Sun N1 Grid Engine 6.1 管理ガイド

ジョブのソート

Grid Engine システムがジョブの振り分けを開始する前、ジョブは優先順位の高い順に、優先順位に組み入れられます。続いてシステムは、優先順位の順番でジョブに適したリソースを見つけようとします。

管理者の操作がなければ、順序は先入れ先出し (FIFO) です。管理者には、ジョブの順序を制御する次の手段があります。

各優先順位の種類に対して、重み付け係数を指定できます。この重み付け係数は、各種類の優先順位がジョブ全般の優先順位に影響を与える程度を決定します。各優先順位の種類の値の範囲を制御しやすくするため、生のチケットの値、緊急度の値、および POSIX 優先順位の値の代わりに、正規化された値が使用されます。

ジョブの優先順位値がどのように決定されるかは、次の式で表されます。


job_priority = weight_urgency * normalized_urgency_value + 
weight_ticket * normalized_ticket_value + 
weight_priority * normalized_POSIX_priority_value

ジョブの優先順位の監視には qstat コマンドを使用できます。

緊急度ポリシーについて

緊急度ポリシーは各ジョブの緊急度の値を定義します。緊急度の値は、次の 3 つの情報の合計から得られます。

リソース要求の情報は、すべてのハードリソースの要求の合計から得られ、各要求に関する 1 つの加数になります。

リソース要求が型 numeric である場合、リソース要求の加数は、次の 3 つの要素の積になります。

リソース要求が型 string である場合、リソース要求の加数は、コンプレックスで定義されているリソースの緊急度の値になります。

待機時間の情報は、秒単位でのジョブの待機時間と、「Policy Configuration」ダイアログボックスで指定されている waiting-weight 値の積になります。

締め切りの情報は、締め切りのないジョブではゼロになります。締め切りのあるジョブの場合、締め切りの情報は、(締め切り開始時間までの) 秒単位の空き時間で除算された、「Policy Configuration」ダイアログボックスで定義されている waiting-weight 値です。

緊急度ポリシーの構成の詳細については、「緊急度ポリシーの構成」を参照してください。