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Sun ONE Portal Server, Mobile Access 6.2 管理者ガイド

第 1 章
概要

SunTM ONE Portal Server, Mobile Access ソフトウェアは、SunTM ONE Portal Server プラットフォームのサービスと機能を携帯電話や PDA (携帯情報端末) 機器 などのモバイル機器にまで拡張します。また、音声アクセスのフレームワークも提供します。Mobile Access ソフトウェアにより、ポータルサイトユーザーは HTML ブラウザを使用してアクセスするときと同じコンテンツを取得できます。このソフトウェアでは、SunTM ONE Portal Server, Secure Remote Access がサポートされ、SunTM ONE Identity 管理コンソールが使用されます。

Mobile Access 製品の機能は、Portal Server ソフトウェアにシームレスに統合されます。Portal Server の管理に精通した管理者には、Mobile Access ソフトウェアの管理方法の理解は、比較的容易でしょう。

この章では、Mobile Access ソフトウェアの主な機能の概要について説明します。また、SunTM ONE Identity Server 管理コンソールと Portal Server デスクトップ (基本エンドユーザーインタフェース) に追加された Mobile Access 機能についても説明します。この章には次のトピックが含まれます。


Mobile Access ソフトウェア

次の Mobile Access ソフトウェアの機能と、それらの機能によって Portal Server ソフトウェアの機能がどのように拡張されるかを理解すると役に立ちます。

ポータルデスクトップ

Mobile Access ソフトウェアをインストールすると、ポータルサイトでモバイルポータルデスクトップ、音声ポータルデスクトップ、および標準ポータルデスクトップが提供されます。これらのデスクトップは、Mobile Access ソフトウェアのコンポーネントである、ワイヤレスデスクトップディスパッチャによって制御されます。Portal Server デスクトップサーブレットによって、ワイヤレスデスクトップディスパッチャに要求が転送されます。

ワイヤレスデスクトップディスパッチャでは、プロファイル設定データを使用して、ユーザー要求の配信先として適切なポータルデスクトップ (標準、モバイル、音声) が決定されます。ワイヤレスデスクトップディスパッチャへの入力は、HTTP 要求とクライアントタイプです。出力は、HTTP 応答とクライアント固有のコンテナです。

ユーザーのポータルサイトへのアクセス方法にかかわらず、ポータルデスクトップはポータルサイトのユーザーのインタフェースになります。ポータルサイトユーザーがモバイル機器を使用してポータルサイトにアクセスする場合は、モバイルポータルデスクトップが表示されます。ポータルサイトユーザーが電話を使用してポータルサイトにアクセスする場合は、音声ポータルデスクトップが表示されます。

Mobile Access ソフトウェアをインストールすると、デフォルトでは次のチャネルをモバイルポータルデスクトップで利用および表示できます。

モバイルポータルデスクトップの詳細については、第 4 章「モバイルポータルデスクトップの管理」を参照してください。モバイルポータルデスクトップにオンラインヘルプを提供する方法については、第 6 章「モバイルポータルデスクトップに関するオンラインヘルプの配備」を参照してください。

クライアントタイプ

Mobile Access ソフトウェアは、市販されているほとんどすべてのモバイル機器をサポートしています。各モバイル機器 (クライアント) は、クライアントプロファイルを使用して識別されます。各クライアントには、モバイル機器のブラウザで使用されるデバイスマークアップ言語に基づいて、クライアントタイプと呼ばれる一意の識別子が割り当てられます。

モバイル機器で使用されるマークアップ言語には、次のようなものがあります。

Mobile Access ソフトウェアでは、Nokia 6310i クライアントに対する WML サポートおよび Handspring Treo 180 クライアントに対する cHTML サポートが保証されています。ただし、ユーザーはこれらのマークアップ言語のいずれかを使用するモバイル機器でポータルコンテンツにアクセスできます。

クライアントプロファイルの管理には、Identity Server の管理コンソールの一部である「クライアントマネージャ」が使用されます。モバイルクライアントタイプおよび機器の検出の詳細については、第 2 章「モバイル機器の管理」を参照してください。

認証

Mobile Access ソフトウェアでは、Portal Server ソフトウェアによって提供される認証 モジュールのサポートに加え、ユーザーに次のことを許可することも可能です。

これらの認証モジュールの使用については、第 3 章「モバイル認証の設定」を参照してください。

音声アクセス

Mobile Access ソフトウェアは、VoiceXML アプリケーションのフレームワークを提供します。音声機能にアクセスするには、音声認識、テキスト読み上げ、および VoiceXML ブラウザに対応するように音声サーバーを設定する必要があります。

音声アクセスの詳細については、第 7 章「音声アクセスの設定」を参照してください。

チャネル、コンテナ、プロバイダ

Mobile Access ソフトウェアでは、プロバイダ、チャネル、およびコンテナを使用して、コンテンツをモバイルポータルデスクトップに表示します。

このトピックには、次の情報が含まれます。

チャネル

チャネルによって、コンテンツがモバイルポータルデスクトップに表示されます。チャネルは、プロバイダオブジェクト、設定、 およびチャネルをサポートするために必要なデータファイル ( テンプレートなど) から構成されています。

コンテナチャネル

コンテナ (コンテナチャネル) は、他のチャネルのコンテンツを集めることにより、コンテンツをモバイルポータルデスクトップに表示するチャネルです。Mobile Access ソフトウェアを使用すると、Portal Server ソフトウェアに含まれているコンテナチャネルに次のデフォルトコンテナチャネルが追加されます。

プロバイダ

プロバイダによって、モバイルポータルデスクトップ内のどのチャネルをユーザーに表示するかが決定されます。プロバイダは、汎用リソースのインタフェースを適合させます。

プロバイダのコンテンツソースには、次のものが含まれます。

プロバイダは、モバイル機器のタイプごとに適切な形式でコンテンツを配信する JavaTM クラスファイルです。モバイルポータルデスクトップが作成されると、関連するチャネルのコンテンツについて各プロバイダにクエリが実行されます。

Mobile Access ソフトウェアがインストールされると、次の新しいプロバイダが Portal Server ソフトウェアのデフォルトチャネルリストに追加されます。

次の新しいプロバイダがデフォルトコンテナリストに追加されます。

モバイルポータルデスクトップを設定するためのチャネル、コンテナ、およびプロバイダの使用については、第 4 章「モバイルポータルデスクトップの管理」を参照してください。

レンダリング

モバイル機器を使用すると、ポータルサイトユーザーは HTML ブラウザを使用してアクセスするときと同じコンテンツにアクセスできます。これを可能にする処理は、レンダリングと呼ばれる変換処理です。レンダリングにより、コンテンツを一度だけ作成して、さまざまなモバイル機器に適切に表示することができます。

モバイルレンダリングコンポーネントは、機器を検出し、モバイル機器に表示するために出力をフォーマットします。このコンポーネントは、次の 4 つのサブコンポーネントから構成されています。

Mobile Access ソフトウェアは、ネイティブとレンダリングの両方のチャネルおよびコンテナをサポートしています。ネイティブチャネルは、JavaServer PagesTM (JSPTM) テクノロジと、Nokia WML クライアントに固有のテンプレートに基づいています。HTML、VoiceXML、および WML をサポートするクライアントは、ネイティブポータルデスクトップのテンプレートを使用します。

レンダリングチャネル でも JSP ソフトウェアが使用されます。レンダリングチャネルにより、ユーザーはポータルデスクトップを表示して、特定のモバイル機器に固有のレンダリングコンテンツを表示することができます。この機能は、Mobile Access ソフトウェアのレンダリング処理を通過した AML (Abstract Markup Language) テンプレートを使用することにより、可能になります。cHTML、iHTML、JHTML、XHTML、および HDML をサポートするクライアントには、レンダリングされたポータルデスクトップの AML テンプレートが必要です。

モバイルアプリケーション

Mobile Access ソフトウェアには、次の 3 つのデフォルトアプリケーションが用意されており、ユーザーはモバイルポータルデスクトップでこれらのアプリケーションにアクセスできます。

これらのアプリケーションは、モバイルポータルデスクトップがユーザーインタフェースの役目をして、バックエンドサーバーで実行されます。アプリケーションへのリンクが確立されると、Portal Server ソフトウェアの管理外で実行されます。ユーザーは、アプリケーションの使用を終了したら、モバイルポータルデスクトップに戻って他のプロバイダを使用できます。


管理コンソール

Mobile Access ソフトウェアの管理者は、Identity Server の管理コンソールを使用して、継続した日常管理タスクのほとんどを実行することができます。

この節では、ポータルサイトへのモバイルアクセスを管理する際の、管理コンソール の次の機能の使い方について詳しく説明します。

Sun ONE Identity Server 管理コンソールおよび Sun ONE Identity Server の管理方法については、『SunTM ONE Identity Server 6.1 Administrator's Guide』を参照してください。

Mobile Access ソフトウェアによって追加される機能

Mobile Access ソフトウェアがインストールされると、ポータルサイトへのモバイルアクセスの管理に必要な機能が管理コンソールに追加されます。これらの機能には次のものが含まれます。

標準の管理機能

管理コンソールでモバイルおよび音声ポータルデスクトップを管理する際に実行できる機能には、次の機能が含まれます。

ログイン

管理コンソールのデフォルト URL は、次のとおりです。

http://server:port/amconsole

管理者は、amadmin として管理コンソールにログインします。

Portal Server ソフトウェアの管理コンソールの使用については、『Sun ONETM Portal Server 6.2 管理者ガイド』を参照してください。


標準ポータルデスクトップ

Mobile Access ソフトウェアをインストールすると、ユーザーが HTML ベースのブラウザを使用して Portal Server ソフトウェアにログインするときに表示される標準ポータルデスクトップが変更されます。これらの変更により、ユーザーは HTML ブラウザを使用してモバイル機器のホームページをユーザー自身で管理することができます。

「モバイルデバイス」リンクが標準ポータルデスクトップのホームページに追加されます。ユーザーはこのリンクをクリックして「モバイルデバイス」ページを表示できます。ユーザーはこのページで次の操作を行うことができます。

ログイン

標準ポータルデスクトップへのユーザーアクセスに使用できるデフォルト URL は、次のとおりです。

http://server:port/portal

標準ポータルデスクトップの詳細については、『Sun ONETM Portal Server 6.2 管理者ガイド』を参照してください。



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