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第 7 章
ソースファイルのマージ
ファイルマージ機能によって、2 つのテキストファイルを比較したり、2 つのファイルをマージ (併合) した新しいファイルを作成したり、同じファイルの 2 つの編集バージョンを元のファイルと比較して、編集内容をすべて含む新しいファイルを作成したりできます。ファイルマージ機能は、2 つのテキストファイルをそれぞれ読み取り専用の表示区画に読み込み、比較しやすいように横に並べて表示します。2 つのファイルの相違箇所にマークを付け、マージによって作成される新しいファイルを表示します。この新しいファイルを編集して、最終的なファイルを作成できます。
マージする 2 つのファイルの読み込むときに、3 つ目のファイルとして、それら 2 つのファイルの元のファイル (祖先ファイル) を指定できます。祖先ファイルが指定された場合、ファイルマージ機能は、マージするファイルと祖先とを比較し、異なる行にマークを付けて、それら 3 つのファイルのすべてに基づいて新しいファイルを作成します。
詳細は、オンラインヘルプを参照してください (オンラインヘルプを表示するには、「ファイルマージ」ウィンドウから「ヘルプ」
「目次」を選択します)。
ファイルの読み込み
ファイルをファイルマージに読み込むには、次の手順に従ってください。
1. WorkShop メインウィンドウから「ツール」
- 「ファイルマージ」ウィンドウが開きます (図 7-1 を参照)。このウィンドウは、3 つの区画に分かれています。同じファイルの異なるバージョンを表示する、ウィンドウ上部にある横に並べられた 2 つの区画と、マージ結果を表示するウィンドウ下部の区画の 3 つです。上部の 2 つの区画は読み取り専用で、下部の区画にはファイルの 2 つのバージョンのいずれか一方または両方から選択された行が表示されます。下部の区画の内容を編集することによって、最終的にマージしたバージョンを作成できます。
2. 「ファイル」3. 「ディレクトリ」テキストボックスで作業用ディレクトリを選択します。
- これは、ファイルの選択および保存に使用されるデフォルトのディレクトリです。このテキストボックスの右横の「. . .」ボタンをクリックすると、ディレクトリを選択するためのダイアログボックスが表示されます。
4. 「左のファイル」テキストボックスと「右のファイル」テキストボックスで、比較する 2 つのファイルを選択します。5. ファイルを共通の祖先と比較する場合は、2 つのファイルの祖先ファイルを「祖先ファイル」テキストボックスに入力します。
- 自動ファイルマージを使用するには、祖先ファイルが必要です。
6. 出力ファイルの名前を指定する場合は、「出力ファイル」テキストボックスに名前を入力します。デフォルトでは、
filemerge.outという名前のファイルが作業用ディレクトリに保存されます。7. 「開く」をクリックして、ファイルを読み込みます。それぞれのテキスト区画の上に左側のファイル名、右側のファイル名、出力ファイル名が表示されます。3 つのファイルの比較では、ウィンドウのヘッダー部分に祖先ファイルの名前が表示されます。
図 7-1 「ファイルマージ」ウィンドウ相違の処理
ファイルマージは、ファイル間の相違個所を処理します。マージする 2 つのファイル (または 2 つのうちのどちらかのファイルと祖先ファイル) の間で異なる行を検出すると、行の相違の種類に応じたグリフを使用して、2 つのファイルの相違行にマークを付けます。ここでは、相違行をまとめて相違と呼びます。ファイル内の次の相違に移動すると、相違行とそのグリフが強調表示されます。
強調表示されている相違を「現在の相違」と呼びます。直前の相違を「前の相違」、直後の相違を「次の相違」と呼びます。行に対する変更が受け入れられると、相違は解決されたことになります。残る相違は、まだ解決されていない相違です。
ファイルマージのグリフの意味
相違が簡単に見分けられるよう、ファイルマージでは、いくつかの色とグリフを使用して、相違する行を強調表示します。黄色は追加されている行、赤色は変更されている行、緑色は削除されている行を示します。
グリフの意味は、ファイルの 2 つのバージョンの比較 (入力ファイルが 2 つ) か、祖先ファイルと 2 つのバージョンの比較 (入力ファイルが 3 つ) かによって異なります。
入力ファイルが 2 つの場合
ファイルマージに 2 つのファイルだけが読み込まれ、それらのファイルの対応する行に相違がある場合は、それぞれのファイルの該当する行にグリフが表示されます。
- 2 つの行に相違がない場合、グリフは表示されません。
- 2 つの行に相違がある場合は、両方のテキスト区画のその行の先頭に縦棒 (
|) が表示され、相違部分が黄色で強調表示されます。- ある行が一方のファイルにあって、もう一方にない場合は、その行が存在する方のファイルの該当する行の先頭に正符号 (
+) が表示され、相違部分が赤色で強調表示されます。- 相違が解決された行には、白抜きのグリフが表示されます。
入力ファイルが 3 つの場合
マージする 2 つのファイルを読み込むときに、3 つ目のファイルとして、それら 2 つのファイルの祖先ファイルを指定できます。祖先ファイルは、マージする 2 つのファイルより古いバージョンのファイルです。祖先ファイルを指定すると、そのファイルが、マージする 2 つのファイルを比較する基準として使用されます。また、祖先ファイルを指定することによって、自動マージを行うことができます。ファイルマージは、祖先ファイルから派生したファイル、すなわち、子孫ファイル内の、祖先と異なるすべての行にマークを付け、それら 3 つのファイルに基づいてマージファイルを作成します。
マージする 2 つのファイル内の、祖先ファイルと異なる行は、変更バーのマークが付けられ、いくつかの色を使用して強調表示されます。
- 3 つのファイルの間で行に相違が存在しない場合、グリフは表示されません。
- 祖先には存在しない行が、子孫のいずれかまたは両方に存在する場合は、その行が存在するファイルの該当する行の先頭に正符号 (
+) が表示され、相違部分が黄色で強調表示されます。- 祖先に存在する行が、子孫のいずれかまたは両方の対応する行と異なる場合は、その異なる行が存在するファイルの該当する行の先頭に縦棒 (
|) が表示され、相違部分が赤色で強調表示されます。- 祖先に存在する行が、子孫のいずれかまたは両方に存在しない場合は、その行が存在しないファイルの該当する行位置の先頭に負符号 (
-) が表示され、相違部分が抹消線付きの緑色で強調表示されます。- 相違が解決された行には、白抜きのグリフが表示されます。
相違間の移動
相違間を移動するには、2 つの区画の上にあるボタンか、「ナビゲート」メニューを使用します。相違を受け入れずに前の相違へ移動するには「前」ボタン、次の相違へ移動するには「次」ボタンをクリックします。特定のテキスト文字列に移動するには、「ナビゲート」
「親」と「子」の区画にあるポップアップメニューを使用して相違間を移動することもできます。どちらかの区画内でマウスの右ボタンをクリックすると、メニューが開きます。
相違の解決
相違を解決するには、左右の区画の一方で変更を受け入れます。相違を受け入れるには、次のいずれかの操作をします。
詳細は、オンラインヘルプを参照してください。オンラインヘルプを表示するには、「ファイルマージ」ウィンドウから「ヘルプ」
相違オプションの設定
ファイルマージがファイル間の特定の相違を無視するようにカスタマイズするには、「オプション」
詳細は、オンラインヘルプを参照してください (オンラインヘルプを表示するには、「ファイルマージ」ウィンドウから「ヘルプ」
ファイルの自動マージ
ファイルマージは、以下の規則に従って、相違を自動的に解決できます。
- 3 つのファイルすべてについて変更のない行は、出力ファイルに追加します。
- 子孫のどちらかで行が変更されている場合は、変更後の行を出力ファイルに追加します。変更には、行全体の追加または削除、行の部分的置換があります。
- 両方の子孫で同じ行に同じ変更が加えられている場合は、その行を出力ファイルに追加します。
- 両方の子孫で同じ行が編集されていて、3 つのファイルのすべてで異なる場合は、どの行も出力ファイルに追加しません。この場合は、相違の解決方法を自分で決定する必要があります。子孫の行を選択するか、マージ後の新しいファイルを手動で編集します。
ファイルマージが相違を自動的に解決すると、グリフが白抜きに変わります。ファイルマージを使用して、自動的に解決された相違が正しい選択をしているかどうかを確認できます。
「オプション」
祖先ファイルを指定しなかった場合は、ファイルマージには、2 つの入力ファイル間の相違を比較する基準がありません。このため、ファイルマージは、相違のどちらの行が必要な変更内容を表しているかを判断できません。祖先を指定しないで自動ファイルマージを実行すると、自動ファイルマージをオフにした場合と同じ結果になります。すなわち、ファイルマージは、両方の入力ファイルで同じ行だけを使用してマージファイルを作成するため、相違はユーザー自身が解決する必要があります。
出力ファイルの保存
出力ファイルを保存するには、「保存」ボタンをクリックするか、「ファイル」
保存する際に出力ファイルの名前を変更するには、「別名保存」を選択し、呼び出されたウィンドウに新しいファイル名とディレクトリ名を入力します。
ファイルマージオプションの設定
「ファイルマージ」ウィンドウの「オプション」メニューを使用して、さまざまなファイルマージオプションを設定できます。このメニューから、次のことを行うことができます。
- ファイルマージ後の新しいファイルの自動作成
- ファイルの個別スクロールまたは対応する行単位の同時スクロールの制御
- 行番号および行末の表示の制御
- タブの設定
- 空白文字と英大文字 / 小文字の区別の取り扱いの設定
詳細は、オンラインヘルプを参照してください。オンラインヘルプを表示するには、「ファイルマージ」ウィンドウから「ヘルプ」
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