Sun N1 System Manager 1.3 オペレーティングシステムプロビジョニングガイド

Solaris 10 オペレーティングシステムのプロビジョニング

この節では、N1 System Manager のコマンド行インタフェースを使用して Solaris 10 OS をプロビジョニングする方法について説明します。Red Hat Linux と SUSE Linux の各オペレーティングシステムも同様の手順でプロビジョニングします。


ヒント –

ブラウザインタフェースからプロビジョニングの一部の手順を実行することもできます。このあとの手順では、ブラウザインタフェースから実行できる手順と、ブラウザインタフェースでのその機能の位置を示します。ブラウザインタフェースでの作業については、N1 System Manager のオンラインヘルプを参照してください。


ProcedureSolaris 10 OS のプロビジョニングを行う

始める前に
  1. 管理サーバーに Solaris 10 OS ISO ファイルをコピーします。


    N1-ok> create os os-name file file-location
    

    詳細は、「ISO ファイルから OS ディストリビューションをコピーする」または 「CD または DVD から OS ディストリビューションをコピーする」を参照してください。


    注 –

    この操作は、CPU に負荷が集中するため、完了するまでに数分を要する場合があります。


    管理サーバーにデフォルトの OS プロファイルが作成されます。Solaris と Linux の各システムについては、デフォルトのプロファイルは Sun Fire V20z システム用に最適化されています。OS プロファイルの一覧を表示するには、show osprofile all と入力します。

  2. (省略可能) 管理サーバーで、フラッシュアーカイブファイルを設定します。

    「管理サーバーにフラッシュアーカイブをコピーする」を参照してください。

  3. (省略可能) 管理サーバーで、カスタムのインストール後処理スクリプトを作成して、ホストを追加します。

    次のスクリプト例は /etc/sysconfig/network-scripts/add-solaris-host という名前です。このスクリプトでは、管理対象サーバーの /etc/hosts ファイルにホストを追加しています。


    echo "129.10.12.101 myhost" >>/a/etc/hosts
  4. (省略可能) デフォルトの OS プロファイルをカスタマイズし、フラッシュアーカイブおよびインストール後処理スクリプトを使用するようにします。


    N1-ok> set osprofile osprofile-name flar flar
    

    flar 属性値は、フラッシュアーカイブファイルのフルパスとファイル名です。例: /jumpstart/Flash/archive1.flar


    N1-ok> add osprofile osprofile-name script script type type
    

    script 属性の値は、スクリプトファイル名のフルパス指定です。例: /etc/sysconfig/network-scripts/add-solaris-host

    type 属性は、インストール時にカスタムスクリプトを実行するタイミングを指定します。type 属性の有効な値は次のとおりです。

    • pre – インストールの前にスクリプトを実行します (例: ドライバ)。

    • post – インストール後にスクリプトを実行します。

    OS プロファイルは、指定されたインストール後処理スクリプトおよびフラッシュアーカイブファイルを使用するよう変更されます。

  5. ブラウザインタフェースを使用してプロビジョニングの残りの手順を実行する場合は、次の 2 つの手順を実行することをお勧めします。

    1. 「システムダッシュボード」タブを開き、ドラッグ & ドロップするための、OS プロファイルのアイコンを表示します。

      1. 「タスクへのショートカット」区画で、OS プロファイル一覧の下にある「一覧の編集」ボタンをクリックします。

        使用可能な OS プロファイルの一覧が表示されます。

      2. 適切なプロファイルのチェックボックスを選択し、「了解」をクリックします。

        選択した OS プロファイルが「タスクへのショートカット」区画に追加されます。

    2. (省略可能) 管理対象サーバーのシリアルコンソールに接続します。

      1. 「表示の選択」メニューから「すべてのサーバー」を選択します。

        「サーバー」表が表示されます。

      2. シリアルコンソールを起動するサーバーを選択します。

        「サーバーの詳細」ページが表示されます。

      3. 「アクション」メニューから、「シリアルコンソールを開く」を選択します。

        シリアルエミュレータが表示されます。

  6. サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードします。

    • サーバーに OS プロファイルをロードするには、次のコマンドを使用します。


      N1-ok> load server server-name osprofile profile-name networktype=static ip=ip-address
      

      注 –

      Solaris プロファイルのインストールの場合、networktype 属性は static に設定する必要があります。 詳細は、表 2–2『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「load server」を参照してください。


      ip 属性では、プロビジョニング対象のサーバーに割り当てる静的 IP を指定します。

    • サーバーグループに OS プロファイルをロードするには、次のコマンド形式を使用します。


      N1-ok> load group group-name osprofile osprofile-name [excludeserver=ip-address-range] 
      networktype=static ip=ip-address-range
      

      excludeserver 属性によって、特定の IP アドレスをロード処理から除外できます。この属性は省略可能です。excludeserver 属性と ip 属性では、コンマで区切ったアドレスの一覧か、ハイフンでつなげたアドレスの範囲を指定できます。


    ヒント –

    ブラウザインタフェースから OS プロファイルをロードすることもできます。ブラウザインタフェースからロードするには、「タスクへのショートカット」区画からサーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルのアイコンをドラッグ & ドロップします。「OS プロファイルのロード」ウィザードが表示されます。画面に表示される指示に従って OS プロファイルをロードします。


  7. ジョブのステータスを確認します。


    N1-ok> show job job-number
    

    ヒント –

    ブラウザインタフェースから OS プロファイルのインストールの進行状況を追跡することもできます。このためには、次の方法のうちどれか 1 つを使用してください。

    • 「シリアルコンソール」ウィンドウを開き、その出力を確認します。

    • 「ジョブ」タブをクリックして「OS のロード」ジョブを表示し、ジョブ ID をクリックして詳細を確認します。

    • 「イベントログ」タブをクリックし、ジョブによって生成されたすべてのイベントを表示します。



例 2–1 コマンド行からの Solaris 10 OS のプロビジョニング

次の例では、archive1.flar という、Solaris 10 OS x86 プラットフォーム版のフラッシュアーカイブファイルを作成し、add-host というインストール後処理スクリプトを作成したと仮定します。また、管理サーバーでは、Solaris 10 OS x86 プラットフォーム版ソフトウェアがインストールされているものとします。

次の例は、 /tmp/solarisdvd.iso ファイルから、OS ディストリビューションをコピーする方法を示しています。


N1-ok> create os solaris_ver10 file /tmp/solarisdvd.iso
ジョブ 1 を開始しました。

次の例は、/etc/dfs/dfstab ファイルの最後のコメント行の下に、/jumpstart/Flash ディレクトリを作成するための行を追加する方法を示しています。


# vi /etc/dfs/dfstab

# Put custom additions below (Do not change/remove this line)
share -F nfs -o ro,anon=0 -d "Flash Share" /jumpstart/Flash

次の例は、/jumpstart/Flash ディレクトリに、フラッシュアーカイブファイルをコピーする方法を示しています。


# cp /tmp/archive1.flar /jumpstart/Flash/

次の例は、NFS を再起動する方法を示しています。


# /etc/init.d/nfs.server stop
# /etc/init.d/nfs.server start

次の例は、フラッシュアーカイブを使用する OS プロファイルを作成する方法を示しています。


N1-ok> create osprofile solaris_ver10 rootpassword admin 
flar /jumpstart/Flash/archive1.flar
description "solaris 10with flar" os solx86
ジョブ 2 を開始しました。 

次の例は、OS プロファイルにスワップパーティションを追加する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile solaris_ver10 partition swap sizeoption fixed size 2048\ 
device c1t1d0s1 type swap

次の例は、OS プロファイルにルートパーティションを追加する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile solaris_ver10 partition / sizeoption free device\ 
c1t1d0s0 type ufs

次の例は、OS プロファイルにインストール後処理スクリプトを追加する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile solaris_ver10 script 
/etc/sysconfig/network-scripts/add-host type post

次の例は、devgroup という名前のサーバーグループに OS プロファイルをロードする方法を示しています。


N1-ok> load group devgroup osprofile solaris_ver10 
excludeserver=192.168.73.205,192.168.73.31,192.168.73.14 
networktype=static ip=192.168.72.201-192.168.73.214
ジョブ 3 を開始しました。

excludeserver 属性によって、指定された IP アドレスがロード処理から除外されます。networktype 属性では、プロビジョニング対象のサーバーに割り当てる静的 IP の範囲を指定します。

Solaris プロファイルのインストールの場合、networktype 属性は static に設定する必要があります。 詳細は、表 2–2『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「load server」を参照してください。

次の例は、ジョブのステータスを表示する方法を示しています。 この例の番号 3 は、前の load group の例で開始したジョブの番号です。


N1-ok> show job 3
ジョブ ID:  3
日時:      2005-06-01T13:11:46-0600
種類:      OS Load
ステータス:   完了 (2005-06-01T13:11:59-0600)
コマンド:    load group devgroup osprofile solaris_ver10 
excludeserver=192.168.73.205,192.168.73.31,192.168.73.14 
networktype=static ip=192.168.72.201-192.168.73.214Owner:    root
エラー:     0
警告:      0

注意事項

『Sun N1 System Manager 1.3 Troubleshooting Guide』「OS Distributions and Deployment」

参照
次の手順

『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』「OS 監視機能を追加する」