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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reportsレポート作成のためのユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B61376-01
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2.8 出力フォーマットと機能

この項の各トピックでは、Oracle Reports Builderの様々な出力フォーマットと機能について説明します。


注意:

レポートを実行して形式を確認する場合、出力を表示するために空白のブラウザ・ウィンドウが起動します。このような空白のブラウザ・ウィンドウが開かないようにするには、Internet Explorer 7で次の手順を実行します。
  1. Internet Explorerの「ツール」メニューの「インターネット オプション」を選択します。

  2. 全般」タブ→「タブ」→「設定」に進みます。

  3. 他のプログラムのリンクを開く方法」セクションの「現在のタブまたはウィンドウ」ラジオ・ボタンを選択します。

  4. OK」をクリックします。

Internet Explorer以外のブラウザを使用している場合は、ブラウザのヘルプ情報を参照して、この設定を変更します。


2.8.1 フォーマットの順序について

Oracle Reportsの以前のリリースでは、レポートの各セクションは、ヘッダー・セクション、メイン・セクション、トレーラ・セクションの順にフォーマットされました。このリリースには、3つのレポート・セクションのフォーマット順序を変更する機能が導入されています。


注意:

レポート・セクションのフォーマット順序を変更しても、出力順序は変更されません。つまり、最初にヘッダー・セクション、次にメイン・セクション、最後にトレーラ・セクションが出力されます。

フォーマット順序は、次のいずれかの方法で設定できます。

  • 「セクションのフォーマット順序」プロパティ

  • SRW.SET_FORMAT_ORDERビルトイン・プロシージャ。これが定義されている場合は、「セクションのフォーマット順序」プロパティの設定が上書きされます。

この機能は、任意のレポート・セクションを最初にフォーマットして、フォーマット時にのみ認識できるページ番号などの情報を取得し、その情報を前のセクションのフォーマットに使用するような場合に便利です。

たとえば、レポートの目次(TOC)を作成するには、メイン・セクションを最初にフォーマットしてから、レポート・トリガーを使用して、TOCエントリが含まれる表を作成できます。TOCの最初の要素をフォーマットするとトリガーが起動され、そのTOCエントリとページ番号が含まれる行がTOC表に作成されます。メイン・セクションのフォーマット後に、ヘッダー・セクションがフォーマットされるようにフォーマット順序の設定を定義できます。ヘッダー・セクションには、TOC表に基づいたレポート・ブロックを含められます。フォーマットの終了後、レポートをTOC(ヘッダー・セクション)、レポート本体(メイン・セクション)、トレーラ・セクションの順に出力できます。

レポートのTOCを作成する手順は、第35章「単純な目次と索引を使用したペーパー・レポートの作成」および第36章「複数階層の目次を使用したペーパー・レポートの作成」のサンプル・レポートを参照してください。

ページ番号付けに関する注意

レポートのページ番号は、フォーマット順に付けられます。たとえば、ヘッダー・セクションが2ページ、メイン・セクションが8ページ、トレーラ・セクションが3ページあるレポートでは、フォーマット順序を「メイン-トレーラ-ヘッダー」に設定した場合、レポート出力には、12、13(最後にフォーマットされたヘッダーのページ)、1、2、3、4、5、6、7、8(最初にフォーマットされたメインのページ)、9、10、11(2番目にフォーマットされたトレーラのページ)というようにページ番号が付けられます。

2.8.2 バッチ・レポートについて

プレビューアでレポート出力を確認する必要がない場合(たとえば、完全にテストされたレポートから大量に出力する場合や、複数のレポートを連続して実行する必要がある場合)、rwrunを使用してレポートをバッチで実行することができます。これにより、レポートを実行している間に、別のタスクを処理することができます。

コマンドラインからバッチ・モードでレポートを実行することも、コマンド・ファイルを使用して引数を指定することもできます。同じ一連の引数を使用して複数のレポートを実行する場合、コマンド・ファイルによって入力の手間を大幅に省くことができます。

また、Reports Serverを使用して、コマンドラインでBACKGROUND=YESを指定し(rwclientまたはrwservletで有効)、レポートを非同期で実行することで、レポートをバッチ処理することもできます。つまり、クライアントはサーバーにコールを送り、レポート・ジョブが完了するのを待たずに別のプロセスへ進みます。クライアント・プロセスが削除されると、そのジョブも取り消されます。

関連項目

第4.7.2項「コマンドラインからのレポートの実行」

第4.7.3項「コマンド・ファイルを使用したレポートの実行」

BATCHおよびBACKGROUNDの詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプの「リファレンス」の「コマンドライン」の項を参照

2.8.3 レポートの配布について

レポートの配布により、複数の出力フォーマットを生成できるレポートを設計し、レポートを1回実行するのみで複数の宛先に配布できます。レポート全体の配布を作成することも、一括処理してレポートの個々のセクションを配布することもできます。たとえば、レポートを1回実行するときに、HTML出力を生成し、プリンタへPostScriptバージョンを送信し、レポートの一部または全部のセクションを配布リストに電子メールで送信できます。

レポートを配布するには、第4.7.12項「複数の宛先へのレポートの配布」で説明しているように、最初に配布を定義してから、その配布を有効にします。

セクションレベルの配布の使用例は、第37章「レポートの一括処理と配布」を参照してください。この章では、「繰返し」プロパティおよび配布XMLファイルを使用して、1つのセクションに複数の配布先を定義する方法について説明します。

使用に関する注意

  • 1つのレポートに、キャラクタ・モードとビットマップ出力を混在させることはできません。MODEシステム・パラメータは、レポート全体で1つの値のみに設定できます(DEFAULTBITMAPまたはCHARACTER)。

  • XMLDELIMITEDDATAなどのデータドリブン形式とPDFENHANCEDSPREADSHEETなどのレイアウトドリブン形式での一括処理および配布を、同じレポート定義ファイルを使用して行うには、次の要件を満たしている必要があります。

    • 配布XMLファイルでinclude要素が指定されていること。次に例を示します。

      <include src="mainSection"/>
      
    • 配布XMLファイルで指定されたセクションに対して[繰返し]プロパティが適切に設定されていること。

    • レポート・ペーパー・レイアウトの配布XMLファイルで指定されたセクションが空でないこと。

例1

セクション分割と配布を使用することで、レポート出力をHTMLで公開したり、Postscriptバージョンでプリンタに送信したりできます。

例2

シニア・マネージャにはレポートの集計サマリーを送信し、個々のマネージャには詳細な分析を電子メールで送信できます。この例では、2つのレポート・セクションを持つレポートを1つ作成する必要があります。1つは縦長のサマリー・セクションで、もう1つは横長の詳細セクションにします。「繰返し」プロパティを使用して、マネージャをリストするデータ・モデル・グループに詳細セクションを関連付け、次にデータ・モデル・グループの各インスタンスに基づいてレポートを一括処理するように宛先を変更することで、適切なマネージャに出力を送信します。

関連項目

第2.1.2項「レポートのセクション分割と各セクションについて」

第4.14.19項「レポートの配布のトレース」

Oracle Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「拡張配布の作成」

2.8.3.1 DSTファイルについて

「配布」ダイアログ・ボックスでレポートまたはレポート・セクションの配布を定義するかわりに、DSTファイルを作成し、DESTINATIONキーワードを使用してその名前をコマンドラインで指定し、レポートを配布することもできます。


注意:

DSTファイルは、以前のリリースとの下位互換性を維持するためにサポートされているので、「配布」ダイアログ・ボックスまたはXMLを使用してレポートを配布する方法をお薦めします。

コマンドラインでDSTファイルを指定した場合、定義される配布は、「配布」ダイアログ・ボックスを使用して定義した配布を上書きします。


注意:

配布エラーを識別するためにレポートの配布をトレースする場合(第4.14.19項「レポートの配布のトレース」を参照)、トレース・ファイル形式はDSTファイルによく似ているため、トレース・ファイルから切取りと貼付けを行ってDSTファイルを作成できます。

DSTファイルの各行の形式は次のとおりです。

dist_ID: output_def

意味は次のとおりです。

dist_IDは、配布の宛先の識別子です。

output_defは、配布の定義を指定する一連のrwrunコマンドライン・キーワードまたはrwclientコマンドライン・キーワードです。また、次のパラメータが有効です。

LEVELは、配布の有効範囲を指定します。

LEVELの値

REPORTは、配布がレポート全体に適用されることを示します。

Header_Sectionは、配布がヘッダー・セクションにのみ適用されることを示します。

Main_Sectionは、配布がメイン(本体)セクションにのみ適用されることを示します。

Trailer_Sectionは、配布がトレーラ・セクションにのみ適用されることを示します。

デフォルト

REPORT

次の例は、レポート出力をHTMLファイルに、メイン・セクションのコピー3部をプリンタに、ヘッダー・セクションをPDFファイルに送信するよう定義しています。

;dst file (specified with the DESTINATION keyword on the command line)
DEST1: DESNAME=dst1.HTM DESTYPE=file DESFORMAT=HTML COPIES=1 LEVEL=Report
DEST2: DESNAME=prt1 DESTYPE=printer DESFORMAT=BITMAP COPIES=3 LEVEL=Main_Section
DEST3: DESNAME=SECT1.pdf DESTYPE=file DESFORMAT=pdf COPIES=1 LEVEL=Header_Section

注意:

DSTファイル内の各配布の宛先用のパラメータはすべて(前述の例におけるDEST1DEST2およびDEST3)、1行で指定する必要があります。パラメータを新しい行に指定すると、エラー・メッセージREP-34304またはREP-34305、あるいはその両方が出力され、配布が失敗します。

関連項目

第2.1.2項「レポートのセクション分割と各セクションについて」

2.8.4 Pluggable Destinationsについて

Pluggable dDestinationsは、エンジン(Oracle Reports以外のエンジンも含む)によりReports Serverのキャッシュで作成されたコンテンツの配布に使用できます。Oracle Reportsには、あらかじめ次の宛先が用意されています。

  • Web

  • プリンタ

  • 電子メール

  • ファイル

  • Oracle Portal

  • FTP

  • WebDAV

Oracle Reports Java APIを使用して、独自の宛先へのアクセスを定義し、Reports Serverに新しい宛先コンポーネントを実装することもできます。既定の宛先と独自にカスタマイズした宛先のどちらを使用するかを選択し、キャッシュ内の出力の宛先を決定してください。

宛先クラスの実装と登録方法、およびOracle Reportsでの宛先の使用方法は、『Oracle FTP Destination tutorial』を参照してください。このマニュアルは、Oracle Technology Network(OTN)のOracle Reportsのページ(http://www.oracle.com/technology/products/reports/index.html)で「Plugin Exchange」をクリックすると「Oracle Reports Plugin Exchange」から入手できます。


注意:

現在、Oracle Reports Builder環境からのFTPやWebDAVの宛先に対するサポートはありません。ただし、これらの宛先は、Reports RuntimeおよびReports Serverの環境からはサポートされています。

関連項目

Oracle Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「Oracle Reports Servicesの宛先の構成」

2.8.5 イベントドリブンの公開について

イベント・ドリブンの公開を使用すると、特定のアクションが実行されたときにレポートを実行するように設定できます。たとえば、従業員が経費レポートを送信すると、データベースに新しいデータが挿入されます。このような挿入イベント(たとえば、データベース・トリガーまたはアドバンスト・キューイング(AQ)メッセージなど)が発生すると、レポートはポータル・ページまたは電子メールによって従業員の管理者に送られ、この経費レポートを承認/拒否するように通知します。

イベントドリブンの公開機能により、レポート・オブジェクトをOracle Workflow内で使用可能にできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「イベントドリブンの公開の使用」を参照してください。

2.8.6 プリンタ・トレーの切替えについて

Before Reportトリガー、Between Pagesトリガーまたはフォーマット・トリガーを使用して、レポートのフォーマット時とは異なるプリンタ・トレーに切り替えることができます。これにより、同じレポートのページを簡単に別の用紙に印刷できます(レターヘッド、各種フォーム、カラー用紙など)。

プリンタに定義されたプリンタ・トレーの名前は、「ページ設定」ダイアログ・ボックスで判断できます。次に、SRW.SET_PRINTER_TRAYを使用して、必要なプリンタ・トレーを設定します。

関連項目

第4.7.17.5項「プリンタ・トレーの切替え」

2.8.7 レポートのXMLについて

Oracle Reportsでは、次のような方法でExtensible Markup Language(XML)を使用します。

  • XMLタグを使用して、Webベースのレポートを定義します(Oracle Reportsオンライン・ヘルプの「リファレンス」の項のトピック「Oracle Reports XMLタグ」を参照)。

  • XMLは、タグで区切られた構造化情報を定義するのに使用します。

  • XMLは、サポートされたPDS(プラッガブル・データ・ソース)です。詳細は、第45章「XMLプラッガブル・データ・ソースを使用したレポートの作成」を参照してください。

XMLは、多くの異なるアプリケーションで読み込むことができるエンコーディング・テキスト・フォーマットの形式です。XMLタグは、情報を出力するために使用するか、またはサードパーティ製アプリケーションと電子データを交換(EDI)するプラッガブル・データ・ソースを構築するベースとして使用します。

レポートのXML出力を制御するXMLプロパティは、レポート、グループおよび列という3つのレベルで変更できます。Oracle Reports Builderで生成されたXMLファイルでは、その出力は、グループと列で構造化されたデータ・モデルを擬似実行します。XML出力の変更を表示する方法は、第4.7.7項「XML出力の生成」を参照してください。

レポートの配布でのXMLの使用、およびXMLを使用したレポートのカスタマイズの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「拡張配布の作成」と「XMLによるレポートのカスタマイズ」を参照してください。

関連項目

第4.7.7項「XML出力の生成」

第4.7.1項「ユーザー・インタフェースからのレポートの実行と出力」

Oracle Reportsオンライン・ヘルプの「XML PDS」の項

2.8.8 HTMLおよびHTMLCSS出力について

Oracle Reports Builderでは、レポート出力を、フォーマットされたデータとすべてのオブジェクトを含むHypertext Markup Language(HTML)ファイルおよびカスケード・スタイル・シートのHypertext Markup Language(HTMLCSS)ファイルに生成できます。レポート出力をHTMLまたはHTMLCSSファイルに生成する場合、その出力を電子メール、プリンタ、Oracle PortalおよびWebブラウザなどの、任意のHTML宛先に配布できます。


注意:

このトピックでは、ペーパーベースのレポートをHTMLファイルまたはHTMLCSSファイルに実行したときに生成されるHTMLについて説明しています。これらは、JSPベースのWebレポートを実行(ツールバーの「Webレイアウトを実行」ボタンをクリックまたは「プログラム」→「Webレイアウトを実行」を選択)したときに生成されるHTMLとは関係ありません。

使用に関する注意

  • 次のプロパティを使用して、HTMLCSS出力用にスタイル・シートおよびユーザー定義のスタイルをレポートまたはレポート・オブジェクトに適用します。

    • 「スタイル・シート」プロパティ

    • 「CSSクラス名」プロパティ

    • 「CSS ID」プロパティ

  • Oracle Reportsでサポートされているすべてのビットマップ出力(PDF、RTF、HTML、HTMLCSSおよびPostScriptなど)にHTMLフォーマットを含めることができます。詳細は、第2.8.9項「HTMLフォーマットについて」を参照してください。

  • HTMLおよびHTMLCSS出力ではHTML 4.01構文チェッカが渡されます。


    注意:

    レポートの「レポート前値」プロパティまたは「レポート後値」プロパティを変更する場合は、有効なHTMLを指定する必要があります。HTMLが無効な場合、生成されたHTMLレポート出力でHTML 4.01構文チェッカが渡されないことがあります。

  • WebブラウザでHTMLまたはHTMLCSS形式のレポート出力をプレビューするには、「ファイル」→「プレビュー・フォーマット」を選択し、「ページ番号付きHTML」または「ページ番号付きHTMLCSS」を選択します。

  • ブックマークがある場合は、複数のHTMLファイルが作成されます。この場合、2つのフレームを持つマスター・ファイルが1つ作成されます。1つのフレームはブックマーク用で、もう1つはレポート出力用です。これらのフレームのそれぞれに、1つのHTMLファイルが作成されます。マスター・ドキュメントのファイル名は、DESNAMEパラメータで指定した名前になります。ブックマークのファイル名は、desnameb.htmです。レポート出力のファイル名は、desnamed.htmです。

  • レポート内にリンクされたイメージ、イメージ・フィールドおよびグラフがある場合は、GIFファイルが作成されHTMLドキュメントから参照されます。リンクされたボイラープレートまたはイメージ・フィールドが外部のGIFファイルを参照している場合でも、新しいGIFファイルが作成される点に注意してください。

  • イメージがデータベースに格納されている場合は、レポート内にイメージが出現するたびに、新しいGIFファイルが作成される場合があります。イメージがファイルに格納されている場合は(たとえば、インポートしたイメージ、リンクされたボイラープレートまたはファイルを参照するイメージ・フィールド)、レポート内でのイメージの出現回数に関係なく、1つのイメージに対して1つのGIFファイルが作成されます。

  • HTML出力用に生成されるすべてのGIFイメージ・ファイルには、一連の番号が付けられます(たとえば、desname0.gif... desname17.gif)。

  • マスター・ドキュメントのコメント・ブロックには、マスター・ドキュメントに関連付けられているすべてのファイル名が含まれます。

  • HTMLには、7種類のテキスト・サイズがあります。レポート内のフォント・サイズは次の表に従ってマッピングされます。ユーザーは、HTMLファイルで指定されているサイズをブラウザから変更できます。

表2-1 レポートとHTMLのフォント・サイズ

レポートのフォント・サイズ HTMLのフォント・サイズ

7以下

1

8〜9

2

10〜12

3

13〜15

4

16〜20

5

21〜30

6

31以上

7



注意:

レポートに使用されているフォントがプロポーショナル・フォントでない場合は、生成されたHTMLファイルでTeleTypeモードが有効になります。

  • HTMLにはページの概念がありません。レポートの各ページの区切りには、セパレータ線が挿入されます。ブラウザによっては、レポート・ページ全体を表示する際にスクロールが必要になることもあります。また、HTMLドキュメントをブラウザから印刷する場合、各ページの最下部にセパレータ線が印刷されないこともあります。セパレータ線が必要ない場合、または別のセパレータ線を使用する場合は、SRW.SET_AFTER_PAGE_HTMLを使用して変更できます。

  • HTMLCSSの場合、グラフィックとテキストがオーバーラップできます。

  • レポートをHTMLファイルまたはHTMLCSSファイルに出力すると、データ・モデルとループ・タグが削除され、データに置き換わります。Oracle Reorts BuilderでHTMLファイルまたはHTMLCSSファイルを開くことはできますが、レポートではなく、静的なテキスト・ファイルになります。

  • HTML出力およびHTMLCSS出力のページ番号付けの詳細は、第2.8.8.1項「HTMLページ・ストリーミングについて」を参照してください。

制限

  • オブジェクトは、相互にオーバーラップできません。たとえば、イメージの上にテキストを配置することはできません。

    • オブジェクトがわずか(2文字以下)でもオーバーラップする場合は、オーバーラップを回避するために下側のオブジェクトが切り捨てられます。

    • オブジェクトが大幅にオーバーラップする場合(またはオブジェクトが重なっている場合)は、下側のオブジェクトが完全に削除されます。この場合、削除されたオブジェクトにリンクされている情報は、枠と同じルールを使用して転送されます(次の枠に関するルールを参照)。

    • テキストは、水平線がその上にある場合でも常に線より優先されます。これにより、ラベル・テキストが列ラベルの下にある線で排除されなくなります。

  • 複数の出力ファイルが生成されるとき(ブックマークが使用されるときなど)は、マスター・ファイル以外のすべてのファイルが確認なしで上書きされます。たとえば、GIFファイルとブックマーク・ファイルは確認なしで上書きされます。

  • レポートの枠は、HTML出力では可視的に表示されません。枠の塗りつぶし属性または境界線属性は、HTML出力には表示されません。

  • レポート内の枠がリンクまたはブックマークの参照先の場合、HTML出力では、その属性が枠の左上隅に最も近い視覚的なオブジェクトに転送されます。枠オブジェクトがハイパーリンクの場合、その属性は、ハイパーリンクでないすべての子(内部)オブジェクトに転送されます。ハイパーリンク属性が子オブジェクトに転送できない場合、枠のハイパーリンクは失われます。

  • HTMLでサポートされている描画オブジェクトは黒の実線の水平線のみです。レポートで指定した線幅は、ブラウザに依存します。レポート・レイアウトの他のすべての描画オブジェクト(四角形や円など)は、HTML出力に表示されません。こうした描画オブジェクトの領域はそのまま残りますが、HTML出力には何も表示されません。HTMLCSS出力では、これ以外の描画オブジェクトがいくつかサポートされています(たとえば、四角形)。

  • テキストのバックグラウンド(塗りつぶし)と境界線(線)のカラーおよびパターンは、HTMLでは使用できません。太字、イタリック、下線およびフォアグラウンド(テキスト)カラーは、ブラウザがそれらをサポートしていればサポートされます。

  • PDFアクション属性は、HTML出力では無視されます。

  • ブラウザをカスタマイズすると、生成されるHTMLの表示に影響します。

関連項目

第1.2.2項「Webレポートについて」

第2.2.3項「HTML出力のWebリンクについて」

第4.7.5項「HTMLまたはHTMLCSS出力の生成」

第4.9.2.3項「HTMLタグのボイラープレート・テキスト・オブジェクトの作成」

第4.9.2.7項「HTMLテキスト・オブジェクトのファイルへのリンク」

第4.8.4項「データベースからのHTMLタグの選択」

2.8.8.1 HTMLページ・ストリーミングについて

HTMLページ・ストリーミングを使用すると、レポート全体をダウンロードしなくても、HTML/HTMLCSSレポート出力のページを個別にWebブラウザに表示できます。レポートの第1ページから、残りのレポートの任意のページにナビゲートできます。ブックマークまたはハイパーリンクで宛先をクリックした場合、次のように処理されます。

  • レポート内で、現在のページを含むフレームが、宛先ページで更新されます。

  • レポート外で、(ブックマーク・フレーム、ページおよびナビゲーション・フレームを含む)ベースになっているフレーム全体がリロードされます。

ナビゲーション・コントロール

次のいずれかの方法で、レポートのナビゲーション・コントロール・スクリプトを指定できます。

  • PL/SQLを使用します(Before ReportトリガーのSRW.SET_PAGE_NAVIGATION_HTML)。

  • レポート・プロパティ・インスペクタで、「ページ・ナビゲーション・コントロール・タイプ」プロパティおよび「ページ・ナビゲーション・コントロール値」プロパティを使用して指定します。

出力ファイル名

HTMLページ・ストリーミングでは、各ページが個別のHTMLドキュメントとして書式設定されます。HTMLファイルの名前がmyreport.htmで、ブックマークがない場合、新しいファイルには次のような名前が付けられます。

  • myreport.htm(ベースになるフレーム)

  • myreportnumber.htm(ブックマーク・ファイル。ブックマークをHTMLファイルで使用している場合のみ)

  • myreportnumber_1.htmmyreportnumber_n.htm(ページ)

  • myreportnumberj.htm(ナビゲーションJavaScript)

HTML出力の有効範囲

レポートの最初(ヘッダー)または最後(フッター)のページにのみ表示されるHTMLを指定するには、「Before Report」プロパティまたは「After Report」プロパティを設定するか、SRW.SET_BEFORE_REPORT_HTMLまたはSRW.SET_AFTER_REPORT_HTML PL/SQLプロシージャを使用します。バックグラウンド・カラーやイメージなど、グローバルHTMLをレポート全体に適用するように指定するには、「ページ前」プロパティまたはSRW.SET_BEFORE_PAGE_HTML PL/SQLプロシージャを設定します。Oracle Reports Builderで生成されたHTMLロゴは、レポートの最後のページにのみ表示されます。

ページ・ストリーミングされた出力の有効化

レポートをHTML出力またはHTMLCSS出力としてフォーマットするときにページ・ストリーミングを有効にするには、コマンドラインでPAGESTREAM=YESを指定する必要があります。このオプションは、Oracle Reports Builderユーザー・インタフェースでは設定できません。

関連項目

第4.7.16.5項「HTMLレポート出力の各ページの表示」

第4.6.10.1.12項「プロパティ・インスペクタを使用した、ページがストリーミングされたHTML出力へのナビゲーション・コントロールの追加」

第4.6.10.2.11項「PL/SQLを使用した、ページがストリーミングされたHTML出力へのナビゲーション・コントロールの追加」

2.8.9 HTMLフォーマットについて

Oracle Reportsでは、レポート内のテキスト・オブジェクトに様々なフォント、スタイルおよびカラーを指定できます。SRWビルトイン・プロシージャ(Oracle Reportsオンライン・ヘルプの「リファレンス」の項を参照)を使用すると、エンド・ユーザーが実行時にオブジェクト全体に対してテキスト属性を変更することはできますが、テキストのセクションごとに変更することはできません(テキスト・オブジェクトの部分ごとに別々のフォーマットを指定するなど)。

または、HTMLフォーマット・タグの定義済のセットを使用してテキスト・スタイル(太字、イタリック、下線および取消し線)およびテキスト属性(フォント名、フォント・カラーおよびフォント・サイズ)をフォーマットし、オブジェクトの「HTMLタグを含む」プロパティを「はい」に設定すれば、Oracle Reportsでサポートされているすべてのビットマップ出力形式でフォーマット済のテキスト・オブジェクトを生成できます。

ボイラープレート・テキスト・オブジェクトにはスタティック値を指定し、フィールド・オブジェクトやテキスト・ファイル・リンク・オブジェクトには動的な値を指定できます。ボイラープレート・テキスト・オブジェクトでも、フィールド・オブジェクトやレポートレベルの列が参照先になっている場合は、動的な値を指定できます。ボイラープレート・テキストに関しては、設計時に指定された形式は、実行時に取得されるリッチ・テキスト形式とマージされます。この機能では、HTMLタグを含むマルチバイト・テキストもサポートされています。

ペーパー・デザイン・ビューまたはペーパー・レイアウト・ビューでは、「HTMLタグを含む」プロパティを「はい」に設定することにより、HTMLフォーマットを適用するオブジェクトを選択できます。CONTAINSHTMLTAGS=NOを使用して、コマンドラインからレポートを実行した場合、Oracle Reportsでは、オブジェクトの「HTMLタグを含む」プロパティの設定にかかわらず、レポートのHTMLタグが解析されません。HTML出力およびHTMLCSS出力では、ブラウザによってHTMLフォーマット・タグが解析されますが、その他の出力形式では、HTMLタグ自体がレポート出力にそのまま表示されます。

次のHTMLタグは、ボイラープレート・テキスト、テキスト・ファイル・リンクまたはフィールド・オブジェクトに表示されている場合にOracle Reportsで解析されます。記載されていないHTMLタグまたは属性は、HTML/HTMLCSS以外のレポート出力では、そのまま表示されます。

表2-2 サポートされているHTMLタグ

タグ 結果

<b>

<strong>

このいずれかのタグで囲まれているテキストは太字になります。

: テキストが<b>my format</b>のようにフォーマットされている場合、出力は、my formatのようになります。

<i>

<em>

このいずれかのタグで囲まれているテキストはイタリックになります。

: テキストが<i>my format</i>のようにフォーマットされている場合

出力は、my formatのようになります。

<u>

このタグで囲まれているテキストは下線付きになります。

:

テキストが<u>my format</u>のようにフォーマットされている場合

出力は、my formatのようになります。

<s>

<strike>

このいずれかのタグで囲まれているテキストは取消し線で消されます。

:

テキストが<s>my format</s>のようにフォーマットされている場合

出力は、取消し線付きで表示されます。

<span>

フォント・ファミリ、サイズおよびカラーの属性を指定する汎用スタイル・コンテナ。詳細は表2-3を参照してください。

:

<span style="font-family:Times New Roman; font-size:10pt; color:rgb (255,0,0);">my format</span>

出力は、Times New Romanフォントの10ポイント・サイズで赤色で表示されます。


spanタグのstyle属性でサポートされているプロパティは次のとおりです。

表2-3 spanタグのstyle属性でサポートされているプロパティ

プロパティ 結果

font-family

このプロパティではフォント名を指定します。Oracle Reportsで指定できるフォント名は1つだけです。カンマ区切りのリストで複数のフォント名を指定した場合、Oracle Reportsではシステムのデフォルト・フォント(通常はCourierかそれと同等のフォント)が使用され、警告が生成されることなくこのタグがレンダリングされます。

:

font-family: Arial

font-size

このプロパティではフォントのサイズを指定します。CSSレベル2では、このプロパティの次のオプションを指定します。

absolute_size|relative_size|length|percentage

Oracle Reportsでは、absolute_sizeおよびlengthのみを指定できます。

前述のオプションの意味は次のとおりです。

absolute-sizeは、xx-small | x-small | small | medium | large | x-large | xx-large

xx-smallは7ポイント、x-smallは8ポイント、smallは10ポイント、mediumは12ポイント、largeは14ポイント、x-largeは17ポイント、xx-largeは20ポイント

lengthは、font_sizepx | font_sizept

:

font-size:xx-large font-size:12pt

カラー

このプロパティでは、タグ内の要素のテキスト・コンテンツのカラーを指定します。

Oracle Reportsでは、このプロパティの次のオプションがサポートされています。

color_name|#rgb|#rrggbb|rgb(r_integer, g_integer, b_integer)|rgb(r_value%, g_value%, b_value%)

カラー名とrgbは次のように対応しています。

aqua(淡緑青): #0FF、black(黒): #000、blue(青): #00F、fuchsia(紫紅): #F0F、gray(グレー): #7F7F7F、green(緑): #007F00、lime(黄緑): #0F0、maroon(葡萄茶): #7F0000、navy(紺): #00007F、olive(濃黄緑): #7F7F00、purple(紫): #7F007F、red(赤): #F00、silver(銀): #C0C0C0、teal(暗緑青): #007F7F、white(白): #FFF、yellow(黄): #FF0

:

color:aqua color:#FB0 color:#0FACED color:rgb(100, 245, 33) color:rgb(23%, 45%, 87%)

注意: rgb(x, x, x)の指定では、カラー濃度をパーセンテージ(0-100)またはrgb整数(0-255)で指定する必要があります。指定可能な範囲を超える値を指定した場合は、最大値に設定されます。カラー濃度に負の値を指定すると無効になります。次のように、カラーのパーセント値とrgb整数値を混在させることができます。

<span style="color:rgb(100%, 125, 3%)">

前述の例は、次と同じです。

<span style="color:rgb(255, 125, 8)">または<span style="color:rgb(100%, 49%, 3%)">


使用に関する注意

  • サポートされている出力形式は、PDF、RTF、HTML、HTMLCSSおよびPostScriptです。

  • HTMLフォーマットでは、タグのインタリーブおよびネストがサポートされています。たとえば、イタリックの開始タグを指定した場合、このフォーマットは対応する終了タグの位置まで適用されます。開始タグを複数指定した場合、適用範囲を終了するには、同じ数の終了タグを指定する必要があります。

  • フォーマット属性は、同じ名前またはタイプのテキスト・オブジェクトでも、インスタンス間で継承はされません(繰返し枠で囲まれている場合など)。ただし、複数行を含むテキスト・オブジェクトでは、このオブジェクト内でのみ、フォーマット命令が複数行で継承されます。

  • この機能では、ボイラープレート・テキスト・オブジェクトでハードコードまたは参照されているHTMLタグがサポートされています。タグは、フィールド・オブジェクトを含む表列からも取得できます。ファイル・リンク・オブジェクトも、ポイント先のテキスト・ファイルにHTMLタグが含まれている場合は、サポートされます。

  • Oracle Reportsでは、同じキャラクタ・セットのフォントに関して、次の条件に従って最も近い一致が検索されます。

    フォント > フォント・サイズ > フォント・スタイル > フォントの太さ > フォントの幅

    フォントが一致しない場合はフォント・サイズの一致を検索し、フォント・サイズが一致しない場合はフォント・スタイルの一致を検索し、以下同様に検索が行われます。フォント検索アルゴリズムの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「Oracle Reportsにおけるフォントの管理」を参照してください。フォント検索では、使用しているフォントに必要な属性(スタイル、サイズなど)の一部がデータに埋め込まれていない場合があります。その場合、使用できないフォント属性はレポート出力に表示されません。

制限

  • 1つのタグは、全体を1行で指定する必要があります。次の行に続くタグはサポートされません。

    :

    My<b >format</b>

  • spanタグのstyle属性font-familyプロパティで指定できるフォント名は1つだけです。

    :

    font-family: Arial

    カンマ区切りのリストで複数のフォント名を指定した場合、Oracle Reportsではシステムのデフォルト・フォント(通常はCourierかそれと同等のフォント)が使用され、警告が生成されることなくこのタグがレンダリングされます。

  • &quot;などの要素はサポートされません。

    :

    <span style="font-family: &quot;Courier New&quot;;">my format!</span>

    かわりに二重引用符(")をそのまま使用する必要があります。

例1: インライン・フォント変更

ボイラープレート・テキスト・オブジェクトでは、テキスト・ボイラープレートを次のように指定できます。

<b>My</b>text

「HTMLタグを含む」プロパティを「はい」に設定すると、これは次のようなフォーマット出力になります。

My text

例2: 1行のテキストに複数のフォーマットの指定

次のような、1行でフォーマットされるテキストの範囲(ボイラープレート・オブジェクト内またはデータベース列内)があるとします。

<b>My <span style="font-family:Courier">HTML</span></b><u><span style="font-family:Times New Roman">Formats</span></u>

「HTMLタグを含む」プロパティを「はい」に設定すると、これは次のようなフォーマット出力になります。

My HTML Formats

例3: 複数行のテキストに複数のフォーマットの指定

次のような、複数行でフォーマットされるテキストの範囲があるとします。

Line 1: <i>My<span style="font-family:Courier">Line 2: HTML</span></i><span style="font-family:Times New Roman><u>Line 3: Formatting</u></span>.

「HTMLタグを含む」プロパティを「はい」に設定すると、これは次のようなフォーマット出力になります。

Line 1: MyLine 2: HTMLLine 3: Formatting.

前述の例で、複数の連続する行でフォーマットが維持されていることを確認してください。

関連項目

第4.7.5項「HTMLまたはHTMLCSS出力の生成」

第4.9.2.3項「HTMLタグのボイラープレート・テキスト・オブジェクトの作成」

第4.9.2.7項「HTMLテキスト・オブジェクトのファイルへのリンク」

第4.8.4項「データベースからのHTMLタグの選択」

2.8.10 PDF出力について

Oracle Reports Builderでは、レポート出力を、フォーマットされたデータとすべてのオブジェクトを含むPDFファイルに生成できます。レポート出力をPDFファイルに生成する場合、その出力を電子メール、プリンタ、Oracle PortalおよびWebブラウザなどの、任意のPDFの宛先に配布できます。

PDF出力のドキュメントの分類(種別)は、「タイトル」、「作成者」、「件名」および「キーワード」のレポート・プロパティにより行われ、レポート・ドキュメントのカタログ化と検索に役立ちます。

フォントのサブ設定を使用すると、レポートを表示するマシンで該当するフォントが使用できるかどうかにかかわらず、PDFファイルのレンダリングに必要なフォント情報がPDFファイルに含まれます。PDFのフォントのサブ設定は、シングルバイト、マルチバイトおよびUnicodeのフォントでも機能するため、マルチバイト・レポートの作成に適しています。

Oracle Reports 10gリリース2(10.1.2)には、次のようなPDF出力の拡張機能が含まれていました。

  • True Typeフォント(Type0フォントなど)を直接サブ設定可能で、Type3フォントへの変換は行われません。その結果、PDF出力がより明瞭で滑らかに表示され、検索やアクセスもしやすくなります。

  • True Type Collection(TTC)のサポートが改善され、ゼロベースの索引を使用して、特定のTTCフォント・ファイルを指定して選択できます。Oracle Reportsの以前のリリースでは、True Type Collection(TTC)内の最初のフォント・ファイルが選択されていました。

Oracle Reports 11gリリース1(11.1.1)では、PDF出力の拡張機能がさらに追加されています。

  • フォント・ファイルをfontsフォルダにコピーするだけで、Unixプラットフォーム上のWindowsで設計されたレポートを実行できます。

  • 新しいフォント・モデルでは、PDFサブ設定レポート出力で文字の位置ずれが見られません。

Oracle ReportsにおけるPDFの拡張および各種機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「Oracle ReportsにおけるPDFの使用」を参照してください。

使用に関する注意

  • WebブラウザでPDFのレポート出力をプレビューするには、「ファイル」→「プレビュー・フォーマット」→「PDF」を選択します。

  • 中国語や日本語などのマルチバイト言語でマルチバイト・レポートを作成していて、PDF出力のフォントに別名を付ける必要がある場合、Acrobat 4.0パック内で名前が付いたCIDフォントが必要になります。これ以外の場合は、Acrobat 4.0パックのCIDフォントは必要ありません。

  • Oracle Reportsでは、PDF出力用のWindows UDCはサポートされていません。印刷またはレンダリングするユーザー定義の文字では、絵文字はすべて1つのTTFまたはTTCファイルに含める必要があります。

  • グラフィックとテキストはオーバーラップできます。

  • オブジェクトのフォアグラウンド・カラーは、(指定したパターンには関係なく)塗りつぶしカラーとして使用されます。

  • 次の条件を満たしている場合、PDFファイルを変更できます。

    • レポートで使用しているフォントがマシンにインストールされている場合。

    • PDFライターがある場合。

制限

  • PDF出力には、現在選択しているプリンタのビットマップ・ドライバ(PostScriptなど)が使用されます。

関連項目

第1.2.2項「Webレポートについて」

第2.2.4項「PDF出力のWebリンクについて」

第4.7.6項「PDF出力の生成」

2.8.11 RTF出力について

Oracle Reports Builderでは、レポート出力を、フォーマットされたデータとすべてのオブジェクトを含むRich Text Format(RTF)ファイルに生成できます。RTFは、Microsoft Wordなどの多くの異なるワード・プロセッシング・ソフトウェア・パッケージで読み込むことができます。ソフトウェアの編集およびグラフィック機能を使用して、レポート出力を変更および拡張できます。レポート出力をRTFファイルに生成する場合、その出力を電子メール、プリンタ、Oracle PortalおよびWebブラウザなどの、任意のRTFの宛先に配布できます。

使用に関する注意

  • グラフィックとテキストはオーバーラップできます。

  • テキストは、90度ずつ回転できます。

  • PDF出力の場合と同様に、オブジェクトのフォアグラウンド・カラーは、(指定したパターンには関係なく)塗りつぶしカラーとして使用されます。


    注意:

    Office 95のMicrosoft Wordでレポートを表示する場合、レポート内のすべてのグラフィックとオブジェクトを表示するには、「表示」→「ページ レイアウト」を選択する必要があります。

関連項目

第4.7.8項「RTF出力の生成」

第4.7.1項「ユーザー・インタフェースからのレポートの実行と出力」

2.8.12 デリミタ付き出力について

Oracle Reportsでは、デリミタを含むレポート出力を、デリミタ付きファイル(カンマやタブで区切られたデータを含むファイルなど)に生成できます。これらのファイルは、簡単にスプレッドシートにインポートしたり、ワード・プロセッサで使用できます。

Oracle Reportsにおけるデリミタ付き出力の生成には、次の2つのオプションがあります。

  • デリミタ付き: ペーパー・レイアウトを使用して出力を生成します。

  • DelimitedData(「デリミタ付き」を使用して大量のレポートを実行することに問題がある場合に使用): ペーパー・レイアウトを考慮せず、データ・モデルから直接実行します(つまり、ペーパー・レイアウトに表示されるフィールドだけでなく、データ・モデルで使用可能なすべてのフィールドが出力に表示されます)。

次のいずれかの方法を使用して、レポート出力内のデータ(ボイラープレートまたはフィールド・オブジェクト)を区切るデリミタ(文字または文字列)を指定できます。

  • コマンドラインでDELIMITERキーワードを使用して指定します。

  • Oracle Reports Builderの「デリミタ付き出力」ダイアログ・ボックスまたは「DelimitedData出力」ダイアログ・ボックスで指定します(「ファイル」→「ファイルへ出力」を選択し、「デリミタ付き」または「DelimitedData」を選択)。


注意:

デリミタを指定しない場合のデフォルトのデリミタはタブです。

セルの囲みを使用してさらにセルを区別できます。セルの囲みは、カンマやカッコなどの一連の文字で構成されます。

たとえば、レポート出力のデータにデリミタと同じ文字(たとえば、カンマ)が含まれる場合、カッコをセルの囲みに使用して、それぞれのセルを区別できます。

(1,000,000),(3,6000),(543),(2,003,500)…

使用に関する注意

DelimitedData出力:

  • DelimitedData出力にレポートを生成すると、データのみ(レポート・データ・モデルで定義されているもの)が出力に表示されます。レイアウトで定義されているフォーマット変更は、DelimitedData出力では反映されません。

  • 次の列プロパティを設定すると、DelimitedData出力ファイルで列名の変更や列の除外が可能です。

    • 「XMLタグ」プロパティを使用すると列の別名を入力できます。

    • 「XML出力から除外」プロパティを使用すると、DelimitedData出力から列を除外できます。

  • レポートのレイアウト情報を保持するレポート出力を生成するには、第2.8.13項「拡張スプレッドシート出力について」を参照してください。

  • DelimitedData出力フォーマットのレポートは、配布XMLファイルまたは「配布」ダイアログ・ボックスで指定して、配布および一括処理できます。

デリミタ付き出力:

デリミタ付き出力にレポートを生成した場合、データは、ペーパー・レイアウト・ビューのオブジェクトの位置に従って表示されます。

  • AをBの上または左に配置すると(AおよびBはボイラープレートまたはフィールド・オブジェクト)、Oracle Reports Builderでは、どの出力行でも、Aの各インスタンスがBの各インスタンスの前に表示されます。

図2-8 Bの上にAがある場合のデリミタ付き出力

前述のデリミタ付き出力を示す図
「図2-8 Bの上にAがある場合のデリミタ付き出力」の説明

  • ボイラープレート・オブジェクト(A)を含む枠を作成し、フィールド・オブジェクト(B)を含む繰返し枠を囲んだ場合、Aの各インスタンスは、Bの各インスタンスとともに表示されます。

図2-9 繰返し枠を枠で囲んだ場合のデリミタ付き出力

前述のデリミタ付き出力を示す図
「図2-9 繰返し枠を枠で囲んだ場合のデリミタ付き出力」の説明

  • 前述のレイアウトに、ボイラープレート・オブジェクト(C)を含む別の枠を追加し、フィールド・オブジェクト(D)を含む別の繰返し枠を囲んだ場合、BのすべてのインスタンスにAが表示され、DのすべてのインスタンスにCが表示されます。

図2-10 繰返し枠を2つの枠で囲んだ場合のデリミタ付き出力

前述のデリミタ付き出力を示す図
「図2-10 繰返し枠を2つの枠で囲んだ場合のデリミタ付き出力」の説明

  • レポートでマトリックスを作成する場合、レイアウト・モデル・ビューの格子に基づいて正確にオブジェクトの位置を整列させます。オブジェクトの位置が整列していないと、Oracle Reports Builderでは、余分なスペースを別の行や列と解釈して、レポート出力に支障をきたす場合があります。

  • マトリックスの外にボイラープレート・オブジェクトを作成する場合、ボイラープレートの各インスタンスがマトリックスのすべての行(列ではない)に繰り返されます。マトリックスに含まれるボイラープレートは、マトリックスの外のフィールド・オブジェクトには繰り返されません。

図2-11 マトリックスの外にボイラープレートがある場合のデリミタ付き出力

前述のデリミタ付き出力を示す図
「図2-11 マトリックスの外にボイラープレートがある場合のデリミタ付き出力」の説明

制限

  • テキスト・ファイルの最初のフィールドがID(大文字)というラベルのフィールドである場合、Microsoft Excelでそのファイルを開くことができません。次のようなデリミタ付き出力は、Excelでのエラーの原因になります。

    ID, name, title, dept

    IDフィールドが含まれるデリミタ付き出力を生成する場合は、データベース列名を小文字に変更するか(つまり、id)、フィールドの順序を並べ替えてください。

  • レポート配布および一括処理では、デリミタ付き出力フォーマットはサポートされません。DELIMITEDは、配布XMLファイルや「配布」ダイアログ・ボックスで出力ファイルとしては指定できません。

    注意: DelimitedData出力フォーマットのレポートは、配布XMLファイルまたは「配布」ダイアログ・ボックスで指定して、配布および一括処理できます。

関連項目

第4.7.10項「デリミタ付きF出力の生成」

第4.7.1項「ユーザー・インタフェースからのレポートの実行と出力」

第1.2.2項「Webレポートについて」

2.8.13 拡張スプレッドシート出力について

Oracle Reports 11gリリース1(11.1.1)では、新たなスプレッドシートの出力フォーマットであるENHANCEDSPREADSHEETが導入されています。このフォーマットでは、スプレッドシート形式でレポートを一括処理および配布できるほか、大規模なデータ・セット(75,000行まで)をスプレッドシートに生成できます。

ENHANCEDSPREADSHEET出力フォーマットを使用すると、ペーパー・レイアウト・レポートからHTMLファイルへ出力を生成し、Microsoft Excel 2000で直接開くことができます。次の操作を実行できます。

  • どのような形式(.rdf.xml.jsp)で保存されている既存のペーパー・レイアウト・レポートからでも、rwrunまたはReports Serverクライアント(rwclientrwservlet)を使用して、レポート出力をスプレッドシート形式に生成できます。次の例を参照してください。

  • カラー、フォント、条件付き書式、グラフ、イメージなどのリッチ・レイアウト・フォーマットが保持されます。


注意:

DESFORMAT=ENHANCEDSPREADSHEETの動作は、rw:include JSPタグの機能と同じです。拡張スプレッドシート出力にはページ番号が付けられません。ページ設定情報が出力に書き込まれないため、単一のワークシートとしてフォーマットされます。拡張スプレッドシート出力はレイアウトによって決まります。レポート出力には、ペーパー・レイアウトの各セクション(ヘッダー、メイン、トレーラ)の本体領域にあるオブジェクトが表示され、マージン、ヘッダーまたはフッターの領域にあるコンテンツはフォーマットされません。

前提条件

  • Microsoft Excel 2000以上(出力を表示するクライアント・マシン上)。このソフトウェアは、Oracle Reports Servicesを実行しているマシン上には必要ありません。

使用に関する注意

  • 拡張スプレッドシート出力には、DelimitedData出力より多くのメモリーが必要です。長時間にわたって実行される大規模なレポートの場合、この点に十分に注意してください。出力ワークシートの名前を変更するには、レポートの「タイトル」プロパティを設定します。

  • スプレッドシート出力に生成できるのはビットマップ・レポートのみです。キャラクタ・モードのレポートを拡張スプレッドシート出力に生成することはできません。

  • 拡張スプレッドシート出力では、次のペーパー・レイアウト・オブジェクトがサポートされています。

    • テキスト(ボイラープレートおよびフィールド)

    • 任意の形式のイメージ(インポートまたはリンクされているイメージ、データベースに格納されているイメージを含む)

    • インポートした描画、およびCGMとOWFの描画

    • グラフィック線

  • グラフィック円弧、多角形、四角形、丸い四角形、延長可能な線およびOLE外部オブジェクト(Oracle9i Reports(9.0.2)より前のリリースで開発されたレポートの場合)のペーパー・レイアウト・オブジェクトは、スプレッドシート出力ではサポートされていません。こうした描画オブジェクトの領域はそのまま残りますが、出力には何も表示されません。この制限は水平線には適用されません。

  • スプレッドシート出力では、サイズ、フォント、カラー、スタイル(イタリック、斜線、下線、打消し線、アウトライン、影)、太さ(太、標準、極太、超極太)のフォント属性がサポートされています。

  • スプレッドシート出力では、次のWebレポート・プロパティがサポートされています。

    • 「ハイパーリンク」プロパティ

    • 「ハイパーリンクの宛先」プロパティ

    • 「追加属性(HTML)」プロパティ(「パラメータ・フォーム・フィールド)

    • 「表属性(HTML)」プロパティ(枠および繰返し枠)

    • 「代替テキスト」プロパティ(イメージ)

    • 「HTMLタグを含む」プロパティ(HTMLタグを含むボイラープレート・テキスト・オブジェクトまたはフィールド・オブジェクト)

  • スプレッドシート出力では、次のレポート分類プロパティがサポートされています。

    • 「タイトル」プロパティ

    • 「作成者」プロパティ

    • 「件名」プロパティ

    • 「キーワード」プロパティ

  • スプレッドシート出力に埋め込まれるグラフは静的イメージ・ファイルであり、対話型ではありません。したがって、「グラフ・ハイパーリンク」プロパティは、スプレッドシート出力ではサポートされていません。

  • グローバリゼーションがサポートされるレポートでは、directionおよびcharsetのメタデータをレポート前値で指定する必要があります。これは、この情報が生成後の出力にデフォルトでは書き込まれないためです。たとえば、レポート前値は次のように定義できます。

    <html>
    <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html; charset=&encoding">
    <body dir=&Direction bgcolor="#ffffff">
    
  • ペーパー・レイアウトで定義されている枠および繰返し枠は、出力では表に変換されます。cellspacingcellpaddingおよびwidthなどの表属性は、枠および繰返し枠の「表属性(HTML)」プロパティを使用して指定できます。

  • スプレッドシート出力のフォーマットを確実にするために、レイアウト領域全体を枠で囲んでください。これによって、複数のオブジェクトで、あるオブジェクトが別のオブジェクトの下にあるように平行して異なる垂直位置に表示されることがなくなります。

  • レポート・セクション(ヘッダー、メイン、トレーラ)の順序は、スプレッドシート出力で保持されます。つまり、ヘッダー・セクション出力が最初に表示され、続いてメイン・セクション、トレーラ・セクションの順に表示されます。

  • ボイラープレート・オブジェクトまたはフィールドが互いに連続していない場合、つまり、境界の間にギャップがある場合は、スプレッドシート出力に空のセルが存在することがあります。

  • レポートのフォーマット時にセル位置を変更する可能性がある条件をレポートで定義しても、これらの変更はスプレッドシート出力フォーマットには反映されません。たとえば、列1が空の場合には列1の位置に列2を表示するという条件をレポートで定義した場合、条件が満たされても、スプレッドシート出力には常に両方の列が表示されます。スプレッドシートを形成するHTMLテーブルは、フォーマット時ではなく、レポートがコンパイルされた直後に生成されます。スプレッドシート出力のフォーマット時には、テーブル・セルに値が入力されます。

  • レポート設計時には、Oracle Reportsカラー・パレットが使用されます。レポート出力をスプレッドシート出力に生成すると、Microsoft Excelのカラー・パレットにある、最も近いカラーが表示されます。

  • ペーパー・レイアウトでボイラープレート・オブジェクトを回転させても、スプレッドシート出力では水平に表示されます。

  • 背景パターン、線カラーおよび線パターンのセル・プロパティは、スプレッドシート出力ではサポートされていません。

  • レポートのペーパー・レイアウトに含まれるイメージは、Reports Serverが非セキュア・モードで実行されている場合にのみ、スプレッドシート出力に表示されます。セキュアなReports Serverの場合、イメージはスプレッドシート出力に表示されません。これは、出力でイメージを生成する際に、Reports Serverに対して複数回コールを行う必要があるためです(イメージ1つにつき1コール)。ユーザーが認証されると、Oracle Reportsでは、ブラウザとセキュアなReports Serverとの間で、Cookieを使用してユーザーのIDが渡されます。ただし、ExcelではCookieがサポートされていません。その結果、セキュアなReports Serverに対するコールは、認証されていないユーザーからのコールのように見えます。したがって、Reports Serverでイメージを渡す処理が拒否されます。回避策として、WebDAVを使用すると、セキュアなReports ServerからURLにスプレッドシート出力を生成できます。

  • サマリー列および式列は、動的なExcel式としてではなく、値として表示されます。また、Excelにはページの概念がないため、ページレベルのサマリー列はレポートレベルのサマリー列になります。

  • 枠の「垂直拡張度」プロパティを「固定」に設定すると、Excelの出力には、ペーパー出力の最初のページに表示可能な数のレコードのみが表示されます。Excelにはページの概念がないため、残りの行を次のページにオーバーフローさせることはできません。

  • スプレッドシート出力にはページ番号が付けられないため、レポート前値とレポート後値のみがサポートされています(第2.2.10項「前および後のエスケープについて」を参照)。

  • レポート後値では、本体の外にHTMLコマンドを追加しても、レポートをスプレッドシート出力に生成したときに反映されません。これは、出力でHTMLコマンドが適切に指定されている場合でも同様です。次に例を示します。</body><table><tr><td><B> the text to be bolded </B></td><tr></table> </html>本文終了タグの前にHTMLコマンドを追加すると、レポートをスプレッドシート出力に生成したときに正常に反映されます。次に例を示します。<table><tr><td><B> the text to be bolded </B></td><tr></table></body></html>

  • スプレッドシート・フォーマットは、SHOWJOBSなどのrwservletコマンドでサポートされています。また、Enterprise Managerのジョブ・キューおよびOracle Portalのアクセス・オブジェクト定義でもサポートされています。

  • 拡張スプレッドシート出力フォーマットのレポートは、配布XMLファイルで指定して配布できます。

制限

  • XMLベースの一括処理は、ENHANCEDSPREADSHEET出力フォーマットでのみサポートされています。

URLを使用してレポートのペーパー・レイアウトをMicrosoft Excel出力に生成するには(rwservletを使用)、次の内容を含むURLをブラウザに入力します。

http://hostname:port/reports/rwservlet?report=report_name
  +server=server_name+userid=db_connect_string+destype=file
  +desformat=Enhancedspreadsheet+desname=C:\temp\myexcel_output.htm

注意:

Microsoft Office 2000/2002/2003では、Hypertext Markup Language(HTML)はネイティブのファイル形式としてサポートされています。拡張スプレッドシート出力はHTML出力の生成に依存しているため、有効なExcelフォーマットとしてMicrosoft Excelで認識できます。

スプレッドシート出力生成のその他の機能

Oracle Reports 11gリリース1(11.1.1)より前のリリースで実装される次の方法でも、スプレッドシート出力を生成できます。

  • レポートをデリミタ付き出力に生成: 第4.7.10項「デリミタ付き出力の生成」を参照してください。

    長所: デリミタ付き出力は、どのような形式(.rdf.xml.jsp)で保存されている既存のペーパー・レイアウト・レポートからでも、Oracle Reports Builderから直接、またはコマンドラインからレポートを実行して生成できます。

    短所: データのみ(レポート・データ・モデルで定義されているもの)が出力に表示され、レイアウト情報は表示されません。

  • Oracle WebLogic ServerでReports Serverを使用してレポートを配布し、Webブラウザ内でMicrosoft Excelに表示: 次のいずれかの方法を使用します。

    • 既存のペーパー・レイアウトがない場合: Oracle Reports BuilderでExcel HTMLテンプレート・ファイルを開き、データを追加し、レポートをJSPファイルとして保存して、レポートを配布します。この方法では、JSPコーディングを使用して、動的なExcel式(レポートのサマリー列および式列のスタティック値だけでなく)、動的なグラフ(静的なレポート・グラフ・イメージだけでなく)を含めることができます。

    • 既存のペーパー・レイアウトがある場合: ペーパー・レイアウト・レポートから、Webソース・ビューを編集し、rw:includeタグを追加してペーパー・レイアウトのグループ枠をJSPコードとしてWebソース・ビューに含め、レポートをJSPファイルとして保存して、レポートを配布します。この方法を実装する手順の詳細は、第29章「拡張スプレッドシート出力のレポートの作成」を参照してください。

    長所: カラーやフォントなどのフォーマットを使用して、データだけでなくレポート・レイアウトを、Webブラウザ内にMicrosoft Excel出力で生成できます。

    短所: Excelで出力するには、カスタムJSPコーディングを追加する必要があります。レポートはJSPエンジンでのみ実行でき、rwservletでは実行できません。したがって、この方法では、Microsoft Excel出力はWebブラウザ内のみで表示できます。

関連項目

第4.7.11項「拡張スプレッドシート出力の生成」

与えられた要件に適したデリミタ付き出力ソリューションの選択の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』のOracle Reports Servicesのトラブルシューティングに関する付録にあるMicrosoft Excelでのレポート出力の表示に関する項を参照してください。

2.8.14 テキスト出力について

Oracle Reports Builderでは、レポート出力を、フォーマットされたデータとすべてのオブジェクトを含むテキスト・ファイルに生成できます。レポート出力をテキストに生成し、その実行モードがキャラクタである場合(MODE=CHARACTER、またはMODEシステム・パラメータの「初期値」プロパティが「キャラクタ」に設定されている場合)、その結果は純粋なテキスト出力となり、様々なアプリケーションで読み取ることができます。実行モードがビットマップの場合(MODE=BITMAP、またはMODEシステム・パラメータの「初期値」プロパティが「ビットマップ」に設定されている場合)、その結果はPostScript出力となり、PostScript対応のアプリケーション(PostScriptプリンタなど)でのみ、読み取ったり、レンダリングしたりできます。

関連項目

第4.7.9項「テキスト出力の生成」

2.8.15 ASCII(キャラクタ・モード)レポートの作成について

キャラクタ・モードのレポートを作成するには、まずビットマップ・レポートを作成してから、そのレポートをASCII(キャラクタ・モード)レポートに変換します。この処理では、キャラクタ・モード・バージョンのビットマップ・レポートが新たに作成され、元のビットマップ・レポートはそのまま変更されません。

変換後、フィールドおよびテキスト・オブジェクトの多くをサイズ変更する必要があります。また、イメージや描画などのグラフィック・オブジェクトは、キャラクタ・モードのレポートには含まれません。次に、各出力フォーマットでサポートされているアイテムをまとめます。

表2-4 ビットマップおよびキャラクタ・モードのレポートでサポートされるアイテム

ビットマップ キャラクタ・モード

イメージ

ボックス

カラー

水平線

描画

垂直線

楕円/円

ASCIIテキスト

イタリック・テキスト

太字テキスト

対角線

下線

ビットマップ・パターン


マルチメディア・オブジェクト



関連項目

第4.5.9項「ASCII(キャラクタ・モード)レポートの作成」

第4.2.5項「ASCII(キャラクタ・モード)レポートのプロパティの設定」

第4.7.1項「ユーザー・インタフェースからのレポートの実行と出力」