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iPlanet Messenger Express 5.0 カスタマイズ ガイド | |
第 1 章 Messenger Express とカスタマイズの概要
iPlanet Messenger Express 5.0 は Web ベースの電子メール プログラムです。このプログラムを使うと、インターネットに接続したコンピュータ システム上のブラウザから、エンド ユーザが各自のメールボックスに HTTP を使用してアクセスできます。Messenger Express のクライアントから送信されたメールは、まず iPlanet Messaging Server の一部である特殊な Web サーバに送られます。その後、HTTP サービスによってローカルの MTA (Message Transfer Agent) に送信されるか、リモートの MTA に送信されてルーティングまたは配信されます。Messenger Express 機能は、そのほとんどすべてを自由にカスタマイズできます。本書では、そのうちの基本的な機能についてのみ説明します。ほとんどの機能は、アップグレードを行う際に簡単にカスタマイズすることができます。
Messenger Express のカスタマイズの概要
Messenger Express のカスタマイズの概要
iPlanet Messenger Express 5.0 では、Messenger Express HTTP デーモンによって処理されるページの「静的な」部分を書き換えることにより、Web メール サービスを自由にカスタマイズできます。Messenger Express は、カスタマイズの実行手段として JavaScript と HTML の両方をサポートしています。
Messenger Express のコンポーネント
iPlanet Messenger Express は、クライアントとサーバの 2 つのコンポーネントから構成されています。クライアントは、JavaScript 言語を読み取って、解釈します。一方、HTTP サーバは、Messenger Express と通信するために専用のプロトコルを使用します。JavaScript ファイルは、サーバ内に保存されており、クライアントにダウンロードされます。クライアントは、JavaScript コードからデータを抽出して Messenger Express の各関数をカスタマイズします。ただし、変更およびカスタマイズはすべてサーバ上で行われます。HTML ファイルには、テキストとマークアップ (テキストの書式と処理方法を記述したもの) の両方が含まれています。マークアップは、ヘッダー、インデント、フォント サイズ、斜体などを定義した一連のタグにより実行されます。これらは主にスタティック タグで、クライアント上で HTML ファイル内のテキストを処理するためのものです。ただし、HTML には、クライアント ファイルに埋め込まれた JavaScript など、ダイナミック タグも含まれています。これらのタグは、サーバ上のファイルや関数をポイントするためのものです。これらのタグを使用すると、HTML ファイル クライアントがサーバで処理されたデータを取り込んで、それをスタティック Web ページ内で使用することができます。
HTML ファイルでは、各インターフェイスがスケルトン構造になっています。一方、JavaScript ファイルには、様々な属性が設定されています。JavaScript の各メイン関数は、それぞれ 1 つの親関数内に含まれています。また、各 JavaScript ファイルには、それぞれ特徴があります。 main.js ファイルは主にインターフェイスのレイアウトを制御し、i18n.js ファイルはテキストを制御します。また、i18n.js ファイルは、各言語対応にすることも可能です。
HTML ファイルは、JavaScript ファイル内の「メイン」関数を呼び出してアクションを起こすための「親」関数です。
カスタマイズ可能ファイルの場所
カスタマイズ可能な Messenger Express JavaScript ファイルおよび HTML ファイルは、サーバ-ルート/html ディレクトリ内にあります。この「サーバ-ルート」とは、Messaging Server ソフトウェアがインストールされているディレクトリへのパスを表しています。表 1-1 に、Messenger Express をカスタマイズする際に編集するファイル、および各ファイルを使って制御できる Messenger Express の部分を示します。
表 1-1 Messenger Express のカスタマイズ可能ファイル
ファイル
Messenger Express での制御対象
Messenger Express の他言語対応
iPlanet Messenger Express の機能はすべて各言語対応化が可能で、ユーザが使用する言語ごとに別のページを作成できます。言語ごとに静的な Web ページを作成する際には、それらをグループに分け、メイン ドキュメント ディレクトリの下のサブディレクトリに配置します。これにより、クライアントの優先言語が Web メール コードによって自動検出され、該当するサブディレクトリから Webメール ページが取り込まれるようになります。静的な Web メール ページの共通部分を変更する際に、各言語に対して修正 (JavaScript 動作の修正など) を行う場合は、同じ変更を複数回繰り返す必要があります。逆に、言語特有の修正は、対象となる言語のアプリケーションについてだけ行います。
特定のロケール
表 1-2 に、Messenger Express で使用できる特定のロケール (およびその略語) を示します。このプロトコルのデフォルト言語は英語です。
表 1-2 Messenger Express の特定ロケール
ロケール
略語
ロケール特有のカスタマイズ可能ファイルの場所
ローカライズされた Messenger Express の JavaScript および HTML ファイルは、「サーバ-ルート/html/ロケール_特有」ディレクトリに保存されます。この「サーバ-ルート」とは、Messaging Server ソフトウェアがインストールされているディレクトリへのパスを表しています。
基本的なインターフェイスと関連する関数
この節では、以下の Messenger Express 画面に関連する基本的な関数を紹介します。以下に示す表では、Messenger Express 画面上の各ボタンに関連した関数を一覧表示します。
関数を含むファイルは、サーバ-ルート/html ディレクトリにあります。この「サーバ-ルート」は、Messaging Server ソフトウェアがインストールされているディレクトリへのパスを表しています。
受信箱画面
Messenger Express の 受信箱画面には、すべてのメッセージが表示され、各メッセージに対して開封済みであるかどうかが示されます (図 1-1 を参照)。新しいメッセージが届いているかどうかは、この 受信箱画面を見て判断することができます。また、既存のメッセージを検索、削除したり、他のフォルダに移動することもできます。図 1-1 Messenger Express の 受信箱画面
受信箱画面に関連する関数
表 1-3 に、main. 関数 (main.js 内) や parent. 関数 (mbox_fs.html 内) など、受信箱画面をカスタマイズするのに必要な関数を一覧表示します。
項目
関数
メッセージ画面
Messenger Express のメッセージ画面は、受信箱画面で選択したメッセージの内容を表示するためのものです (図 1-2を参照)。この画面には、差出人への返信、メッセージの転送、メッセージの削除といった操作を実行したり、メッセージを別のフォルダへ入れるためのオプションがあります。また、次のメッセージあるいは前のメッセージに直接アクセスすることもできます。図 1-2 Messenger Express メッセージ画面
メッセージ画面に関連する関数
表 1-4 に、main. 関数 (main.js 内) や parent. 関数 (msg_fs.html 内) など、メッセージ画面をカスタマイズするのに必要な関数を一覧表示します。
項目
関数
フォルダ画面
Messenger Express のフォルダ画面には、アクセス可能なすべてのフォルダ (図 1-3を参照)、および各フォルダに保存されているメッセージの数とそのサイズが表示されます。また、この画面では、新規フォルダの作成、フォルダ名の変更、既存フォルダの削除、フォルダの移動、受信箱の更新、および新規メッセージの作成といった操作を行うこともできます。受信箱画面と同じように、フォルダ画面にも外部メールを収集するための機能があります。図 1-3 Messenger Express のフォルダ画面
フォルダ画面に関連する関数
表 1-5 に、main. 関数 (main.js 内) や parent. 関数 (fldr_fs.html 内) など、フォルダ画面をカスタマイズするのに必要な関数を一覧表示します。
項目
関数
オプション画面
Messenger Express のオプション画面から、契約者のアカウント集計、個人情報、パスワード、設定、表示、委託管理者、および vacation メッセージの画面を表示できます。これらはすべて調整することが可能です (図 1-4 を参照)。図 1-4 Messenger Express のオプション画面
オプション画面に関連する関数
表 1-6 に、オプション画面をカスタマイズするのに必要な parent. 関数 (opts_fs.html 内) を一覧表示します。
項目
関数
作成ウィンドウ
Messenger Express の作成ウィンドウは、主に新規メッセージを作成するために使用します (図 1-5 を参照)。その他にも、このウィンドウを使って、下書きを保存したり、メッセージにファイルを添付したり、アドレス帳で受取人を検索することができます。また、ヘルプ ファイルにアクセスしたり、メッセージの作成を取り消すこともできます。受取人は「宛先」、「Cc」、「Bcc」として追加することができ、また、差出人の追加も可能です。さらに、作成ウィンドウには、メールの優先度を指定したり、配達証明書を要求するためのオプションもあります。図 1-5 Messenger Express の作成ウィンドウ
作成ウィンドウに関連する関数
表 1-7 に、main. 関数 (main.js 内) や parent. 関数 (comp_fs.html 内) など、作成ウィンドウをカスタマイズするのに必要な関数を一覧表示します。
項目
関数
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最終更新日 2000 年 9 月 14 日