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iPlanet Messaging Server 5.2 管理者ガイド



付録 D   メールユーザとメーリングリストを管理する


この付録では、Console インタフェースを使ってユーザのメールアカウントとメーリングリストを作成および管理する方法について説明します。ユーザとメーリングリストの作成および管理には、ここで説明するように Console インタフェースを使用しないことをお勧めします。ユーザとメーリングリストの作成および変更には、Console インタフェースではなく、iPlanet Delegated Administrator for Messaging for the Delegated Administrator のコマンドラインユーティリティを使用することをお勧めします。ユーザ/グループのコマンドラインユーティリティについては、iPlanet Messaging Server リファレンスマニュアルを参照してください。

警告

ここで説明するように Console インタフェースを使用してユーザやグループを作成すると、Delegated Administrator で表示や修正ができなくなります。ユーザおよびグループの作成や変更の際は、iPlanet Delegated Administrator for Messaging の Delegated Administrator コマンドラインユーティリティを使用するか、『iPlanet Messaging Server プロビジョニングガイド』に記載されている手順を使用することをお勧めします。



この付録には、以下の節があります。



メールユーザを管理する


メールユーザにアクセスするには

この項では、ユーザ用のメール管理インタフェースを開く方法について説明します。Messaging Server のメールアカウントは、ユーザエントリの属性として、中央の LDAP ユーザディレクトリ内に保存されているため、メールアカウントを操作するには、ディレクトリ内のユーザエントリにアクセスする必要があります。


新規ユーザを作成するには

新規メールアカウントを作成するには、ディレクトリ内で新規ユーザを作成し、そのユーザのメールアカウントをインストールします。メールアカウントをインストールしないと、そのユーザに対して Console のメール管理機能を使用することはできません(ユーザの作成およびユーザ情報の設定については、『Netscape Console によるサーバの管理』の第 4 章「ユーザおよびグループ」を参照)。

新規メールユーザを作成するには、次の手順に従います。

  1. Console のメインウィンドウで「ユーザおよびグループ」タブをクリックします。

  2. ドロップダウンリストから「新規ユーザ」を選択し、「作成」をクリックします。

  3. ユーザが属する組織単位を選択し、「OK」をクリックします。「ユーザの作成」ウィンドウが開きます。

  4. 『Netscape Console によるサーバの管理』の第 4 章「ユーザおよびグループの管理」を参照し、ユーザに関する情報を入力してください。

  5. 「ユーザの作成」ウィンドウを開いたままの状態で、「アカウント」タブをクリックします。このユーザアカウントに対して使用できるインストール済み製品が右側のペインに一覧表示されます。

  6. 「メールアカウントのインストール」ボックスをクリックします。「ユーザの作成」ウィンドウに「メール」タブが表示されます。

  7. 「ユーザの作成」ウィンドウの「メール」タブをクリックしてから、右側のペインにある任意のタブをクリックします。

  8. 必要に応じて内容を変更し、「ユーザの作成」ウィンドの下部にある「OK」をクリックします。

    関連するタブで必要な作業をすべて完了したことを確認してから「OK」をクリックしてください。




既存のユーザにアクセスするには

既存のメールアカウントを変更する場合や、既存のユーザにメール機能を与える場合は、ユーザディレクトリ内でそのユーザにアクセスし、メールアカウントの属性を追加または変更します。

既存のユーザのメール情報にアクセスするには、次の手順に従います。

  1. Console のメインウィンドウで「ユーザおよびグループ」タブをクリックします。

  2. 「ユーザおよびグループ」のメインウィンドウで「検索」または「高度な検索」をクリックします。

  3. 「検索」ウィンドウに検索条件 (ユーザの姓など) を入力し、ユーザディレクトリを検索します。

  4. 「ユーザおよびグループ」のメインウィンドウに戻り、検索結果の中から任意のユーザを選択して「編集」をクリックします。

  5. 「エントリの編集」ウィンドウに「メール」タブが表示されない場合は、以下の操作を実行します。

    1. 「アカウント」タブをクリックします。インストールされているアカウントが右側のペインに一覧表示されます。

    2. 「メールアカウント」チェックボックスをオンにします。「エントリの編集」ウィンドウに「メール」タブが表示されます。

  6. 「エントリの編集」ウィンドウの「メール」タブをクリックしてから、右側のペインで任意のタブをクリックします。

  7. 必要に応じて内容を変更し、「エントリの編集」ウィンドウの下部にある「OK」をクリックします。


ユーザの電子メールアドレスを指定するには

メールがユーザに正しく配信されるようにするには、まずユーザのメールアドレス情報を指定する必要があります。アドレス情報は、Messaging Server のホスト名、ユーザのプライマリアドレス、および代替アドレスから構成されています。ホスト名とプライマリアドレスは必ず指定する必要がありますが、代替アドレスは指定しなくてもかまいません。

ユーザのメールアドレス情報を指定するには、次の手順に従います。

  1. Console から「ユーザの作成」ウィンドウまたは「エントリの編集」ウィンドウにアクセスします。手順については、「メールユーザにアクセスするには」を参照してください。

  2. 「メール」タブをクリックします。

  3. 「設定」タブがアクティブになっていない場合は、クリックしてアクティブにします。

  4. (必須) Messaging Server のホスト名を入力します。

    これは、ユーザのメールを処理する Messaging Server をホストするマシンです。Messaging Server がそのマシンで認識できる完全指定ドメイン名 (FQDN) を入力してください。

  5. (必須) ユーザのプライマリ電子メールアドレスを入力します。

    プライマリアドレスは、ユーザのアドレスとして公開される電子メールアドレスです。ユーザが使用できるプライマリアドレスは 1 つだけです。RFC 821 仕様に準拠する有効な形式の SMTP アドレスを使用してください。

    送信メールのヘッダー部分に表示されるユーザアドレスにホスト名を表示しない場合は、プライマリ電子メールアドレスのフィールドにホスト名を入力しないでください。代わりに、以下に示される手順に従って、ホスト名を含む代替アドレスを指定します。

  6. (省略可)「代替アドレス」リストにアドレスを入力します。

    代替アドレスとは、基本的にはそのユーザのプライマリアドレスのエイリアスに相当します。代替アドレスは、以下の目的に利用できます。

    • スペルを間違えやすいアドレスにメールが正しく配信されるようにする (たとえば、プライマリアドレスが「Smythe」の場合に、代替アドレスとして「Smith」と指定する)。

    • 送信メールのヘッダーにホスト名を表示しないようにする。ホスト名を非表示にするには、ユーザのプライマリ電子メールアドレスにはホスト名を含めず、代替アドレスにホスト名を含めます。たとえば、プライマリ電子メールアドレスを「jsmith@siroe.com」と指定し、代替アドレスを「jsmith@sesta.com」と指定します。こうすると、ユーザが送信したメールのヘッダーには jsmith@siroe.com と表示されますが、このアドレス宛てのメール (返信を含む) はすべて jsmith@sesta.com に配信されます (ただし、sesta.com が有効なホスト名である場合のみ)。

    重複しないかぎり、各ユーザに割り当てることができる代替アドレスの数に上限はありません。代替アドレス宛てに送信されたメッセージはすべてプライマリアドレスに配信されます。

    代替アドレスを追加するには、次の手順に従います。

    1. 「代替アドレス」フィールドの下にある「追加」ボタンをクリックします。

    2. 「代替アドレス」ウィンドウで代替アドレスを入力します。アドレス数に上限はありませんが、一度に複数のアドレスを追加することはできません。

    3. 「OK」をクリックして代替アドレスを追加し、「代替アドレス」ウィンドウを閉じます (別のアドレスを追加する場合は、もう一度「追加」ボタンをクリックして「代替アドレス」ウィンドウを表示します)。

  7. ユーザのメール情報の変更が完了したら、「エントリの編集」ウィンドウの下部にある「OK」をクリックします。変更作業を続ける場合は、別のタブをクリックします。


配信オプションを設定するには

Messaging Server には 3 種類の主要なメール配信オプションがあり、各ユーザに対して任意の組み合わせのオプションを有効にして構成することができます。配信オプションには、標準 POP/IMAP 配信、プログラム配信、および UNIX 配信 (UNIX Messaging Server ホストのクライアント用) があります。

また、iPlanet Delegated Administrator for Messaging にもエンドユーザ向けの HTML インタフェースがあり、エンドユーザ自身がこれらのオプションを有効にしたり構成したりできるようになっています。Console インタフェースと Delegated Administrator のインタフェースは同じディレクトリ属性を操作するため、どちらか一方のインタフェースを開くと、オプションを設定したのが管理者であるかユーザであるかにかかわらず、最新の設定が表示されます。

ユーザの配信オプションを設定するには、次の手順に従います。

  1. Console から「ユーザの作成」ウィンドウまたは「エントリの編集」ウィンドウにアクセスします。手順については、「メールユーザにアクセスするには」を参照してください。

  2. 「メール」タブをクリックします。

  3. 「配信」タブをクリックします。

  4. このユーザについて有効にする 1 つまたは複数の配信方法を選択します。

  5. ユーザのメール情報の変更が完了したら、「エントリの編集」ウィンドウの下部にある「OK」をクリックします。変更作業を続ける場合は、別のタブをクリックします。


POP/IMAP 配信を指定する

このオプションを選択すると、ユーザの標準 POP3 または IMAP4 メールボックスへの配信が可能になります。POP/IMAP 配信を有効にするには、次の手順に従います。

  1. 「配信」タブをクリックします。

  2. 「POP/IMAP」チェックボックスをオンにし、「プロパティ」ボタンをクリックして「POP/IMAP 配信」ウィンドウを開きます。

  3. (省略可) メッセージの配信先および保存先であるメッセージストアパーティションのニックネーム (パス名または絶対物理パス以外) を入力します。このフィールドに何も入力しないと、現在のプライマリパーティションが使用されます。詳細は、「メッセージストアを管理する」を参照してください。

  4. (省略可) ユーザに割り当てるメール保存ディスク容量の上限を設定します。制限はデフォルト設定 (「メッセージストアの制限容量を設定する」を参照)、無制限、または任意の容量 (KB/MB) にすることができます。

  5. (省略可) ユーザの保存可能なメッセージ数の上限を設定します。制限はデフォルト設定 (「メッセージストアの制限容量を設定する」を参照)、無制限、または任意の数にすることができます。


プログラム配信を指定する

このオプションを指定すると、メールがユーザに配信される前に外部アプリケーションに転送されて処理されるようになります。


この項では、ユーザがプログラム配信オプションを選択できるようにする方法について説明します。ただし、ユーザがこのオプションを使用できるようにする前に、まずいくつかの管理タスクを実行して、プログラム配信用のモジュール全体を有効にする必要があります。詳細については、「パイプチャネルを使用してメッセージをプログラムに配信するには」を参照してください。



プログラム配信を有効にするには、次の手順に従います。

  1. 「配信」タブをクリックします。

  2. 「プログラム配信」チェックボックスをオンにし、「プロパティ」ボタンをクリックして「プログラム配信」ウィンドウを開きます。

  3. ユーザのメールを処理するための外部アプリケーションコマンドを入力します。

  4. 「OK」をクリックします。


UNIX 配信を指定するには

このオプションを指定すると、ユーザのメール配信方法が UNIX 配信に設定されます。つまり、メッセージが指定の UNIX メールボックスに配信されるようになります。このオプションは、ユーザの Messaging Server が UNIX ホストマシン上で稼働している場合にのみ選択できます。

UNIX 配信を有効にするには、次の手順に従います。

  1. 「配信」タブをクリックします。

  2. 「UNIX 配信」チェックボックスをオンにします。

    Messaging Server ユーザが UNIX 配信を使用できるようにするには、通常の UNIX メール管理タスクを実行する必要があります。




転送先アドレスを指定するには

Messaging Server のメール転送機能を使用すると、ユーザのプライマリアドレスともう一つのアドレスの両方に、またはもう一つのアドレスにのみメールを転送することができます。

また、iPlanet Delegated Administrator for Messaging にはエンドユーザ向けの HTML インタフェースがあり、ユーザ自身が転送先アドレスを指定できるようになっています。Console インタフェースと Delegated Administrator のインタフェースは同じディレクトリ属性を操作するため、どちらか一方のインタフェースを開くと、オプションを設定したのが管理者であるかユーザであるかにかかわらず、最新の設定が表示されます。

ユーザの転送先アドレス情報を指定するには、次の手順に従います。

  1. Console から「ユーザの作成」ウィンドウまたは「エントリの編集」ウィンドウにアクセスします。手順については、「メールユーザにアクセスするには」を参照してください。

  2. 「メール」タブをクリックします。

  3. 「転送」タブをクリックします。

    ユーザの転送先アドレスがすでに指定されている場合は、「転送先アドレス」フィールドに情報が表示されます。

  4. 転送先アドレスを追加する場合は、「追加」をクリックします。

  5. 「転送先アドレス」ウィンドウで転送先アドレスを入力します。

  6. 「OK」をクリックして「メールの転送」タブの「転送先アドレス」フィールドにアドレスを追加し、「転送先アドレス」ウィンドウを閉じます。

  7. ユーザのメール情報の変更が完了したら、「エントリの編集」ウィンドウの下部にある「OK」をクリックします。変更作業を続ける場合は、別のタブをクリックします。

    同一の Messaging Server 上にあり、かつほかの配信方法が設定されていないユーザアカウント間では、互いのアドレスを転送先アドレスに指定しないように注意してください。その場合、配信に支障をきたすことがあります。




自動返信設定を構成するには

iPlanet Messaging Server の自動返信機能を使用すると、受信メールに対して自動的に応答するように設定できます。自動返信には、エコーモード、Vacation モード、自動返信モードの 3 種類を指定できます。

また、iPlanet Delegated Administrator for Messaging にもエンドユーザ向けの HTML インタフェースがあり、エンドユーザ自身が自動返信設定を有効にしたり構成したりできるようになっています。Console インタフェースと Delegated Administrator のインタフェースは同じディレクトリ属性を操作するため、どちらか一方のインタフェースを開くと、オプションを設定したのが管理者であるかユーザであるかにかかわらず、最新の設定が表示されます。

自動返信サービスを有効にするには、次の手順に従います。

  1. Console から「ユーザの作成」ウィンドウまたは「エントリの編集」ウィンドウにアクセスします。手順については、「メールユーザにアクセスするには」を参照してください。

  2. 「メール」タブをクリックします。

  3. 「自動返信」タブをクリックします

  4. 次のいずれかの自動返信モードを選択します。

    「オフ」 : このユーザの自動返信機能を無効にします。

    「エコー」 : 受信した各メッセージに対して自動的に返信します。このモードを選択した場合は、「メッセージ」フィールドに任意のメッセージを入力できます。

    「Vacation」 : 各差出人から送られた最初のメッセージに対してのみ自動応答が生成されます。同一の差出人から複数のメッセージが送られてきた場合は、自動返信の設定がタイムアウトになるまで 2 通目以降のメッセージに対しては自動応答は生成されません。タイムアウトになると、次のタイムアウトまでの期間に受信した同一差出人からの最初のメッセージに対して、再び自動的に返信メッセージが送信されます。このモードを選択した場合は、「Vacation 開始日」および「Vacation 終了日」オプションを設定し、「返信テキスト」フィールドにメッセージを入力してください。

  5. Vacation モードを選択した場合は、自動返信の開始日時と終了日時を設定する必要があります。

    • 「Vacation の開始/スタート日」チェックボックスをオンにします。

    • 「編集」ボタンをクリックし、表示されたカレンダーで開始日時と終了日時を設定します。

  6. タイムアウトを日または時間単位で設定します。

  7. エコーモードまたは Vacation モードを選択した場合は、自動返信の件名およびメッセージを入力する必要があります。

    内部の差出人と外部の差出人に対して、それぞれ異なるメッセージを設定することができます。内部の差出人に対してのみ自動返信を設定すると、同じドメイン内の差出人だけにメッセージが送信されます。

    また、メッセージテキスト領域の上にあるドロップダウンリストから使用可能な言語を選択し、言語別のメッセージを作成することができます。

  8. ユーザのメール情報の変更が完了したら、「エントリの編集」ウィンドウの下部にある「OK」をクリックします。変更作業を続ける場合は、別のタブをクリックします。


認証済みサービスを設定するには

ユーザがアクセスできるメールサービスを有効にするには、次の手順に従います。

  1. Console から「ユーザの作成」ウィンドウまたは「エントリの編集」ウィンドウにアクセスします。手順については、「メールユーザにアクセスするには」を参照してください。

  2. 「メール」タブをクリックします。

  3. 「認可されているサービス」タブをクリックします。

    「認可されているサービス」ウィンドウに、該当ドメインで使用できるサービスが表示されます。

  4. サービスを追加、編集、削除するには、「追加」、「編集」、「削除」ボタンをそれぞれクリックします。いずれかのボタンをクリックすると、「認証済みサービスの規則を変更」ウィンドウが表示されます。

  5. ドロップダウンリストから、規則を作成するサービス (IMAP、POP、SMTP、HTTP、またはすべて) を選択します。

  6. 「許可」または「拒否」を選択し、規則を適用するドメインを指定します。

  7. 「OK」をクリックして変更内容を反映させます。



メーリングリストを管理する


メーリングリストにアクセスするには

この項では、管理インタフェースからメーリングリストにアクセスする方法について説明します。Messaging Server のメーリングリストは、グループエントリの属性として LDAP ユーザディレクトリに保存されているため、メーリングリストを管理するには、ディレクトリグループにアクセスして修正する必要があります。


新規グループを作成するには

新規メーリングリストを作成するには、ディレクトリ内で新規グループを作成し、そのグループ用のメールアカウントをインストールします。メールアカウントをインストールしないと、そのグループに対して Console のメール管理機能を使用することはできません(グループの作成およびグループ情報の設定については、『Netscape Console によるサーバの管理』の第 4 章「ユーザおよびグループ」を参照)。

新規メーリングリストを作成するには、次の手順に従います。

  1. Console のメインウィンドウで「ユーザおよびグループ」タブをクリックします。

  2. ドロップダウンリストから「新規グループ」を選択し、「作成」をクリックします。

  3. グループが属する組織単位を選択し、「OK」をクリックします。

  4. 詳細については、『Netscape Console によるサーバの管理』の第 4 章「ユーザおよびグループの管理」を参照してください。

    注 : メーリングリストの作成だけを目的とする場合は、「ユーザおよびグループのメンバー」タブからメンバーを追加する必要はありません。「Mail account Email-Only Members」タブを使用できます。

    • グループの正規メンバーには、メーリングリストに関する完全な権限だけでなく、グループのメンバーに指定されているほかのすべての権限が与えられます。正規メンバー (静的または動的) を追加するには、「メンバー」タブを使用します。

    • メーリングリストメンバーには、グループの作成目的がメーリングリストの使用だけであるかどうかにかかわらず、グループのメーリングリストに関する権限しか与えられません。メーリングリストメンバーは、電子メール専用メンバーと呼ばれます。電子メール専用メンバーを追加するには、「メンバー」タブを使用します。

  5. 「グループの作成」ウィンドウを開いたままの状態で、「アカウント」タブをクリックします。

    このグループアカウントに対して使用できるインストール済み製品が右側のペインに一覧表示されます。

  6. 「メールアカウント」チェックボックスをオンにします。

    「グループの作成」ウィンドウに「メール」タブが表示されます。

  7. 「グループの作成」ウィンドウの「メール」タブをクリックしてから、右側のペインにあるタブをクリックします。

  8. 必要に応じて内容を変更し、「グループの作成」ウィンドウの下部にある「OK」をクリックします。

    エントリが作成され、「グループの作成」ウィンドウが閉じます。

    メール管理用の各ウィンドウの下部にある「OK」ボタンをクリックすると、メール管理用の各タブを使って設定した情報がすべて有効になります。必要な作業をすべて完了したことを確認してから「OK」をクリックしてください。




既存のグループにアクセスするには

既存のメーリングリストに変更する場合や、既存のグループにメーリングリスト機能を与える場合は、ユーザディレクトリ内でそのグループにアクセスし、メールアカウントの属性を追加または変更します。

既存のグループのメーリングリスト情報にアクセスするには、次の手順に従います。

  1. Console のメインウィンドウで「ユーザおよびグループ」タブをクリックします。

  2. 「ユーザおよびグループ」のメインウィンドウで「検索」または「高度な検索」をクリックします。

  3. ウィンドウに検索条件 (グループ名など) を入力し、ユーザディレクトリを検索します。

  4. 「ユーザおよびグループ」のメインウィンドウに戻り、検索結果の中から任意のグループを選択して「編集」をクリックします。

  5. 「エントリの編集」ウィンドウに「メール」タブが表示されない場合は、以下の操作を実行します。

    • 「アカウント」タブをクリックします。インストールされているアカウントが右側のペインに一覧表示されます。

    • 「メールアカウント」チェックボックスをオンにします。「エントリの編集」ウィンドウに「メール」タブが表示されます。

  6. 「エントリの編集」ウィンドウで「メール」タブをクリックしてから、右側のペインで任意のタブをクリックします。

    これらのタブは、「グループの作成」ウィンドウからアクセスできるタブと同一のものです。

  7. 必要に応じて内容を変更し、「エントリの編集」ウィンドウの下部にある「OK」をクリックします。


メーリングリスト設定を指定するには

メールがメーリングリストに正しく配信されるようにするには、まずリストのメールアドレス情報を指定する必要があります。メールアドレス情報は、グループのプライマリアドレス、およびプライマリアドレスのエイリアスである代替アドレスから構成されます。さらに、メーリングリストの所有者、説明、メンバー、属性、制約、返信に関するアクションなどを指定することもできます。

メーリングリスト情報を指定するには、次の手順に従います。

  1. Console から「グループの作成」ウィンドウまたは「エントリの編集」ウィンドウにアクセスします。手順については、「メーリングリストにアクセスするには」を参照してください。

  2. 「メール」タブをクリックします。

  3. 「設定」タブがアクティブになっていない場合は、クリックしてアクティブにします。

  4. (必須) メーリングリストのプライマリ電子メールアドレスを入力します。

    プライマリアドレスは、このメーリングリストのアドレスとして公開されるアドレスです。各メーリングリストに複数のプライマリアドレスを設定することはできません。また、プライマリアドレスには RFC 821 に準拠する有効な形式の SMTP アドレスを使用してください。

  5. (省略可) メーリングリストの代替アドレスを指定します。

    代替アドレスとは、グループのプライマリアドレスのエイリアスに相当します。代替アドレスは、以下の目的に利用できます。

    • スペルを間違えやすいアドレスにメールが正しく配信されるようにする。

    • 送信メールのヘッダーにホスト名を表示しないようにする。ホスト名を非表示にするには、グループのプライマリ電子メールアドレスにはホスト名を含めず、代替アドレスにホスト名を含めます。

    重複しないかぎり、各グループに割り当てることができる代替アドレスの数に上限はありません。代替アドレス宛てに送信されたメッセージはすべてプライマリアドレスに配信されます。

    代替電子メールアドレスを追加するには、次の手順に従います。

    1. 「代替電子メールアドレス」フィールドの下にある「追加」ボタンをクリックします。

    2. 「代替電子メールアドレス」ウィンドウで代替アドレスを入力します。アドレス数に上限はありませんが、一度に複数のアドレスを追加することはできません。

    3. 「OK」をクリックして代替アドレスを追加し、「代替電子メールアドレス」ウィンドウを閉じます (別のアドレスを追加する場合は、もう一度「追加」ボタンをクリックして「代替電子メールアドレス」ウィンドウを表示します)。

  6. (省略可) 「Errors-to」フィールドに、メーリングリスト宛てに送信されたメッセージが配信不能の場合に、エラーメッセージの送信先となる電子メールアドレスを入力します。

  7. (省略可)「Messaging Server のホスト名」フィールドにメーリングリストをホストするマシンのホスト名を入力します。

    「プライマリ電子メールアドレス」フィールドにホスト名が含まれている場合は、このフィールドは空白でもかまいません。プライマリ電子メールアドレスでホスト名を省略した場合は、必ずここでホスト名を指定してください。

    ユーザのメールアカウントの場合とは異なり、メーリングリストのホスト名を指定しない場合は、そのリストの LDAP エントリにアクセスできるすべてのホストがリストを処理できることになります (多くの場合は、故意にそのような設定が使われます)。特定ホストのみがリストを処理できるように設定する場合は、ホスト名を指定する必要があります。たとえば、大規模なリストを負荷の小さいサーバで処理するように設定すれば、ほかのサーバの負荷を軽減できます。

    注意 : このウィンドウで一度に複数のホスト名を入力することはできません。複数のホスト名を入力するには、ldapmodify コマンドラインユーティリティを使用してください。

  8. (省略可) メーリングリストの所有者を入力します。

    リスト所有者には、ユーザの追加や削除、設定の変更、リストの削除などの管理権限が与えられます。

    メーリングリストの所有者を指定するには、「所有者」タブをクリックして、以下のいずれかの操作を実行します。

    • 「追加」をクリックし、「リスト所有者の DN を入力」ウィンドウで新しい所有者の識別名 (DN) を入力し (例 : uid=jsmithou=peopleo=siroe.com)、「OK」をクリックします。

    • 「検索」をクリックして、「ユーザおよびグループを検索」ウィンドウを開き、所有者を検索します。

    注意 : このウィンドウで所有者を選択すると、自動的に適切な DN のシンタックスが表示されます。「ユーザおよびグループを検索」ウィンドウの詳細については、『Netscape Console によるサーバの管理』の第 4 章「ユーザおよびグループの管理」を参照してください。

  9. (省略可) 説明を追加します。

    Messaging Server が使用するためではなく、説明としてテキストや URL を入力するには、「説明」タブをクリックし、以下のいずれかまたは両方を行います。

    • メーリングリストの目的や特徴に関する説明を入力します。

    • メーリングリストについての追加情報が記載されている HTML ページの URL を入力します。この情報は参考用であり、Messaging Server が使用するためのものではないことに注意してください。

  10. メーリングリスト情報の設定が完了したら、「エントリの編集」ウィンドウの下部にある「OK」をクリックします。変更作業を続ける場合は、別のタブをクリックします。


リストメンバーを指定するには

メーリングリストに電子メール専用メンバーを追加するには、以下のいずれかまたは両方を行います。

  • メンバーを 1 人ずつメーリングリストに追加します。

  • グループのメンバーを決定するフィルタとして、ユーザディレクトリに適用する動的検索条件を定義します。

ここでは、Console の「ユーザおよびグループ」インタフェース上で電子メール専用メンバーと呼ばれるメーリングリストメンバーについて説明します。電子メール専用メンバーには、グループのメーリングリストに関する権限のみが与えられます。正規メンバーを追加する手順については、『Netscape Console によるサーバの管理』を参照してください。通常、正規メンバーには、電子メール専用メンバーより多くの権限や責任が与えられます。グループの詳細については、『Netscape Console による Managing Server の管理』の 第 4 章「ユーザおよびグループの管理」を参照してください。


メンバーの動的検索条件を定義するには

動的検索条件は、ユーザディレクトリ内でメンバーを検索する際にフィルタとして適用される LDAP 検索 URL によって構成されています。グループ宛てにメッセージが届くと、このメカニズムによって、名前の静的なリストではなく、ディレクトリ検索に基づいて、メッセージが配信されるユーザが決まります。そのため、各メンバーの情報を詳細にたどらなくても、大規模で複雑なグループを作成して管理することができます。

LDAP 検索フィルタには、必ず LDAP URL のシンタックスの形式を使用してください。LDAP フィルタの作成の詳細については、『Netscape Console によるサーバの管理』の第 4 章「ユーザおよびグループの管理」を参照してください。iPlanet Directory Server マニュアルおよび RFC 1959 も参照してください。

LDAP URL のシンタックスは、次のとおりです。

ldap://hostname:port/base_dn?attributes?scope?filter

URL の各オプションには、以下の意味があります。

表 D-1    LDAP URL オプション 

オプション

説明

hostname  

Directory Server のホスト名 (デフォルトは Messaging Server が使用する Directory Server のホスト名)  

port  

LDAP サーバのポート番号。ポート番号を指定しない場合は、Messaging Server が使用するデフォルトの標準 LDAP ポートが使用される  

base_dn  

検索ベースとして使用されるディレクトリエントリの識別名。必ず指定する必要がある  

attributes  

検索結果として返される属性。これらの属性は、Messaging Server によって返される  

scope  

検索範囲

base」を指定すると、検索ベース (base_dn) レベルの情報のみが検索対象になる

one」を指定すると、検索ベースの 1 つ下のレベルの情報が検索対象になる (検索ベースレベルは含まれない)

sub」を指定すると、検索ベースおよびその下のレベルにあるすべての情報が検索対象になる  

filter  

検索範囲内のエントリに適用される検索フィルタ。フィルタを指定しない場合は、(objectclass=*) が使用される  

以下に、「Sunnyvale」をメールホストとするユーザをフィルタリングする LDAP 検索 URL の例を示します。

ldap:///o=Siroe Corp,c=US??sub?(&(mailHost=sunnyvale.siroe.com)
  (objectClass=inetLocalMailRecipient))

この URL は、組織名が Siroe (o=Siroe)、所在地が米国 (c=US)、メールホスト名が Sunnyvale (mailHost=sunnyvale) のユーザをフィルタリングするためのものです。objectClass 属性は、検索対象のエントリの種類を定義するもので、この場合は inetLocalMailRecipient (objectClass=inetLocalMailRecipient) となっています。

Console を使用して検索フィルタを作成した場合、グループ名はすべて無視され、検索結果にはユーザ名だけが表示されることに注意してください。これは、グループメンバーでもあるユーザの名前が重複して表示されることを避けるための設定です。コマンドライン設定ユーティリティ (configutil) を使うとこの設定を無効にすることができますが、コマンドラインの使用はできるかぎり避けてください。

次の項で説明しているとおり、検索 URL は、Console のテンプレートウィンドウ (「LDAP 検索 URL の作成」ウィンドウ) を使用して作成できます。


メーリングリストにメンバーを追加するには

メーリングリストに (電子メール専用) メンバーを追加するには、次の手順に従います。

  1. Console から「グループの作成」ウィンドウまたは「エントリの編集」ウィンドウにアクセスします。手順については、「メーリングリストにアクセスするには」を参照してください。

  2. 「メール」タブをクリックします。

  3. 「電子メール専用メンバー」タブをクリックします。

    • (省略可) メンバーの検索に LDAP 検索 URL を使用する場合は、「Dynamic criteria for email-only membership」フィールドの下にある「追加」ボタンをクリックし、「Add Dynamic Criterion」ウィンドウで次の手順を実行します。

    • フィールドに LDAP 検索 URL を入力するか、または「構築」ボタンをクリックして「LDAP 検索 URL の作成」ウィンドウ (検索 URL の構築に使用するテンプレート) を開きます。

    • 「OK」をクリックして「Dynamic criteria for email-only membership」フィールドに入力した条件を有効にし、「Add Dynamic Criterion」ウィンドウを閉じます。

    LDAP 検索 URL の作成については、「メンバーの動的検索条件を定義するには」を参照してください。

  4. (省略可) メーリングリストに個々のメンバーを追加するには、「電子メール専用のメンバー」フィールドの下にある「追加」ボタンをクリックし、「電子メール専用メンバーの追加」ウィンドウで次の手順を実行します。

    • フィールドに新規メンバーのプライマリアドレスを入力します。RFC 821 に準拠する有効な形式の SMTP アドレスを入力してください。グループに制約を設定する場合は特に、代替アドレスは指定しないでください。フィールドに複数のアドレスを入力することはできないため、このウィンドウで一度に複数のメンバーを追加することはできません。

    • 「OK」をクリックしてリストにメンバーを追加し、「電子メール専用メンバーの追加」ウィンドウを閉じます。別のアドレスを入力するには、もう一度「追加」をクリックして、「電子メール専用メンバーの追加」ウィンドウを開きます。

  5. メーリングリスト情報の設定が完了したら、「エントリの編集」ウィンドウの下部にある「OK」をクリックします。変更作業を続ける場合は、別のタブをクリックします。


メッセージ送信に関する制約を定義するには

メーリングリスト宛てに送信されるメッセージにさまざまな制約を設けることができます。たとえば、特定のユーザだけにリストへの送信を許可する、差出人の認証を要求する、メッセージの送信元を制限する、メッセージのサイズを制限する、などの制約を設けることができます。制約に違反するメッセージは拒否されます。


これらの制約は、リスト宛てに送信されるメッセージを制御するためには便利ですが、安全性の高いアクセス制御を保証するものではありません。



グループに対するメッセージ送信の制約を定義するには、次の手順に従います。

  1. Console から「グループの作成」ウィンドウまたは「エントリの編集」ウィンドウにアクセスします。手順については、「メーリングリストにアクセスするには」を参照してください。

  2. 「メール」タブをクリックします。

  3. 「制約」タブをクリックします。

  4. (省略可) 次のいずれかのオプションを選択して、送信を許可する差出人を定義します。

    • 「すべて」 : 差出人を制限しません(デフォルトの設定)。ただし、このオプションを選択すると、次の手順で説明している SMTP 認証を選択できなくなることに注意してください。

    • 「メーリングリストのすべて」 : メーリングリストメンバー (電子メール専用メンバー以外のグループメンバーも含む) だけにリストへのメッセージ送信を許可します。

    • 「次のリストのすべて」 : フィールドに明示的に指定されたユーザだけにリストへのメッセージ送信を許可します。

    「次のリストのすべて」を選択した場合、リストに差出人を追加するには、「許可された差出人」フィールドの下にある「追加」をクリックするか、または「検索」をクリックして、「ユーザおよびグループを検索」ウィンドウを開きます。「追加」をクリックすると、「許可された差出人の追加」ウィンドウが開きます。フィールドに許可する差出人の電子メールアドレスまたは識別名 (DN) を入力します。「OK」をクリックして「許可された差出人」フィールドにユーザを追加し、「許可された差出人の追加」ウィンドウを閉じます。上記の手順を繰り返して許可する差出人をすべて追加します。

    「ユーザおよびグループを検索」ウィンドウの詳細については、『Netscape Console によるサーバの管理』を参照してください。

  5. (省略可) 送信元を制限するために、許可された差出人のドメインを定義します。

    • 「許可された差出人ドメイン」フィールドの下にある「追加」ボタンをクリックします。

    • 「許可された差出人ドメインの追加」ウィンドウでドメイン名を入力し、「OK」をクリックしてドメインをリストに追加します。

    入力したドメインにサブドメインがある場合は、それらのサブドメインもすべて自動的に含まれることに注意してください。たとえば、siroe.com には sales.siroe.com が含まれます。

  6. (省略可) メッセージサイズの上限を指定します。

    サイズをバイト単位で入力してください。

  7. メーリングリスト情報の設定が完了したら、「エントリの編集」ウィンドウの下部にある「OK」をクリックします。変更作業を続ける場合は、別のタブをクリックします。


モデレータを定義するには

メーリングリストには、1 人または複数のモデレータを追加できます。

モデレータが転送メッセージを受信すると、その処理方法はモデレータが決定します(モデレータが複数存在する場合は、最初のモデレータが処理方法を決定します)。処理には、メッセージの承認とリストへのメッセージの転送 (通常、パスワードを使用)、またはメッセージの削除が含まれます。

メーリングリストのモデレータを定義するには、次の手順に従います。

  1. Console から「グループの作成」ウィンドウまたは「エントリの編集」ウィンドウにアクセスします。手順については、「メーリングリストにアクセスするには」を参照してください。

  2. 「メール」タブをクリックします。

  3. 「モデレータ」タブをクリックします。

  4. 「モデレータのリスト」フィールドの下にある「追加」ボタンをクリックします。

  5. 「モデレータの追加」ウィンドウで、モデレータのプライマリ電子メールアドレスまたは識別名 (DN) を入力します。アドレスを入力するか、または「検索」をクリックして「ユーザおよびグループを検索」ウィンドウを開き、アドレスを検索します。「モデレータの追加」ウインドウでは、一度に複数のモデレータを追加することはできません。

    「ユーザおよびグループを検索」ウィンドウの詳細については、『Netscape Console によるサーバの管理』を参照してください。

  6. 「OK」をクリックして「モデレータのリスト」にモデレータを追加し、「モデレータの追加」ウィンドウを閉じます (別のアドレスを追加するには、もう一度「追加」をクリックして「モデレータの追加」ウィンドウを開きます)。

  7. メーリングリスト情報の設定が完了したら、「エントリの編集」ウィンドウの下部にある「OK」をクリックします。変更作業を続ける場合は、別のタブをクリックします。


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最新更新日 2002 年 2 月 27 日