ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware管理者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B60984-01
  ドキュメント・ライブラリへ
ライブラリ
製品リストへ
製品
目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

19 Oracle Fusion Middlewareのクローニング

Middlewareホーム、およびOracle Internet DirectoryやOracle Virtual Directoryなど特定のOracle Fusion Middlewareコンポーネントをクローニングできます。

この章の項目は次のとおりです。

19.1 クローニングの概要

クローニングとは、既存のエンティティを元の状態のまま別の場所へコピーするプロセスです。Oracle Fusion Middlewareのクローニングは、次のような場合に役立ちます。

クローン・エンティティは、ソース・エンティティと同様に動作します。たとえば、クローンMiddlewareホームでは、インストーラを使用して削除したりパッチを適用したりできます。また、クローン・インストールから別のクローンを作成することもできます。

19.2 クローニング可能なもの

同一ホスト上または別のホスト上でクローニングできるものは、次のとおりです。

特定のコンポーネントに影響する検討事項と制限事項の詳細は、第19.6項を参照してください。

19.3 クローニング・プロセスの概要

Oracle Fusion Middlewareのエンティティをクローニングする際は、クローニング・プロセスによって、クローニングに必要な情報のスナップショットが取得されます。クローニング・プロセスについては、次の各項目で説明します。

19.3.1 Middlewareホームのクローニングの概要

Middlewareホームをクローニングする場合、ソースMiddlewareホームのアーカイブを作成し、そのアーカイブを使用して、クローンMiddlewareホームを作成します。

  • ソースで、copyBinaryスクリプトを実行し、クローニングするMiddlewareホームを指定します。スクリプトによって、ソースをクローニングする準備が実行され、アーカイブが作成されます。また、スクリプトによって、Middlewareホームと、Middlewareホーム内のOracleホームのファイル権限が記録されます。

    アーカイブには、Middlewareホーム内のすべてのOracleホームとOracle WebLogic Serverホームが含まれます。

  • クローニング先では、pasteBinaryスクリプトを実行して、Middlewareホームのクローニング先を指定します。スクリプトによって、クローニング先で前提条件が満たされているかどうかが確認されます。アーカイブ・ファイルからファイルが抽出され、Oracleホームがインストーラに登録され、WebLogic ServerホームがMiddlewareホームに登録されます。

    次に、クローン・プログラムによってファイル権限がリストアされ、必要に応じてリンクが再設定されます。

19.3.2 コンポーネントのクローニングの概要

Oracle Virtual DirectoryおよびOracle Internet Directoryをクローニングできます。

ソース・コンポーネントの構成のアーカイブを作成し、そのアーカイブを使用して、クローン・コンポーネントを作成します。

  • ソースで、copyConfigスクリプトを実行し、クローニングするソース・コンポーネントを指定します。スクリプトによって、ソースをクローニングする準備が実行され、コンポーネントの構成が含まれるアーカイブが作成されます。

  • クローニング先では、pasteConfigスクリプトを実行して、コンポーネントのクローニング先を指定します。スクリプトによって、クローニング先で前提条件が満たされているかどうかが確認されます。そして、アーカイブ・ファイルからファイルが抽出され、ファイル権限がリストアされます。

19.4 クローニングの構文

次のスクリプトを使用して、Middlewareホームまたはコンポーネントをクローニングします。

追加のJavaオプションを指定するには、T2P_JAVA_OPTIONS環境変数を定義し、その変数定義にオプションを指定します。次の例では、Java一時ディレクトリの値を設定しています。


注意:

Oracle Fusion MiddlewareがインストールされていないホストにMiddlewareホームのクローンを適用する場合は、そのホストにJDK 1.6.04以降がインストールされている必要があります。さらに、PATH、CLASSPATHおよびJAVA_HOME環境変数がJDKを指していることを確認してください。

ソース・ホストの次の場所からスクリプトをターゲット・ホストにコピーします。任意のディレクトリにスクリプトをコピーできます。

(UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/bin/pasteBinary.sh
(Windows) ORACLE_COMMON_HOME\bin\pasteBinary.cmd

ソース・ホストの次の場所から次のファイルをターゲット・ホストにコピーします。

(UNIX) ORACLE_HOME/jlib/cloningclient.jar
(Windows) ORACLE_HOME\jlib\cloningclient.jar

ファイルに実行権限があることを確認してください。


クローニング・スクリプト

この項では、クローニング・スクリプトの構文について説明します。オプションについては、構文の下の表を参照してください。

各クローニング・スクリプトでは、-silent trueオプションが使用されていない場合は常に、続行するかどうかを確認するメッセージが表示されます。続行するには、Yesと入力します(大/小文字は区別されません)。Yes以外の語句を入力すると、スクリプトからエラーが返されます。また、silentモードでは、必要な箇所にパスワードを入力しないと、スクリプトによってエラーが生成されます。

さらに、ほとんどのオプションには、この項の各表に示されているとおり、ショートカット名があります。

copyBinaryスクリプト

ソースMiddlewareホームのすべてのOracleホームおよびWebLogic Serverホームを含めて、ソースMiddlewareホームのバイナリ・ファイルをアーカイブ・ファイルにコピーすることによって、ソースMiddlewareホームのアーカイブ・ファイルを作成します。

copyBinary -javaHome path_of_jdk
           -archiveLocation archive_location 
           -sourceMWHomeLoc MW_HOME   
            [-invPtrLoc Oracle_InventoryLocation]
            [-logDirLoc log_dir_path]
            [-silent {true | false}]

次の例は、LinuxでMiddlewareホームのアーカイブを作成する方法を示しています。

copyBinary.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware/jrockit_160_14_R27.6.5-32/ 
              -archiveLocation /tmp/mw_clone.jar
              -sourceMWHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1 
              -invPtrLoc /scratch/oracle/oraInst.loc

表19-1は、copyBinaryスクリプトのオプションを説明しています。

表19-1 copyBinaryスクリプトのオプション

オプション ショートカット 説明 必須かオプションか

-javaHome

NA

JDKの絶対パス。

オペレーティング・システムがSunOS、HP-UXまたはLinux 64ビットの場合は、javaコマンドで-d64オプションを使用します。コマンドラインまたはT2P_JAVA_OPTIONS環境変数でこのオプションを使用できます。

必須

-archiveLocation

-al

アーカイブの場所の絶対パス。このオプションは、copyBinaryスクリプトを使用して作成するアーカイブ・ファイルの場所の指定に使用します。

アーカイブの場所には既存の場所を指定することはできませんが、その親ディレクトリは存在している必要があり、書込み権限を持っている必要があります。

アーカイブの場所がMiddlewareホーム構造内に存在しないことを確認してください。

必須

-invPtrLoc

-invLoc

Oracleインベントリ・ポインタへの絶対パス。このオプションは、インベントリの場所がデフォルトの場所ではない場合に使用します。これによって、操作でインベントリ内に存在するOracleホームを読み取れるようになります。

インベントリの場所への書込み権限が必要です。

(Linuxでは、デフォルトの場所は/etc/oraInst.locです。)

インベントリがデフォルトの場所にある場合は、オプション。それ以外の場合は、必須。

-logDirLoc

-ldl

既存のディレクトリの場所。このディレクトリ内に新しいログ・ファイルが作成されます。デフォルトは、システムの一時ディレクトリです。

オプション

-silent

NA

操作をサイレントで実行するかどうかを指定します。サイレントの場合は、確認のためのプロンプトを表示しません。デフォルトでは、確認のためのプロンプトが表示されます。確認のためのプロンプトを表示しないことを指定するには、このオプションを値trueで指定します。

オプション

-sourceMWHomeLoc

-smw

アーカイブを作成するMiddlewareホームの絶対パス。指定できるのは、1つのMiddlewareホームのみです。

必須


pasteBinaryスクリプト

ソースMiddlewareホームのバイナリ・ファイルを貼り付けることによって、クローンをターゲットの宛先に適用します。クローンを同一ホストに適用することも別のホストに適用することもできます。

pasteBinary -javaHome path_of_jdk
            -archiveLocation archive_location
            -targetLocation target_location
            [-executeSysPrereqs {true | false}]
            [-invPtrLoc Oracle_InventoryLocation]
            [-logDirLoc log_dir_path]
            [-silent {true | false}]

次の例は、Linux上のディレクトリ/scratch/oracle/MW_Home_cloneにクローンを適用する方法を示しています。

pasteBinary.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware/jrockit_160_14_R27.6.5-32/
               -archiveLocation  /tmp/mw_clone.jar 
               -targetLocation /scratch/oracle/MW_Home_clone 

表19-2は、pasteBinaryスクリプトのオプションを説明しています。

表19-2 pasteBinaryスクリプトのオプション

オプション ショートカット 説明 必須かオプションか

-javaHome

NA

JDKの絶対パス。

オペレーティング・システムがSunOS、HP-UXまたはLinux 64ビットの場合は、javaコマンドで-d64オプションを使用します。コマンドラインまたはT2P_JAVA_OPTIONS環境変数でこのオプションを使用できます。

ソースMiddlewareホームが、JDKとOracle JRockitがMiddlewareホームの外部にある状態でインストールされた場合、指定するパスがMiddlewareホームの構成に使用されます。

必須

-archiveLocation

-al

アーカイブの場所の絶対パス。このオプションは、copyBinaryスクリプトを使用して作成するアーカイブ・ファイルの場所の指定に使用します。

既存の場所である必要があります。

アーカイブの場所がMiddlewareホーム構造内に存在しないことを確認してください。

必須

-executeSysPrereqs

-exsysprereqs

pasteBinary操作でOracleホームの前提条件を確認するかどうかを指定します。デフォルトでは、前提条件が確認されます。前提条件を確認しないことを指定するには、このオプションを値falseで指定します。

オプション

-invPtrLoc

-invLoc

Oracleインベントリ・ポインタへの絶対パス。このオプションは、インベントリの場所がデフォルトの場所ではない場合に使用します。これによって、操作でインベントリ内に存在するOracleホームを読み取れるようになります。

インベントリの場所への書込み権限が必要です。

(Linuxでは、デフォルトの場所は/etc/oraInst.locです。)

インベントリがデフォルトの場所にある場合は、オプション。それ以外の場合は、必須。

-logDirLoc

-ldl

既存のディレクトリの場所。このディレクトリ内に新しいログ・ファイルが作成されます。デフォルトは、システムの一時ディレクトリです。

オプション

-silent

NA

クローニング操作をサイレントで実行するかどうかを指定します。サイレントの場合は、確認のためのプロンプトを表示しません。デフォルトでは、確認のためのプロンプトが表示されます。確認のためのプロンプトを表示しないことを指定するには、このオプションを値trueで指定します。

オプション

-targetLocation

-tl

ターゲットのMiddlewareホームの絶対パス。

これによって指定される場所に、Middlewareホームのディレクトリが存在しないことを確認してください。存在している場合、このコマンドを実行するとエラー・メッセージが発生します。

targetLocationを別のMiddlewareホーム内に指定することはできません。

必須


copyConfigスクリプト

ソース・コンポーネント・インスタンスの構成ファイルをアーカイブ・ファイルにコピーすることによって、そのコンポーネント・インスタンスのアーカイブ・ファイルを作成します。

copyConfig  -archiveLocation archive_location 
            -sourceInstanceHomeLoc src_instance_path
            -sourceComponentName src_component_name
            [-logDirLoc log_dir_path]
            [-silent {true | false}]

次の例は、Linuxの/scratch/Oracle/Middleware/im_1にあるOracleインスタンス内のovd1という名前のOracle Virtual Directoryインスタンスのアーカイブを作成する方法を示しています。

copyConfig.sh  -archiveLocation /tmp/ovd1.jar
               -sourceInstanceHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1/im_1
               -sourceComponentName ovd1

表19-3は、copyConfigスクリプトのオプションを説明しています。

表19-3 copyConfigスクリプトのオプション

オプション ショートカット 説明 必須かオプションか

-archiveLocation

-al

アーカイブの場所の絶対パス。このオプションは、copyConfigスクリプトを使用して作成するアーカイブ・ファイルの場所の指定に使用します。

必須

-logDirLoc

-ldl

既存のディレクトリの場所。このディレクトリ内に新しいログ・ファイルが作成されます。デフォルトは、システムの一時ディレクトリです。

オプション

-silent

NA

操作をサイレントで実行するかどうかを指定します。サイレントの場合は、確認のためのプロンプトを表示しません。デフォルトでは、確認のためのプロンプトが表示されます。確認のためのプロンプトを表示しないことを指定するには、このオプションを値trueで指定します。

オプション

-sourceComponentName

-scn

クローニング対象のコンポーネントの名前。たとえば、Oracle Internet Directoryがコンポーネントoid1という名前である場合、oid1と指定します。

必須

-sourceInstanceHomeLoc

-sih

ソース・コンポーネントのOracleインスタンスの絶対パス。

必須


pasteConfigスクリプト

指定したOracleインスタンスにソース・コンポーネントの構成ファイルを貼り付けることによって、クローンをターゲットの宛先に適用します。

pasteConfig  -archiveLocation archive_location
             -targetComponentName trgt_component_name 
             -targetInstanceHomeLoc trgt_Instance_path 
             [-targetInstanceName trgt_Instance_name] 
             [-targetOracleHomeLoc trgt_ORACLE_HOME_path] 
             [-silent {true | false}]
             [-logDirLoc log_dir_path]
             [ <Domain Detail> ]
          {<Oracle Internet Directory Detail> | <Oracle Virtual Directory Detail>}

<Domain Detail> =
         -domainHostName domain_host_name
         -domainPortNo  domain_port_number 
         -domainAdminUserName domain_admin_username
         -domainAdminPassword domain_admin_password_file 

<Oracle Internet Directory Detail> =
         -namespace oid_namespace
         -dbHostName database_host_name 
         -dbPortNo database_port_number 
         -dbServiceName databaseServiceName 
         -odsSchemaPassword ods_schema_password_file 
         -odssmSchemaPassword odssm_Schema_password_file 
         -oidAdminPassword oid_admin_password_file
         [-oidNonSSLPort oid_port ]
         [-oidSSLPort oid_ssl_port ]

<Oracle Virtual Directory Detail> = 
         [-ovdAdminPort ovd_admin_port ]
         [-ovdHttpPort ovd_http_port ]
         [-ovdLdapPort ovd_ldap_port ]
         [-ovdLdapSPort ovd_ldap_ssl_port ]

次の例は、Oracleインスタンスim_2にクローンを適用し、クローンOracle Virtual Directoryインスタンスにovd_clという名前を付ける方法を示しています。

pasteConfig -archiveLocation /tmp/ovd1.jar
            -targetOracleHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware/Oracle_IM2 
            -targetInstanceHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware/im_2 
            -targetInstanceName im_2 
            -targetComponentName ovd_cl 
            -domainHostName myhost 
            -domainPortNo  7001  
            -domainAdminUserName domain_admin_username
            -domainAdminPassword domain_admin_password_file 

表19-4は、pasteConfigスクリプトのオプションを説明しています。

表19-4 pasteConfigスクリプトのオプション

オプション ショートカット 説明 必須かオプションか

-archiveLocation

-al

アーカイブの場所の絶対パス。このオプションは、copyConfigスクリプトを使用して作成するアーカイブ・ファイルの場所の指定に使用します。

必須

-targetComponentName

-tcn

クローニング対象のコンポーネントの名前。

必須

-targetInstanceName

-tin

ターゲットのOracleインスタンスの名前。

この名前はドメイン内で一意にする必要があります。

targetInstanceHomeLocディレクトリが存在している場合は、オプション。この場合、構成から名前が取得されます。

-targetInstanceHomeLoc

-tih

ターゲットのOracleインスタンスの絶対パス。

Oracleインスタンス・ディレクトリがその場所に存在していない場合、コマンドによってディレクトリが作成されます。

Oracleインスタンスに同じタイプのコンポーネントがすでに存在していないようにしてください。

必須

-targetOracleHomeLoc

-toh

ターゲットのOracleホームの絶対パス。

ターゲットのOracleホームは、存在している必要があり、Identity Management Oracleホームである必要があります。つまり、Oracle Internet DirectoryまたはOracle Virtual Directoryのバイナリが含まれている必要があるということです。

targetInstanceHomeLocが存在している場合は、オプション。この場合、構成から値が取得されます。

-silent

NA

操作をサイレントで実行するかどうかを指定します。サイレントの場合は、確認のためのプロンプトを表示しません。デフォルトでは、確認のためのプロンプトが表示されます。確認のためのプロンプトを表示しないことを指定するには、このオプションを値trueで指定します。

オプション

ドメイン固有のオプション




-domainHostName

-domainhost

ドメインが構成されているホストの名前。

このオプションは、ドメインへのコンポーネントの登録に使用します。

ドメインにコンポーネントを登録しない場合は、オプション。

-domainPortNo

-domainport

ドメインのポート番号。

このオプションは、ドメインへのコンポーネントの登録に使用します。

ドメインのポート番号は、次のファイル内にadminPortとして記載されています。

ORACLE_INSTANCE/config/OPMN/opmn/instance.properties

次に例を示します。

adminPort=7001

ドメインにコンポーネントを登録しない場合は、オプション。

-domainAdminUserName

-domainuser

ドメインの管理ユーザーの名前。

このオプションは、ドメインへのコンポーネントの登録に使用します。

ドメインにコンポーネントを登録しない場合は、オプション。

-domainAdminPassword

-domainpass

ドメインの管理ユーザーのパスワード・ファイル。

このオプションは、ドメインへのコンポーネントの登録に使用します。

ドメインにコンポーネントを登録しない場合は、オプション。

Oracle Internet Directoryのオプション




-dbHostName

-dbhost

データベースが実行されているホストの名前。tnsnames.oraファイルに記載されています。

必須

-dbPortNo

-dbport

データベース・リスナーのポート番号。tnsnames.oraファイルに記載されています。

必須

-dbServiceName

-dbservice

データベースのサービス名。tnsnames.oraファイルに記載されています。

必須

-namespace

-namespace

Oracle Internet Directoryネームスペース。例: dc=us,dc=oracle,dc=com

必須

-odsSchemaPassword

-odspass

ODSスキーマのパスワード・ファイル。Oracle Internet Directoryのメタデータを含むスキーマです。

指定されない場合、パスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。

オプション

-odssmSchemaPassword

-odssmpass

ODSSMスキーマのパスワード・ファイル。データベースからOracle Internet Directoryのサーバー管理情報にアクセスするために使用されます。

指定されない場合、パスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。

オプション

-oidAdminPassword

-oidadminpass

Oracle Internet Directory管理者のパスワード・ファイル。

指定されない場合、パスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。

オプション

-oidNonSSLPort

-oidport

Oracle Internet Directoryの非SSLポート。

ポート番号を指定しない場合、または指定したポート番号が使用可能でない場合、使用可能なポートが使用されます。

オプション

-oidSSLPort

-oidsport

Oracle Internet DirectoryのSSLポート。

ポート番号を指定しない場合、または指定したポート番号が使用可能でない場合、使用可能なポートが使用されます。

オプション

Oracle Virtual Directoryのオプション




-ovdAdminPort

-ovdadminport

Oracle Virtual Directoryの管理ポート番号。

ポート番号を指定しない場合、または指定したポート番号が使用可能でない場合、使用可能なポートが使用されます。

オプション

-ovdHttpPort

-ovdhttport

Oracle Virtual DirectoryのHTTPリスナー・ポート番号。

オプション

-ovdLdapPort

-ovdldapport

Oracle Virtual DirectoryのLDAP非SSLポート番号。

ポート番号を指定しない場合、または指定したポート番号が使用可能でない場合、使用可能なポートが使用されます。

オプション

-ovdLdapSPort

-ovdldapsport

Oracle Virtual DirectoryのLDAP SSLポート番号。

ポート番号を指定しない場合、または指定したポート番号が使用可能でない場合、使用可能なポートが使用されます。

オプション


19.5 Oracle Fusion Middlewareエンティティのクローニング

クローニングの一般的な手順は、クローニング対象がMiddlewareホームとコンポーネントのいずれであっても同様です。一般的な手順は、第19.3項を参照してください。

次の各項では、これらのエンティティをクローニングし、クローニング・アーカイブに関する情報を表示する方法を説明します。

19.5.1 Middlewareホームのクローニング

Middlewareホームはクローニングが可能で、Oracleホーム(1つ以上またはなし)と1つのOracle WebLogic Serverホームを組み込むことができます。


注意:

  • このクローニング操作でアーカイブが作成されるOracleホームは、Middlewareホーム内に配置されているもののみです。Middlewareホームの外部に配置されているOracleホームはクローニングされません。

  • 一度に1つのMiddlewareホームのみをクローニングできます。

  • Middlewareホームのアーカイブを作成するには、そのMiddlewareホームにOracle WebLogic Serverをインストールしておく必要があります。

  • Windowsの場合は、ソースMiddlewareホームで実行されているOracle WebLogic Serverプロセスがないことを確認してください。

  • ターゲット・ホストにファイルoraInst.locが含まれていない場合は、このファイルを作成する必要があります(スーパー・ユーザー権限またはルート権限が必要です)。デフォルトでは、クローニング操作でこのファイルが/etcディレクトリ内で検索されます。このファイルを別の場所に作成した場合は、pasteBinaryコマンドに-invPtrパラメータを使用して場所を指定します。

    このファイルには、次の行が含まれている必要があります。

    inventory_loc=oraInventory_location
    inst_group=user_group
    

Middlewareホームをクローニングする手順は次のとおりです。

  1. Windowsの場合は、ソースMiddlewareホームで、管理サーバーおよびMiddlewareホームで実行されている管理対象サーバーをすべて停止します。

  2. ソースMiddlewareホームで、copyBinaryスクリプトを実行します。これによって、WebLogic ServerホームおよびMiddlewareホーム内に含まれるOracleホームが検索されます。Middlewareホーム内にOracleホームがない場合、アーカイブにOracleホームは含まれなくなります。次の構文を使用します。

    copyBinary -javaHome path_of_jdk
               -archiveLocation  archive_location 
               -sourceMWHomeLoc MW_HOME  
               [-invPtrLoc Oracle_Inventory_location]
    

    たとえば、/scratch/Oracle /Middleware1にあるMiddlewareホームをクローニングするには、次のコマンドを使用します。

    copyBinary.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware/jrockit_160_14_R27.6.5-32/
                  -archiveLocation /tmp/mw_clone.jar
                  -sourceMWHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1 
                  -invPtrLoc /scratch/oracle/oraInst.loc
    
  3. Middlewareホームを別のホストにクローニングする場合は、そのシステムにアーカイブ・ファイルをコピーします。

    さらに、ターゲット・システムにスクリプトが含まれていない場合は、pasteBinaryスクリプトとcloningclient.jarファイルをターゲット・システムにコピーし、実行権限があることを確認します。ファイルの場所については、第19.4項を参照してください。

    pasteConfigなど他のスクリプトをコピーしないでください。これらのスクリプトは、手順4で説明しているように、ファイルの抽出時に生成されます。

  4. クローニング先で、pasteBinaryスクリプトを使用して、アーカイブからファイルを抽出します。次の構文を使用します。

    pasteBinary -javaHome path_of_jdk
                -archiveLocation archive_location 
                -targetLocation target_MW_home 
    

    たとえば、ディレクトリ/scratch/oracle/MW_Home_cloneにクローンを割り当てる場合は、次のコマンドを使用します。

    pasteBinary.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware/jrockit_160_14_R27.6.5-32/ 
                   -archiveLocation  /tmp/mw_clone.jar 
                   -targetLocation /scratch/oracle/MW_Home_clone 
    

    Middlewareホームが/scratch/oracle/MW_Home_cloneに抽出され、その下にWebLogic Serverホーム、およびソースOracleホーム名と同じ名前ですべてのOracleホームが抽出されます。

19.5.2 Oracle Internet Directoryのクローニング

Oracle Internet Directoryを同一ホストまたは別のホスト上の、同一または別のOracleインスタンス、同一または別のMiddlewareホームにクローニングできます。

アイデンティティ管理のバイナリを含むOracleホームにクローンを適用する必要があります。

Oracle Internet Directoryをクローニングする手順は次のとおりです。

  1. ソースMiddlewareホームで、次の構文を使用してcopyConfigコマンドを実行します。

    copyConfig -javaHome path_of_jdk
               -archiveLocation  archive_location 
               -sourceInstanceHomeLoc ORACLE_INSTANCE 
               -sourceComponentName component_name
    

    たとえば、/scratch/Oracle/Middleware1/im_1にあるOracleインスタンス内のoid1という名前のOracle Internet Directoryインスタンスをクローニングするには、次のコマンドを使用します。

    copyConfig.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware/jrockit_160_14_R27.6.5-32/ 
                  -archiveLocation /tmp/oid1.jar
                  -sourceInstanceHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1/im_1
                  -sourceComponentName oid1
    
  2. Oracle Internet Directoryを別のホストにクローニングする場合は、そのシステムにアーカイブ・ファイルをコピーします。

  3. クローニング先で、pasteConfigスクリプトを使用して、アーカイブからファイルを抽出します。次の構文を使用します。

    pasteConfig -javaHome path_of_jdk
                -archiveLocation archive_location 
                [-targetOracleHomeLoc trgt_ORACLE_HOME_path] 
                -targetInstanceHomeLoc trgt_ORACLE_INSTANCE_path 
                [-targetInstanceName trgt_ORACLE_INSTANCE_name] 
                -targetComponentName trgt_component_name 
                -namespace oid_namespace
                [-domainHostName domain_host_name]
                [-domainPortNo  domain_port_number] 
                [-domainAdminUserName domain_admin_username]
                [-domainAdminPassword domain_admin_password_file] 
                -dbHostName database_host_name 
                -dbPortNo database_port_number 
                -dbServiceName databaseServiceName 
                -odsSchemaPassword ods_schema_password_file 
                -odssmSchemaPassword odssm_Schema_password_file 
                -oidAdminPassword oid_admin_password_file
                [-oidNonSSLPort oid_port]
                [-oidSSLPort oid_ssl_port]
    

    たとえば、Oracleインスタンスim_2にクローンを適用して、クローンOracle Internet Directoryインタンスにoid_clという名前を付けるには、次のコマンドを使用します。

    pasteConfig.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware/jrockit_160_14_R27.6.5-32/
                -archiveLocation /tmp/oid1.jar
                -targetOracleHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware/Oracle_IM2 
                -targetInstanceHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware/im_2 
                -targetInstanceName im_2 
                -targetComponentName oid_cl 
                -namespace dc=us,dc=oracle,dc=com 
                -domainHostName myhost
                -domainPortNo  7001 
                -domainAdminUserName domain_admin_username
                -domainAdminPassword domain_admin_password_file 
                -dbHostName database_host_name 
                -dbPortNo 1521 
                -dbServiceName orcl 
                -odsSchemaPassword ods_schema_password_file 
                -odssmSchemaPassword odssm_Schema_password_file 
                -oidAdminPassword oid_admin_password_file
    

状況によっては、次のエラーが表示される場合があります。

OID Cloning: Error cleaning replication agreements
OID Cloning: Error deleting replication dn
OID Cloning: Error updating orclreplicaid

このようなエラーが表示された場合は、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行します。

    ORACLE_HOME/ldap/bin/remtool -pcleanup
    

    プロンプトが表示されたら、OIDホスト、非SSLポートおよびODSスキーマ・パスワードを入力します。

  2. ルートDNでldapsearchを実行し、orclreplicaid値を検索します。次のコマンドを使用します。

    ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -p port -h host 
       -b "" -s base "(objectclass=*)" orclreplicaid
    
  3. 手順2で取得した値を使用して、ldapdeleteを実行し、Oracle Internet Directoryから次のDNを削除します。

    cn=replication dn, orclreplicaid=<replicaid>, cn=replication configuration
    orclreplicaid=<replicaid>, cn=replication configuration
    

    たとえば、次のように指定します。

    ldapdelete -p port -h host "cn=replication dn,
       orclreplicaid=replicaid, cn=replication configuration"
    
  4. ルート・エントリのorclreplicaid値を0に設定します。たとえば、次のように指定します。

    ORACLE_HOME/bin/ldapmodify -p port -h host -f file.ldif
    

    ldifファイルに、次のコンテンツが追加されます。

    dn:
    changetype: modify
    replace: orclreplicaid
    orclreplicaid: 0
    
  5. Oracle Internet Directoryを再起動します。

19.5.3 Oracle Virtual Directoryのクローニング

Oracle Virtual Directoryを同一ホストまたは別のホスト上の、同一または別のOracleインスタンス、同一または別のMiddlewareホームにクローニングできます。

アイデンティティ管理のバイナリを含むOracleホームにクローンを適用する必要があります。

Oracle Virtual Directoryをクローニングする手順は次のとおりです。

  1. ソースMiddlewareホームで、次の構文を使用してcopyConfigコマンドを実行します。

    copyConfig -javaHome path_of_jdk 
               -archiveLocation  archive_location 
               -sourceInstanceHomeLoc ORACLE_INSTANCE  
               -sourceComponentName component_name
    

    たとえば、/scratch/Oracle/Middleware1/im_1にあるOracleインスタンス内のovd1という名前のOracle Virtual Directoryインスタンスをクローニングするには、次のコマンドを使用します。

    copyConfig.sh -javaHome /scratch/Oracle/Middleware/jrockit_160_14_R27.6.5-32/ 
                  -archiveLocation /tmp/ovd1.jar
                  -sourceInstanceHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1/im_1
                  -sourceComponentName ovd1
    
  2. Oracle Virtual Directoryを別のホストにクローニングする場合は、そのシステムにアーカイブ・ファイルをコピーします。

  3. クローニング先で、pasteConfigコマンドを使用して、アーカイブからファイルを抽出します。次の構文を使用します。

    pasteConfig -javaHome path_of_jdk
                -archiveLocation archive_location 
                [-targetOracleHomeLoc trgt_ORACLE_HOME_path] 
                -targetInstanceHomeLoc trgt_ORACLE_INSTANCE_path 
                [-targetInstanceName trgt_ORACLE_INSTANCE_name] 
                -targetComponentName trgt_component_name 
                [-domainHostName hostname]
                [-domainPortNo  port] 
                [-domainAdminUserName domain_admin_username]
                [-domainAdminPassword domain_admin_password_file] 
                [-ovdAdminPort ovd_admin_port]
                [-ovdHttpPort ovd_http_port]
                [-ovdLdapPort ovd_ldap_port]
                [-ovdLdapSPort ovd_ldap_ssl_port]
    

    たとえば、Oracleインスタンスim_2にクローンを適用して、クローンOracle Virtual Directoryインタンスにovd_clという名前を付けるには、次のコマンドを使用します。

    pasteConfig javaHome /scratch/Oracle/Middleware/jrockit_160_14_R27.6.5-32/
                -archiveLocation /tmp/ovd1.jar
                -targetOracleHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware/Oracle_IM2 
                -targetInstanceHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware/im_2 
                -targetInstanceName im_2 
                -targetComponentName ovd_cl 
                -domainHostName myhost 
                -domainPortNo  7001  
                -domainAdminUserName domain_admin_username
                -domainAdminPassword domain_admin_password_file 
    

19.6 クローニングに関する検討事項と制限事項

クローニングについては、これ以外にも次の点に注意してください。

19.7 非推奨のクローニングのコマンドおよび構文

この項で示すコマンドと構文は、推奨されないものです。これらのコマンドと構文は、次のバージョンでは廃止される予定です。

クローニングでは、次の場所にあるJavaプログラムが使用されます。

(UNIX) ORACLE_HOME/jlib/cloningclient.jar
(Windows) ORACLE_HOME\jlib\cloningclient.jar

構文は次のとおりです。

java [-d64] -jar ORACLE_HOME/jlib/cloningclient.jar cloning_command options 

オペレーティング・システムがSunOS、HP-UX、HPIA64、HPUX PA-RiscまたはLinux 64ビットの場合は、javaコマンドで-d64オプションを使用します。


注意:

Oracle Fusion MiddlewareがインストールされていないホストにMiddlewareホームのクローンを適用する場合は、そのホストにJDK 1.6.04以降がインストールされている必要があります。さらに、PATH、CLASSPATHおよびJAVA_HOME環境変数がJDKを指していることを確認してください。

cloningclient.jarファイルをソース・ホストからターゲット・ホストにコピーします。任意のディレクトリにこのファイルをコピーできます。


非推奨のクローニング・コマンド

ここでは、非推奨のクローニング・コマンドについて説明します。オプションについては、構文の下の表を参照してください。

各クローニング・コマンドでは、-silent trueオプションが使用されていない場合は常に、続行するかどうかを確認するメッセージが表示されます。続行するには、Yesと入力します(大/小文字は区別されません)。Yes以外の語句を入力すると、クローニング・コマンドからエラーが返されます。また、silentモードでは、必要な箇所にパスワードを入力しないと、コマンドによってエラーが生成されます。

さらに、ほとんどのオプションには、この項の各表に示されているとおり、ショートカット名があります。

createClone

Middlewareホームまたはコンポーネントのアーカイブ・ファイルを作成します。

構文は、クローニング対象によって異なります。

Middlewareホームのクローン作成に使用する構文は次のとおりです。

createClone -archiveLocation archive_location 
            -sourceMWHomeLoc MW_HOME   
            [-invPtrLoc Oracle_InventoryLocation]
            [-logDirLoc log_dir_path]
            [-silent {true | false}]

Middlewareホームのクローン作成に使用するオプションの説明は、表19-5を参照してください。

次の例は、Middlewareホームのクローンを作成する方法を示しています。

java -jar ORACLE_HOME/jlib/cloningclient.jar createClone 
       -archiveLocation /tmp/mw_clone.jar
       -sourceMWHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1 
       -invPtrLoc /scratch/oracle/oraInst.loc

コンポーネントのクローン作成に使用する構文は次のとおりです。

createClone -archiveLocation archive_location 
            -sourceInstanceHomeLoc src_instance_path
            -sourceComponentName src_component_name
            [-logDirLoc log_dir_path]
            [-silent {true | false}]

Middlewareホームのクローン作成の場合と同じ操作でコンポーネントのクローンを作成することはできません。

コンポーネントのクローン作成に使用するオプションの説明は、表19-8を参照してください。

次の例は、/scratch/Oracle/Middleware/im_1にあるOracleインスタンス内のovd1という名前のOracle Virtual Directoryインスタンスのクローンを作成する方法を示しています。

java -jar ORACLE_HOME/jlib/cloningclient.jar createClone 
       -archiveLocation /tmp/ovd1.jar
       -sourceInstanceHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware1/im_1
       -sourceComponentName ovd1
listCloneArchive

アーカイブのコンテンツを一覧表示します。構文は次のとおりです。

listCloneArchive -archiveLocation archive_location [-logDirLoc logdir_path]

オプションの説明は、表19-7を参照してください。

次の例は、アーカイブのコンテンツを一覧表示する方法を示しています。

java -jar ORACLE_HOME/jlib/cloningclient.jar listCloneArchive 
               -archiveLocation  /tmp/oh_clone.jar
  Middleware home archive # 1 ,   home location =  /scratch/oracle/mwhome_cln0
  Oracle     home archive # 1 ,   home location =  /scratch/oracle/mwhome_cln0/oh_cln0
applyClone

クローンを割り当てます。ミドルウェア・ホームをクローニングする場合は、このクローンを同じホストおよび別のホストに割り当てることができます。Oracle Virtual DirectoryまたはOracle Internet Directoryをクローニングする場合、(同一ホストまたは別のホスト上の)同一または別のOracleインスタンス、同一または別のMiddlewareホームにクローンを適用できます。

構文は、クローニング対象によって異なります。

Middlewareホームのクローン適用に使用する構文は次のとおりです。

applyClone -archiveLocation archive_location
            -targetLocation target_location
            [-executeSysPrereqs {true | false}]
            [-invPtrLoc Oracle_InventoryLocation]
            [-logDirLoc log_dir_path]
            [-javaHome java_home_location]
            [-silent {true | false}]

Middlewareホームのクローン適用に使用するオプションの説明は、表19-6を参照してください。

次の例は、ディレクトリ/scratch/oracle/MW_Home_cloneにクローンを適用する方法を示しています。

java -jar ORACLE_HOME/jlib/cloningclient.jar applyClone 
         -archiveLocation  /tmp/mw_clone.jar 
         -targetLocation /scratch/oracle/MW_Home_clone 

Oracle Internet DirectoryやOracle Virtual Directoryなどのコンポーネントのクローン適用に使用する構文は次のとおりです。

applyClone -archiveLocation archive_location
          -targetComponentName trgt_component_name 
          -targetInstanceHomeLoc trgt_Instance_path 
          [-targetInstanceName trgt_Instance_name] 
          [-targetOracleHomeLoc trgt_ORACLE_HOME_path] 
          [-silent {true | false}]
          [ <Domain Detail> ]
          {<Oracle Internet Directory Detail> | <Oracle Virtual Directory Detail>}

<Domain Detail> =
         -domainHostName domain_host_name
         -domainPortNo  domain_port_number 
         -domainAdminUserName domain_admin_username
         -domainAdminPassword domain_admin_password_file 

<Oracle Internet Directory Detail> =
         -namespace oid_namespace
         -dbHostName database_host_name 
         -dbPortNo database_port_number 
         -dbServiceName databaseServiceName 
         -odsSchemaPassword ods_schema_password_file 
         -odssmSchemaPassword odssm_Schema_password_file 
         -oidAdminPassword oid_admin_password_file
         [-oidNonSSLPort oid_port ]
         [-oidSSLPort oid_ssl_port ]

<Oracle Virtual Directory Detail> = 
         [-ovdAdminPort ovd_admin_port ]
         [-ovdHttpPort ovd_http_port ]
         [-ovdLdapPort ovd_ldap_port ]
         [-ovdLdapSPort ovd_ldap_ssl_port ]

コンポーネントのクローン適用に使用するオプションの説明は、表19-9を参照してください。

次の例は、Oracleインスタンスim_2にクローンを適用して、クローンOracle Virtual Directoryインスタンスにovd_clという名前を付ける方法を示しています。

java -jar ORACLE_HOME/jlib/cloningclient.jar applyClone 
            -archiveLocation /tmp/ovd1.jar
            -targetOracleHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware/Oracle_IM2 
            -targetInstanceHomeLoc /scratch/Oracle/Middleware/im_2 
            -targetInstanceName im_2 
            -targetComponentName ovd_cl 
            -domainHostName myhost 
            -domainPortNo  7001  
            -domainAdminUserName domain_admin_username
            -domainAdminPassword domain_admin_password_file 

表19-5は、Middlewareホームに対してcreateCloneコマンドを使用する際のオプションを説明しています。

表19-5 Middlewareホームに対して非推奨のcreateCloneコマンドを使用する場合のオプション

オプション ショートカット 説明 必須かオプションか

-archiveLocation

-al

アーカイブの場所の絶対パス。このオプションは、createCloneコマンドを使用して作成するアーカイブ・ファイルの場所の指定に使用します。

アーカイブの場所には既存の場所を指定することはできませんが、その親ディレクトリは存在している必要があり、書込み権限を持っている必要があります。

必須

-invPtrLoc

-invLoc

Oracleインベントリ・ポインタへの絶対パス。このオプションは、Middlewareホームのクローン作成時に、インベントリの場所がデフォルトの場所ではない場合に使用します。これによって、操作でインベントリ内に存在するOracleホームを読み取れるようになります。

このオプションは、-sourceMWHomeLocオプションを使用するときにのみ使用できます。

(Linuxでは、デフォルトの場所は/etc/oraInst.locです。)

インベントリがデフォルトの場所にある場合は、オプション。それ以外の場合は、必須。

-logDirLoc

-ldl

既存のディレクトリの場所。このディレクトリ内に新しいログ・ファイルが作成されます。デフォルトは、システムの一時ディレクトリです。

オプション

-silent

NA

クローニング操作をサイレントで実行するかどうかを指定します。サイレントの場合は、確認のためのプロンプトを表示しません。デフォルトでは、確認のためのプロンプトが表示されます。確認のためのプロンプトを表示しないことを指定するには、このオプションを値trueで指定します。

オプション

-sourceMWHomeLoc

-smw

ミドルウェア・ホームの絶対パス。このオプションは、アーカイブ対象のミドルウェア・ホームの指定に使用します。指定できるのは、1つのMiddlewareホームのみです。

必須


表19-6は、Middlewareホームに対してapplyCloneコマンドを使用する際のオプションを説明しています。

表19-6 Middlewareホームに対して非推奨のapplyCloneコマンドを使用する場合のオプション

オプション ショートカット 説明 必須かオプションか

-archiveLocation

-al

アーカイブの場所の絶対パス。このオプションは、createCloneコマンドを使用して作成するアーカイブ・ファイルの場所の指定に使用します。

既存の場所である必要があります。

必須

-executeSysPrereqs

-exsysprereqs

applyClone操作でOracleホームの前提条件を確認するかどうかを指定します。デフォルトでは、前提条件が確認されます。前提条件を確認しないことを指定するには、このオプションを値falseで指定します。

オプション

-invPtrLoc

-invLoc

Oracleインベントリ・ポインタへの絶対パス。

(Linuxでは、デフォルトの場所は/etc/oraInst.locです。)

インベントリがデフォルトの場所にある場合は、オプション。それ以外の場合は、必須。

-javaHome

-javaHome

ソースMiddlewareホームがJDKおよびOracle JRockitなしにインストールされていて、cloningclientプログラムをJREホームから起動する場合は、このオプションを指定します。

オプション

-logDirLoc

-ldl

既存のディレクトリの場所。このディレクトリ内に新しいログ・ファイルが作成されます。デフォルトは、システムの一時ディレクトリです。

オプション

-silent

NA

クローニング操作をサイレントで実行するかどうかを指定します。サイレントの場合は、確認のためのプロンプトを表示しません。デフォルトでは、確認のためのプロンプトが表示されます。確認のためのプロンプトを表示しないことを指定するには、このオプションを値trueで指定します。

オプション

-targetLocation

-tl

ターゲットのMiddlewareホームの絶対パス。

これによって指定される場所に、Middlewareホームのディレクトリが存在しないことを確認してください。存在している場合、このコマンドを実行するとエラー・メッセージが発生します。

必須


表19-7は、listCloneArchiveコマンドのオプションを説明しています。

表19-7 非推奨のlistCloneArchiveコマンドのオプション

オプション ショートカット 説明 必須かオプションか

-archiveLocation

-al

アーカイブの場所の絶対パス。このオプションは、createCloneコマンドを使用して作成するアーカイブ・ファイルの場所の指定に使用します。

既存の場所である必要があります。

必須

-logDirLoc

-ldl

既存のディレクトリの場所。このディレクトリ内に新しいログ・ファイルが作成されます。デフォルトは、システムの一時ディレクトリです。

オプション


表19-8は、コンポーネントに対してcreateCloneコマンドを使用する場合のオプションを説明しています。

表19-8 コンポーネントに対して非推奨のcreateCloneコマンドを使用する場合のオプション

オプション ショートカット 説明 必須かオプションか

-archiveLocation

-al

アーカイブの場所の絶対パス。このオプションは、createCloneコマンドを使用して作成するアーカイブ・ファイルの場所の指定に使用します。

必須

-logDirLoc

-ldl

既存のディレクトリの場所。このディレクトリ内に新しいログ・ファイルが作成されます。デフォルトは、システムの一時ディレクトリです。

オプション

-silent

NA

クローニング操作をサイレントで実行するかどうかを指定します。サイレントの場合は、確認のためのプロンプトを表示しません。デフォルトでは、確認のためのプロンプトが表示されます。確認のためのプロンプトを表示しないことを指定するには、このオプションを値trueで指定します。

オプション

-sourceComponentName

-scn

クローニング対象のコンポーネントの名前。たとえば、Oracle Internet Directoryがコンポーネントoid1という名前である場合、oid1と指定します。

必須

-sourceInstanceHomeLoc

-sih

ソース・コンポーネントのOracleインスタンスの絶対パス。

必須


表19-9は、コンポーネント用のapplyCloneコマンドのオプションを説明しています。

表19-9 コンポーネントに対して非推奨のapplyCloneコマンドを使用する場合のオプション

オプション ショートカット 説明 必須かオプションか

-archiveLocation

-al

アーカイブの場所の絶対パス。このオプションは、createCloneコマンドを使用して作成するアーカイブ・ファイルの場所の指定に使用します。

必須

-targetComponentName

-tcn

クローニング対象のコンポーネントの名前。

必須

-targetInstanceName

-tin

ターゲットのOracleインスタンスの名前。

この名前はドメイン内で一意にする必要があります。

targetInstanceHomeLocディレクトリが存在している場合は、オプション。この場合、構成から名前が取得されます。

-targetInstanceHomeLoc

-tih

ターゲットのOracleインスタンスの絶対パス。

Oracleインスタンス・ディレクトリがその場所に存在していない場合、コマンドによってディレクトリが作成されます。

Oracleインスタンスに同じタイプのコンポーネントがすでに存在していないようにしてください。

必須

-targetOracleHomeLoc

-toh

ターゲットのOracleホームの絶対パス。

ターゲットのOracleホームは、存在している必要があり、Identity Management Oracleホームである必要があります。つまり、Oracle Internet DirectoryまたはOracle Virtual Directoryのバイナリが含まれている必要があるということです。

targetInstanceHomeLocが存在している場合は、オプション。この場合、構成から値が取得されます。

-silent

NA

クローニング操作をサイレントで実行するかどうかを指定します。サイレントの場合は、確認のためのプロンプトを表示しません。デフォルトでは、確認のためのプロンプトが表示されます。確認のためのプロンプトを表示しないことを指定するには、このオプションを値trueで指定します。

オプション

ドメイン固有のオプション




-domainHostName

-domainhost

ドメインが構成されているホストの名前。

このオプションは、ドメインへのコンポーネントの登録に使用します。

ドメインにコンポーネントを登録しない場合は、オプション。

-domainPortNo

-domainport

ドメインのポート番号。

このオプションは、ドメインへのコンポーネントの登録に使用します。

ドメインのポート番号は、次のファイル内にadminPortとして記載されています。

ORACLE_INSTANCE/config/OPMN/opmn/instance.properties

たとえば、次のように指定します。

adminPort=7001

ドメインにコンポーネントを登録しない場合は、オプション。

-domainAdminUserName

-domainuser

ドメインの管理ユーザーの名前。

このオプションは、ドメインへのコンポーネントの登録に使用します。

ドメインにコンポーネントを登録しない場合は、オプション。

-domainAdminPassword

-domainpass

ドメインの管理ユーザーのパスワード・ファイル。

このオプションは、ドメインへのコンポーネントの登録に使用します。

ドメインにコンポーネントを登録しない場合は、オプション。

Oracle Internet Directoryのオプション




-dbHostName

-dbhost

データベースが実行されているホストの名前。tnsnames.oraファイルに記載されています。

必須

-dbPortNo

-dbport

データベース・リスナーのポート番号。tnsnames.oraファイルに記載されています。

必須

-dbServiceName

-dbservice

データベースのサービス名。tnsnames.oraファイルに記載されています。

必須

-namespace

-namespace

Oracle Internet Directoryネームスペース。例: dc=us,dc=oracle,dc=com

必須

-odsSchemaPassword

-odspass

ODSスキーマのパスワード・ファイル。Oracle Internet Directoryのメタデータを含むスキーマです。

指定されない場合、パスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。

オプション

-odssmSchemaPassword

-odssmpass

ODSSMスキーマのパスワード・ファイル。データベースからOracle Internet Directoryのサーバー管理情報にアクセスするために使用されます。

指定されない場合、パスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。

オプション

-oidAdminPassword

-oidadminpass

Oracle Internet Directory管理者のパスワード・ファイル。

指定されない場合、パスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。

オプション

-oidNonSSLPort

-oidport

Oracle Internet Directoryの非SSLポート。

ポート番号を指定しない場合、または指定したポート番号が使用可能でない場合、applyClone操作では使用可能なポートが使用されます。

オプション

-oidSSLPort

-oidsport

Oracle Internet DirectoryのSSLポート。

ポート番号を指定しない場合、または指定したポート番号が使用可能でない場合、applyClone操作では使用可能なポートが使用されます。

オプション

Oracle Virtual Directoryのオプション




-ovdAdminPort

-ovdadminport

Oracle Virtual Directoryの管理ポート番号。

ポート番号を指定しない場合、または指定したポート番号が使用可能でない場合、applyClone操作では使用可能なポートが使用されます。

オプション

-ovdHttpPort

-ovdhttport

Oracle Virtual DirectoryのHTTPリスナー・ポート番号。

オプション

-ovdLdapPort

-ovdldapport

Oracle Virtual DirectoryのLDAP非SSLポート番号。

ポート番号を指定しない場合、または指定したポート番号が使用可能でない場合、applyClone操作では使用可能なポートが使用されます。

オプション

-ovdLdapSPort

-ovdldapsport

Oracle Virtual DirectoryのLDAP SSLポート番号。

ポート番号を指定しない場合、または指定したポート番号が使用可能でない場合、applyClone操作では使用可能なポートが使用されます。

オプション