Sun Cluster 2.2 で動作する Netscape Messaging Server には、次の前提条件と制約事項があります。
Netscape Messaging Server のインストールでは、リスナーデーモン popd、smtpd、imapd、mshttpd、stored を構成するときに、それぞれをアクティブにし、それぞれのデフォルトポートを指定する必要があります。そうしないと、起動プログラムと障害監視プログラムは、これらのデーモンが非アクティブであるものとみなし、現在の構成パラメータに従ってアクションをとります。さらに、これら 2 つの条件が満たされないと、Netscape Messaging Server は正しく起動されません。詳細は、「障害監視動作」を参照してください。
サーバールートごとに 1 つの Netscape Messaging Server インスタンスしか構成できません。また、論理ホストごとに 1 つのサーバールートしか構成できません。したがって、論理ホストごとに 1 つの Netscape Messaging Server インスタンスしか構成できません。
Sun Cluster 2.2 では、Netscape Messaging Server の Multiplexor 機能はサポートされません。Multiplexor はサーバールートの外にあるサービスを必要とするため、Multiplexor の検証やフェイルオーバーを Sun Cluster HA for Netscape で行えないためです。
Netscape Messaging Server はその一部のプロトコルに対し SSL 対応の待機をサポートしますが、Sun Cluster HA for Netscape は、SSL を使用する個々のポートの障害検証は行いません。ただし、SSL 対応ポートで待機する Netscape Messaging Server インスタンスに対し、基本的な再起動とフェイルオーバーをサポートします。
Netscape Messaging Server は SMTP プラグインをサポートします。SMTP プラグインとは、Netscape Messaging Server で独自の SMTP 処理を行うためにインストールおよび構成する共有ライブラリです。Netscape Messaging Server の構成で SMTP プラグインの使用を指定する場合は、Sun Cluster で共有ライブラリを保護する必要があります。それには、これらのライブラリを共有ディスクに (できるだけ、Netscape Messaging Server のサーバールートツリー内に) 置くか、マスターノードになる可能性がある各ノードのローカルディスクに置きます。
Netscape Messaging Server は、TCP ベースのサービス (IMAP、POP、HTTP、SMTP) に対し、サービスごとに高度なアクセス制御をサポートします。この機能を有効にするには、サーバーへのアクセスを選別するフィルタを作成します。ただし、フィルタを作成する場合は、マスターになったノード上の root が Netscape Messaging Server プロトコルサーバーに接続するのを妨げないように注意が必要です。root がいずれかのプロトコルサーバーへの接続を妨げられると、プロトコルサービスが使用可能かどうかを検査するデータサービス検証が失敗し、Sun Cluster HA for Netscape が現在の構成パラメータに従ってアクションをとります。この動作は、問題のフィルタが削除されるか、検証が終了するまで無制限に続きます。プロトコルサーバーのマスターになる可能性があるすべてのノードからの root アクセスは常に可能でなければなりません。