Sun Java™ Enterprise System 7 (Java ES 7) は、ソフトウェアからサポート、プロフェッショナルサービス、教育サービスまでを組み合わせて契約制のサービスを総合セットにし、1 つのパッケージを単一価格で提供するものです。Java ES 7 のソフトウェアコンポーネントは、相互接続性と信頼性を高めるために厳密に試験されています。
Java ES 7 は、中核的コンポーネントまたは Base コンポーネント一式から構成されているものがあるほか、Sun GlassFish Portfolio 2009.12 など 1 つ以上の追加製品スイートを選べるオプションもあります。
各 Java 技術コンポーネントの詳細は、それぞれの製品ドキュメントを参照してください。GlassFish Portfolio スイートについては、Sun GlassFish Portfolio 2009.12 ドキュメントコレクション を参照してください。
この章の残りの部分では、次の項目について説明します。
表 1–1 は、Java ES 7 に搭載されている製品の一覧、各製品のバージョン、および各製品のプロジェクトページへのリンクをまとめたものです。ここから、製品のダウンロード版とドキュメントのリンクを見つけることができます。このほかの Java ES 7 提供物に搭載されている製品については、Sun Java™ Enterprise System 7 製品ページ を参照してください。
表 1–1 Java ES 7 Base に搭載されている製品
製品 |
バージョン |
---|---|
6.7.1 |
|
3.2 1/09 |
|
3.2 1/09 |
|
2.1.1 |
|
10.0 Update 6 |
|
6.3.1 |
|
4.3 |
|
4.0.11 |
|
7.0 Update 6 |
|
8.0 Update 1 Patch 2 |
従来の Java ES リリースの製品をよく理解されている場合は、次の点に注意してください。
Solaris Cluster および Solaris Cluster Geographic Edition はそれぞれ、従来の Java ES リリースの Sun Cluster および Sun Cluster Geographic Edition と同じ製品です。
Sun GlassFish Enterprise Server は事実上、Sun Java System Application Server Enterprise Edition と同じ製品です。Sun は Application Server 用のソースコードを GlassFish オープンソースプロジェクト に寄与しました。このプロジェクトからのコードが、Sun GlassFish Enterprise Server の作成時に使用されます。
Sun GlassFish Web Space Server は、Sun Java System Portal Server の新しい後継製品です。
Sun OpenSSO Enterprise は事実上、Sun Java System Access Manager と同じ製品です。Sun は Access Manager 用のソースコードを OpenSSO オープンソースプロジェクト に寄与しました。このプロジェクトからのコードが、Sun OpenSSO Enterprise の作成時に使用されます。
Java ES 7 製品は、少なくとも次のプラットフォームをサポートしています。
Solaris 10 (SPARCTM、x86、および x64 プラットフォーム版)
Solaris 9 (SPARC および x86 プラットフォーム版)
Red Hat Enterprise Linux 5 AS および ES (x86 および x64 プラットフォーム版)
Red Hat Enterprise Linux 4 AS および ES (x86 および x64 プラットフォーム版)
Microsoft Windows 2003 Server Standard と Enterprise Editions 32 および 64 ビットバージョン SP2 (x86 および x64 プラットフォーム版)
Microsoft Windows 2003 Data Center Server 32 ビットバージョン SP2 (x86 および x64 プラットフォーム版)
Microsoft Windows XP Professional Edition SP2 (x86 プラットフォーム版)
Microsoft Windows Vista Business Edition (x86 プラットフォーム版)
上記リストには、次の警告に注意してください。
各プラットフォームのサポートは、それぞれのコンポーネント製品にわたって異なります。各コンポーネント製品の製品ドキュメントに記載されているプラットフォーム要件を必ず参照してください。
Java ES 7 製品によっては、Microsoft Windows XP および Vista プラットフォームを開発用にサポートしても、本稼働用にはサポートしない場合があります。
Solaris Cluster および Solaris Cluster Geographic Edition が Solaris しかサポートしていないことにも注意してください。
Sun Java System Directory Server Enterprise Edition (DSEE) 6.3.1 は、Red Hat Enterprise Linux 5 をサポートしません。
Web Space Server 10.0 U6 は、Solaris 9 をサポートしません。
Java ES 7 は、次の注意点をもって Solaris 10 (SPARC、x86、および x64 プラットフォーム版) 上および Solaris 9 (SPARC および x86 プラットフォーム版) 上でテストされ、サポートされています。
Sun GlassFish Web Space Server 10.0 Update 6 は、Solaris 9 をサポートしません。
Java ES 7 は Solaris 10 Trusted Extensions 上でテストされ、サポートされています。
Java ES 7 は、Solaris 9 および Solaris 10 のすべてのバージョンでサポートされていますが、製品によっては、特定の最小レベルの更新によって完全な機能を実装することが推奨される場合もあります。詳細については、該当する製品のリリースノートを参照してください。
Java ES 7 は、次の Solaris ソフトウェアグループを使用してインストールされた Solaris システム上でテストされサポートされています。
SUNWCXall – Solaris ソフトウェアグループ全体と OEM サポート
SUNWCall – Solaris ソフトウェアグループ全体
製品によっては、SUNWCprog (開発者 Solaris ソフトウェアグループ) や SUNWCuser (エンドユーザー Solaris ソフトウェアグループ) など、追加のグループをサポートする場合もあります。詳細については、該当する製品のリリースノートを参照してください。
Java ES 7 製品によっては、最小の Solaris 10 システム上で稼動するものもあります。この最小システムは、SUNWCreq (中核的システム Solaris ソフトウェアグループ) を使用してインストールされる場合と、SUNWCreq を使用してインストールされたあと別途のパッケージが追加される場合があります。最小インストールに必要とされる一連のパッケージは、製品ごとに異なります。したがって、該当する製品のリリースノートを参照して、Solaris 10 上での製品の最小インストール要件を確認してください。
Java ES 7 は、RedHat Enterprise Linux 5 AS およびES (x86 および x64 プラットフォーム版) およびRedHat Enterprise Linux 4 AS およびES (x86 および x64 プラットフォーム版) でテストされ、サポートされています。ただし、Sun Java System Directory Server Enterprise Edition (DSEE) 6.3.1 は、Red Hat Enterprise Linux 5 をサポートしません。
詳細なプラットフォームのサポートについては、該当する製品のリリースノートを参照してください。
Java ES 7 は、次の Microsoft Windows プラットフォームでテストされ、サポートされています。
Windows 2003 Server Standard Edition と Enterprise Editions 32 および 64 ビットバージョン SP2 (x86 および x64 プラットフォーム版)
Windows 2003 Server Enterprise Edition と Enterprise Editions 32 および 64 ビットバージョン SP2 (x86 および x64 プラットフォーム版)
Windows 2003 Data Center Server 32 ビットバージョン SP2 (x86 および x64 プラットフォーム版)
Windows XP Professional Edition SP2 (x86 プラットフォーム版)
Windows Vista Business Edition (x86 プラットフォーム版)
上記リストには、次の警告に注意してください。
Sun Java System Directory Server Enterprise Edition (DSEE) 6.3.1 および Sun Java System Web Proxy Server (WPS) 4.0.11 は、Windows XP をサポートしません。
DSEE 6.3.1, WPS 4.0.11, および Sun Java System Web Server (WS) 7.0 Update 6 は、Windows Vista をサポートしません。
Java ES 7 製品は、機能縮退を招かない最新版の Service Pack もサポートしています。
Java ES 7 製品によっては、 Windows XP および Vista プラットフォームを開発用にサポートしても、本稼働用にはサポートしない場合があります。
詳細なプラットフォームのサポートについては、該当する製品のリリースノートを参照してください。
システムの仮想化は、複数のオペレーティングシステム (OS) インスタンスを共用ハードウェア上で個別に実行できるようにするテクノロジです。機能的にいうと、仮想化された環境でホストされる OS に配備されたソフトウェアは、通常はベースとなるプラットフォームが仮想化されていることを認識しません。Sun では、精選されたシステムの仮想化と OS の組み合わせについて、その製品の多くをテストしています。これは、適切な規模と構成の仮想化環境でも、仮想化されていないシステム上の場合と同様に、製品が機能することを効果的に確認するためのテストです。仮想化された環境における製品のサポートの一般情報については、『System Virtualization Support in Sun Java System Products』を参照してください。この一般情報に対する製品固有の例外や拡張については、System Virtualization Support in Sun Java System Products を参照してください。·
Java ES 7 製品に装備されている Web ベースのエンドユーザーインタフェースおよび管理インタフェースでサポートされている Web ブラウザとしては、少なくとも次のものが挙げられます。
Mozilla Firefox 1.5, 2.x および 3. x (Solaris、Red Hat Linux、Microsoft Windows、および Mac OS X 版)
Microsoft Internet Explorer 6、7、および 8 (Microsoft Windows 版)
Apple Safari 2.0 および 3.0 (Mac OS X 版)
また、Java ES 7 製品によっては、ほかの Web ブラウザ (たとえば、Opera) をサポートするものもあります。それらの製品に対してサポートされている Web ブラウザの完全なリストについては、使用している製品のリリースノートを参照してください。
Java ES 7 製品でサポートされている Java SE のバージョンとしては、少なくとも次のものが挙げられます。
Java SE 5.0 Update 22 (1.5.0_22)
Java SE 6.0 Update 17 (1.6.0_17)
次の警告に注意してください。
http://sunsolve.sun.com/search/document.do?assetkey=1-66-270476-1 に定義されているセキュリティー問題が解決されるため、上記が、推奨される最小バージョンとなります。
Sun Glass Fish Web Space Server (WSS) 10.0 Update 6 は、Mac OS 版の JDK 5 のみをサポートし、Solaris 版、Linux 版、または Windows 版のものはサポートしません。
Java ES 7 製品は、機能縮退を招かない最新版の更新もサポートしています。
製品によっては、ほかのバージョンの Java SE (たとえば、J2SE 1.4.2) をサポートするものや、特定のバージョンの Java SE に関して互換性の問題のあるものがあります。詳細については、該当する製品のリリースノートを参照してください。
全体的に、Java ES 6 と比較して、Java ES 7 Base コンポーネントへの更新は、製品バージョンの更新、バグの修正、およびサブスクリプション提供物のマイナーチェンジから主に構成されています。新しく追加された製品はありません。
Java ES 7 は、以前の Java ES リリースと同様に、次の特長を備えています。
所有コストを削減し、ライセンストラッキングと管理を簡略化するサブスクリプションベースの料金体系
中小企業から大企業まですべての企業のニーズに対応できる、幅広い種類のサービス
さまざまなインフラストラクチャーニーズに対応可能なソフトウェア製品群
特殊なビジネスニーズにも対応可能な機能を備えたスイートセット
複数のオペレーティングシステムやさまざまなシステム仮想化テクノロジに対応
Java ES 6 から Java ES 7 への更新に、追加された新製品はありません。
Java ES 7 には、次の製品の新バージョンが含まれています。
Sun GlassFish Enterprise Server (2.1 ⇒ 2.1.1)
Sun OpenSSO Enterprise (8.0 ⇒ 8.0U1P2)
Sun Java System Web Server (7.0U4 ⇒ 7.0U6)
Sun Java System Web Proxy Server (4.0.8 ⇒ 4.0.11)
Sun GlassFish Web Space Server (10.0 ⇒ 10.0U6)
NetBeans (6.5 ⇒ 6.7.1)
すべてのコンポーネント製品の最新バージョンについては、表 1–1 を参照してください。
Java ES コンポーネントの新しいインストールモデルが Java ES 6 に採用されました。中にはバージョン 6 を素通りして Java ES のバージョン 5 以降から直接アップグレードするユーザーもいるため、この『リリースノート』で触れておく必要があります。
バージョン 6 以前の Java ES リリースでは、Java ES の中核的な製品に共通のインストーラが使用されていました。この共通インストーラは、シンプルな単一システムをインストールする場合などに適していましたが、欠点もいくつかありました。
実行するにはスーパーユーザーとしてのアクセスが必要となり、インストールしたソフトウェアにはスーパーユーザー所有権が付与された。
1 つのシステムにつき 1 つの製品インスタンスしか許可されなかった。
ネイティブパッケージのソフトウェアディストリビューションしかサポートされていなかった。
Java ES の堅牢性の高いエンタープライズ対応の配備では、このような欠点が、インストールタスクを必要以上に複雑にしてしまうことがよくありました。Java ES 6 では、この共通インストーラが廃止され、代わりに Java ES でベース配布される各製品のインストーラが使用されています。各製品のインストーラは、その製品の機能に合わせて調整されているため、インストールエクスペリエンス全体が以前のリリースよりもスムーズになりました。
大部分の Java ES 7 コンポーネントが、広範囲にわたる米国および国際的なアクセシビリティー規格と要件に対応するように設計されました。これらの要件は、さまざまな視覚的または身体的に不自由なお客様にとって、すべての Java ES 機能の使い勝手と完全なユーザー補助機能を高めるためのものです。
次のようなアクセシビリティー機能が、Java ES 7 ソフトウェアに組み込まれ試験されました。
グラフィカルインタフェース要素が、Tab、矢印、Enter キーなどのキーボードで完全に操作できるようになりました。
フォームのフィールドごとにラベルを貼ったり、各要素に該当タイトルや非表示テキスト要素を用意するなどの各手法で、アプリケーションページのすべての埋め込みフォームにおける補助技術の使い勝手が向上しました。
アイコン、画像、ロゴなどのすべての非テキスト要素に、代替テキスト文字列が用意されました。
Javascript コードとメニューなどのすべての動的要素、およびマウスを上に置いたときに表示される文字列が記載されたポップアップメニューに、埋め込みテキスト文字列の識別子が備わり、補助技術で読み取れるようになりました。
PDF や HTML などのバージョンの製品ドキュメントが、ユーザー補助機能の規格に準拠して記述されました。
ほぼすべての GlassFish Portfolio コンポーネント製品が、次のように複数の操作環境で試験され、各種補助技術で動作するようになりました。
Mac OS X: Universal Access
Solaris および OpenSolaris: Orca
Linux: Orca
Windows: JAWS、System Access
Java ES 7 GlassFish Portfolio 2009.12 ソフトウェアの入手方法とインストール方法については、『Sun Java Enterprise System 7 Installation and Upgrade Guide』を参照してください。