どのような Sun Cluster 構成でも、少なくとも 2 つのノードには、1 組の共有ディスク (または多重ホストディスク) が物理接続されます。共有ディスクは、複数のディスク拡張装置にまたがってグループを構成します。ディスク拡張装置は、物理的なディスク格納装置です。Sun Cluster は、Sun StorEdgeTM MultiPack、Sun StorEdge A3000、Sun StorEdge A5000 などの、さまざまなディスク拡張装置をサポートしています。図 1-7 は、それぞれに 1 組のディスク拡張装置が物理接続されている 2 つのホストを示しています。クラスタのすべてのノードをすべてのディスク拡張装置に物理接続する必要はありません。
HA 構成では、多重ホストディスクに HA データサービス用のデータが格納されます。サーバーは、多重ホストディスクをマスターしているときに、そのディスク上のデータを利用できます。Sun Cluster サーバーの 1 つに障害が発生した場合、データサービスは同じクラスタ内の別のサーバーにフェイルオーバーします。すなわち、フェイルオーバー時、故障したノード上で動作していたデータサービスは、ユーザーの介入なしに、わずかなサービスの中断があるだけで別のノードから起動されます。システム管理者は、手動でいつでも別の Sun Cluster サーバーにデータサービスを切り替える (スイッチオーバー) ことができます。フェイルオーバーとスイッチオーバーについての詳細は、「システムフェイルオーバーとスイッチオーバー」を参照してください。
並列データベース構成では、多重ホストディスクに、リレーショナルデータベースアプリケーションの使用するデータが格納されます。この多重ホストディスクには、複数のサーバーが同時にアクセスします。Oracle UNIX DLM (Dynamic Lock Manager) によって、ユーザープロセスによる共有データの破壊が防止されます。
Sun StorEdge A3000 (RAID5 機能を持つ) を除き、多重ホストディスクは必ずミラー化する必要があります。図 1-7 は、多重ホストディスク構成を表しています。