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iPlanet Messaging Server 5.1 管理者ガイド | |
第 10 章 メッセージストアを管理する
この章では、メッセージストアおよびメッセージストア管理のインターフェースについて説明します。この章には、以下の節があります。
概要
概要
メッセージストアには、特定の Messaging Server インスタンスに対するユーザメールボックスがあり、そのサイズは、メールボックス、フォルダ、およびログファイルの数が増えるに従って大きくなります。メッセージストアのサイズを制御するには、各メールボックスのサイズ (ディスク容量) を制限する、各メールボックスに保存できるメッセージの合計数を制限する、ストア内におけるメッセージの存続期間を設定するなどの方法があります。システムを使用するユーザの数が増えるにつれ、必要なディスク容量も増加します。サーバがサポートするユーザ数によっては、複数の物理ディスクが必要な場合もあります。また、ユーザベースが非常に大きい場合は、それぞれ異なるメッセージストアを持つ複数の Messaging Server インスタンスが存在している場合もあります。同様に、複数のホストドメインがある場合は、1 つのサーバインスタンスを 1 つの大きなドメイン専用に設定する必要が生じることもあります。このような設定では、ドメインごとにストア管理者を割り当てることができます。
iPlanet Messaging Server には、iPlanet Console のインターフェースのほかに、メッセージストア管理用の一連のコマンドラインユーティリティが備わっています。表 10-1 は、これらのコマンドラインユーティリティの説明です。ユーティリティの使い方については、「メンテナンスと復元のプロシージャを実行する」および『Messaging Server リファレンスマニュアル』を参照してください。
表 10-1 メッセージストアに関するコマンドラインユーティリティ
ユーティリティ
説明
メッセージストアディレクトリのレイアウト
図 10-1 は、1 つのサーバインスタンスにおけるメッセージストアディレクトリのレイアウトを示しています。メッセージストアは、メールボックスの内容に迅速にアクセスできるように設計されています。各ディレクトリの詳細については、表 10-2 を参照してください。図 10-1 メッセージストアディレクトリのレイアウト
![]()
サーバ-ルート/msg-インスタンス/store/partition/primary/=user/53/53/=mack1
ストアのメッセージクリーンアップ方法
ストアでは、以下の 3 つの段階を経てメッセージのクリーンアップが行われます。
削除 : 削除するメッセージにクライアントがマークを付けます。この時点でクライアントは、このマークを外すことによってメッセージをリストアできます。
消去 : マークが付いているメッセージをクライアント (または指定した存続期間決定ポリシー) がメールボックスから消去します。いったん消去されたメッセージをクライアントがリストアすることはできませんが、この時点ではまだメッセージはディスクに残っています (同じメールボックスに接続している別のクライアントがメッセージを入手することは可能です)。
クリーンアップ : stored ユーティリティによって、消去後 1 時間以上経ったメッセージがディスクからすべてクリーンアップされます。
ストアへの管理者アクセスを指定する
メッセージストア管理者は、ユーザのメールボックスを表示またはモニタしたり、メッセージストアへのアクセスを制御することができます。ストア管理者はすべてのサービス (POP、IMAP、HTTP、SMTP) へのプロキシ認証特権を持つため、あらゆるユーザ特権を使って任意のサービスに対する認証を受けることができます。これらの特権により、ストア管理者はストア管理ユーティリティを実行できます。たとえば、MoveUser を使用して、ユーザのアカウントやメールボックスをシステム間で移動できます。この節では、Messaging Server のメッセージストアへのアクセス特権を制御する方法について説明します。
管理者を追加する
管理者によるストアへのアクセスを制御するには、configutil コマンドまたはコンソールを使用します。
コンソール- コンソールを使用して管理者エントリを追加するには、以下の手順に従います。
[管理者] タブをクリックします。
[管理者 UID]ウィンドウの横にある [追加] ボタンをクリックします。
- このタブには既存の管理者 ID のリストが表示されます。
[管理者 UID] フィールドに、追加する管理者のユーザ ID を入力します。
[OK] をクリックして [管理者] タブに表示されるリストに管理者 ID を追加します。
- iPlanet Directory Server が認識できるユーザ ID を使用してください。
コマンドライン- コマンドラインユーティリティを使用して管理者エントリを追加するには、以下の手順に従います。
configutil -o store.admins -v "adminlist"
adminlist はカンマ区切りの管理者 ID リストです。複数の管理者を指定する場合は、リストを引用符で囲む必要があります。
コンソール- コンソールを使用して既存のメッセージストア管理者 UID リストを変更するには、以下の手順に従います。
[管理者] タブをクリックします。
[管理者 UID]ウィンドウの横にある [編集] ボタンをクリックします。
[管理者 UID] フィールドの内容を必要に応じて変更します。
コマンドライン- コマンドラインユーティリティを使用して既存のメッセージストア管理者 UID リストのエントリを変更するには、以下の手順に従います。
configutil -o store.admins -v "adminlist"
コンソール- コンソールを使用してメッセージストア管理者 UID リストからエントリを削除するには、以下の手順に従います。
コマンドライン- コマンドラインユーティリティを使用してメッセージストア管理者を削除するには、以下の手順に従います。
configutil -o store.admins -v "adminlist"
メッセージストア制限容量の概要
この節では、以下の内容について説明します。
ユーザに対する容量の制限
ユーザに対する容量の制限
メッセージストアのサイズを制限するには、各ユーザメールボックスのサイズを制限します。そのためには、以下のような方法があります。
ディスク容量 : 各ユーザが使用できるディスク容量を制限します。ディスク容量に関する制限は、ユーザが持つメールフォルダやメッセージの数に関わらず、そのユーザのすべてのメッセージの合計サイズに対して適用されます。ディスクの総容量に限りがある場合は、各ユーザが使用できるディスク容量を制限すると良いでしょう。
制限容量に関する情報は、LDAP 属性および設定変数として保存されます。制限が有効になっている場合、Messaging Server はメッセージをストアに追加する前に、制限容量を超えていないことを確認するために、制限容量キャッシュおよび設定ファイルをチェックします。また、制限に関する通知が有効になっている場合は、ユーザのディスク使用容量が制限に達すると、そのユーザにエラーメッセージが送られます。使用容量が制限容量に近づきつつあるユーザに対して警告メッセージを送るようにサーバを設定することも可能です。特定の制限容量をデフォルトとして全ユーザに対して設定するか、またはユーザごとに制限を設定することができます。Messaging Server は、使用容量が制限容量を超過しているかどうかを判断する際、まず該当するユーザに対して制限が設定されているかどうかをチェックし、設定されていない場合は、全ユーザに対して設定されているデフォルトの制限容量をチェックします。
ユーザメッセージの合計サイズまたは合計数が制限容量を超過している場合、そのユーザ宛てのメッセージは、次のいずれかの状況になるまでメッセージキュー内に維持されます。(1) ユーザのメッセージの合計サイズまたは合計数が制限以下になった場合、サーバはユーザにメッセージを配信します。(2) 未配信のメッセージが指定猶予期間以上キュー内に維持されており、かつユーザのメールボックスが依然として制限容量を超過している場合、メッセージはサーバによって返送されます。
注 制限容量に達していないアカウントに対して配信する場合は、メッセージサイズのチェックは行われません。あるメッセージが配信されたことによってアカウントが制限以上の容量に達しても、ユーザはそのメッセージを受信できます。ただし、その次のメッセージはキュー内で待機することになります。
メッセージがユーザまたはメンテナンスポリシー (存続期間決定ポリシーなど) によって削除および消去されると、ディスク容量に余裕ができます。
ドメインとファミリグループに対する容量の制限
特定のドメインやドメイン内のファミリグループに対してディスク制限容量を設定することもできます。これらの制限は強制的なものではありませんが、ディスク使用容量を確認するのに便利です。詳細については、『Delegated Administrator User's Guide』を参照してください。
テレフォニアプリケーションサーバに関する例外
統合化されたメッセージング要件をサポートするために、Messaging Server はメッセージストアによって課された制限容量を無効にし、テレフォニアプリケーションサーバ (TAS) など、ある種のエージェントを通して送られたメッセージを配信できます。TAS が受け取ったメッセージは特別な MTA チャネルにルーティングされ、制限容量に関わらずストアに配信されます。TAS チャネルを設定する方法については、第 8 章「チャネル定義を設定する」を参照してください。
メッセージストアの制限容量を設定する
すべてのユーザに対してデフォルトの制限容量を設定するには、iPlanet Console または configutil コマンドを使用します。また、ユーザ、ファミリグループ、ドメインなどに対して個別に容量を制限することも可能です。このマニュアルでは、制限容量のデフォルトを設定する方法について説明します。ユーザ、ファミリグループ、ドメインなどに対して個別に容量を制限する方法については、『Delegated Administrator's User Guide』を参照してください。
ユーザに対するデフォルトの制限容量を設定する
iPlanet Console を使用する場合 :
ユーザに対するデフォルトの制限容量を設定する
制限容量のデフォルト設定は、個別に制限容量を設定されていないすべてのユーザに適用されます。個別に設定されている場合は、その設定がデフォルト設定に優先します。
コンソール- コンソールを使用してデフォルトの制限容量を設定するには、以下の手順に従います。
[制限容量] タブをクリックします。
ユーザに対するデフォルトの制限容量を設定するには、[デフォルトのユーザディスク制限容量] フィールドで以下のいずれかのオプションを選択します。
メールボックスに保存できるメッセージの数を指定するには、[デフォルトのユーザメッセージ制限容量] ボックスに数値を入力します。
- 無制限 : ユーザが使用できるディスク容量を制限しない場合は、このオプションを選択します。
- サイズ制限 : ユーザが使用できるディスク容量を特定のサイズに制限するには、このオプションを選択します。ボタンの横にあるフィールドに数値を入力し、ドロップダウンリストで [メガバイト] または [キロバイト] を選択します。
コマンドライン- ディスク容量を特定のサイズに設定するには、以下の手順に従います。
configutil -o store.defaultmailboxquota -v [ -1 | 数値 ]
-1 は無制限を示し、数値 は制限する場合のバイト数を示します。
メッセージの合計数に対してデフォルトの制限容量を設定するには、以下の手順に従います。
configutil -o store.defaultmessagequota -v [ -1 | 数値 ]
-1 は無制限を示し、数値 は制限する場合のバイト数を示します。
制限容量と通知を有効にする
制限容量と通知はそれぞれ有効または無効にできます。サーバの動作は、表 10-3 に示される設定変数に基づいて決定されます。
コンソール- コンソールを使用して制限容量を有効にするには、以下の手順に従います。
[制限容量] タブをクリックします。
[保存] をクリックします。
- このボックスはトグルとして機能します。制限を無効にするには、このチェックボックスをオフにします。
コマンド ライン- コマンドラインユーティリティを使用して制限容量を有効にするには、以下の手順に従います。
configutil -o store.quotaenforcement -v [ yes | no]
コンソール- コンソールを使用して制限容量に関する通知を有効にするには、以下の手順に従います。
[制限容量] タブをクリックします。
[保存] をクリックします。
- このボックスはトグルとして機能します。通知を無効にするには、このチェックボックスをオフにします。
コマンドライン- コマンドラインユーティリティを使用して制限容量に関する通知を有効にするには、以下の手順に従います。
configutil -o store.quotanotification -v [ yes | no ]
configutil -o store.quotaexceededmsg -v message上記のコマンドで message (メッセージ) が設定されないと、制限容量に関する警告 メッセージはユーザに送信されません。
制限容量に関する警告メッセージを定義する
制限容量を超過したユーザに対して送る警告メッセージは、以下の方法で定義できます。警告メッセージはユーザのメールボックスに配信されます。
コンソール- コンソールを使用して制限容量に関する警告メッセージを定義するには :
コマンドライン- コマンドラインユーティリティを使用して制限容量に関する警告メッセージを定義するには :
configutil -o store.quotaexceededmsg -v メッセージ
メッセージには必ず RFC 822 準拠のフォーマットを使用してください。
configutil -o store.quotaexceedmsginterval -v 数値
数値は日数を示します。たとえば、3 と指定すると、警告は 3 日ごとに送られます。
制限容量に関する警告のしきい値を指定する
制限容量のしきい値を設定することで、IMAP ユーザが制限容量に達する前に警告メッセージを送ることができます。ユーザのディスク使用容量が指定したしきい値を超過すると、サーバがユーザに警告メッセージを発行します。クライアントが IMAP ALERT メカニズムをサポートしている場合は、IMAP ユーザがメールボックスを選択する度に画面にメッセージが表示されます (メッセージは IMAP ログにも記録されます)。
コンソール- コンソールを使用して制限容量のしきい値を指定するには :
[制限容量] タブをクリックします。
[制限容量の警告のしきい値] フィールドに、警告のしきい値とする数値を入力します。
[保存] をクリックします。
- この数値は、許可されている制限容量に対するパーセント値を示します。たとえば、この値を 90 パーセントに指定すると、ユーザのディスク使用容量が制限容量の 90 パーセントに達したときに警告が発行されます。デフォルトは 90 パーセントに設定されています。この機能を無効にするには、100 パーセントに指定します。
コマンドライン- コマンドラインユーティリティを使用して制限容量のしきい値を指定するには :
configutil -o store.quotawarn -v 数値
数値 は、許可されている制限容量に対するパーセント値を示します。
猶予期間を設定する
ユーザメールボックスのサイズまたはメッセージ数が制限を超過すると、サーバは指定した期間 (猶予期間) そのメールボックス宛てのメッセージをキュー内に保持し、その後返送を開始します。メッセージは、以下のいずれかの状況になるまでキュー内で待機します。
メールボックスのサイズまたはメッセージ数が制限以下になった場合 (サーバはメッセージをメールボックスに配信します)。
猶予期間を過ぎてもメールボックスのサイズまたはメッセージ数が制限を超過している場合 (サーバはメッセージを返送します)。
コンソール- コンソールを使用してキューにメッセージを保管する猶予期間を設定するには、以下の手順に従います。
コマンドライン- コマンドラインユーティリティを使用して猶予期間を設定するには :
configutil -o store.quotagraceperiod -v 数値
存続期間決定ポリシーを指定する
存続期間決定ポリシーは、サーバディスクの使用を制御するもう 1 つの手段です。このポリシーを設定することで、メッセージがメールボックスに保持される期間を制御できます。ディスクの総容量に限りがある場合は、存続期間決定ポリシーを設定してストアからメッセージを削除することをお勧めします。ただし、メッセージがストアから削除される際、ユーザに対する警告は発行されません。存続期間決定ポリシーを設定する場合は、ユーザに前もって通知しておく必要があります。
メールボックス内のメッセージ数
1 つのメールボックスに対して複数の規則を適用した場合、期間に関する規則はすべて有効と見なされますが、最も厳しい条件のものが最優先されます。たとえば、あるメールボックスに対して次の 2 つの規則が設定されているとします。1 つはメールボックスに保存できるメッセージの数を 1000 件と規定し、もう 1 つは 500 件と規定しています。この場合期間が過ぎると、サーバはメールボックスに 500 件を残し、それ以外のメッセージをすべて削除します。また、別の例として、1 つの規則は合計 10 万バイト分のメッセージを 3 日間維持すると規定し、もう 1 つの規則は合計 1000 バイト分のメッセージを 12 日間維持すると規定しています。この場合、サーバは 10 万バイト分のメッセージを 3 日間保持します。3 日間にわたってメールボックスに保持されるメッセージ以外、すなわち超過分はすべて削除されます。特定のメールボックスに特定の規則を適用するには、exclusive パラメータを使用します。
コンソール- コンソールを使用して新規規則を作成するには :
iPlanet Console で、設定する Messaging Server を開きます。
[環境設定] タブをクリックし、左ペインの [メッセージの保存] を選択します。
[追加] をクリックして[規則の追加]ウィンドウを開きます。
新しく作成した規則だけをターゲットフォルダに適用するには、[除外] ボックスをオンにします。
- パス名、ファイル名、または部分的な文字列を入力できます。以下の IMAP ワイルドカードを使用することもできます。
- * - どのような組み合わせの文字にも一致します。
% - スラッシュを除き、どのような組み合わせの文字にも一致します。
- 新しい規則は、指定したパターンに一致するフォルダにのみ適用されます。
フォルダサイズに基づいて規則を作成するには、以下の操作を実行します。
[メッセージの件数] フィールドに、フォルダが古いメッセージを削除することなく保持できるメッセージ数の上限を入力します。
[フォルダサイズ] フィールドにフォルダサイズを入力し、ドロップダウンリストで [キロバイト] または [メガバイト] を選択します。
メッセージの存続期間に基づいて規則を作成するには、[日数] フィールドにフォルダがメッセージを保持する期間を数値で入力します。
- フォルダサイズが指定値を超過すると、サイズが指定値以下になるまで超過分のメッセージは古い順に削除されます。
メッセージサイズに基づいて規則を作成するには、以下の操作を実行します。
[メッセージサイズの制限] フィールドにフォルダが保持できるメッセージサイズの上限を入力し、ドロップダウンリストで [キロバイト] または [メガバイト] を選択します。
[猶予期間] フィールドに、超過分のメッセージがフォルダ内に残る期間を数値で入力します。
[OK] をクリックして新しい規則を存続期間規則のリストに追加し、[追加]ウィンドウを閉じます。
- 猶予期間が過ぎると、サーバは超過分のメッセージを削除します。
コマンドライン- コマンドラインユーティリティを使って新規規則を作成する場合は、以下のコマンドを使用します。名前 は規則名を示します。
configutil -o store.expirerule.名前.folderpattern -v パターン
たとえば、パターン部分を user/* と指定するとすべてのフォルダに規則が適用され、user/%@siroe.com/* と指定すると siroe.com ドメイン内のすべてのユーザのすべてのフォルダに、user/%/Trash と指定すると全ユーザのごみ箱フォルダにそれぞれ規則が適用されます。
ターゲットフォルダに他の規則が適用されないように設定するには :
configutil -o store.expirerule.名前.exclusive -v [ yes | no ]
古いメッセージを削除することなく、フォルダに保持できるメッセージの数の上限を指定するには :
configutil -o store.expirerule.名前.messagecount -v 数値
configutil -o store.expirerule.名前.foldersizebytes -v 数値
configutil -o store.expirerule.名前.messagedays -v 数値
configutil -o store.expirerule. 名前.messagesize -v 数値
超過分のメッセージをフォルダに保持する期間を指定するには :
configutil -o store.expirerule. 名前.messagesizedays -v 数値
メッセージストアのパーティションを設定する
特に設定を変更しない限り、すべてのユーザメールボックスは msg-インスタンス/store/partition/ ディレクトリに保存されます。partition ディレクトリは論理ディレクトリであり、1つまたは複数のサブパーティションが含まれることもあります。サブパーティションを単数または複数の物理ドライブにマッピングすることも可能です。インストール時、partition ディレクトリには primary パーティションというサブパーティションが 1 つだけ作成されます。partition ディレクトリには、必要に応じてパーティションを追加できます。たとえば、以下に示すように、1 つのディスクにパーティションを追加してユーザを整理できます。
msg-インスタンス/store/partition/mkting/
msg-インスタンス/store/partition/eng/
msg-インスタンス/store/partition/sales/必要なディスク容量が増加するに従い、これらのパーティションをそれぞれ異なる物理ディスクドライブにマップする必要が生じることもあります。
各ディスクにそれぞれメールボックス数を制限しておくことをお勧めします。メールボックスを複数のディスクに分散することで、配信に必要な時間を短縮できます (ただし、SMTP の承認レートが速くなるとは限りません)。各ディスクに割り当てられるメールボックスの数は、ディスクの総容量と各ユーザに与えるディスク容量によって変化します。たとえば、ユーザあたりのディスク容量を少なくすると、各ディスクに割り当てられるメールボックスの数は増加します。
メッセージストアに複数のディスクが必要な場合は、RAID (Redundant Array of Inexpensive Disks) 技術を利用して管理を簡素化できます。RAID 技術を使用すると、複数のディスクにデータが分散している場合でも、あたかも 1 つの論理ディスクを使用しているかのように全ディスクを管理できます。また、RAID 技術は、障害復旧用にメッセージストアのバックアップを作成するために利用することもできます。
注 より迅速なディスクアクセスを実現するためには、メッセージストアとメッセージキューをそれぞれ異なるディスクに配置する必要があります。
パーティションを追加する
パーティションを追加する際には、ディスク上のパーティション保存場所 (絶対物理パス) と論理名 (パーティションニックネーム) を指定します。パーティションニックネームを使用すると、物理パスにかかわらず、ユーザを論理パーティション名にマップできます。パーティションニックネームは、ユーザアカウントを設定する際や、ユーザにメッセージストアを割り当てる際に使用できます。ニックネームには英数字を使用します (ただし、大文字は使用できません)。
パーティションを作成および管理するには、物理パスに指定されている場所への書き込み特権が与えられているユーザ ID を使用する必要があります。
注 パーティションを追加したら、サーバをいったん停止してから再起動することにより、設定情報を更新してください。
コンソール- コンソールを使用してストアにパーティションを追加するには :
iPlanet Console で、設定する Messaging Server を開きます。
[環境設定] タブをクリックし、左ペインの [メッセージの保存] を選択します。
パーティションのパスを入力します。
- これはパーティションの論理名です。
このパーティションをデフォルトとして指定するには、[デフォルトのパーティションにする] ボックスをオンにします。
- これはパーティションの絶対パス名です。
コマンドライン- コマンドラインユーティリティを使用してストアにパーティションを追加するには :
configutil -o store.partition.ニックネーム.path -v パス
ニックネームはパーティションの論理名を示し、パスはパーティション保存場所の絶対パス名を示します。
デフォルトプライマリ パーティションのパスを指定するには :
configutil -o store.partition.primary.path -v パス
メールボックスを別のディスクパーティションに移動する
特に設定を変更しない限り、メールボックスは primary パーティション内に作成されます。このパーティションの容量が一杯になると、メッセージを保存することができなくなります。この問題には、次のような対応策があります。
ユーザのメールボックスのサイズを小さくする
可能な限り、容量管理ソフトを使用して、システムにディスク容量を追加する方法をお勧めします。これは、ユーザへの影響を最も少なく抑えられるためです。しかし、次の手順に従って、メールボックスを別のパーティションに移動することもできます。容量管理ソフトウェアを使用している場合、別のディスクを追加する
別のパーティションを作成し (「パーティションを追加する」)、メールボックスを新しいパーティションに移動する
移行プロセス中は、ユーザがメールボックスに接続されていない状態にします。
次のコマンドを使用して、ユーザのメールボックスを移動します。
- ユーザに通知を出して、メールボックスの移動作業を行う前にログオフし、作業期間中にログオンしないように指示します。または、ユーザがログオフした後、POP、IMAP、および HTTP のサービスを使用できないように mailAllowedServiceAccess 属性を設定します。詳細は、次の URL を参照してください。
- http://docs.iplanet.com/docs/manuals/messaging/ims50/pg/users.htm#19110
注 mailAllowedServiceAccess を設定し て POP、IMAP、HTTP へのアクセスを拒否しても、ユーザがすでにメールボックスに接続している場合に、その接続が切断されることはありません。このため、メールボックスを移動する前に、すべての接続が切断されていることを確認してください。
移動したユーザの LDAP エントリ内の mailMessageStore 属性を、新しいパーティションの名前に設定します。
- mboxutil -r user/<userid>/INBOX user/<userid>/INBOX <oartition_name>
- userid はユーザ ID、partition_name はパーティション名を示します。
- 例:
- mboxutil -r user/ofanning/INBOX user/ofanning/INBOX secondary
ユーザにメッセージストアへの接続が再開されたことを通知します。必要に応じて、POP、IMAP、および HTTP サービスを使用できるように mailAllowedServiceAccess 属性を変更します。
- 例: mailMessageStore: secondary
メンテナンスと復元のプロシージャを実行する
この項では、メッセージストアのメンテナンスタスクおよび復元タスクに使用するユーティリティについて説明します。サーバからの警告などを見逃さないよう、常に postmaster メールを読むようにしてください。また、サーバのパフォーマンスを確認するために、ログファイル内の情報をモニタすることもできます。ログファイルの詳細については、第 12 章「ログ記録とログ解析」を参照してください。
メールボックスを管理する
この節では、メールボックスの管理およびモニタに使用する mboxutil、hashdir、および readership ユーティリティについて説明します。
mboxutil ユーティリティ
mboxutil コマンドは、メールボックスの典型的なメンテナンスタスクに使用します。これには、以下のタスクが含まれます。また、mboxutil コマンドを使って、制限容量に関する情報を表示することもできます。詳細については、「制限容量をモニタする」を参照してください。
表 10-4 に、mboxutil コマンドのオプションを示します。構文や使用条件の詳細については、『Messaging Server リファレンスマニュアル』を参照してください。
メールボックス命名規則
メールボックスに名前を付ける際には、必ず user/ユーザid/メールボックスというフォーマットを使用してください。ユーザid はメールボックスの所有者であるユーザを示し、メールボックスはメールボックス名を示します。ホストドメインの場合、ユーザid は ユーザid@ドメインのフォーマットで指定します。たとえば、以下のコマンドを使用すると、ユーザ ID がcrowe というユーザのために INBOX という名前のメールボックスを作成できます。INBOX は crowe 宛てのメールが配信されるデフォルトのメールボックスです。
重要 : INBOX というメールボックス名は、各ユーザのデフォルトメールボックス名として予約されています。INBOX は、大文字と小文字が区別されない唯一のフォルダ名です。その他のフォルダ名の場合は、すべて大文字と小文字が区別されます。
パスおよび ACL 情報と共に全メールボックスのリストを表示するには :
ユーザ daphne のデフォルトメールボックス INBOX を作成するには :
ユーザdelilah のメールフォルダ projx を削除するには :
mboxutil -d user/delilah/projx
ユーザ druscilla のデフォルトメールボックス INBOX およびその他のすべてのメールフォルダを削除するには :
mboxutil -d user/druscilla/INBOX
ユーザ desdemona のメールフォルダ memos の名前を memos-april に変更するには :
mboxutil -r user/desdemona/memos user/desdemona/memos-april
ユーザ dulcinea のメールフォルダ legal をロックするには :
mboxutil -k user/dulcinea/legal コマンド
ユーザ dimitria のメールアカウントを別のパーティションに移動するには :
mboxutil -r user/dimitria/INBOX user/dimitria/INBOX パーティション
ユーザ dimitria のメールフォルダ personal を別のパーティションに移動するには :
mboxutil -r user/dimitria/personal user/dimitria/personal パーティション
hashdir ユーティリティ
メッセージストア内のメールボックスは、迅速な検索が行えるようにハッシュ構造で保存されています。したがって、特定のユーザのメールボックスのあるディレクトリを探すには、hashdir ユーティリティを使います。このユーティリティは、特定のアカウントに割り当てられているメッセージストアを含むディレクトリを検出し、メッセージストアへの相対パス (例 : d1/a7/) を報告します。このパスは、ユーザ ID に基づくディレクトリレベルの 1 つ上のディレクトリレベルへの相対パスであり、パス情報は標準出力に送られます。
たとえば、ユーザ crowe のメールボックスへの相対パスを検索するには、以下のように指定します。
readership ユーティリティ
readership ユーティリティは、メールボックスの所有者以外のユーザで共有 IMAP フォルダ内のメッセージを読み込んだユーザの数を報告します。IMAP フォルダの所有者が、他のユーザにフォルダ内のメッセージを読み込む許可を与えることがあります。所有者以外のユーザがアクセスできるフォルダは、共有フォルダと呼ばれます。管理者は readership ユーティリティを使って、所有者以外に何人のユーザが共有フォルダにアクセスしたかをチェックできます。
このユーティリティはすべてのメールボックスをスキャンし、各共有フォルダについて 1 行ずつ情報を出力します。出力行には、共有フォルダにアクセスしたユーザ数およびメールボックス名が表示され、ユーザ数とメールボックス名の間は空白文字によって区切られています。
ユーザ数は、特定の期間に共有フォルダにアクセスした識別可能な ID を持つユーザの数を示します。個人のメールボックスへのアクセスはこの数に含まれません。個人のメールボックスは、所有者以外にアクセスしたユーザがいない限り報告されません。
たとえば、過去 15 日間に共有 IMAP フォルダにアクセスしたユーザの総数を調べるには、以下のように指定します。
制限容量をモニタする
mboxutil ユーティリティを使用して、ユーザのディスク使用状況および制限容量の上限をモニタできます。mboxutil ユーティリティは、設定されている制限容量の上限のリストを生成し、ユーザのディスク使用状況に関する情報を提供します。各情報は、キロバイト単位で表示されます。ユーザに対して設定されている制限容量に関する情報をすべて表示するには、以下の手順に従います。
crowe というユーザに対して設定されている制限容量に関する情報を表示するには :
siroe.com ドメインに対して設定されている制限容量に関する情報を表示するには :
ディスク容量をモニタする
システムがディスク使用容量をモニタする頻度、および警告を発行する条件を指定できます。ディスク使用容量のモニタおよび通知発行を設定するには、configutil コマンドを使用して警告に関する属性を設定します。属性の詳細については、表 10-5 を参照してください。システムが 600 秒ごとにディスク使用容量をモニタするように設定するには :
configutil -o alarm.diskavail.msgalarmstatinterval -v 600
使用可能なディスク容量が 20 パーセント以下になったらサーバが警告を発行するように設定するには :
configutil -o alarm.diskavail.msgalarmthreshold -v 20
警告に関する属性を設定する方法については、『Messaging Server リファレンスマニュアル』を参照してください。
stored ユーティリティを使用する
stored ユーティリティは、サーバに対して以下のモニタタスクおよびメンテナンスタスクを実行します。
バックグラウンドタスクおよび日常的なメッセージングタスク
stored ユーティリティは、自動的に毎日午後 11 時にクリーンアップや有効期限関連の操作を実行します。これらの操作の頻度を高くすることも可能です。デッドロックの検出およびデッドロックしたデータベーストランザクションのロールバック
また、stored ユーティリティは、メールボックスデータベースやログファイルのバックアップ作成にも使用できます。バックアップを作成しておくと、データベースが壊れても再構築することなく復元できます。データベースのバックアップを作成するには、configutil コマンドを使用し、以下のパラメータ値を指定します。
configutil -o local.store.snapshotinterval -v 数値
数値 は stored がデータベースのバックアップを作成する頻度を指定するための値であり、分単位の間隔を示します。
configutil -o local.store.snapshotpath -v パス
表 10-6 に、stored オプションの一覧を示します。また、その下には一般的な使用例が記されています。構文や使用条件の詳細については、『Messaging Server リファレンスマニュアル』を参照してください。
オプション
説明
消去されたメッセージをディスクからクリーンアップします。1 回だけ実行して終了します。-c オプションは繰り返し実行されるものではないため、-1 オプションを指定する必要はありません。
トライアルモードでしか実行できません。メッセージ存続期間のカウントやクリーンアップは行いません。1 回だけ実行して終了します。
存続期間のチェックやクリーンアップを 1 回だけ実行するには :
自動クリーンアップや有効期限関連操作の時刻を変更するには (configutil ユーティリティを使用) :
configutil -o store.expirestart -v 21
たとえばメールボックスリストデータベースが壊れた場合など、stored ユーティリティを再起動する必要が生じることもあります。UNIX で stored を再起動するには、コマンドラインで以下のように指定します。
サーバ-ルート/msg-インスタンス/stop-msg store
サーバ-ルート/msg-インスタンス/start-msg storeサーバデーモンがクラッシュした場合は、すべてのデーモンを停止し、stored を含むすべてのデーモンを再起動する必要があります。
メールボックスやメールボックスデータベースを修復する
メールボックスが損傷した場合は、reconstruct ユーティリティを使って、メールボックスまたはメールボックスデータベースを再構築し、矛盾を修正できます。reconstruct ユーティリティは、メールボックスまたはマスターメールボックスファイルを再構築し、矛盾を修正するためのユーティリティです。このユーティリティを使うと、メッセージストア内のデータ損傷がどのようなものであっても、ほぼ確実に復元できます。ただし、トランザクションの完遂や不完全なトランザクションのロールバックなど、低レベルのデータベース修復は stored -d で実行されることに注意してください。
表 10-7 に、reconstruct の各オプションを示します。構文や使用条件の詳細については、『Messaging Server リファレンスマニュアル』を参照してください。
メールボックスを再構築する
メールボックスを再構築するには、-r オプションを使用します。このオプションは、以下のような場合に使用してください。
メールボックスにアクセスすると「システム入出力エラー」または「メールボックスのフォーマットが不正です」という旨のエラーが表示される場合。
5.0 リリースでは、reconstruct -r は整合性チェックを実行し、結果を報告し、問題が検出された場合にのみ再構築を実行します。したがって、このリリースでは、reconstruct ユーティリティのパフォーマンスが向上していると言えます。daphne というユーザのメールボックスに対してスプール領域を再構築するには :
メールボックスデータベースにリストされているすべてのメールボックスに対してスプール領域を再構築するには :
ただし、メッセージストアの規模が大きいと、メールボックスデータベースにリストされているすべてのメールボックスに対してスプール領域を再構築するのに非常に長い時間がかかります (「reconstruct のパフォーマンス」を参照してください)。万一の場合に備える最善の方法として、メッセージストア用に複数のディスクを使用することもできます。この方法を利用すると、1 つのディスクに問題が発生しても、メッセージストア全体が影響を受けることはありません。したがって、ディスクが損傷した場合でも、-p オプションを以下のように使用して、ストアを部分的に再構築するだけで済みます。
引数として指定されているメールボックスが primary パーティションにある場合にのみ再構築を実行するには :
reconstruct -p primary mbox1 mbox2 mbox3
primary パーティション内のすべてのメールボックスを再構築する必要がある場合には :
整合性チェックを省略してフォルダの再構築を強行するには、-f オプションを使用します。ユーザフォルダ daphne の再構築を強行するには :
修復を行わず、全メールボックスのチェックだけを実行するには (-n オプションを使用) :
メールボックスをチェック/修復する
メールボックスデータベースの高レベルな整合性チェックおよび修復を実行するには :
ストアスプール領域から 1 つ以上のディレクトリが削除されたため、メールボックスデータベースのエントリを削除する必要がある場合。
ストアスプール領域に 1 つ以上のディレクトリがリストアされたため、メールボックスデータベースのエントリを追加する必要がある場合。
stored -d オプションではデータベースの整合性を修復できない場合。
- stored -d オプションでデータベースの整合性を修復できない場合は、以下の手順を順番に実行します。
孤立したアカウントを削除する
孤立したアカウント (対応するエントリが LDAP に存在しないメールボックス) を検索するには :コマンド出力 :
孤立したメールボックスの削除に使用するスクリプトファイルに変換できる、孤立したメールボックスのリストを含む orphans.cmd という名前のファイルを作成するには :
コマンド出力 :
reconstruct: Start checking for orphaned mailboxes
reconstruct: Found 2 orphaned mailbox(es)
reconstruct: Done checking for orphaned mailboxes
reconstruct のパフォーマンス
reconstruct があるタスクを完了するために必要な時間は、以下の要素に左右されます。
実行するタスクおよび選択されたオプションの種類
reconstruct -r オプションは最初の整合性チェックを実行します。再構築するフォルダの数によっては、このチェックで reconstruct のパフォーマンスが向上することもあります。reconstruct -m の実行時に存在しているフォルダの数
reconstruct -r の実行時に存在しているメッセージの数
たとえば、ユーザ数が 2400、メッセージストアのサイズが 85 GB、サーバが POP、IMAP、または SMTP アクティビティを実行中という状況で実験した場合、以下のような結果が報告されています。
reconstruct -m を完了するのに必要な時間 : 1 時間
reconstruct -r -f を完了するのに必要な時間 : 18 時間
注 サーバで POP、IMAP、HTTP、または SMTP アクティビティが進行中でなければ、reconstruct の操作に必要な時間は大きく短縮される可能性があります。
ユーザのアカウントを移動する
MoveUser ユーティリティは、ユーザのアカウントをメッセージングサーバ間で移動するためのユーティリティです。ユーザアカウントを移動する場合は、ユーザのメールボックスおよびそこに含まれるメッセージも同じサーバに移動する必要があります。また、MoveUser は、メールボックスの移動に加え、mailhost 新しい名およびメッセージストアパスを反映するために Directory Server のエントリを更新します。MoveUser ユーティリティを使用するには、MoveUser コマンドに -a オプションを含め、認証を受ける必要があります。正当なメッセージストア管理者であれば誰でも MoveUser コマンドを実行できます。ユーザにストア管理者特権を与えるには以下の方法があります。
特定の Messaging Server に対するメッセージストア管理特権を与えるには、iPlanet Console を使用します。詳細については、「ストアへの管理者アクセスを指定する」を参照してください。
表 10-8 に、MoveUser の各オプションを示します。また、その後にはオプションの使用例が記されています。構文や使用条件の詳細については、『Messaging Server リファレンスマニュアル』を参照してください。
オプション
説明
メールボックスの移動に成功した場合に、ソースメッセージングサーバからメッセージを削除します。このオプションを指定しなかった場合、メッセージはソースメッセージングサーバに残ります。
Directory Server siroe.com のアカウント情報に基づいて、すべてのユーザを host1 から host2 に移動するには :
MoveUser -l \
"ldap://siroe.com:389/o=Siroe.com???\
(mailhost=host1.domain.com)" \
-D "cn=Directory Manager" -w パスワード -s host1 -x admin \
-p パスワード -d host2 -a admin -v パスワードDirectory Server siroe.com のアカウント情報に基づいて、1 人のユーザを、ポート 150 を使用する host1 から host2 に移動するには :
MoveUser -l \
"ldap://siroe.com:389/o=Siroe.com???(uid=ユーザid)" \
-D "cn=Directory Manager" -w パスワード -s host1:150 -x admin \
-p パスワード -d host2 -a admin -v パスワードDirectory Server server1.siroe.com のアカウント情報に基づいて、ID が「s」で始まるすべてのユーザを host1 から host2 に移動するには :
MoveUser -l \
"ldap://server1.siroe.com:389/o=Siroe.com???(uid=s*)" \
-D "cn=Directory Manager" -w パスワード -s host1 -x admin \
-p パスワード -d host2 -a admin -v パスワードadmin というユーザ ID がコマンドライン中で指定されている場合に、そのユーザのメールボックスを host1 から host2 に移動するには :
MoveUser -u uid \
-s host1 -x admin -p パスワード \
-d host2 -a admin -v パスワードhost1 のユーザ aldonza を host2 に移動し、ID を dulcinea に変更するには :
MoveUser -u aldonza -U dulcinea \
-s host1 -x admin -p パスワード \
-d host2 -a admin -v パスワード
メッセージストアをバックアップ、リストアする
バックアップおよびリストアは、最も一般的でかつ重要な管理タスクです。以下のような問題が発生した場合にデータの損失を避けられるよう、メッセージストアのバックアップ/リストアポリシーを準備しておく必要があります。また、ユーザを移動する場合にもデータをバックアップしておく必要があります。
Messaging Server には、メッセージストアのバックアップおよびリストアに使用できるコマンドラインユーティリティが備わっています。また、Messaging Server は Legato Networker との統合ソリューションも提供しています。
Messaging Server に備わっているのは、単一コピーバックアップのプロシージャです。ある特定のメッセージが何個のユーザフォルダに含まれているかということには関係なく、最初に検出されたファイルだけがバックアップされます。2 つ目以降のメッセージコピーは、最初のメッセージファイル名へのリンクとしてバックアップされます。backup ユーティリティは、メッセージファイルのデバイスと i ノードをインデックスとして使用し、全メッセージのハッシュテーブルを保守します。ただし、この方法はデータのリストアに影響を及ぼすので注意してください。詳細については、「部分的リストアを行う場合の注意事項」を参照してください。
「バックアップポリシーを作成する」
バックアップポリシーを作成する
バックアップポリシーを決定する際には、以下の要素を考慮する必要があります。
ピーク時の負荷
システムのバックアップを計画する際には、時間的な負荷量の増減を考慮する必要があります。たとえば、午前 2 時などの早朝の時間帯にバックアップをスケジュールするのが良いでしょう。
フルバックアップとインクリメンタルバックアップ
インクリメンタルバックアップはストアをスキャンして変更があったデータのみをバックアップする方法で、フルバックアップはメッセージストア全体をバックアップする方法です。フルバックアップとインクリメンタルバックアップをそれぞれどの程度の頻度で実行するかを決定する必要があります。インクリメンタルバックアップは日常的なメンテナンスプロシージャの一環として実行すると良いでしょう。フルバックアップはデータを移動する場合などに適しています。
並列バックアップと直列バックアップ
ユーザデータが複数のディスクに保存されている場合は、並列的にユーザグループのデータをバックアップできます。システムリソースによっては、このような並列バックアップを行うことでバックアップ全体に必要な時間を短縮できる場合もあります。しかし、サーバのパフォーマンスに影響を与えたくない場合は、直列バックアップを選択した方が良いでしょう。バックアップ方法は、システム負荷、ハードウェア設定、使用可能なテープドライブの数など、さまざまな要素を考慮して決定するようにしてください。
バックアップグループを作成する
ユーザをグループに分けることで、より効果的なバックアップ管理が可能になります。たとえば、グループごとにバックアップセッションをスケジュールしたり、複数のグループを同時にバックアップすることができます。たとえばユーザメッセージが前述の例のようにユーザの姓に基づいて保存されている場合、姓の頭文字が A から F までのユーザを 1 つのバックアップグループとして認識させて、頭文字が G から M までのユーザは別のバックアップグループとして認識させることができます。
メッセージストアを論理的に表すと、次の図のようになります。
ストア
______|______
| |
グループ グループ
___|___
| |
ユーザ ユーザ
____|____
| |
メールボックス メールボックス
ユーザをグループに分けることで、より優れたバックアップ管理が可能になります。たとえば、グループごとにバックアップセッションをスケジュールしたり、複数のグループを同時にバックアップすることができます。バックアップグループの作成方法については、「バックアップグループを作成する」を参照してください。
バックアップグループを作成するには、グループ定義を保存するための設定ファイルを作成する必要があります。このファイルには backup-groups.conf という名前を付け、以下のディレクトリに保存します。
サーバルート/msg-インスタンス/config/backup-groups.conf
このファイルのフォーマットは以下のとおりです。
グループ=定義
グループ=定義
.
.
.たとえば、ユーザ ID の頭文字に基づいてユーザをグループ化するには、以下の定義を使用します。
groupA=a*
groupB=b*
groupC=c*バックアップオブジェクトの名前は、以下のように、メッセージストアの論理構造に従って付けられます。
「サーバ」は、メッセージストアのインスタンス名です (例、siroe)。
Messaging Server には、backup-groups 設定ファイルを作成せずに使用できるデフォルトのバックアップグループが 1 つあります。ALL という名前のこのグループには、すべてのユーザが含まれています。
Messaging Server バックアップ/リストアユーティリティ
Messaging Server には、データをバックアップおよびリストアするための imsbackup および imsrestore ユーティリティが備わっています。imsbackup ユーティリティおよび imsrestore ユーティリティは、一般的なバックアップを行うために提供されているものではありません。これらのユーティリティには、Legato Networker などの多目的ツールが持つ高度な機能はありません。たとえば、テープ自動チェンジャサポート機能には制限があり、1 つのストアの内容を同時に複数のデバイスに書き込むことはできません。総合的なバックアップは、Legato Networker などのツールに対するプラグインを介して行われます。Legato Networker の使用方法については、「Legato Networker を使用する」を参照してください。
imsbackup ユーティリティ
imsbackup を使用すると、メッセージストアの内容を部分的に選択し、磁気テープ、UNIX パイプ、ファイルなど、さまざまなシリアルデバイスに書き込むことができます。作成したバックアップの一部または全体をリストアするには、imsrestore ユーティリティを使用します。imsbackup の出力を imsrestore にパイプすることも可能です。バックアップを行うには、imsbackup コマンドを使用します。以下の例では、user1 が backupfile にバックアップされます。
imsbackup -f backupfile /mystore/ALL/user1
このコマンドは、20 というデフォルトのブロッキングファクタを使用します。imsbackup コマンドの構文の詳細については、『Messaging Server リファレンスマニュアル』を参照してください。
imsrestore ユーティリティ
バックアップデバイスからメッセージをリストアするには、imsrestore コマンドを使用します。以下の例では、backupfile ファイルから user1 のメッセージがリストアされます。imsrestore -f backupfile /mystore/ALL/user1
imsbackup コマンドの構文の詳細については、『Messaging Server リファレンス マニュアル』を参照してください。
部分的リストアを行う場合の注意事項
単一コピーバックアッププロシージャに従ってバックアップしたメッセージをリストアする際には、以下の事項に注意してください。
フルリストア : フルリストアの場合、リンクされたメッセージはリンク先メッセージと同じ i ノード をポイントします。
以下のように 3 人のユーザ A、B、C に属するメッセージがあると仮定します。部分的バックアップ/リストア : 部分的バックアップおよびリストアでは、メッセージストアの単一コピー特性が維持されないことがあります。
例 1 : システムは以下のように部分的バックアップおよびフルリストアを実行します。
この例で、B/INBOX/1 および C/INBOX/1 には新しい i ノード 番号が割り当てられ、メッセージデータはディスクの新しい場所に書き込まれます。また、リストアされるのは最初のメッセージだけであり、2 つ目のメッセージは最初のメッセージへのハードリンクです。
例 2 : システムは以下のようにフルバックアップおよび部分的リストアを実行します。
A/INBOX/1 には新しい i ノード 番号が割り当てられます。
例 3 : この例では、部分的リストアを繰り返し試みる必要が生じることがあります。
フルバックアップを行います。
ユーザ A および B を削除します。
- B/INBOX/1 および C/INBOX/1 は A/INBOX/1 へのリンクとしてバックアップされます。
ユーザ A および B をリストアします。
- 管理者に A/INBOX をリストアするよう指示が出されます。
ユーザ A を削除します (オプション)。
注 部分的リストアの際に、すべてのメッセージが確実にリストアされるようにしたい場合は、imsbackup コマンドに -i オプションを使用します。-i オプションは、各メッセージを必要に応じて複数回バックアップします。このオプションは、POP 環境で最も便利なものです。
Legato Networker を使用する
Messaging Server には、Legato Networker などのサードパーティバックアップツール用のインターフェースを提供するバックアップ API があります。物理メッセージストアの構造およびデータフォーマットは、バックアップ API 内でカプセル化されます。バックアップ API はメッセージストアと直接通信を行い、バックアップサービスにメッセージストアの論理ビューを提供します。バックアップサービスは、このメッセージストアの論理ビューを利用してバックアップオブジェクトを保存および取得します。Messaging Server では、Legato Networker の save および recover コマンドで呼び出せるアプリケーション特有モジュール (ASM) を使って、メッセージストアデータのバックアップおよびリストアを実行できます。ASM は Messaging Server imsbackup および imsrestore ユーティリティを呼び出します。
注 この項では、Messaging Server のメッセージストアと Legato Networker を併用する方法について説明します。Legato Networker のインターフェースについては、Legato に付属のマニュアルを参照してください。
Legato Networker を使ってデータをバックアップする
Legato Networker を使って Messaging Server メッセージストアをバックアップするには、Legato のインターフェースを呼び出す前に以下の手順を実行します。
/usr/lib/nsr/imsasm から サーバルート/msg-インスタンス/bin/imsasm へのシンボリックリンクを作成します。
図 10-2 に、バックアップグループディレクトリ構造の一例を示します。Sun または Legato から nsrfile バイナリファイルのコピーを入手し、以下のディレクトリにコピーします。
グループごとにユーザをバックアップする場合は、以下の手順を実行します。
- /usr/lib/nsr/nsrfile
「バックアップグループを作成する」の説明に従ってバックアップグループファイルを作成します。
- サーバルート/msg-インスタンス/backup ディレクトリの構造を確認します。ディレクトリは、図 10-2 に示されているような構造になっていなければなりません。
savegroup が mkbackupdir.sh スクリプトを呼び出せるように、/nsr/res/ ディレクトリに res ファイルを作成します。図 10-3 を参照してください。
- backup-groups.conf ファイルを指定しないと、すべてのユーザを含むデフォルトのバックアップグループ ALL が使用されます。
図 10-2 バックアップグループディレクトリ構造
siroe-groupA-a1
-a2
-groupB-b1
-b2
-groupC-c1
-c2
図 10-3 は nsr ディレクトリに含まれる IMS.res という名前のサンプル res ファイルです。
図 10-3 サンプル res ファイル
type: savepnpc
precmd: "echo mkbackupdir started",
"/usr/siroe/server5/msg-siroe/bin/mkbackupdir.sh"
pstcmd: "echo imsbackup Completed";
timeout: "12:00 pm";
次に、以下の手順に従って Legato Networker のインターフェースを使用します。
必要に応じて Messaging Server の savegroup を作成します。
savepnpc をバックアップコマンドとして使用し、バックアップクライアントを作成します。
mkbackupdir によって作成されたディレクトリに saveset を設定します。
Group Control (グループ制御) | Start (開始)を選択してバックアップ設定をテストします。
- 単一セッションのバックアップには サーバルート/msg-インスタンス/backup を使用します。
- 並列バックアップには サーバルート/msg-インスタンス/backup/サーバ/グループ を使用します。
- 「バックアップグループを作成する」の説明に従って、あらかじめグループを作成しておく必要があります。
- また、parallelism をバックアップセッションの回数に設定しなければなりません。
- 詳細については、「例 - Networker にバックアップクライアントを作成する」を参照してください。
例 - Networker にバックアップクライアントを作成する Networker にバックアップクライアントを作成するには、nwadmin から Client (クライアント) | Client Setup (クライアントセットアップ) | Create (作成) を選択します。
Legato Networker を使用してデータをリストアする
データのリストアには、Legato Networker の nwrecover インターフェースまたは recover コマンドラインユーティリティを使用できます。a1 というユーザの INBOX をリストアするには :recover -a -f -s siroe /usr/siroe/server5/msg-siroe/backup/siroe/groupA/a1/INBOX
recover -a -f -s siroe /usr/siroe/server5/msg-siroe/backup/siroe
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最終更新日 2001 年 5 月 24 日