このマニュアルでは、 SunTM Cluster Geographic Edition 3.1 2006Q4 ソフトウェアに関する次の情報を説明しています。
この節では、 Sun Cluster Geographic Edition 3.1 2006Q4 ソフトウェアでサポートされるソフトウェアについて説明します。
表 1 サポートされる製品
Sun StorageTek Availability Suite 4 ソフトウェア は、Sun Cluster Geographic Edition の 2006 3.1 Q4 リリースにおけるデータ複製のためにサポートされています。 『Sun Cluster Geographic Edition Sun StorEdge Availability Suite 向けデータ複製ガイド』は、このサポートを反映するようにはまだ更新されていません。このガイドは今後のリリースで更新される予定です。
このガイドの手順はすべて、Sun StorageTek Availability Suite 4 ソフトウェア および Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアの両方に適用されます。ただし、次の例外があります。
Sun StorageTek Availability Suite 4 ソフトウェア のコマンドは /usr/opt/SUNWesm/sbin/ にではなく /usr/sbin/ にあります。
Sun StorageTek Availability Suite 4 ソフトウェア のログファイルは /var/opt/SUNWesm/ にではなく /var/adm/ にあります。
Sun Cluster Geographic Edition 3.1 2006Q4 ソフトウェアは、次に示す SRDF 構成を現在サポートしています。
静的 SRDF デバイスグループ
動的 SRDF デバイスグループ
Sun Cluster Geographic Edition 3.1 2006Q4 ソフトウェアは、次に示すモードで SRDF 構成を現在サポートしています。
同期
半同期
適応型コピー/書き込み保留
適応型ディスクコピー
適応型コピー/スキュー変更
次に示す既知の問題とバグは、Sun Cluster Geographic Edition 3.1 2006Q4 リリースの処理に影響を与えます。
問題の概要:クラスタを再起動したあと、Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーがオフライン状態に留まることがあります。これはタイミングの問題です。Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアの起動と共通エージェントコンテナの起動との同期が取れないために起こります。
対処方法:クラスタが再起動されたら、コマンド geoadm start を実行して Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを起動します。
問題の概要:SunPlex Manager は RBAC をサポートしていません。
対処方法:ローカルクラスタ上でスーパーユーザーとして SunPlex Manager を起動します。
問題の概要:SunPlex Manager の GUI を使用するには、Sun Cluster Geographic Edition 配備内の両方のクラスタのすべてのノードで root パスワードを同じにする必要があります。
対処方法:SunPlex Manager を使用してクラスタを構成する場合は、両方のクラス タのすべてのノードで root パスワードが同じであることを確認します。すべてのノードで同一の root パスワードを設定しない場合は、コマンド行インタフェースを使用してクラスタを構成してください。
問題の概要:カスタムハートビートを使用してリモートクラスタ上にパートナーシップを作成する場合、そのハートビートをパートナーシップに参加させるには同じ名前のハートビートがローカルクラスタ上に存在していなければなりません。ハートビートは GUI を使用して作成することはできないため、「パートナーシップに参加」ページの選択肢として適切なハートビートが表示されることはありません。
対処方法:コマンド行インタフェース (CLI) を使用してカスタムハートビートを作成し、CLI または SunPlex Manager のいずれかを使用してパートナーシップに参加させます。
問題の概要:geopg validate コマンドが失敗し、既存のリソースグループのリソースグループ情報を取得できなかったことが示されます。
対処方法:リソースグループ mbean が更新されるように、リソースグループプロパティーを更新します。
問題の概要:SunPlex Manager に表示されるページ上に存在するエントリの構成と状態に変化があった場合は、本来自動的にそのページの再描画が行われるべきです。時折、この再描画がなされないことがあります。
対処方法:ナビゲーションツリーを使用していったん別のページに移動し、元のページに戻ります。再読み込みがなされてページが更新されます。
問題の概要:クラスタの再起動時、ハートビートは Degraded 状態、プラグイン tcp_udp_plugin は No_Response 状態です。パートナークラスタ上にプロセス tcp_udp_resp がありません。
対処方法:パートナークラスタ上で pkill -9 tcp_udp_resp を実行して、パートナークラスタ上で tcp_udp_resp プロセスを再起動します。
問題の概要:ある例外的な構成エラーにより、クラスタが、Sun Cluster Geographic Edition フレームワークの起動 (geoadm start) や正常な停止 (geoadm stop) ができない状態に陥ることがあります。
対処方法:Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーリソースが STOP_FAILED 状態にある可能性が高いと考えられます。STOP_FAILED 状態を解除するには、次の手順に従います。
scstat -g コマンドを使用して、影響を受けているリソースとリソースグループを判定します。
STOP_FAILED 状態にあるすべてのリソースとリソースグループの STOP_FAILED フラグを解除するため、それぞれに対して次のコマンドを使用します。
# scswitch -c -j resource —h nodename -f STOP_FAILED |
停止できなかったアプリケーションを手動で停止します。
たとえば、ora lsnr を停止できなかった場合は、これを完全に停止します。影響を受けたリソースが Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーだけの 場合は、この手順を無視してください。
必要な場合は、リソースグループを停止します。
リソースグループの停止中にリソースを停止できなかった場合は、リソースグループが STOP_FAILED 状態のままになるため、次のコマンドを使用して停止してください。
# scswitch -F -g resourcegroup |
リソースの再起動中またはリソースを無効にしている最中にリソースを停止できなかった場合は、この手順を無視してください。
geoadm stop コマンドを再試行します。
問題の概要:複製が成功したにもかかわらず、geopg get コマンドで失敗が報告されることがあります。パートナークラスタから保護グループを複製すると、geopg get が失敗し、次のメッセージが表示されます。
# geopg get -s partnershipname protectiongroupname Operation failed for the following protection groups: Permission denied: configuration is locked by cluster clustername. Retry the operation after a while. Protection group protectiongroupname has been replicated from the partner cluster clustername, but validation failed. |
場合によっては、geoadm status において、保護グループの同期状態が Error と報告されることもあります。
もう一度 geopg get コマンドを実行すると、保護グループがローカルクラスタ上ですでに複製されているためにコマンドが拒否されます。
対処方法:次のコマンドを使用して、保護グループとパートナークラスタとの再同期を行います。
# geopg update protectiongroupname |
次のコマンドを使用して、保護グループを再検証します。
# geopg validate protectiongroupname |
問題の概要:説明プロパティーの値に、引用符で囲まれていないスペースが含まれている場合、java.lang.Exception がスローされます。
対処方法:スペースを必要とする説明の値を引用符で囲みます。
問題の概要:pkgrm を使用して Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを削除すると、gchb_resd プロセスが実行状態のままになる場合があります。この場合、再インストールすると、プロセスで障害が発生します。
対処方法:すべて不要です。gchb_resd プロセスは自動的に再起動されます。
Sun Cluster Geographic Edition 3.1 2006Q4 構成のパッチに関する情報を以下に示します。
Sun Cluster Geographic Edition 製品に必要なパッチを確認してダウンロードするためには、SunSolveTM ユーザーとして登録済みでなければなりません。SunSolve アカウントをまだ入手していない場合は、Sun のサービス担当者またはセールスエンジニアに問い合わせるか、あるいは http://sunsolve.sun.com でオンライン登録を行なってください。
製品 |
コンポーネント |
プラットフォーム |
最低パッチレベル |
---|---|---|---|
Solaris OS 8 |
110380-06 110934-24 |
||
Solaris OS 10 |
SPARC |
118562-09 118918-17 |
|
x86 |
118563-10 118919-17 |
||
Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 |
Core |
116466-09 |
|
Point-in-Time |
116467-09 |
||
Remote Mirror |
116468-13 |
||
Sun StorageTek Availability Suite 4 |
SNDR |
SPARC |
123246-01 |
x86 |
123247-01 |
||
共通エージェントコンテナ |
118671-03 120675–01 |
共通エージェントコンテナ 120675–01 パッチの入手については、ご購入先に問い合わせてください。
Sun Cluster Geographic Edition 2006 3.1 Q4 のスケーラブルリソースグループを使用する場合は、次のいずれかのパッチもインストールする必要があります。
Solaris OS 10: 最低限 120500-08
Solaris OS 9: 最低限 117949-23
Solaris OS 8: 最低限 117950-23
これらのパッチの入手については、ご購入先に問い合わせてください。
日本語のマニュアルは docs.sun.com を参照してください。Sun Cluster Geographic Edition 3.1 2006Q4 ユーザーマニュアルセットには次のマニュアルコレクションが含まれています。
Sun Cluster Geographic Edition Release Notes Collection - ja
Sun Cluster Geographic Edition Software Collection - ja
Sun Cluster Geographic Edition Reference Collection - ja
最新のマニュアルは、docs.sun.comSM Web サイトで参照してください。docs.sun.com Web サイトでは、Sun Cluster Geographic Edition マニュアルにアクセスできます。次の Web サイトを利用すれば、docs.sun.com アーカイブをブラウズしたり、本のタイトルやテーマを検索できます。
パート番号 |
マニュアル名 |
---|---|
820–1091 | |
820–1094 | |
820–1097 | |
820–1100 |
『Sun Cluster Geographic Edition Sun StorEdge Availability Suite 向けデータ複製ガイド』 |
820–1103 | |
820–1106 |
『Sun Cluster Geographic Edition EMC Symmetrix Remote Data Facility 向けデータ複製ガイド』 |
このコレクションには、『Sun Cluster Geographic Edition リファレンスマニュアル』、パーツ番号 820–1109 が含まれています。
この節では、マニュアルページ、マニュアル、またはオンラインヘルプで判明している記述の誤りまたは記載漏れと、それらの問題を修正するための手順を示します。
この節では、『Sun Cluster Geographic Edition のインストール』に含まれる記述の誤りと記載漏れについて説明します。
誤った情報:『Sun Cluster Geographic Edition のインストール』の「Solaris OS 8 でのソフトウェアのインストール」には、次の情報が含まれています。
EMC Symmetrix Remote Data Facility のデータ複製を使用している場合:
SUNWscgrepsrdf: EMC Symmetrix Remote Data Facility データ複製
SUNWscgrepsrdfu: EMC Symmetrix Remote Data Facility データ複製
正しい情報:EMC Symmetrix Remote Data Facility ソフトウェアは Solaris OS 8 との組み合わせではサポートされていません。誤った情報は無視してください。
この節では、geopg(1M) のマニュアルページについて判明している記述の誤りまたは記載漏れを示します。
問題の概要:geopg(1M) のマニュアルページにある geopg start コマンドの説明が明確ではありません。
対処方法:-e オプションは、geopgstart コマンドの有効範囲を定義します。-e local を指定した場合は、コマンドが与えられたクラスタパートナー上で geopg start コマンドが実行されます。-e global を指定すると、geopg start コマンドは、パートナーシップ内の両方のクラスタで実行されます。
主クラスタ上で geopg start -e local コマンドを実行するか、geopg start -e global コマンドを実行することによって、主クラスタ上で geopg start コマンドが実行されると、scswitch -Z -g コマンドを使用して、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアによってリソースグループが主クラスタ上のみでオンラインになります。
二次クラスタ上で geopg start -e local コマンドを実行した結果、または geopg start -e global コマンドを実行したことによって、二次クラスタ上で geopg start コマンドが実行された場合、リソースグループは二次クラスタ上で起動されません。リソースグループは、scswitch -u コマンドを使用することによって unmanaged 状態に置かれます。
geopg start コマンドでは、主クラスタ上と二次クラスタ上の両方の保護グループが「アクティブ化」され、それによって Sun Cluster Geographic Edition によるリソースグループの管理が開始されます。ただし、リソースグループは、主クラスタ上でのみ起動し、オンライン化されます。
保護グループの役割によっては、保護グループをアクティブ化しても、保護グループに含まれているリソースグループが起動しない場合があります。
誤った情報:geopg(1M) のマニュアルページでは、cluster_dgs プロパティーの調整がいつでも許されると説明しています。
正しい情報: cluster_dgs プロパティーは、両方のパートナークラスタ上で保護グループがオフラインになっている場合にのみ調整できます。