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iPlanet Application Server 6.5 入門ガイド



第 3 章   管理ツールと配置ツール


この章では、アプリケーションを展開して iPlanet Application Server を管理するツールについて説明します。

iPlanet Application Server には統合管理機能があり、アプリケーションを簡単に管理できます。この機能の内容は次のとおりです。



iPlanet Application Server Administration

iPlanet Application Server (iAS) Administration Tool はグラフィカルユーザインタフェースを持つ Java アプリケーションです。iPlanet Application Server Administrator を使うと次のことができます。

  • 複数のサーバと分散アプリケーションのリモート管理

  • ダイナミックな展開とアプリケーションの拡張

  • パフォーマンスチューニングとサーバ環境の最適化

管理とチューニングには、データベースのコネクションスレッド数の調整、ロードバランスパラメータの調整、Web サーバの設定、ロールベースのセキュリティ管理などがあります。

iPlanet Application Server Administration Tool の詳細については、『iPlanet Application Server 管理者ガイド』を参照してください。


基本管理タスク

この節では、iASAT ツールへのアクセス方法と、iASAT ツールを使用しての iPlanet Application Server の起動および停止方法について説明します。

  • Windows の場合は、「スタート」>「プログラム」>「iPlanet Application Server 6.5」>「iAS Administration Tool」を選択します。

  • Solaris の場合は、iASInstallDir/ias/bin に移動し、「ksvradmin」と入力します。


サーバを起動するには

  • 登録済みサーバのリストから、起動するサーバを選択します。

  • 「サーバを起動」をクリックします。

    同様に、サーバを停止するには、サーバを指定して「サーバの停止」をクリックします。


コマンドラインツール

iPlanet Application Server には、さまざまなコマンドラインツールおよび実行可能ファイルがあり、これらはコマンドラインプロンプト (Windows) や、シェルプロンプト (Solaris) から実行可能です。

コマンドラインツールを使うと、基本設定からアプリケーションの展開まで、さまざまなタスクを直接実行できます。

iPlanet Application Server の管理で使うコマンドラインツールのリストについては、『iPlanet Application Server 管理者ガイド』を参照してください。

コマンドラインツールの完全な説明を表示するには、プロンプトにコマンドとそのあとにスペースを入力し、「-help」と入力します。たとえば、iascontrol コマンドで実行できるすべてのオプションの完全なリストを表示するには、コマンドラインプロンプトに「iascontrol-help」と入力します。


コマンドラインツールの使用

iPlanet Application Server のコマンドラインツールの使用方法は、Windows プラットフォームと Solaris プラットフォームでは異なります。大半のコマンドラインツールは GUI ベースの iPlanet Application Server Administration Tool および iPlanet Application Server Deployment Tool と統合されています。

Solaris では、iPlanet Application Server Administration Tool および iPlanet Application Server Deployment Tool も使用できますが、コマンドラインツールの使用法は広範囲にわたります。Solaris では iPlanet Application Server の複数のインスタンスを持つことができるので、そのインスタンスだけの属性を変更する場合に、iPlanet Application Server の特定のインスタンスのインストレーションディレクトリからコマンドラインツールを実行することが必要になる場合があります。

Windows では、コマンドラインツールは実行可能 (.exe) ファイルの形式になっています。

Solaris システムと Windows システムのどちらも、コマンドラインツールはパス <iASInstallDir>/ias/bin にあります。


サーバを起動して停止するには

  • Windows の場合は、「スタート」>「ファイル名を指定して実行」を選択し、「iascontrol」と入力します。

  • Solaris の場合は、iASInstallDir/ias/bin に移動し、「./iascontrol」と入力します。

サーバを起動するには、次のコマンドを入力します。iascontrol start

サーバを停止するには、次のコマンドを入力します。iascontrol stop

iascontrol で使用できるさまざまなオプションの詳細については、iascontrol -help と入力して表示されるオンラインヘルプと『iPlanet Application Server 管理者ガイド』を参照してください。


アプリケーションの展開

次のツールを使って iPlanet Application Server にアプリケーションを展開します。


GUI ベースのツールを使うには

  • Windows の場合は、「スタート」>「プログラム」>「iPlanet Application Server 6.5」>「iAS Deployment Tool」を選択します。

  • Solaris の場合は、iASInstallDir/ias/bin に移動し、「./deploytool」と入力します。


コマンドラインの Deployment Tool にアクセスするには

  • Windows の場合は、「スタート」>「ファイル名を指定して実行」を選択し、「iasdeploy」と入力します。

  • Solaris の場合は、iASInstallDir/ias/bin に移動し、「./iasdeploy」と入力します。



アプリケーションメッセージの記録

メッセージログは、アプリケーションエラーを追跡してデバッグするのに有効です。log( ) メソッドを使って、サーバ管理者が iPlanet Application Server サービスに設定したものと同じログの送信先にメッセージを送信できます。

管理および展開に関係するログは、KAS として知られている Administration Server に保存されます。そのほかに、メッセージおよびイベントログが保存されるサーバとして、KJS (Java サーバ)、KCS (C++ サーバ)、およびKXS (Executive Server) があります。KAS はこれらの 3 つのサーバを起動し、それらのサーバの稼動状況を監視します。

たとえば、アプリケーションがコードのセグメント内で問題に遭遇した場合は、関連するエラーメッセージを記録できます。エラーメッセージよりアプリケーションのステータスについての情報メッセージの方が役立ちます。


ログメッセージの書式設定

すべてのログメッセージには次の 4 つのコンポーネントがあります。

  • メッセージが作成された日時

  • 情報、警告、エラーなどのメッセージタイプ

  • サービスまたはアプリケーションコンポーネント ID

  • メッセージテキスト

ログメッセージをテキストベースの送信先ログに送信すると、次のように書式設定されます。

[メッセージの日時] メッセージタイプ: サービス ID: メッセージテキスト

たとえば、ASCII テキストファイルに送信された次のメッセージは、メッセージの書式を示しています。

[01/18/00 11:11:12:0] info (1):GMS-017:server shutdown (host 0xc0a801ae, port 10818, group 'iAS') - updated host database

[01/18/00 11:11:18:2] warning (1):GMS-019:duplicate server (host 0xc0a8017f, port 10818) recognized, please contact iPlanet Communications for additional licenses


ログ送信先の決定

ロギングサービスを設定して、次のいずれかまたはすべての送信先に、サーバおよびアプリケーションメッセージを記録できます。

  • プロセスコンソール

  • アプリケーションログ

  • ASCII テキストファイル

  • データベーステーブル

ロギングが有効であり、さらにコンソールが開いていてコンソールロギングも有効であれば、ロギングサービスは自動的に Windows および Soraris プラットフォームのプロセスコンソールにメッセージを送信します。Windows では、ロギングサービスはアプリケーションログにもメッセージを送信します。プロセスコンソールに記録しても、メッセージは記録されません。メッセージが画面からスクロールして消えてしまうと、メッセージを取得できません。

特定の送信先へのログを有効にする方法の詳細については、『iPlanet Application Server 管理者ガイド』を参照してください。



iPlanet Directory Server の管理



iPlanet Directory Server は iPanet Application Server に同梱されており、Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) を iPlanet に実装したものです。iPanet Application Server は設定データを保存するだけでなく、ユーザ情報とグループ情報のセントラルリポジトリとしても iPlanet Directory Server を活用します。1 つの iPlanet Directory Server で、iPanet Application Server のインスタンスを最大 5 クラスタまでサポートします。これにより、すべての iPanet Application Server インストレーションの管理データを 1 か所に集中することができます。

iPanet Application Server Administrator は LDAP クライアントとして動作するので、ユーザーやグループの情報にアクセスできます。このように LDAP と統合されているので、iPanet Application Server では企業内のユーザ、グループ、およびロールを統一して管理することができます。



サードパーティ管理ツールのサポート



iPanet Application Server には、HP Openview などの SNMP エージェントを経由して監視や管理を行う機能があります。SNMP は、ネットワークの稼動状況に関するデータを交換するために使われるプロトコルです。

iPanet Application Serverはサーバの MIB (Management Information Base) と呼ばれるツリー状の階層構造内に、ネットワーク管理に関する変数を格納しています。この MIB を通じて、iPanet Application Server は主要な管理情報を SNMP を実行するサードパーティのツールに公開します。その結果、iPanet Application Server を企業のサーバ管理ツールと統合することができ、ほかのソリューションをリモート管理することができます。

詳細については、『iPlanet Application Server 管理者ガイド』を参照してください。


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最新更新日 2002 年 3 月 6 日