Sun Management Center 4.0 インストールと構成ガイド

遠隔マシンへのインストール

ここでは、 es-inst コマンドを使用して、Sun Management Center 4.0 を Network File System アクセス可能な (NFS マウントされた) 遠隔マシンにインストールする手順について説明します。この手順では、ネットワーク上のイメージディレクトリから Sun Management Center をインストールすることを前提にしています。詳細は、「DVD インストールイメージの作成」を参照してください。

遠隔マシンに Sun Management Center をインストールするには、ソフトウェアをインストールする前に、その遠隔マシンの準備作業を行う必要があります。また、ローカルマシンが Solaris 8 ソフトウェアを使用している場合は、パッチをインストールする必要があります (pkgadd のパッチをインストールする」を参照)。

ここで説明する作業では、例として次のマシン名が使用されています。


注 –

遠隔マシンが Solaris 10 マシンである場合は、遠隔インストールはできません。


Procedurepkgadd のパッチをインストールする

ローカルマシンが Solaris 8 ソフトウェアを使用している場合は、OS バージョン専用の pkgadd パッチがローカルにインストールされている必要があります。このパッチをあらかじめインストールしてから、ローカルマシンを使用して遠隔マシンに Sun Management Center 4.0 をインストールする必要があります。

ローカルマシンが Solaris 9 リリースを使用している場合、パッチのインストールは必要ありません。「遠隔マシンを準備する」に進みます。

  1. ローカルマシンに root としてログインします。

  2. OS のパッチレベルが最新であるかどうかを確認します。

    パッチがすでにインストールされているかどうかを確認するには、コマンド showrev -p | grep patchnum を使用します。patchnum には、必要な OS パッチを次のように指定します。

    • Solaris 8 リリース: 110934

    たとえば、ローカルマシンが Solaris 8 リリースを使用している場合は次のように入力します。


    admin-host# showrev -p | grep 110934
    admin-host# 

    上記の例では、パッチはインストールされません。パッチのダウンロードとインストールは、 手順 3 に示す方法で行う必要があります。

    パッチがインストールされていると、次のような一覧が表示されます。


    admin-host# showrev -p | grep 110934
    Patch: 110934-13 Obsoletes: Requires: Incompatibles: 
    Packages: pkgtrans, pkgadd, pkgchk

    ローカルマシンで動作している Solaris に必要なパッチがすでにインストールされている場合は、「遠隔マシンを準備する」に進みます。

  3. 必要に応じ OS パッチをインストールします。

    1. http://www.sunsolve.sun.com から必要なパッチをダウンロードします。

    2. ダウンロードした tar 形式のパッチアーカイブファイルを展開し、zip ファイルをさらに展開します。

    3. patchadd コマンドを使用してパッチをインストールします。

Procedure遠隔マシンを準備する

  1. 遠隔マシンに root としてログインします。

  2. Sun Management Center データベースアクセスグループとユーザーアカウントを作成します。

    1. groupadd コマンドを使用し、アクセスグループ smcdbg を作成します。


      remote# /usr/sbin/groupadd smcdbg
      
    2. /var/opt/SUNWsymon ディレクトリを作成します。

      このディレクトリは、データベースユーザーアカウントが置かれる場所です。


      remote# mkdir -p /var/opt/SUNWsymon
      
    3. useradd コマンドを使用してデータベースユーザーアカウント smcdbu を作成し、続いてこのユーザーアカウントをグループ smcdbg に追加します。


      remote# /usr/sbin/useradd \
      ...-d /var/opt/SUNWsymon/smcdbu \
         -m -g smcdbg -s /bin/sh smcdbu
      
  3. NFS デーモン mountd を停止します。


    remote# /etc/init.d/nfs.server stop
    
  4. 遠隔ホスト上の /etc/dfs/dfstab ファイルを編集します。

    次の行を追加します。

    share —F nfs —o rw=admin-host,root=admin-host /

    admin-host は、遠隔ホストに対して Sun Management Center をインストールするマシンの名前です。

    たとえば、遠隔ホスト名が remote-server で、この遠隔ホストに Sun Management Center をインストールするために使用するマシンの名前が adminserver の場合、remote-server 上の /etc/dfs/dfstab ファイルのエントリは次のようになります。

    share —F nfs —o rw=adminserver,root=adminserver

    遠隔マシンの dfstab ファイル内のこのエントリは、マシン adminserver にログインしたルートユーザーアカウントにだけ遠隔の読み取り権限および書き込み権限を与えます。

  5. /etc/dfs/dfstab を保存して閉じます。

  6. NFS デーモン mountd を起動します。


    remote# /etc/init.d/nfs.server start
    
  7. 遠隔マシンで稼働している Solaris のバージョンを確認します。


    remote# /usr/bin/uname -r
    

    遠隔ホストへの Sun Management Center のインストールの場合、es-inst スクリプトによって遠隔ホストで稼働している Solaris のバージョンの入力を求められます。

  8. 遠隔ホストマシンのタイプを確認します。

    遠隔ホストへの Sun Management Center のインストールの場合、es-inst スクリプトによって遠隔マシンタイプの入力を求められます。

    遠隔ホストマシンの es-inst が必要とするこの情報は、次のコマンドで生成できます。


    remote# /usr/platform/platform/sbin/prtdiag | /usr/bin/head -1 \
          | /usr/bin/cut -f2 -d:
    

    platform は、コマンド uname -i の出力です。

    次に例を示します。


    remote# /usr/bin/uname -i
    SUNW,Ultra
    remote# /usr/platform/SUNW,Ultra/sbin/prtdiag 
      | /usr/bin/head -1 | /usr/bin/cut -f2 -d:
    Sun Microsystems  sun4u Sun Ultra UPA/PCI (UltraSPARC-IIi 333 MHz)

    ヒント –

    遠隔ホストマシンタイプの情報をローカルホスト上の一時ファイルにコピーしてください。コピーしておくことで、es-inst が遠隔ホストマシンタイプの入力を求める際にその情報をペーストできます。


  9. 遠隔マシンからログオフします。

    以上の操作が終わると、次に示された方法で遠隔ホストに Sun Management Center をインストールできるようになります。

Procedure遠隔マシンに Sun Management Center をインストールする

  1. ローカルマシンに root としてログインします。

  2. Sun Management Center installation disk 1 sbin ディレクトリに移動します。

    • ディスクからのインストールの場合は、/cDiskMountDir/sbin ディレクトリに移動します。

      選択した内容によっては、インストールの作業中にディスクを入れ替えるように求めるメッセージが表示される場合があります。

    • イメージからのインストールの場合は、/ image-dir/disk1/sbin ディレクトリに移動します。ここで、image-dir は、インストールイメージをコピーしたディレクトリ、または Web からインストールイメージをダウンロードして展開したディレクトリです。

  3. -R path/remote パラメータで遠隔ホストマシンを指定して es-inst インストールスクリプトを実行します。


    #./es-inst -R path/remote
    

    path/remote には、遠隔マシンのフルパスを指定してください。たとえば、遠隔ホストのパスと名前が /net/remote-server の場合は、次のように入力します。


    local-machine# ./es-inst -R /net/remote-server
    

    遠隔マシン上で稼働している Solaris のバージョンの入力を求めるメッセージが表示されます。

  4. 遠隔マシンで稼働している Solaris バージョンを入力します。

    「遠隔マシンを準備する」手順 7 を参照してください。

    遠隔ホストマシンのタイプを入力するように求めるメッセージが表示されます。

  5. 遠隔ホストマシンのタイプを入力します。

    「遠隔マシンを準備する」手順 8 で生成したマシンタイプの文字列を入力します。あるいは、生成したテキストをローカルホスト上のファイルにコピーしてある場合は、プロンプトに答えてそのマシンタイプ文字列をペーストできます。


    注 –

    遠隔ホストに対して Sun Management Center インストールを行うために必要な作業は、デフォルトの Sun Management Center インストールに必要な作業と同じです。


  6. インストールが完了します。


    注 –

    Solaris 10 システムへの遠隔インストールは、別の Solaris 10 システムからのみ行うことができます。