この章では、Sun N1 System Manager の管理サーバーにオペレーティングシステムをインストールし、設定する手順を示します。
次の内容について説明します。
管理サーバーに適切なオペレーティングシステムを確実に選択するために、表 2–2 を参照してください。
この節では、管理サーバーへの Solaris OS のインストールと設定の手順を示します。管理サーバーに N1 System Manager システムソフトウェアをインストールする前に、Solaris OS をインストールする必要があります。
この節の内容は次のとおりです。
Solaris OS は、パーティションやデータがない空のハードドライブにインストールする必要があります。ハードドライブにパーティションがある場合は、パーティションを削除してからインストールを行います。
次の表に、SPARC および x86 アーキテクチャーの管理サーバーのパーティション情報を示します (72G バイトのハードドライブの場合の最小要件)。
表 3–1 Solaris の管理サーバーのパーティション
パーティション |
M バイト |
---|---|
swap |
システム全体の RAM の 2 〜 3 倍、または 4G バイトのどちらか大きいほう |
/ |
残りすべての容量 |
プロビジョニングを行うディストリビューションごとに 3G バイトの容量を割り当てます。必要な場合は、管理サーバーのハードドライブの容量を増やしてから作業を継続します。
完全な Solaris ディストリビューションを管理サーバーにインストールします。適格な Solaris のオペレーティングシステムの一覧は、「管理サーバーの要件」 を参照してください。
管理サーバーに Solaris オペレーティングシステムをインストールする場合、次のことに気をつけます。
Solaris オペレーティングシステムをインストールする前に、管理サーバーにあるすべてのディスクのパーティションが削除されていることを確認します。
インストールの種類を選択する画面が表示されたら、「Custom Install」を選択します。
Ethernet のポートを選択する画面が表示されたら、選択した参考のアーキテクチャーに応じて、IP アドレス、ネットマスク、ゲートウェイの値を割り当てます。
ソフトウェアグループを選択する画面が表示されたら、「Entire Group Plus OEM」を選択します。
使用するディスクを選択する画面が表示されたら、使用可能なすべてのディスクを選択します。
ファイルシステムのレイアウトを設定する画面が表示されたら、次のことを実行します。
swap および / (root) を除いたすべてのパーティションを削除します。
swap パーティションに、システム全体の RAM の 2 〜 3 倍、または 4G バイトのうち大きいほうのサイズがあることを確認します。
残りのすべての空き容量を、 / (root) に割り当てます。
管理サーバーに Solaris 10 をインストールした後は、次のことに気をつけます。
ALOM の管理可能なサーバーを管理するのに、N1 System Manager の内部メールサービスを利用する代わりに、管理サーバーにメールサービスをインストールすることを選択した場合:
Solaris OS インストールの Complementary CD-ROM からSFWimap パッケージをインストールします。
『Sun N1 System Manager 1.2 サイト計画の手引き』の「管理サーバーのメールサービスとアカウントの設定」の説明に従って、メールサービスを設定します。
ALOM の管理可能なサーバーに関する情報は、表 2–5 を参照してください。
SPARC の管理可能なサーバーを管理する場合は、「管理サーバーの FTP を有効化」 の説明に従って、FTP を有効にします。SPARC の管理可能なサーバーに関する情報は、表 2–5 を参照してください。
SPARC の管理可能なサーバーを管理する場合、「/etc/hosts ファイルの更新」 の説明に従って /etc/hosts ファイルを更新します。
この節では、管理サーバーへの Linux OS のインストールと設定の手順を示します。管理サーバーに N1 System Manager システムソフトウェアをインストールする前に、Linux OS をインストールする必要があります。
この節の内容は次のとおりです。
Linux は、パーティションやデータがない空のハードドライブにインストールする必要があります。ハードドライブにパーティションがある場合は、パーティションを削除してから Linux OS をインストールします。
次の表に、管理サーバーのパーティション情報を示します (72G バイトのハードドライブの場合の最小要件)。
表 3–2 Linux の管理サーバーのパーティション
パーティション |
サイズ |
---|---|
/boot |
102M バイト |
swap |
システム全体の RAM の 2 〜 3 倍、または 4G バイトのどちらか大きいほう |
/ |
残りすべての容量 |
ハードウェアドライブが 72G バイトより大きい場合:
swap に割り当てる容量は変更しません。
上記の容量を /boot に割り当てます。
残りの容量を / (root) に割り当てます。
管理サーバーに、完全な Linux ディストリビューションをインストールします。適格な Linux オペレーティングシステムの一覧は、「管理サーバーの要件」 を参照してください。
管理サーバーに Linux をインストールする場合、次のことに気をつけます。
Linux オペレーティングシステムをインストールする前に、管理サーバーのすべてのディスクのパーティションが削除されていることを確認します。
Red Hat Enterprise Linux AS 4.0 Update 1 以上をインストールする場合は、SELinux を有効にするか選択する画面が表示されたら、「無効」を選択します。N1 System Manager は、完全に有効な SELinux をサポートしていません。
ブートローダーの設定では、「GRUB」を選択します。
パーティション情報の設定では、
グラフィカルインストールモードでインストールしている場合、「自動パーティション設定」を選択します。
テキストインストールモードでインストールしている場合、「choose Autopartition」を選択します。
Linux のパーティションをすべて削除するか、パーティションをすべて削除するか、パーティションをすべて残すかを選択する画面が表示されます。「システムのすべてのパーティションを削除」を選択します。パーティションの値が表示されます。
boot、 swap、および / (root) 以外のすべてのパーティションを削除します。
swap パーティションに、システム全体の RAM の 2 〜 3 倍、または 4G バイトのうち大きいほうのサイズがあることを確認します。
残りのすべての空き容量を、 / (root) に割り当てます。
Ethernet のポートを選択する画面が表示されたら、選択した参考のアーキテクチャーに応じて、IP アドレス、ネットマスク、ゲートウェイの値を割り当てます。
ファイアウォールの設定では、「なし」を選択します。
パッケージのインストールの設定では、
グラフィカルインストールモードでインストールしている場合、「インストールするパッケージをカスタマイズ」を選択します。
テキストインストールモードでインストールしている場合、「Customize software selection」を選択します。
インストールするパッケージセットの選択では、「Everything」を選択します。
この節では、N1 System Manager 1.3 ソフトウェアをインストールする前に行う必要がある、インストール操作後の設定処理 について記述します。
どのようなロケールでも正確に機能することを保証するために、N1 System Manager には Perl の version 1.5.3–16 以上が必要です。ここでは、国際対応の Perl モジュールをダウンロードしてインストールする手順を説明します。
Web ブラウザを開き、perl-5.8.3-16.i386.rpm ファイルをダウンロードするサイトにアクセスします。
管理サーバーのあるディレクトリに、perl-5.8.3-88.4.i386.rpm ファイルをダウンロードします。
端末ウィンドウで、RPM ファイルの保存先ディレクトリに移動します。
「rpm -i --force perl-5.8.3–16.i386.rpm」と入力して Perl モジュールをインストールします。
管理サーバーでポート番号 162 が使用されていないことを確認します。次の節を参照してください。
N1 System Manager は、SNMP トラップ通知のために、ポート番号 162 を排他的に使用する必要があります。ポート番号 162 が、ほかのプロセスに割り当てられているかどうかを確認するために、次の処理を行います。
管理サーバーに root でログインします。
「 grep 162 /etc/services」と入力して、ポート番号 162 が割り当てられているか確認します。
コマンドプロンプトだけが返ってくる場合は、ポート番号 162 はプロセスに割り当てられていません。これ以上の操作は必要ありません。
ポート番号 162 が、管理サーバーのプロセスに割り当てられている場合、次のような結果が表示されます。
Solaris の場合:
# grep 162 /etc/services snmpd 162/udp daemon name #daemon description |
Linux の場合:
# grep 162 /etc/services snmp 162/TCP #Simple Net Mgmt Proto snmp 162/UDP #Simple Net Mgmt Proto |
ポート番号 162 を使用しているデーモンまたはアプリケーションを、無効にする必要があります。デーモンを無効にするには、オペレーティングシステムのマニュアルを参照してください。 ポートを使用しているアプリケーションを無効にするためには、アプリケーションのマニュアルを参照してください。
管理サーバーで FTP を有効にします。次の節を参照してください。
SPARC の管理可能なサーバーを管理する場合は、管理サーバーで FTP サービスを有効にする必要があります。
管理サーバーに root でログインします。
コマンド「svcadm -v enable network/ftp」を入力します。
FTP サービスが有効になり、 管理サーバーを再起動するとサービスが起動します。システムを再起動したら、inetadm コマンドを使って、FTP サービスが起動しているかどうかを確認できます。
# inetadm enabled online svc:/network/telnet:default enabled online svc:/network/nfs/rquota:default disabled disabled svc:/network/echo:dgram disabled disabled svc:/network/time:stream enabled online svc:/network/ftp:default |
/etc/hosts ファイルを更新します。更新方法については、「/etc/hosts ファイルの更新」を参照してください。
管理サーバーに root でログインします
/etc/rc3.d ディレクトリと /etc/rc5.d ディレクトリの /etc/init.d/vsftpd ファイルへのシンボリックリンクを作成します。
次に例を示します。
# ln -s /etc/init.d/vsftpd /etc/rc3.d/S99vsftpd # ln -s /etc/init.d/vsftpd /etc/rc5.d/S99vsftpd |
FTP サービスが有効になり、管理サーバーを再起動するとサービスが起動します。システムを再起動したら、ps コマンドと grep コマンドを使って、FTP サービスが起動しているかどうかを確認できます。
# ps -eaf | grep ftp root 3035 1 0 16:27 ? 00:00:00 /usr/sbin/vsftpd /etc/vsftpd/vsf |
/etc/hosts ファイルを更新します。次の節を参照してください。
管理サーバーの IP アドレスと名前を /etc/hosts ファイルに追加する必要があります。IP アドレスと名前を追加しなかった場合、Sun N1 System Manager のインストールは失敗します。
Sun N1 System Manager の管理サーバーに、root でログインします。
/etc/hosts ファイルに、ループバックと管理サーバーのエントリがあることを確認します。
次のいずれかのループバックのエントリが /etc/hosts ファイルにあることを確認します。
127.0.0.1 localhost
または
127.0.0.1 localhost.localdomain localhost
管理サーバーとその IP アドレスのエントリがあることを確認します。次に例を示します。
111.11.111.11 n1mgmt.domain n1mgmt.domain
111.11.111.11 は管理サーバーの IP アドレス、n1mgmt は管理サーバーの名前、domain は組織のドメイン名です。
/etc/hosts は次の例のようになります。
127.0.0.1 localhost.localdomain localhost 10.5.157.123 n1mgmt.company.com
/etc/hosts を保存して閉じます。
N1 System Manager の管理サーバーを再起動します。
ALOM の管理可能なサーバーは、ホストのイベント通知を N1 System Manager に送信するのに、メールサービスを使用します。
ALOM の管理可能なサーバーを管理する場合は、セキュリティー保護された N1 System Manager の内部メールサービスを使用するか、または任意の完全なメールサービスをインストールして、設定してから使用します。
イベントの通知に外部のメールサーバーを使用すると、N1 System Manager を中間者攻撃、サービス妨害攻撃、およびそのほかの外部のセキュリティーリスクにさらすことになります。
セキュリティー保護された N1 System Manager の内部メールサービスには、設定やインストールは必要ありません。ただ一つ必要なことは、ポート番号 25 が有効で、ポート番号 25 が管理サーバーで使用中でないということです。
任意のメールサービスを使用する場合は、『Sun N1 System Manager 1.2 サイト計画の手引き』の「管理サーバーのメールサービスとアカウントの設定」の説明に従って、メールサービスを設定します。
ALOM の管理可能なサーバーに関する情報は、表 2–5 を参照してください。