Fortran プログラミングガイド |
はじめに
このマニュアルでは、2 つの SunTM Fortran コンパイラ、
f77
(FORTRAN 77 バージョン 5.0) とf90
(Fortran 90 バージョン 2.0) を使用して、効率的なアプリケーションを開発する必要があるプログラマに重要な情報を提供します。入出力、プログラム開発、ソフトウェアライブラリの使用方法と作成、プログラムの解析とデバッグ、数値精度、移植、性能、最適化、並列化、C と Fortran 間のインタフェースについて説明します。コンパイラのコマンド行オプションとその使用方法については、関連マニュアル『Fortran ユーザーズガイド』を参照してください。
このマニュアルは、Fortran に関する実用的な知識を持ち、Sun Fortran コンパイラの効率的な使用法を学ぼうとしている、科学者、技術者、プログラマを対象に書かれています。また、SolarisTM オペレーティング環境や UNIX® の一般的な知識を持つ読者を対象としています。
マルチプラットフォーム対応
この Sun WorkShop リリースは、Solaris 2.6、7、および 8 のオペレーティング環境 (SPARCTM プラットフォームおよび Intel プラットフォーム) をサポートしています。
特定のプラットフォームの
f77
とf95
コンパイラの利点については、Sun WorkShop README ディレクトリの fortran_77 および fortran_95 の README ファイルを参照してください (30ページも参照してください)。Sun WorkShop 開発ツールへのアクセス方法
Sun WorkShop 製品コンポーネントとマニュアルページは標準ディレクトリ
/usr/bin
および/usr/share/man にはインストールされません。そのため PATH
およびMANPATH 環境変数を変更して
Sun WorkShopコンパイラとツールにアクセスできるようにする必要があります。
PATH
環境変数を設定する必要があるかどうか判断するには以下を実行します。1. 次のように入力して、PATH
変数の現在値を表示します。
%
echo $PATH
2. 出力内容から/opt/SUNWspro/bin
を含むパスの文字列を検索します。
- パスがある場合は、
PATH
変数は Sun WorkShop 開発ツールにアクセスできるように設定されています。パスがない場合は、この節の指示に従って、PATH
環境変数を設定してください。
MANPATH
環境変数を設定する必要があるかどうか判断するには以下を実行します。1. 次のように入力して、workshop
マニュアルページを表示します。
%
man workshop
2.出力された場合、内容を確認します。
workshop
(1) マニュアルページが見つからないか、表示されたマニュアルページがインストールされたソフトウェアの現バージョンのものと異なる場合は、この節の指示に従ってMANPATH 環境変数を設定してください。
注 - この節に記載されている情報は Sun WorkShop 6 製品が/opt
ディレクトリにインストールされていることを想定しています。 Sun WorkShop ソフトウェアが/opt
ディレクトリにインストールされていない場合は、システム管理者に連絡してください。
PATH
変数およびMANPATH
変数は、C シェルを使用している場合はホームディレクトリの下の.cshrc
ファイルに設定する必要があります。Bourne シェルか Korn シェルを使用している場合は、ホームディレクトリの下の.profile
ファイルに設定する必要があります。
- Sun WorkShop コマンドを使用するには、
PATH
変数に以下を追加してください。man
コマンドで、Sun WorkShop マニュアルページにアクセスするには、MANPATH
変数に以下を追加してください。内容の紹介
第 1 章「ご使用になる前に」では、コンパイラの機能を簡単に説明します。
第 2 章「Fortran 入出力」では、入出力の効果的な使用方法を説明します。
第 3 章「プログラム開発」では、SCCS、
make
、TeamWare などのプログラム管理ツールの有用性について示します。第 4 章「ライブラリ」では、ソフトウェアライブラリの使用方法と作成方法を説明します。
第 5 章「プログラムの解析とデバッグ」では、
dbx
などの解析ツールの使用方法を説明します。第 6 章「浮動小数点演算」では、数値計算精度に関する重要な話題を紹介します。
第 7 章「移植」では、Sun コンパイラへのプログラムの移植に関する問題を考えます。
第 8 章「パフォーマンスプロファイリング」では、性能の測定手法を説明します。
第 9 章「パフォーマンスと最適化」では、Fortran プログラムの実行性能を向上させる方法を示します。
第 10 章「SPARC: 並列化」では、コンパイラの多重処理機能を説明します。
第 11 章「C と Fortran のインタフェース」では、C と Fortran のルーチンがお互いに呼び出し、データを渡す方法を説明します。
書体と記号について
このマニュアルで使用している書体と記号について説明し
ます。
- 小さい三角形 D は空白文字を示します。
DD36.001- FORTRAN 77 の例はタブ書式で、Fortran 95 の例は自由書式で示します。FORTRAN 77 と Fortran 95 に共通の例は、特に指示がない限りタブ書式で示します。
- FORTRAN 77 規格では、「FORTRAN」とすべて大文字で表記する旧表記規則を使用しています。サンのマニュアルでは FORTRAN と Fortran の両方を使用しています。現在の表記規則では、「Fortran 95」と小文字を使用しています。
- オンラインマニュアルページへの参照は、トピック名とセクション番号とともに表示されます。たとえば、
GETENV
への参照は、getenv
(3F) と表示されます。getenv(3F) とは、このページにアクセスするためのコマンドがman -s 3F getenv であるという意味です。
- システム管理者は Sun Fortran コンパイラとサポート機器を、
<install_point>/SUNWspro/SC5.0/
にインストールできます。通常、標準のインストールでは <install_point> に/opt
を指定します。本書では/opt
をインストールポイントとして使用します。シェルプロンプトについて
シェルプロンプトの例を以下に示します。
表 P-2 シェルプロンプト UNIX の C シェル machine_name%
UNIX の Bourne シェルと Korn シェル machine_name$
スーパーユーザー
(シェルの種類を問わない)#
関連マニュアル
- インターネットの
docs.sun.com の Web サイトからアクセスできます。特定の本のタイトルで検索するか、主題、マニュアルコレクションまたは製品別にブラウズすることができます。
- ローカルシステムまたはローカルネットワークにインストールされた Sun WorkShop 製品からアクセスできます。Sun WorkShop 6 HTML 文書 (マニュアル、オンラインヘルプ、マニュアルページ、各コンポーネントの README ファイル、リリースノート) が、インストールした Sun WorkShop 6 製品から参照可能です。HTML 文書にアクセスするには、次のいずれかを実行します。
表 P-3 は、Sun WorkShop 6 関連マニュアルをマニュアルコレクション別に一覧にしたものです。
表 P-4 は、
docs.sun.com
の Web サイトからアクセスできる Solaris 関連マニュアルの一覧です。
表 P-4 Solaris 関連マニュアル Solaris ソフトウェア開発
リンカーとライブラリ Solaris リンクエディタと実行時リンカーの操作およびそれらが操作するオブジェクトについて説明しています。
プログラミングユーティリティ Solaris オペレーティング環境で使用可能な特殊組み込みプログラミングツールに関する開発者向けの情報を記載しています。
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