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iPlanet Web Server, Enterprise Edition インストールと移行



第 4 章   Web サーバの移行


次の iPlanet Web Server 4.x 情報を移行して、iPlanet Web Server 6.0 で使用できます。

  • ローカルデータベースに格納されているすべてのユーザ情報およびグループ情報 (移行する場合)

  • ドキュメントルートおよびその他のディレクトリマッピング

  • 構成スタイル情報

  • ソフトウェアおよびハードウェアの仮想サーバ設定

  • 検索コレクション

  • 検索パターンファイル

  • アクセス制御リスト (ACL) 情報

  • SSL (Secure Socket Layer) 情報

  • 証明書および鍵

  • NSAPI 情報

  • サーブレット

  • JSP (JavaServer Pages)

  • シンプルセッションマネージャおよび JDBC セッションマネージャ (使用は推奨していません)

  • サーバサイド HTML (SHTML)



     

    一般に、このドキュメントで iPlanet Web Server 4.x に言及する場合、その情報は、iPlanet Web Server 4.0 および 4.1 だけでなく、それらのサービスパックリリースにも当てはまります。たとえば、iPlanet Web Server 4.0, SP6 や iPlanet Web Server 4.1, SP 6 などがあります。  




iPlanet Web Server 6.0 の変更点

iPlanet Web Server 4.x から iPlanet Web Server 6.0 に情報を移行すると、次の領域で変更が生じます。


構成ファイル

iPlanet Web Server 4.x の magnus.conf ファイルにある指令は、iPlanet Web Server 6.0 では server.xml ファイルに置かれます。移行プロセス中に、これらの指令は自動的に 6.0 サーバの magnus.conf ファイルから削除され、server.xml ファイルに追加されます。

また、iPlanet Web Server 4.x の obj.conf ファイルにある Init 関数は、iPlanet Web Server 6.0 の magnus.conf ファイルに移されます。


Java 構成ファイル

Java サブコンポーネントのインストール時にインストールされる構成ファイルには、.default で終わるファイルのセットが含まれます。これらのファイルは、下位互換のためだけに保持されており、iPlanet Web Sever 6.0 で使用することは推奨していません。これらのファイルは、今後のバージョンではサポートされない可能性があります。iPlanet Web Server 6.0 では、iPlanet Web Server の『サーブレットに関するプログラマーズガイド』で説明されているように、Web アプリケーションで Servlet および JSP を作成し、web-apps.xml ファイルを使用して構成します。.default ファイルは使用しません。古い .default ファイルのプロパティ、仮想サーバごとの web-apps.xml、および標準 Servlet 2.2 配置記述子の web.xml 間のマッピングについては、iPlanet Web Server の『プログラマーズガイド』を参照してください。


JSP (Java Server Pages)

iPlanet Web Server 4.0 では、 JSP (Java Server Pages) は JSP 0.92 で記述しました。iPlanet Web Server 4.1 および 6.0 では、 JSP は JSP 1.1 で記述します。バージョン 0.92 は、iPlanet Web Server 6.0 ではサポートされていません。 JSP は、バージョン 1.1 標準で記述する必要があります。また、JSP は Web アプリケーションの一部として作成することをお勧めします。スタイル例は、server_root/plugins/servlets/examples/web-apps にあります。

0.92 で記述した JSP も、それが存在する古いバージョンのディレクトリを指定しておけば、iPlanet Web Server 6.0 で動作します 古いバージョンのディレクトリを指定するには、クラスマネージャにアクセスし、「Services」タブをクリックして、「Legacy JSP Directory」をクリックします。このページを使用して、古いバージョンのディレクトリを指定します。

Web アプリケーションの一部として JSP 1.1 で記述された JSP は、サーバで使用可能なディレクトリならどこにでも置くことができます。

JSP 1.1 のサンプルは、server_root/plugins/servlets/examples/legacy/jsp.10 にあります。


Java Servlet

iPlanet Web Server 6.0 では、4.1 スタイルの Servlet 構成の使用は推奨していませんが、servlets.propertiesrules.properties、および contexts.properties ファイルを使用して下位互換を保持しています。これらのファイルは、今後のリリースではサポートされない可能性があります。詳細は、iPlanet Web Server の『サーブレットに関するプログラマーズガイド』を参照してください。


シンプルセッションマネージャ

シンプルセッションマネージャおよび JDBC セッションマネージャは、iPlanet Web Server 6.0 でサポートされていますが、使用は推奨していません。代わりに、IWS セッションマネージャの使用をお勧めします。詳細は、iPlanet Web Server の『サーブレットに関するプログラマーズガイド』を参照してください。

iPlanet Web Server 4.x の Web アプリケーションで SimpleSessionManager が指定されている場合は、クラスの名前を IWSSessionManager に変更する必要があります。これにより、持続性を強化できます。timeOutreapInterval など、ほかの Init 属性は変更されません。

iPlanet Web Server 4.x の Web アプリケーションで JDBCSessionManager が指定されている場合は、 クラスの名前を IWSSessionManager に変更して、次の属性をセッションマネージャの init-param 要素に追加する必要があります。
session-data-store='com.iPlanet.server.http.session.JdbcStore'

providerurl など、ほかの属性は変更されません。

iPlanet Web Server 4.x の Web アプリケーションで MMapSessionManager がセッションマネージャのクラス名として指定されている場合は、アプリケーションに変更はありません。


仮想サーバ

iPlanet Web Server 4.x では、ハードウェアおよびソフトウェアの仮想サーバを使用して複数のサーバインスタンスを作成できましたが、これらのインスタンスでは同じ構成情報を共有する必要がありました。iPlanet Web Server 6.0 では、仮想サーバのクラスを複数設定できます。各クラスには、それぞれ個別の構成情報があります。

仮想サーバの設定値は、server_root/server_ID/config ディレクトリにある server.xml ファイルに格納されています。仮想サーバについては、iPlanet Web Server の『管理者ガイド』を参照してください。


使用されなくなった機能

iPlanet Web Server 4.x の次の機能は、iPlanet Web Server 6.0 ではサポートされていません。

  • WAI

  • Web パブリッシング

  • サーバサイド JavaScript (SSJS)/LiveWire

これらの機能のデータおよび設定値は移行されません。

SSJS アプリケーションを JSP に変換する方法の補足説明については、iPlanet Web Server の『サーブレットに関するプログラマーズガイド』を参照してください。また、変換したアプリケーションのサンプルは server_root/plugins/servlets/examples/legacy/jsp.10/hangman にあります。


使用されなくなった obj.conf 指令

次の指令は、iPlanet Web Server 6.0 では使用されません。移行プログラムは 4.x サーバの obj.conf ファイルにそれらの指令を検出しても 6.0 サーバに移行しません。

  • Init 指令 : iPlanet Web Server 4.x の Init 指令は、自動的に 4.x の obj.conf ファイルから iPlanet Web Server 6.0 の magnus.conf ファイルに移されます。

  • NameTrans 指令 :

    • es-search-nametrans

    • publisher

    • document-root


開始スクリプトおよび停止スクリプト

4.x サーバの開始スクリプトまたは停止スクリプトを修正した場合、それらの変更内容は移行プログラムでは移行されません。


構成ファイル中のシンボリックリンク (UNIX および Linux)

サーバ構成ファイル中のシンボリックリンクまたは相対リンクは、アップグレード時に障害の原因となる場合があります。サーバルート下にあるファイルへの絶対参照を含むサーバ構成ファイルでは、常に同じ方法でサーバルートへのパスを参照します。できれば、シンボリックリンクが含まれないようにしてください。


設定値およびデータの移行



警告  

移行の前にすべてのサーバインスタンスを停止してください。  



設定値およびデータを 4.x サーバから 6.0 サーバに移行するには、次の手順に従います。

  1. 「Administration Server」ページで、「Services」タブをクリックします。

  2. 「Migrate Server」をクリックします。

  3. 移行元サーバのサーバルートを入力して「Search」をクリックします。

    例 :

    /usr/netscape/server4

    C:\netscape\server4

    iPlanet Web Server は、指定したディレクトリにインストールされているサーバインスタンスがあるかどうか検出し、移行可能なサーバをインストール済みサーバ一覧セクションに表示します。Administration Server を移行することはできません。

  4. ドロップダウンリストからサーバを選択し、「Migrate」をクリックします。

    移行パラメータを示す新しいウィンドウが表示されます。

  5. フォームに入力します。

    フォームに表示されるセクションは、の iPlanet Web Server 4.x で使用している機能、およびインストールした 6.0 のコンポーネントによって異なります。次に、表示される可能性のあるパラメータセクションを示します。

    • 一般的な移行パラメータ

    • ユーザおよびグループ

    • ドキュメントルート

    • 検索コレクション

    • 検索パターンファイル

    • 鍵および証明書

    詳細は、オンラインヘルプの「Migration Parameters Page」を参照してください。

  6. 「Migrate」をクリックします。

    「Migrate Server_name」ページが表示されます。正常に移行されたパラメータおよび手動で移行する必要のあるパラメータを含め、移行の結果が表示されます。6.0 ではサポートされない 4.x サーバの機能も表示されます。

  7. 「Configure Migrated Server」をクリックし、移行されたサーバインスタンスをサーバマネージャで構成するか、「Close」をクリックして移行ウィンドウを閉じます。


サーバ移行ページ

移行時には、発生したエラーを含め、すべての移行情報を記録するページ (「Migrate Server_name」) が表示されます。iPlanet Web Server 4.x で使用した機能で iPlanet Web Server 6.0 ではサポートされない機能に関する警告が表示されます。移行プログラムは、obj.conf のエントリのうち、使用されなくなった機能に関するものは移行しません。

移行時に重大なエラーが発生しても、移行は続行されます。発生したエラーが結果のページに表示されるので、この情報を障害追跡に使用できます。


Administration Server の移行

移行できるのは、個々のサーバインスタンスに限られます。Administration Server を移行することはできません。iPlanet Web Server インスタンスの移行後に、6.0 の Administration Server で分散管理やクラスタなどの機能をもう一度設定する必要があります。

iPlanet Web Server インスタンスの移行時に、複数のサーバインスタンスに関係するユーザおよびグループ情報を移行するかどうか選択できます。一度ユーザおよびグループ情報を移行するか、6.0 環境を設定すれば、ユーザおよびグループ情報を再度移行する必要はありません。ユーザおよびグループ情報は、/server_root/userdb/server_name.ldif ファイルにあります。

鍵および証明書も移行できます。


ユーザおよびグループ情報の移行

Directory Server を使用した場合、ユーザおよびグループを移行するために移行プロセス中は何もする必要はありません。移行後に、Administration Server の「Global Settings」タブで、「ディレクトリサービスの設定」ページを使用して Directory Server を指定できます。4.x または 5.0 の Directory Server を使用する必要があります。


仮想サーバの移行

iPlanet Web Server 4.x では、ハードウェア仮想サーバを作成する方法が 2 つありました。obj.conf を使用する方法とvirtial.conf を使用する方法です。ハードウェア仮想サーバの情報を移行する方法は、どちらの方法を使用したかによって異なります。

  • obj.conf を使用して iPlanet Web Server 4.x のハードウェア仮想サーバを作成した場合、それらのハードウェア仮想サーバの設定値は、4.x の obj.conf ファイルから 6.0 の server.xml ファイルに移行されます。

  • virtial.conf を使用して iPlanet Web Server 4.x のハードウェア仮想サーバを作成した場合、それらのハードウェア仮想サーバの設定値は、4.x の virtual.conf ファイルから 6.0 の server.xml ファイルに移行されます。

iPlanet Web Server 4.x ソフトウェアの仮想サーバ設定は、4.x の obj.conf ファイルから 6.0 の server.xml ファイルに移行されます。


ACL の移行

iPlanet Web Server 6.0 には、es-internal と呼ばれるデフォルト ACL があり、ヘルプファイルや画面アイコンなど、iPlanet Web Server の内部ファイルに対する変更権限を制御します。この新しいデフォルト ACL は、移行時に追加されます。

Administration Server 4.x で分散管理用に ACL を設定した場合、それらの ACL は移行されません。これらの ACL は、手動で新しい Administration Server に追加する必要があります。


証明書の移行

移行プロセスにより、4.x_server_root/https-server_id ディレクトリにある key3.dbcert7.db などのデータベースファイルは、6.0_server_root/https-server_id ディレクトリにコピーされます。

また、4.x サーバの magnus.conf ファイルにある SSL パラメータは、自動的に 6.0 の server.xml 構成ファイルに追加されます。

iPlanet Web Server での証明書の使用については、iPlanet Web Server の『管理者ガイド』を参照してください。


検索コレクションの移行

検索コレクションがある場合は、どれを移行するか選択する必要があります。「Migration Parameters」ページには、移行するコレクションを選択するためのチェックボックスがあります。サーバの移行時にコレクションを移行しない場合、あとで移行し直すことはできません。

古いドキュメントルートの使用を選択する場合は、移行した検索コレクションは自動的に機能します。古いドキュメントルートの代わりに新しいドキュメントルートの使用を選択する場合、コレクションを機能させるには一部のコレクションを作成し直す必要がある場合があります。


検索パターンファイルの移行

検索パターンファイルを移行するかどうかは選択できます。移行する必要があるのは、デフォルトのパターンファイルをカスタマイズした場合だけです。


アプリケーションの移行

サーバの設定値およびデータを移行したら、iPlanet Web Server 6.0 上で動作するようにアプリケーションにも変更を加える必要がある場合があります。


NSAPI アプリケーションの移行

iPlanet Web Server 4.x で使用した NSAPI プログラムのほとんどは、コンパイルし直さなくても iPlanet Web Server 6.0 で動作します。一部のドキュメント化されていないデータ構造は、nsapi.h から削除され、公開されることはありません。プラグインでこれらのデータ構造を使用する場合、記述し直してアクセサ関数を使用する必要があります。現在非公開になっているデータ構造は、nsapi_pvt.h で定義されています。これは、情報を提供する目的でビルドに付属しています。

カスタム NSAPI プラグインは、自動的には新しいサーバディレクトリにコピーされません。カスタムプラグインがある場合は、新しいサーバの magnus.conf に示されているアップグレードされたパスにプラグインをコピーしてください。

これらのデータ構造および新しいアクセサ関数については、iPlanet Web Server の『NSAPI プログラマーズガイド』を参照してください。


Java サーブレットの移行

サーバの移行後は、iPlanet Web Server 4.x で動作した Java サーブレットは、コンパイルし直さなくても 6.0 で動作します。移行後も、4.x の サーブレットは元のディレクトリに残ります。移行されたサーブレットは、互換モードで動作します。互換モードでは、移行されたサーブレットはほかの 6.0 サーブレットより動作が少し遅くなることがあります。

また、4.x のサーブレットで追加のファイルを参照していた場合は、それらのファイルへのパスを JVM クラスパスに追加する必要があります。クラスパスを更新するには、サーバマネージャの「Java」タブの「Configure JVM Attributes」ページを使用します。

4.x のサーブレットおよび JSP は iPlanet Web Server 6.0 で修正しなくても正常に動作しますが、アプリケーション開発者は、それらのサーブレットおよび JSP を Web アプリケーションとして記述し直せば、新しい機能を利用できます。



 

Java サブコンポーネントのインストール時にインストールした構成ファイルには .default で終わるファイルのセットが含まれます (たとえば、rules.properties.default)。これらのファイルには、Java 構成ファイルのデフォルト値が含まれています。移行中、Java 構成ファイルは前のバージョンから変更されません。古いファイルを新しい設定に更新する場合、.default ファイルを参照してください。また、将来、iPlanet Web Server 6.0 のデフォルト設定に戻す場合にも、.default ファイルを参照できます。  




サーバサイド Java アプレット (HttpApplet)

サーバサイド Java アプレット (HttpApplet) はサポートされていません。代わりに、Java サーブレットを使用します。サーバサイド Java アプレットをサーブレットとして記述し直してインストールし直す必要があります。


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Last Updated October 02, 2001