命令をスケジュールします。また、インクリメンタルリンカーという、デバッグ段階でのリンク時間を短縮する機能も用意されています。C コンパイラについては、『C ユーザーズガイド』を参照してください。
- Sun WorkShop Fortran コンパイラ (Sun Performance WorkShop Fortran で使用可能)
統合デバッグサービス
Sun WorkShop では、ウィンドウ形式のソースコードデバッグサービスを使用して、プログラムの実行を制御し、停止したプログラムの状態を検査する機能があります。大部分のデバッグ操作は、「デバッグ」ウィンドウとその下位のデバッグウィンドウから実行できます。また、基本的なデバッグ操作は、デバッグ目的でプログラムを読み込んだときに自動的に開くテキストエディタのウィンドウから実行することもできます。Sun WorkShop では、プログラムを動的に実行して完全に制御し、パフォーマンスデータを収集できます。また、
dbx
という、コマンド行で行うソースコードデバッガも付属しています。
- このマニュアルの第 4 章
- オンラインヘルプ
ソースコードブラウザ
Sun WorkShop では、パターン検索モードまたはソースブラウズモードで「ブラウズ」ウィンドウから問い合わせを発行することによって、C、C++、Fortran 77/95 で書かれたソースコードをブラウズできます。パターン検索モードでは、ソースコードから、コメント内のテキストなどの任意の文字列を検索できます。ソースブラウズモードでは、ソースブラウズオプションでソースファイルをコンパイルしたときに作成されるデータベースに基づいて、プログラムに定義されている特定のシンボルに一致するもののすべてを見つけることができます (Sun WorkShop では、プロジェクトを作成または編集するセクションで、コードをコンパイルするときにデータベースを作成できます)。 問い合わせ内容に一致する文字列またはシンボルは、「ブラウズ」ウィンドウの一致区画に前後のソースコードと一緒に表示されます。
プログラム内の関数とサブルーチンの関係をグラフで表示することもできます。また、ソースコードが C++ で書かれている場合は、プログラムに定義されているクラスをブラウズしたり、グラフで表示したりできます。
- このマニュアルの第 5 章
- オンラインヘルプ
パフォーマンス、ソースコード管理、GUI 構築ツール
Sun WorkShop のメインウィンドウには、「ツール」メニューがあり、デフォルトでは、このメニューから 「アナライザ」 (プログラムのパフォーマンス解析) や 「ファイルマージ」 (Sun WorkShop TeamWare ソースコード管理ツールの 1 つ) にアクセスできます。この他、Sun Performance WorkShopTM Fortran を使用している場合は、同じ「ツール」メニューから、マルチスレッド化ツールの 「ループツール」 にアクセスできます。Sun Visual WorkShopTM C++ を使用している場合は、GUI 構築ツールの Visual にアクセスできます。
マルチスレッド開発ツール
Sun WorkShop には、マルチスレッドアプリケーションを開発するためのツールが付属しています。Sun WorkShop のデバッガでは、マルチスレッドプログラムを動的に解析、制御できます。ロック lint は、ソースコードを解析して、デッドロックやデータ競合状態などの同期エラーがないかどうかを調査します。ループツール は、ループ実行時のグラフを表示して、並列化されたループを示します。Sun WorkShop では、これらツールが一体となって、マルチスレッドプログラムの開発をサポートします。
- このマニュアルの第 6 章
- 『プログラムのパフォーマンス解析』
- オンラインヘルプ
Sun WorkShop TeamWare
Sun WorkShop TeamWare ソースコード管理ツールによって、 GUI またはコマンド行のどちらからでもソースコードファイルを管理できます。チームのメンバーが複数サイトに分散している場合でも、製品の調整、統合、構築を並行して行うことができます。TeamWare には、次の機能があります。
- ワークスペース管理 : ソースコードの構成およびリリースを管理、統合します。
- バージョン管理 : ファイルのバージョン履歴を作成して、記録します。
- フリーズポイント : 後で回復できるよう、基準となるソフトウェアの構成またはリリース情報を作成します。
- 構築ツール : 複数の Solaris ホストに構築ジョブを分散して実行します。
- ファイルマージ : ソースの変更を調整しながら、ソースファイルをマージします。
- このマニュアルの第 7 章
- 『Sun Workshop TeamWare ユーザーズガイド』
- オンラインヘルプ
Sun WorkShop Visual
(Sun Visual WorkShop C++ で使用可能)
Visual は、グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) の設計や、移植可能なオブジェクト指向型のコードの作成、Motif や Java、Microsoft Foundation Class 用 GUI の開発を支援します。GUI のコードは、設計が完了する自動的に作成されます。
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