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iPlanet Web Server, Enterprise Edition 管理者ガイド



付録 D   国際化された iPlanet Web Server


国際化されたバージョンの iPlanet Web Server には、米国以外の環境向けに調整された特別な機能があります。この機能では、ユーザインタフェース言語 (日本語、フランス語、ドイツ語) の選択や、さまざまな言語によるテキスト検索が可能な検索エンジンの選択ができます。

この付録は、次の節から構成されています。



一般情報

この節では、サーバ機能の国際化に関する、一般的な考慮事項について説明します。


サーバのインストール

サーバのインストール時に、インストールする検索エンジンだけでなく、使用するユーザインタフェース言語を選択します。

多言語バージョンのサーバのインストールについては、iPlanet Web Server, Enterprise Edition 6.0 のリリースノートを参照してください。README ファイルのリンクからリリースノートにオンラインでアクセスできます。


UTF-8 データの入力

Server Manager または Administration Server のページに UTF-8 データを入力する場合、次の問題に注意する必要があります。


ファイル名またはディレクトリ名

ファイル名またはディレクトリ名を URL で表示する場合、8 ビット文字やマルチバイト文字は使用できません。


LDAP ユーザとグループ

電子メール アドレスには、RFC 1700 (ftp://ds.internic.net/rfc/rfc1700.txt) で許可された文字のみを使用します。ユーザ ID およびパスワード情報は、ASCII 形式で保存する必要があります。

正しい書式で文字を入力しているかどうかを確認するには、UTF-8 フォームが有効なクライアント (Netscape Communicator など) を使用して、8 ビットまたはダブルバイトのデータを入力します。

ユーザが各自のユーザとグループの情報にアクセスできるようにする場合、UTF-8 フォームが有効なクライアントを使用する必要があります。


Accept-Language ヘッダーの使用

クライアントが HTTP を使用してサーバに接続する場合、受け入れる言語を説明したヘッダー情報を送信できます。第 16 章「コンテンツ管理」で説明するとおり、この言語情報を解析するようにサーバを構成できます。

server.xml ファイルの acceptlanguage 指令に対して、サーバを有効または無効にすることができます。

図 D-1    server.xml の多言語設定



acceptlanguage  

onoff  

Accept-language ヘッダーの解析を有効にしたり無効にしたりする  

たとえば、acceptlanguage が「on」に設定され、 クライアントが Accept-language ヘッダーを fr-CH,de という値とともに送信することを前提に、次のURL を要求するとします。

http://www.someplace.com/somepage.html

サーバは次の順序でファイルを検索します。

  1. Accept-languagefr-CH,de をリストします。

    http://www.someplace.com/fr_ch/somepage.html

    http://www.someplace.com/somepage_fr_ch.html

    http://www.someplace.com/de/somepage.html

    http://www.someplace.com/somepage_de.html

  2. 国コードなしの言語コード (fr-CH の場合は fr)

    http://www.someplace.com/fr/somepage.html

    http://www.someplace.com/somepage_fr.html

  3. magnus.conf ファイルで定義される en などの DefaultLanguage

    http://www.someplace.com/en/somepage.html

    http://www.someplace.com/somepage_en.html

  4. 上記のいずれも見つからない場合、サーバは次の場所を検索します。

    http://www.someplace.com/somepage.html

    ローカライズされたファイルに名前を付ける場合、CH や TW などの国コードは小文字に変換し、ダッシュ (-) はアンダースコア (_) に変換するよう、配慮しておく必要があります。




その他の言語設定の使用

magnus.conf ファイルに含まれる次の指令は、デフォルトの言語を指定します。


表 D-1    magnus.conf の言語設定

指令

説明

ClientLanguage  

enfrdeja  

「Not Found」や「Access denied」などのクライアントメッセージを表示する言語を指定する。この値は、ローカライズされたメッセージに使用する ns-httpd.db データベースを指定するために使用される  

DefaultLanguage  

enfrdeja  

クライアント言語用のリソースがない場合に使用する言語を指定する  



検索情報



検索機能が次の言語に対してサポートされています。

  • 英語

  • ドイツ語

  • フランス語

  • イタリア語

  • スペイン語

  • スウェーデン語

  • オランダ語

  • 日本語


多言語検索

複数の文字セットを使用してエンコードされたドキュメントを表示するには、ブラウザ上で文字セットエンコーディングの設定を変更する必要があります。また、テキスト検索機能は、一度に 1 つの文字セットのエンコーディングに対して実行されるため、多言語検索の機能を使用しているときには、誤った結果を受け取ることがあります。最良の結果を得るには、検索コレクションを作成するとき、すべてのドキュメントに対して特定の 1 つの文字セットだけを使用することが必要です。


日本語での検索

この項は、日本語での検索についての情報です。


照会演算子

今回のリリースでは、次のような日本語の照会演算子をサポートしています。


表 D-2    日本語の照会演算子 

演算子

日本語の文字のサポートの有無

AND  

はい  

CONTAINS  

いいえ  

ENDS  

はい  

MATCHES  

はい  

NEAR  

はい  

NEAR/N  

はい  

NOT  

はい  

OR  

はい  

PHRASE  

はい  

STARTS  

はい  

STEM  

いいえ (英語のみサポート)  

SUBSTRING  

はい  

WILDCARD *  

はい  

WILDCARD ?  

はい  

WORD  

はい  


ドキュメント形式

今回のリリースでは、日本語の次のドキュメント形式をサポートしています。

  • HTML

  • ASCII

  • NEWS

  • MAIL

    日本語では、PDF 形式のドキュメントがサポートされていません。




日本語での検索

次の節では、日本語文字セットでの検索について詳細情報を提供します。


ドキュメントのエンコーディング
今回のリリースでは、次のような日本語のドキュメントのエンコーディングをサポートしています。

  • euc-jp

  • Shift_JIS

    ISO-2022-JP はサポートされません。




検索単語
このリリースでは、次の検索単語をサポートします。

  • 漢字

  • ひらがな

  • カタカナ (全角と半角)

  • ASCII (全角と半角)

検索エンジンは半角カタカナを全角カタカナに変換し、全角の ASCII 文字を半角の ASCII 文字に変換します。ユーザは全角文字と半角文字を同じ文字のように扱うことができます。

今回のリリースでは、句や文の検索もサポートしています。



サーブレットの国際化



POST を使用して、フォームデータがブラウザからサーバへ送信される場合、ブラウザは次の処理を実行します。

  • POST データの url をエンコードする

  • Content-Type を application/x-www-form-urlencoded に設定する

  • Content-Type ヘッダーで文字セット情報を送信しない

サーバ側で、サーブレットが getParameter または getParameterValues を使用して、データに POST でアクセスしている場合、getParameter 文字列にどのエンコーディングで文字を格納したかという情報は、サーブレットコンテナには格納されません。

POST データ文字列の解釈に使用する文字のエンコード方式を、サーブレットコンテナに知らせるように、iPlanet Web Server 6.0 を構成することができます。このためには、web-apps.xmlparameter-encoding 要素を使用して、次のように文字のコード化を指定します。

<parameter-encoding enc="value"/>

value は、次の中から選択できます。

  • auto (デフォルト)

  • none

  • 有効な任意のエンコーディング

次に、これらの値について説明します。


auto

使用される文字のエンコーディングに関するヒントを検索するために、auto ではサーブレットコンテナが必要です。次の内容を使用してヒントを指定することができます。

  • com.iplanet.server.http.servlet.parameterEncoding という名前の要求の属性。値のタイプは String です。要求の属性は、getParameter() または getParameterValues() を呼び出す前に設定する必要があります。その例を次に示します。

    request.setAttribute("com.iplanet.server.http.servlet.
    parameterEncoding", "Shift_JIS");
    request.getParameter("test");

    このオプションは、サーブレットが固定表示データの文字セットを事前に認識している場合に使用されます。

  • フォームデータ内の j_encoding パラメータです。送信されるフォームには、以下の隠し要素がある場合があります。その例を次に示します。

    <input type=hidden name="j_encoding" value="Shift_JIS" >

    このオプションは通常、データを読み込むサーブレットが必ずしも固定表示データの文字セットを事前に認識しているとは限らない場合に使用されます。デフォルトでは、j_encoding のヒントパラメータ名は web-apps.xmlparameter-encoding 要素を使用して変更できます。


none

このオプションは、サーブレットのパラメータデータにプラットフォームのデフォルトのエンコーディングを使用したい場合に使用します。


有効な任意のエンコーディング

上記のオプションがいずれも指定されない場合、サーブレットコンテナはこの文字列自体をエンコーディングと解釈するため、これを Shift_JISUTF-8 などと同様に有効なコード化文字列にすることができます。たとえば、フォームの POST データが常に UTF-8 であることがわかっている場合、これに UTF-8 を指定します。


サーバは常に、まず要求の Content-Type ヘッダーから文字を解決しようとします。



parameter-encoding の詳細については、『サーブレットに関するプログラマーズガイド』を参照してください。



JSP への送信



サーブレットの代わりに JSP に対してデータを送信する場合も、parameter-encoding が同じように動作するようにサーバを構成することができます。次の例では、日本語 Shift_JIS でのエンコーディングの読み取りパラメータに対して「auto」が設定されている JSP を示します。

<%@ page contentType="text/html;charset=Shift_JIS" %>
<html>
<head>
<title>JSP Test Case</title>
</head>
<body>
<% request.setAttribute("com.iplanet.server.http.servlet.parameterEnco ding", "Shift_JIS");
%>
<h1>The Entered Name is :<%= request.getParameter("test") %> </h1>
</body>
</html>


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Last Updated October 17, 2001