Sun ONE Application Server 7, Update 1 管理者ガイド |
本書についてこのマニュアルでは、SunTM ONE Application Server 7 の設定および管理の方法について説明します。このマニュアルの対象読者は、WWW 経由でより多くの顧客にクライアントサーバーアプリケーションを提供しようと考えている企業の IT 管理者です。
この章には次の節があります。
マニュアルの概要
このマニュアルでは、Sun ONE Application Server の設定および管理の方法について説明します。サーバーの設定後、このマニュアルを使ってサーバーの保守を行います。
マニュアルの構成
このマニュアルは、4 部構成になっています。巻末には索引が付いています。最初の第 1 部「サーバーの基礎知識とグローバル設定の管理」では、製品の概要を説明します。第 2 部「サーバーインスタンスの管理」では、管理サーバーの使用方法や、すべてのサーバーインスタンスに影響を及ぼすその他のサーバー機能の使用方法を紹介します。
管理サーバーの基本的な使用方法を理解したら、第 3 部「HTTP サーバーの機能と仮想サーバーの管理」でプログラムと設定スタイルの使用方法を参照してください。
最後の「付録」では、国際化の問題、サーバーの拡張機能、Sun ONE Application Server コマンド行インタフェースなど、さまざまな項目を取り上げて説明します。
第 1 部 : サーバーの基礎知識とグローバル設定の管理
Sun ONE Application Server の概要を説明します。次の各章で構成されています。
- 「Sun ONE Application Server 管理入門」では、Sun ONE Application Server の概要を説明します。
- 「管理サーバーの設定」では、管理サーバーの管理方法を説明します。
- 「管理ドメインの設定」では、複数ドメインの使用方法を説明します。
第 2 部 : サーバーインスタンスの管理
サーバーインスタンスの設定方法、管理方法、および使用方法を概念的な側面と実際的な側面から詳しく説明します。次の各章で構成されています。
- 「アプリケーションサーバーインスタンスの使用」では、Sun ONE Application Server のサーバー設定の設定方法を説明します。
- 「ログの使用」では、基本的なログ機能と、Sun ONE Application Server で使用できるログの特徴および機能について説明します。
- 「Sun ONE Application Server の監視」では、監視方法と、Sun ONE Application Server で使用できる SNMP (Simple Network Management Protocol) の特徴と機能について説明します。
- 「Web サーバープラグインの設定」では、Sun ONE Application Server による HTTP 要求の処理方法と、Sun ONE Application Server での Web サーバープラグインの設定方法および使用方法を説明します。
- 「J2EE コンテナの設定」では、EJB (Enterprise Java Beans) や MDB (Message Driven Bean : メッセージ駆動型 Bean) などの J2EE アプリケーションコンポーネントの実行時サポートを提供するコンテナの設定方法および使用方法を説明します。
- 「トランザクションサービスの使用」では、データベーストランザクションとその使用方法および管理方法を説明します。
- 「ネーミングとリソースの設定」では、J2EE リソースの設定方法を説明します。
- 「JMS サービスの使用」では、ネイティブの JMS プロバイダである Sun ONE Message Queue に組み込まれた JMS サービスについて説明します。さらに、このサービスを管理するために必要な情報を提供します。
- 「Corba/IIOP クライアント用のサーバーの設定」では、Sun ONE Application Server 環境で、RMI/IIOP プロトコルを使って CORBA ベースのクライアントをサポートする方法を説明します。
- 「アプリケーションの配備」では、Sun ONE Application Server にアプリケーションを配備する方法を説明します。
第 3 部 : HTTP サーバーの機能と仮想サーバーの管理
プログラムや設定スタイルの管理インタフェースの使用に関する情報を提供します。次の各章で構成されています。
- 「HTTP 機能の設定」では、Sun ONE Application Server の HTTP 関連機能の設定方法を説明します。
- 「仮想サーバーの使用」では、Sun ONE Application Server による仮想サーバーの設定方法および管理方法を説明します。
- 「仮想サーバーコンテンツの管理」では、サーバーコンテンツの設定方法および管理方法を説明します。
第 4 部 : 付録
参考になる情報を提供します。次の各付録で構成されています。
- 「コマンド行インタフェースの使用」では、ユーザーインタフェース画面の代わりにコマンド行ユーティリティを使用する方法を説明します。
- 「サードパーティ製品の著作権について」では、著作権に関する追加情報を提供します。
マニュアルの表記規則
この節では、このマニュアルの表記規則について説明します。
一般的な表記規則
このマニュアルは、次の表記規則に従っています。
- ファイルとディレクトリのパスは、UNIX の形式で表記します (ディレクトリ名を「/」記号で区切って表記)。Windows バージョンでは、ディレクトリパスについては UNIX と同じですが、ディレクトリの区切り記号にはスラッシュではなく円記号を使用します。
- URL は次の書式で記述します。
http://server.domain/path/file.html
server はアプリケーションを実行するサーバー名、domain はユーザーのインターネットドメイン名、path はサーバー上のディレクトリの構造、file は個別のファイル名を示します。URL の斜体文字の部分は可変部分です。
- フォントは、次のように使い分けます。
モノスペースフォントは、サンプルコード、コードの一覧表示、API および言語要素 (関数名、クラス名など)、ファイル名、パス名、ディレクトリ名、および HTML タグに使います。
斜体文字は、変数および可変部分、およびリテラルに使われる文字にも使います。
太字は、段落の先頭またはリテラルに使われる文字の強調に使います。
- このマニュアルでは、ほとんどのプラットフォームのインストールルートディレクトリを install_dir と記述します。例外については、「ディレクトリ名の表記規則」を参照してください。
デフォルトでは、ほとんどのプラットフォームの install_dir は次の場所になります。
Solaris 8 のパッケージベースでない評価バージョンのインストール :
ユーザーのホームディレクトリ/sun/appserver7
Solaris にバンドルされていない評価用以外のバージョンのインストール :
/opt/SUNWappserver7
Windows のインストール :
C:¥Sun¥AppServer7
上記のプラットフォームで default_config_dir および install_config_dir は、install_dir と同義です。例外と追加情報については、「ディレクトリ名の表記規則」を参照してください。
- このマニュアルでは、インスタンスルートディレクトリは、instance_dir と記述します。これは以下のパスの省略形式です。
default_config_dir/domains/domain/instance
- このマニュアルを通じて、特に明記のない限り、すべての UNIX 固有の表記は、Linux オペレーティングシステムにも適用されます。
ディレクトリ名の表記規則
Solaris 8 および 9 のパッケージに含まれる製品のインストール、および Solaris 9 バンドル版のインストールでは、アプリケーションサーバーのファイルはデフォルトで複数のルートディレクトリにまたがって保存されます。ここでは、これらのディレクトリについて説明します。
- Solaris 9 バンドル版のインストールでは、デフォルトのインストールディレクトリは次のように表記されます。
install_dir は /usr/appserver/ を示します。このディレクトリにはインストールイメージの静的な要素が保存されます。ユーティリティ、実行可能ファイル、およびアプリケーションサーバーを構成するライブラリは、すべてここに保存されます。
default_config_dir は /var/appserver/domains を示します。このディレクトリは、作成したドメインのデフォルトの保存場所です。
install_config_dir は /etc/appserver/config を示します。このディレクトリには、ライセンスなどのインストール全体に適用される設定情報や、このインストール用に設定した管理ドメインのマスターリストが保存されます。
- Solaris 8 および 9 パッケージベースのアンバンドルのインストール (評価バージョン以外) では、デフォルトのインストールディレクトリは次のように表記されます。
install_dir は /opt/SUNWappserver7 を示します。このディレクトリにはインストールイメージの静的な要素が保存されます。ユーティリティ、実行可能ファイル、およびアプリケーションサーバーを構成するライブラリは、すべてここに保存されます。
default_config_dir は /var/opt/SUNWappserver7/domains を示します。このディレクトリは、作成したドメインのデフォルトの保存場所です。
install_config_dir は /etc/opt/SUNWappserver7/config を示します。このディレクトリには、ライセンスなどのインストール全体に適用される設定情報や、このインストール用に設定した管理ドメインのマスターリストが保存されます。
製品ラインの概要
Sun ONE Application Server 7 は J2EE 1.3 仕様に準拠したアプリケーションサーバーです。また、新しい Java Web Service 規格や標準の HTTP サーバープログラミング機能もサポートしています。本稼動環境と開発環境の両方に幅広く対応するため、次の 3 種類のアプリケーションサーバーが用意されています。
Platform Edition
Platform Edition は、Sun ONE Application Server 7 製品ラインの中核を成す製品です。この製品は無償で提供されます。J2EE 1.3 仕様に準拠した高パフォーマンスで小さな実行時環境を備えているため、基礎的な運用開発に適しています。また、こうした実行時環境をサードパーティアプリケーションに組み込むこともできます。Web サービス対応の Platform Edition には、Sun ONE Web Server や Sun ONE Message Queue で実証済みの技術が組み込まれています。
Platform Edition の配備先は、単一アプリケーションサーバーインスタンスに限られています。このアプリケーションサーバーインスタンスは、Java プラットフォーム 用の仮想マシン、すなわち Java 仮想マシン (JVMTM) になります。Platform Edition では、複数層の配備トポロジがサポートされます。ただし、Web サーバー層のプロキシはロードバランスを行いません。さらに、管理ユーティリティを使用できるのは、ローカルクライアントに限定されています。
Platform Edition は、Solaris 9 に統合されています。
Standard Edition
この『入門ガイド』で、対象としているエディションです。Platform Edition の機能に加えて、拡張されたリモート管理機能が追加されています。拡張された管理機能、リモートコマンド行、および Web ベースの管理機能はすべて、Standard Edition に組み込まれています。また、Web サーバー層のプロキシにより Web アプリケーションのトラフィックを分割する機能もあります。Standard Edition では、1 台のマシンに複数のアプリケーションサーバーインスタンス (JVM) を設定できます。
Enterprise Edition
Enterprise Edition では、アプリケーションサーバープラットフォームの基本機能に、高可用性機能、ロードバランス機能、およびクラスタ機能が追加されています。これにより、要求の多い J2EE ベースのアプリケーションもスムーズに配備できます。Standard Edition より高度な管理機能により、複数のインスタンスの配備、複数のマシンへの配備にも対応しています。
クラスタリング機能では、複数のアプリケーションサーバーインスタンスの複製をグループとして構成し、クライアント要求のロードバランスを行うことができます。Enterprise Edition では、外部ロードバランサとロードバランスを行う Web 層ベースのプロキシが両方ともサポートされます。また、HTTP セッション、ステートフルセッション Bean インスタンス、および Java Message Service (JMS) リソースのフェイルオーバー機能があります。「Always On (常時配信)」という独自の高可用性データベーステクノロジを、高可用性 (HA) 持続ストアの基盤として採用しています。
製品の詳細は、Sun Microsystems の Web サイト の Sun ONE Application Server のページを参照してください。
マニュアルの使用法
このマニュアルは、PDF 形式または HTML 形式でも入手できます。
次の表は、Sun ONE Application Server のマニュアルに記述されているタスクと概念を示しています。左側の列にタスクと概念、右側の列に参照するマニュアルを示します。
製品サポート
ご使用のシステムに問題が発生した場合は、次のいずれかの方法でカスタマサポートにお問い合わせください。
- 次のオンラインサポート Web サイトをご利用ください。
- 保守契約を結んでいるお客様の場合は、専用ダイヤルをご利用ください。
サポートのご依頼の前に、次の情報を用意してください。サポート担当がお客様の問題を解決するために必要な情報です。
- 問題が発生した箇所や動作への影響など、問題の具体的な説明
- マシン機種、OS バージョン、および、問題の原因と思われるパッチやそのほかのソフトウェアなどの製品バージョン
- 問題を再現するための具体的な手順の説明
- エラーログやコアダンプ