ここでは、N1GE のアプリケーションプロファイルを作成および管理する方法について説明します。アプリケーションプロファイルは、N1GE のバージョンの配備と機能の属性を示します。この節では、次の作業について説明します。
アプリケーションプロファイルの作成
使用可能なアプリケーションプロファイルの一覧表示
特定のアプリケーションプロファイルの詳細情報の表示
アプリケーションプロファイルの削除
N1GE のバージョンを作成したら、アプリケーションプロファイルを作成してバージョンに関連付けます。このプロファイルは、N1GE のバージョンの構成ファイルのようなものですが、実際には一連のデータベース値です。プロファイルでは、N1GE の execd デーモンに使用する TCP ポートや、警告を発生させるしきい値などの属性を指定します。
バージョンには複数のアプリケーションプロファイルを関連付けることができますが、グリッドで一度にアクティブにできるのは 1 つだけです。N1GE を管理対象サーバーに配備するときに指定するのはアプリケーションプロファイルです。
この機能は、GEMM アプリケーションの「Settings」メニュー項目と似ています。
グリッド内でのサーバーの実際のロール (マスターホストなど) は、アプリケーションプロファイルの属性ではありません。このロールは、アプリケーションプロファイルを目的のサーバーにロードするときに定義します。
N1SM の CLI にアクセスします (「N1SM の CLI のアクセス」を参照)。
次のコマンドを使用してアプリケーションプロファイルを作成します。デフォルトの N1GE 属性で問題がない場合は、属性を明示的に指定する必要はありません。このコマンドの構文は、次のとおりです。
create applicationprofile applicationprofile application application type GridEngine [N1GE-Attribute attributevalue, N1GE-Attribute attributevalue, ...] |
さまざまな N1GE サーバーのプロビジョニングに使用するアプリケーションプロファイルの一意の名前です。
このアプリケーションプロファイルに関連付ける N1GE の特定のバージョンの名前です。この値は、create application コマンドで指定した名前です。
プロファイルのアプリケーションの種類です。この場合は GridEngine です。
N1GE の属性 — これらの属性は、アプリケーションバージョンを配備する方法を定義し、プロファイルがアクティブになったときに機能します。アプリケーションプロファイルは複数作成できますが、グリッドで一度にアクティブにできるのは 1 つだけです。
adminhomedir – N1GE の管理ユーザーのホームディレクトリです。デフォルト値は /gridware/sge です。
execdport – N1GE の execd デーモンに使用する TCP ポートです。デフォルト値は 837 です。
lnxnfsmtopts – common ディレクトリを Linux の計算ホストまたは送信ホストにマウントするときに使用するオプションです。このフィールドの値は、nfsservername:nfsmountpoint nfsmountpoint nfs lnxnfsmtopts 0 0 として、各ホストの Linux の /etc/fstab ファイルに挿入されます。デフォルト値は intr,softload です。この値に空白を含めることはできません。
loadcritical – このパラメータを使用して負荷の重大しきい値を指定します。このしきい値を超えると、負荷の重大警告がモニターに表示されます。負荷警告パラメータと同様に、このパラメータは、CPU 数に基づくシステム負荷で設定します。デフォルト値は 3.00 です。
loadwarning – このパラメータを使用して負荷警告のしきい値を指定します。このしきい値を超えると、負荷警告がモニターに表示されます。値は、OS で報告されたシステム負荷を CPU 数で割ったものです。デフォルト値は 1.00 です。
masterport – N1GE の qmaster デーモンに使用する TCP ポートです。デフォルト値は 836 です。
maxpendtime – このパラメータを使用して、ジョブが保留されてからジョブ保留警告をモニターに表示するまでの時間を指定します。値は時間単位で設定します。デフォルト値は 24 です。
memcritical – このパラメータを使用して、メモリーの重大しきい値を設定します。値がこのしきい値を下回ると、メモリーの重大警告がモニターに表示されます。値は M バイト単位で仮想メモリーの空き容量を設定します。デフォルト値は 10 です。
memwarning – このパラメータを使用してメモリー警告のしきい値を設定します。値がこのしきい値を下回ると、メモリー警告がモニターに表示されます。パラメータの値は M バイト単位で仮想メモリーの空き容量を設定します。デフォルト値は 100 です。
nfsmountpoint – NFS サーバーから N1GE の common ディレクトリ用にマウントされるディレクトリです。この値は、N1GE を使用してマスターホストを配備するときに自動的に sgeroot/ sgecell/common に設定されます。マスターホストを配備したら、この値は編集できなくなり、計算ホストと送信ホストのその後のすべての配備に有効です。この設定を再設定するには、マスターホストをアンインストールする必要があります。デフォルト値は /gridware/sge/default/common です。
nfsservername – NFS サーバーの名前。すべての計算ホストと送信ホストは、NFS サーバーを中継して N1GE の「common」ディレクトリをマウントします。このパラメータは、N1GE を使用してマスターホストを配備するときに自動的にマスターホストに設定されます。マスターホストを配備したら、この値は編集できなくなり、計算ホストと送信ホストのその後のすべての配備に有効です。この設定を再設定するには、マスターホストをアンインストールする必要があります。デフォルト値は存在しません。
proxyhost – 監視コマンドを実行するホストを指定します。マスターホストが以前に N1GE を使用して配備された場合は、プロキシホストがこのホストに設定され、マスターをアンインストールするまで変更できません。選択するホストは N1GE の管理ホストである必要があります。管理ホストではなかった場合、ほかのホストのインストールとアンインストール、および監視に失敗する可能性があります。デフォルト値は存在しません。
sgeroot – N1GE のファイルをインストールするルートディレクトリです。ファイルはすべてのホストでこのディレクトリにインストールされます。デフォルト値は /gridware/sge です。
solnfsmtopts – 「common」ディレクトリを Solaris の計算ホストまたは送信ホストにマウントするときに使用するオプションです。このフィールドの値は、nfsservername:nfsmountpoint nfsmountpoint nfs -yes solnfsmtopts として、各ホストの Solaris の /etc/vfstab ファイルに挿入されます。デフォルト値は存在しません。この値に空白を含めることはできません。
N1-ok>create applicationprofile N1GE6_U4_Profile application GE6U4 type GridEngine |
使用可能なすべてのアプリケーションプロファイルを一覧表示するか、特定のアプリケーションプロファイルに関する詳細情報を一覧表示するには、show applicationprofile コマンドを使用します。
N1SM の CLI にアクセスします (「N1SM の CLI のアクセス」を参照)。
使用可能なすべての N1GE アプリケーションプロファイルを一覧表示する場合は、次のコマンドを使用します。
show applicationprofile all type GridEngine |
特定の N1GE アプリケーションプロファイルの詳細情報を一覧表示する場合は、次のコマンドを使用します。
show applicationprofile applicationprofile type GridEngine |
使用可能なすべての N1GE アプリケーションプロファイルを一覧表示します。
特定の N1GE アプリケーションプロファイルの名前です。
プロファイルのアプリケーションの種類です。この場合は GridEngine です。
N1-ok>show applicationprofile [all] type GridEngine |
N1-ok>show applicationprofile N1GE6_U4_Profile type GridEngine |
show applicationprofile コマンドによって表示されるアプリケーションプロファイルの典型的な例を次に示します。
Name: p1 Application Name: Type: GridEngine Active: false adminhomedir: /gridware/sge adminuid: 218 adminusername: sgeadmin execdport: 837 instversion: lnxnfsmtopts: defaults loadcritical: 3 loadwarning: 1 masterhost: masterport: 836 masterready: maxpendtime: 24 memcritical: 10 memwarning: 100 nfsmountpoint: /gridware/sge/default/common nfsservername: proxyhost: proxyisadmin: sgecell: default sgeroot: /gridware/sge solnfsmtopts: |
N1GE のアプリケーションプロファイルを削除するには、そのプロファイルを使用してインストールしたマスターホストを先にアンインストールする必要があります。N1GE をマスターホストから削除するには、unload server コマンドを使用します。
N1SM の CLI にアクセスします (「N1SM の CLI のアクセス」を参照)。
delete applicationprofile コマンドを使用して N1GE のアプリケーションプロファイルを削除します。コマンド構文は次のとおりです。
delete applicationprofile applicationprofile type GridEngine |
削除する N1GE のアプリケーションプロファイルの名前です。
プロファイルのアプリケーションの種類です。この場合は GridEngine です。
N1-ok>delete applicationprofile N1GE6_U4_Profile type GridEngine |
N1GE のバージョンのアプリケーションプロファイルを作成したら、そのプロファイルを使用して Grid Engine システムをプロビジョニングできます。「サーバーへの N1 Grid Engine のインストール」を参照してください。