ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware管理者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B60984-01
  ドキュメント・ライブラリへ
ライブラリ
製品リストへ
製品
目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

20 テスト環境から本番環境への移行

この章では、Oracle Fusion Middlewareをテスト環境から本番環境に移行する方法について説明します。テスト環境内でアプリケーションの開発とテストを行い、最終的にはテスト・アプリケーション、また、必要に応じてテスト・データを本番環境にロール・アウトできます。このアプローチは、アップグレードのテストおよびロール・アウトにも使用できます。

この章の項目は次のとおりです。

20.1 テスト環境から本番環境への移行手順の概要

この章では、各種インストールをテスト環境から本番環境に移行する方法について説明します。

一般的な手順は次のとおりです。

  1. 本番環境を必要なコンポーネントとともにインストールし、構成します。

  2. セキュリティ情報(ユーザー、グループ、アイデンティティ・ストア、ポリシー・ストア、資格証明など)を移行します。

  3. その他のデータ(UMSユーザー・メッセージング・プリファレンス、Oracle WebCenterアプリケーションのデータ、Oracle Web Cache構成ファイルなど)を移行します。新しい環境に固有の情報(ホスト名、ポートなど)を変更します。

  4. アプリケーションをデプロイします。

20.2 アイデンティティ管理コンポーネントの本番環境への移行

次の各項目では、アイデンティティ管理をテスト環境から本番環境に移行する方法について説明します。

どちらのシナリオでも、テスト環境で次の操作を実行済です。

20.2.1 アイデンティティ管理の新しい本番環境への移行

このシナリオでは、アイデンティティ管理コンポーネント(Oracle Internet Directory、Oracle Virtual Directory、Oracle Directory Integration Platformなど)がテスト環境にインストール済で、これらを存在していない本番環境に移行する必要があると想定します。

この環境を本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   データベースの新しい本番環境へのコピー

一部のコンポーネント(Oracle Internet Directory、Oracle Directory Integration Platform(Oracle Internet Directoryに依存)、Oracle Identity Federationなど)では、データベースが必要です。

Oracle Database RMANのduplicateコマンドを使用して、複製データベースを作成できます。複製データベースは、完全に独立して動作するように、ソース・データベースと異なるDBIDを使用して作成する必要があります。

Oracle Database、リリース11gを本番システムに移行するには、次の手順を実行します。

  1. 本番システムで、Oracle Databaseソフトウェアをインストールします。ただし、データベースは作成しません。これを行うには、「構成オプションの選択」画面で「データベース・ソフトウェアのみインストール」を選択します。

  2. テスト環境で、tnsnames.oraファイルを編集し、本番環境上のデータベースのエントリを追加します。

    tnsnames.oraファイルの例を次に示します。この例で、testDBはテスト環境上のデータベース、prodDBは本番環境上のデータベースです。

    testDB =  
       (DESCRIPTION =    
         (ADDRESS =       
           (PROTOCOL = TCP)      
           (HOST = 192.168.1.1)     
           (PORT = 1521))    
             (CONNECT_DATA =   
           (SERVER = DEDICATED)   
           (SID = testDB)    
           )  
         )
    prodDB=
        (DESCRIPTION =
          (ADDRESS =
            (PROTOCOL = TCP)
            (HOST = 192.168.2.4)
            (PORT = 1521))
              (CONNECT_DATA =
            (SERVER = DEDICATED)
            (SID = prodDB)
          )
      )
    
  3. テスト環境で、listener.oraファイルを編集し、本番環境上のデータベースのエントリを追加します。

    追加するエントリを次に示します。

    LISTENER_mts =
      (DESCRIPTION_LIST =
        (DESCRIPTION =
          (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)
          (HOST = 192.168.2.4)
          (PORT = 1521)(IP = FIRST))
        )
      )
    SID_LIST_LISTENER_mts =
      (SID_LIST =
        (SID_DESC =
          (SID_NAME = prodDB)
          (ORACLE_HOME = /scratch/oracle/test)
        )
      )
    
  4. 本番環境で、ORACLE_HOME/dbsディレクトリにパスワード・ファイルを作成します。SYSパスワードは、テスト環境のデータベースと同じである必要があります。次のコマンドを使用すると、パスワード・ファイルが作成されます。

    orapwd password=password file=ORACLE_HOME/dbs/orapwproddb
    
  5. 本番環境で、ORACLE_HOME/dbsディレクトリにパラメータ・ファイル(pfile)を作成します。このファイルには、DB_NAMEパラメータのみが含まれている必要があります。次に例を示します。

    DB_NAME=prodDB
    
  6. 本番環境で、本番データベースを指すようにORACLE_SID環境変数を設定します(まだ設定されていない場合)。次に、NOMOUNTモードでデータベースを起動します。次に例を示します。

    SQL> STARTUP NOMOUNT PFILE='ORACLE_HOME/dbs/pfile'
    
  7. データベースをテスト・システムから本番システムに移行するには、RMANを使用します。

    RMANを使用してデータベースを複製する例を次に示します。

    RMAN
    DUPLICATE TARGET DATABASE
      TO prodDB
      FROM ACTIVE DATABASE
      SPFILE
      NOFILENAMECHECK;
    

    RMANは、サーバー・パラメータ・ファイルを接続先ホストに自動的にコピーし、サーバー・パラメータ・ファイルを使用して補助インスタンスを起動して、必要なすべてのデータベース・ファイルおよびアーカイブREDOログをネットワークを介して接続先ホストにコピーし、データベースをリカバリします。最後に、RMANは、RESETLOGSオプションを指定してデータベースを開き、オンラインREDOログを作成します。

    詳細な手順は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。次のリンクから入手可能です。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html
    

関連項目:

リリース10g Oracle Databaseに移行するためのOracle10g Databaseのドキュメント

作業2   Oracle Internet Directoryの新しい本番環境への移行

Oracle Internet Directoryを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Internet Directoryを含むMiddlewareホームをクローニングします。第19.5.1項を参照してください。Middlewareホーム内のOracleホームもクローニングされます。

  2. Oracle Internet Directoryをクローニングします。第19.5.2項を参照してください。

  3. テスト環境でOracle Internet Directoryのレプリケーションを構成済の場合、クローニング後に本番環境で再構成する必要があります。レプリケーションの構成は、テスト環境から本番環境に移行されません。『Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド』のレプリケーションの設定に関する項を参照してください。

作業3   Oracle Virtual Directoryの新しい本番環境への移行

Oracle Virtual Directoryを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Virtual Directoryを含むMiddlewareホームをクローニングします。第19.5.1項を参照してください。Middlewareホーム内のOracleホームもクローニングされます。

  2. Oracle Virtual Directoryをクローニングします。第19.5.3項を参照してください。

作業4   Oracle Directory Integration Platformの新しい本番システムへの移行

Oracle Directory Integration Platformを新しい本番システムに移行するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』の説明に従って、Oracle WebLogic Serverをインストールして構成し、Middlewareホームを作成します。

  2. 作業2「Oracle Internet Directoryの新しい本番環境への移行」の説明に従って、Oracle Internet Directoryをインストールして構成します。

  3. Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』の説明に従って、Oracle Directory Integration Platformをインストールして構成し、本番環境用の情報を指定します。

    Oracle Directory Integration Platformのプロファイルは、Oracle Internet Directoryにあります。Oracle Internet Directoryを正しく本番システムに移行した場合、プロファイルは本番システムに引き継がれます。

  4. テスト環境でSSLを構成した場合、この構成は本番環境には移行されません。本番環境でSSLを構成する必要があります。

作業5   Oracle Identity Federationの新しい本番環境への移行

Oracle Identity Federationの設定には、様々なモジュール(資格証明用の資格証明ストア・フレームワーク(CSF)、CSFおよび監査にアクセスするJPS認可ルールなど)が関連します。それらのモジュールは構成されていて、移行する必要があります。このため、テスト環境から本番環境に設定を移行するのではなく、新しいOracle Identity Federationサーバーをインストールし、新しいインスタンスを構成することをお薦めします。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』を参照してください。

作業6   Oracle Identity Managerの新しい本番環境への移行

Oracle Identity Managerのデプロイメント・マネージャを使用して、ほとんどのメタデータをテスト環境から本番環境に移行できます。次の表に、デプロイメント・マネージャを使用して移行できるエンティティを示します。

エンティティ デプロイメント・マネージャのカテゴリ
ロール ロール
組織 組織
アクセス・ポリシー アクセス・ポリシー
認証プロセス 認証プロセス
認可ポリシー 認可ポリシー
ユーザー・メタデータ ユーザー・メタデータ
ロールおよび組織のメタデータ ロールおよび組織のメタデータ
スケジュール済タスク スケジュール済タスク
スケジュール済ジョブ ジョブ
ITリソース ITリソース
リソース・オブジェクト リソース
参照定義 参照
プロセスの形式 プロセスの形式
プロビジョニング・ワークフローとアダプタ プロセス
リソースの形式 リソースの形式
データ・オブジェクトの定義 データ・オブジェクトの定義
ルール ルール
通知テンプレート 通知テンプレート
GTCプロバイダ GTCプロバイダ
エラー・コード エラー・コード
システム・プロパティ システム・プロパティ
EmailDef 電子メール定義
EventHandler イベント・ハンドラ
PasswordPolicy パスワード・ポリシー
GenericConnector 汎用コネクタ
ITResourceDef ITリソース定義
リクエスト・テンプレート リクエスト・テンプレート
リクエスト・データセット リクエスト・データセット
承認ポリシー 承認ポリシー

Oracle Identity Managerを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. テスト環境で、デプロイメント・マネージャを使用して、前述の表に示されたエンティティのメタデータをエクスポートします。ウィザードで、エンティティの子および依存状態を選択します。メタデータのエクスポート方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerシステム管理者ガイドのデプロイメントのエクスポートに関する項を参照してください。

    データは、.xmlファイルとしてエクスポートされます。

  2. 本番環境で、デプロイメント・マネージャを使用して、前述の表に示されたエンティティのメタデータをインポートします。メタデータのインポート方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerシステム管理者ガイドのデプロイメントのインポートに関する項を参照してください。

    デプロイメント・マネージャは、リソース・バンドル、jarとプラグイン、およびカスタムのリコンシリエーション・プロファイルを管理しません。

  3. JDeveloperを使用して、SOAコンポジット・アプリケーションである承認ワークフローを移行します。

    1. 標準のファイル転送方法を使用して、JDeveloperプロジェクトにあるすべてのファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

    2. アプリケーションで、外部システムへのコールを本番環境のシステムを指すように変更します。たとえば、ワークフローがテスト環境のLDAPサーバーを使用している場合、参照を本番環境のLDAPサーバーを指すように変更します。

    3. JDeveloperを使用して、sca jarファイルをSOAコンポジットから構築します。

    4. Fusion Middleware ControlのSOAデプロイメント・ウィザード(第9.5.1項参照)またはJDeveloperを使用して、SOAコンポジット・アプリケーションを本番環境にデプロイします。

  4. テスト環境で、ローカライゼーション・リソース・バンドル、および次の一連のプラグイン・コードをテスト環境からエクスポートします。

    • スケジュール済タスクjar

    • アダプタJavaタスク

    • サード・パーティjar

    • その他のプラグイン・コードjar

    次の手順に従います。

    1. エンティティをzipファイルにエクスポートする次のスクリプトを編集します。

      (UNIX) OIM_ORACLE_HOME/server/bin/exportMetadata.sh
      (Windows) OIM_ORACLE_HOME\server\bin\exportMetadata.bat
      

      スクリプトを編集して次の値を指定します。

      • CONTEXT: アプリケーションのURL。たとえば、weblogic.jndi.WLInitialContextFactory。

      • EXPORT_LOCATION: zipファイルが作成されるディレクトリへの完全パス。

      • TEMP_LOCATION_TO_EXTRACT: ファイルがzipファイルにパッケージ化される前に一時的に格納されるディレクトリへの完全パス。

      • CONTROL_FILE: 何をエクスポートする必要があるかを制御するXMLファイル。手順bの説明に従ってファイルを作成します。

    2. 制御ファイルを作成し、エクスポートするエンティティのタイプを指定します。次の例に、すべてのカスタムのリソース・バンドル、jarファイル、およびプラグインをエクスポートすることを指定する制御ファイルのサンプルを示します。

      <?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?>
      <MigrationDetails Operation ="Export">
        <entityDetails>
          <EntityType>CustomResourceBundles</EntityType>
          <FilteringCriteria>
            <Attribute>
        <Name>Resource_Type</Name>
           <Filter>*</Filter>
            </Attribute>
          </FilteringCriteria>
        </entityDetails>
        <entityDetails>
          <EntityType>Jars</EntityType>
          <FilteringCriteria>
            <Attribute>
              <Name>Jar_Type</Name><Filter>*</Filter>
            </Attribute>
          </FilteringCriteria>
        </entityDetails>
      <entityDetails>
          <EntityType>Plugins</EntityType>
          <FilteringCriteria>
            <Attribute>
              <Name>Type</Name><Filter>*</Filter>
            </Attribute>
          </FilteringCriteria>
        </entityDetails>
       
      </MigrationDetails>
      
    3. スクリプトを実行します。ユーザー名、パスワードおよびJNDI URLの入力を求められたら、それらを指定します。JNDI URLはアプリケーションに接続するためのURLです。たとえば、t3://hostname:port)。

      このスクリプトは、exportPackage_timestamp.zipという名前のzipファイルを作成します。このファイルは、ディレクトリexportPackage_timestampに作成されます。

  5. 本番環境で、ローカライゼーション・リソース・バンドル、および一連のプラグイン・コードをテスト環境からインポートします。

    これらのエンティティをインポートするには、エンティティをzipファイルにエクスポートする次のスクリプトを使用します。

    (UNIX) OIM_ORACLE_HOME/server/bin/importMetadata.sh
    (Windows) OIM_ORACLE_HOME/\erver\bin\importMetadata.bat
    

    次の手順に従います。

    1. エクスポート操作で作成した、エンティティをzipファイルからインポートする次のスクリプトを編集します。

      (UNIX) OIM_ORACLE_HOME/server/bin/importMetadata.sh
      (Windows) OIM_ORACLE_HOME/\erver\bin\importMetadata.bat
      

      スクリプトを編集して次の値を指定します。

      • CONTEXT: アプリケーションのURL。たとえば、weblogic.jndi.WLInitialContextFactory。

      • IMPORT_LOCATION: エクスポート操作で作成したzipファイルがあるディレクトリへの完全パス。

      • TEMP_LOCATION_TO_EXTRACT: zipファイル内のファイルがインポートされる前に抽出されるディレクトリへの完全パス。

    2. スクリプトを実行します。ユーザー名、パスワードおよびJNDI URLの入力を求められたら、それらを指定します。JNDI URLはアプリケーションに接続するためのURLです。たとえば、t3://hostname:port)。

      このスクリプトは、データを本番環境にインポートします。

  6. Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerシステム管理者ガイドのリコンシリエーション・プロファイルの手動更新に関する項の説明に従って、カスタムのリコンシリエーション・プロファイルを移行します。

    1. WLSTコマンドexportMetadataを使用して、カスタムのリコンシリエーション・プロファイルをテスト環境からエクスポートします。

      connect('username','password',JNDI-URL')
      exportMetadata(application='OIM', server='server_name',
        toLocation='directory', docs='path_to_reconciliation_profiles'
      
    2. エクスポートしたファイルを本番環境にコピーします。

    3. WLSTコマンドimportMetadataを使用して、カスタムのリコンシリエーション・プロファイルを本番環境にインポートします。

      connect('username','password',JNDI-URL')
      importMetadata(application='OIM', server='server_name',
        fromLocation='directory', docs='/**'
      
  7. コネクタでは、本番環境で新しい定義を使用してアップグレードされる以前のバージョンの形式を必要とする、形式の変更がある場合、コネクタを移行してからForm Version Control(FVC)ユーティリティを実行します。詳細は、Connector Patch Readmeファイルのコネクタのアップグレードに関する項を参照してください。このReadmeファイルは、コネクタ配布メディアの最上位ディレクトリにあります。

作業7   Oracle Identity Navigatorの新しい本番環境への移行

Oracle Identity Navigatorを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. テスト環境で、WLSTコマンドexportMetadataを使用して、Oracle Identity Navigatorのメタデータをテスト環境からエクスポートします。

    connect('username','password',JNDI-URL')
    exportMetadata(application='oinav', server='server_name',
      toLocation='directory'
    

    JNDI URLの形式は、t3://admin_server_host:admin_server_portです。

  2. 本番環境で、WLSTコマンドimportMetadataを使用して、Oracle Identity Navigatorのメタデータを本番環境にインポートします。

    connect('username','password',JNDI-URL')
    importMetadata(application='oinav', server='server_name',
      fromLocation='directory'
    
  3. 管理サーバーおよび管理対象サーバーを再起動します。

作業8   Oracle Access Manager 11gの新しい本番環境への移行

注意:

テスト環境と本番環境の両方の管理サーバーを起動する必要があります。

ポリシー構成情報をテスト・システムから本番システムにレプリケートするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』の説明に従って、Oracle WebLogic Serverをインストールして構成し、Middlewareホームを作成します。

  2. Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』の説明に従って、Oracle Access Managerをインストールして構成し、本番環境用の情報を指定します。

  3. 環境変数JAVA_HOMEを設定し、JAVA_HOMEをPATHに追加します。

  4. 次のWLSTコマンドを使用して、テスト・システムからポリシーをエクスポートします。

    exportPolicy(pathTempOAMPolicyFile='path_of_Temp_PolicyFile')
    
  5. ポリシー・ファイルを本番環境にコピーします。

  6. 次のコマンドを使用して、本番システムにポリシーをインポートします。

    importPolicy(pathTempOAMPolicyFile='path_of_Temp_PolicyFile')
    

テスト・システムから本番システムに構成およびパートナ情報をレプリケートするには、次の手順を実行します。

  1. 前述の手順の手順1から6までを実行します。

  2. 次のWLSTコマンドを使用して、テスト環境からパートナ情報をエクスポートします。

    exportPartners(pathTempOAMPartnerFile='path_of_Temp_PartnerFile')
    
  3. パートナ・ファイルを本番環境にコピーします。

  4. 次のWLSTコマンドを使用して、本番環境にパートナ情報をインポートします。

    importPartners(pathTempOAMPartnerFile='path_of_Temp_PartnerFile')
    
作業9   Oracle Access Manager 10gの新しい本番環境への移行

Oracle Access Manager 10gを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』の説明に従って、Oracle WebLogic Serverをインストールして構成し、Middlewareホームを作成します。

  2. ディレクトリ・サーバーをテスト環境から本番環境に移行します。つまり、o=oblixノードを移行します。『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』の新しいディレクトリ・サーバー・インスタンスの準備に関する項を参照してください。

  3. アイデンティティ・サーバー、ポリシー・マネージャおよびアクセス・サーバーと関連付けられているエンティティを削除します。該当のエンティティは、次のコマンドの下にあります。

    obcontainerId=DBAgents,<Configuration DN>
    

    コンテナ(obcontainerId=DBAgents)は削除しないでください。

  4. Oracle Access Managerインストレーション・ガイドの説明に従って、Oracle Access Managerをインストールして構成し、本番環境用のLDAP情報を指定します。

    Oracle Access Managerは、ポリシーおよび構成データをLDAPディレクトリに格納します。LDAPディレクトリが正しく構成されている場合(たとえば、Oracle Internet Directoryをテスト環境から本番環境に正しく移行済の場合)、Oracle Access Managerは、ポリシーおよび構成データをLDAPディレクトリから継承します。

  5. 本番システムで、新しい識別子を使用してアイデンティティ・サーバーおよびWebパスをインストールします。詳細は、次を参照してください。

    • Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』のアイデンティティ・サーバーのインストールに関する項

    • Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』のWebパスのインストールに関する項

    インストール後、次の手順に従います。

    1. サーバーを起動します。

    2. アイデンティティ・システム・ブラウザの設定を完了します。『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』のアイデンティティ・システムの設定に関する項を参照してください。

  6. Oracle Access Managerインストレーション・ガイドのポリシー・マネージャのインストールに関する項の説明に従って、ポリシー・マネージャをインストールします。ただし、ディレクトリ・サーバーを移行したときにすでにスキーマを更新しているので、スキーマは更新しないでください。認証スキームはすでにディレクトリ・サーバーに存在しているため、これを構成しないでください。


    注意:

    本番のポリシー・マネージャを設定した後、Oracle Access Managerの管理者としてログインすると、次のエラーが発生する場合があります。
    There was a problem obtaining the user ID. One possible reason for this is a time difference between the Identity System and Access Systems (Policy Manager and Access System Console).
    

    これを修正するには、LDAPからo=oblixノードの下のcookie暗号化鍵を削除し(CPResponseEncryptionKeyは変更しない)、アイデンティティ・サーバーを再起動します。削除する前に、cookie暗号化エントリのバックアップをldifファイルに作成する必要があることに注意してください。


  7. アクセス・システム・コンソールからブラウザ設定を完了し、新しい識別子を使用してアクセス・サーバーを追加します。詳細は、『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』のシステム・コンソールでのアクセス・サーバー・インスタンスの作成に関する項を参照してください。

    また、その他の情報は、『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』のアクセス・サーバーとインストールに関する項を参照してください。

  8. このシナリオでは、本番のWebゲート用に既存のWebゲート識別子を再使用します。次の手順に従います。

    1. アクセス・システム・コンソールに移動し、「アクセス・システム構成」タブを選択します。

    2. ホスト識別子」を選択します。「すべてのホスト識別子をリスト」ページで、テスト・システムが使用するホスト識別子を選択します。

    3. 変更」をクリックします。次に、本番のWebサーバー用のホスト名およびポートを「ホスト名のバリエーション」フィールドに追加します。


      注意:

      複数のホスト識別子に同じホストおよびポートがあると、リソースが保護されなくなる場合があります。

      ポリシー・ドメインで使用されるホスト識別子のみがその定義のhost:portを持つようにしてください。その他のホスト識別子からhost:portを削除します。


    4. 保存」をクリックします。

    5. 「アクセス・システム構成」タブから「アクセス・ゲート構成」を選択します。次に、関連するアクセス・ゲートを選択します。

    6. 「アクセス・ゲートの詳細」ページで「変更します。」を選択します。

    7. ホスト名およびポートを変更し、本番のWebサーバーのホスト名およびポートを指定します。

    8. 優先HTTPホストを変更し、手順cで追加したホスト名のバリエーションを指定します。

    9. Oracle Access Managerアクセス管理ガイドのアクセス・サーバーへのアクセス・ゲートとWebゲートの関連付けに関する項の説明に従って、Webゲートを新しく追加した本番のアクセス・サーバーに関連付けます。

    10. Webゲートを一時的に無効にします。アクセス・システム・コンソールから「アクセス・システム構成」タブを選択し、「アクセス・ゲート構成」を選択します。「実行」をクリックして、検索します。検索結果から、「アクセス・ゲート」を選択します。次に、「変更します。」を選択します。「無効」をクリックします。次に、「保存」をクリックします。

      アクセス・サーバーをインストールした後、Webゲートを有効にします。

  9. Webゲート作成中に使用した新しい識別子を使用して、アクセス・サーバーをインストールします。『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』のアクセス・サーバーのインストールに関する項を参照してください。

  10. 新しいWebゲートをインストールします。『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』のWebゲートのインストールに関する項を参照してください。

  11. エントリを確認し、テスト環境に関連するエントリを削除します。

    1. アイデンティティ・システム・コンソールから「システム構成」タブを選択し、「ディレクトリ・プロファイル」を選択します。それぞれのディレクトリ・プロファイルが新しいアイデンティティ・サーバー、アクセス・サーバーおよびポリシー・マネージャに関連付けられていることを確認します。

    2. アイデンティティ・システム・コンソールから「システム構成」タブを選択し、「Webパス」を選択して、テストのWebパスのエントリを削除します。

    3. アイデンティティ・システム・コンソールから「システム構成」タブを選択し、「アイデンティティ・サーバー」を選択して、テストのアイデンティティ・サーバーのエントリを削除します。

    4. アクセス・システム・コンソールから「アクセス・システム構成」タブを選択し、「アクセス・サーバー構成」を選択します。テスト環境のアクセス・サーバーのエントリを削除します。

  12. アイデンティティ・システム・コンソールから「システム構成」タブを選択し、「パスワード・ポリシー」を選択します。ホストおよびポートが「パスワード変更のリダイレクトURL」に設定されている場合は、新しいアイデンティティ・サーバーを指すように変更します。

  13. アクセス・システム・コンソールから「アクセス・システム構成」タブを選択し、「認証管理」を選択します。チャレンジ・リダイレクトが設定されている認証スキームを選択します。新しい認証Webゲートがインストールされている場合は、新しいWebサーバーのホストおよびポートを指定するように「チャレンジ・リダイレクト」を変更します。

  14. アクセス・システム・コンソールから「アクセス・システム構成」タブを選択し、「認証管理」を選択します。パスワード・ポリシーが構成されている認証スキームを選択します。WebパスとWebゲートが異なるWebサーバーにある場合、Webパスがインストールされている本番のWebサーバーの新しいホストおよびポートに適応するようにobWebPassURLprefix(ある場合)を変更します。

    詳細は、『Oracle Access Manager IDおよび共通管理ガイド』のパスワード・ポリシーの構成に関する項を参照してください。

作業10   Oracle Adaptive Access Managerの新しい本番環境への移行

Oracle Adaptive Access Managerを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. テスト環境で実行したインストール手順およびインストール後の構成手順と同じ手順を使用して、Oracle Adaptive Access Managerを本番環境にインストールします。

  2. Oracle Adaptive Access Manager管理コンソールを使用して、スナップショットをテスト環境からエクスポートし、構成をzipファイルにエクスポートします。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイドのシステム・スナップショットのインポート/エクスポートに関する項を参照してください。

    次のタイプの項目をエクスポートできます。

    • ポリシー

    • ルールの条件

    • パターン

    • 構成可能アクション

    • トランザクション定義

    • エンティティ

    • KBAの質問

    • KBAの検証

    • ルールで使用されるすべてのグループ・タイプ(アラート・グループ、アクション・グループ、ブラック・リスト・グループ、ホワイト・リスト・グループなど)

  3. Oracle Adaptive Access Manager管理コンソールを使用して、スナップショットを本番環境にインポートし、手順2で保存したzipファイルの内容をインポートします。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイドのシステム・スナップショットのインポート/エクスポートに関する項を参照してください。

  4. 必要に応じて、次の項目について本番システムを手動で更新します。

    1. スナップショットのエクスポートおよびインポートはアクション・グループおよびアラート・グループをコピーするだけなので、グループ・メンバーをテスト環境からエクスポートし、本番環境にインポートする必要があります。

      グループのエクスポートについては、Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイドのグループのエクスポートに関する項を参照してください。

      本番環境にグループをインポートするには、Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイドのグループのインポートに関する項を参照してください。

    2. oaam_extensions共有ライブラリを使用して、構成可能アクションのjarをパッケージ化します。

    3. ヘッダー、フッター、カスケード・スタイル・シート(CSS)、JavaScriptなどの、OAAMサーバーでカスタマイズされた項目を、テスト・システムから本番システムに手動でコピーします。これらの項目は、oaam_extensions共有ライブラリにあります。

    4. Oracle Adaptive Access Manager管理コンソールを使用して、KBA logic、OTP logic、およびポリシー・セットのオーバーライドを手動で再作成します。Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイドを参照してください。

    5. プロパティ・ファイル、リソース・バンドルおよびエンド・ユーザーJSP画面をテスト環境から本番環境にコピーします。これらの項目は、oaam_extensions共有ライブラリにあります。

    6. VADイメージをテスト環境から本番環境にコピーします。これはカスタムjar内にあります。

  5. 次の手順を実行して、移行が正常に行われたかどうかを検証します。

    1. 本番環境へのグループのインポートについては、Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイドのOAAM管理コンソールとコントロールに関する項の説明に従って、OAAM管理コンソールにログインします。

    2. ポリシーに移動し、テスト環境のルールおよびグループが本番環境に存在することを確認します。

    3. KBAモジュールに移動し、テスト環境のチャレンジ質問が本番環境に存在することを確認します。

    4. Oracle Adaptive Access Manager用に構成されたWebアプリケーションをテストします。ユーザーは、登録およびチャレンジ・フローにリダイレクトされます。

作業11   監査ポリシーの新しい本番環境への移行

監査ポリシーを新しい本番環境に移行するには、『Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』の次の各項目を参照してください。

  • 「監査ポリシーの移行」

  • 「監査ポリシーの管理」

作業12   Oracle Platform Securityの新しい本番環境への移行

Oracle Platform Securityを新しい本番環境に移行するには、ポリシー・ストアおよび資格証明ストアを移行します。

  1. Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』のコマンドmigrateSecurityStoreを使用してのポリシーの移行に関する項の説明に従って、WLSTコマンドmigrateSecurityStoreを使用してポリシー・ストアを移行します。

  2. Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』のコマンドmigrateSecurityStoreを使用しての資格証明の移行に関する項の説明に従って、WLSTコマンドmigrateSecurityStoreを使用して資格証明ストアを移行します。

  3. Oracle Web Services Managerを使用している場合は、『Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』の監査ポリシーの移行に関する項の説明に従って、監査ポリシーを移行します。

作業13   Oracle Web Services Managerの新しい本番環境への移行

Oracle Web Services Managerを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. 作業12「Oracle Platform Securityの新しい本番環境への移行」の説明に従って、Oracle Platform Securityを本番システムに移行します。

    Oracle Web Services Managerは、Oracle Platform SecurityおよびOracle Fusion Middleware監査フレームワークに依存します。Oracle Web Services Managerは、次の目的でOracle Platform Securityを使用します。

    • 資格証明ストア: Oracle Web Services Managerは、クライアント・ポリシー・ユーザー名とパスワード資格証明およびキーストア・パスワードを資格証明ストアに格納します。

    • ポリシー・ストア: Oracle Web Services Managerの権限をベースとした認証ポリシーは、Oracle Platform Securityのポリシー・ストアを使用して権限を参照します。

    • ログイン・モジュール: Oracle Web Services Managerは、その認証すべてにOracle Platform Securityログイン・モジュールを使用します。

    • キーストアの構成。ただし、テスト環境のキーストアと本番環境のキーストアは通常異なります。

  2. Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』の監査ポリシーの移行に関する項の説明に従って、監査ポリシーを移行します。

  3. MDSリポジトリに格納されているポリシーを移行します。

    1. テスト環境から、次のWLSTコマンドを実行します。

      exportMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
          docs='/assertiontemplates/**',toLocation='/tmp/owsmexport/')
      exportMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
           docs='/policies/**',toLocation='/tmp/owsmexport/')
       
      
    2. /tmp/owsmexportディレクトリをテスト環境から本番環境にコピーします。

    3. 本番環境で、次のWLSTコマンドを実行します。

      deleteMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
           docs='/assertiontemplates/**')
      deleteMetadata(application='wsm-pm',server='server_name', 
           docs='/policies/**')
      importMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
           docs='/assertiontemplates/**',fromLocation='/tmp/owsmexport/') 
      importMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
           docs='/policies/**',fromLocation='/tmp/owsmexport/') 
      
    4. カスタムビルド・ポリシーがある場合は、jarファイルをテスト環境から本番環境にコピーすることで、それらのポリシーを移行します。jarファイルは、次のディレクトリにあります。

      DOMAIN_HOME/lib
      
    5. ADF BCおよびOracle WebCenterポリシー添付ファイルは、『Oracle Fusion Middleware Web Servicesセキュリティ・ガイドおよび管理者ガイド』の環境間でのアプリケーション移行の管理に関する項の説明に従って移行します。

      その他のポリシー添付ファイルは、Oracle WebLogic Serverのクローニング機能を使用している場合、アプリケーションとともに移行されます。

  4. Oracle WebLogic Server JAX-WSアプリケーションでは、MDSではなく、wsm-seed-policies.jarに格納されたポリシーが使用されます。次のファイルをテスト環境から本番環境にコピーすることで、それらのポリシーを移行します。

    ORACLE_HOME/modules/oracle.wsm.policies_11.1.1/wsm-seed-policies.jar
    
  5. キーストアをテスト環境から本番環境に移行します。

    1. 秘密鍵は、テスト環境と本番環境で異なるため、移行する必要はありません。

    2. 公開鍵、中間証明書およびルート証明書は移行できます。Sun Microsystemsのjava keytoolのexportコマンドおよびimportコマンドを使用して、これらを移行します。

    3. 移行後、証明書を確認し、サービスを呼び出すクライアントに基づいて、本番環境で適用可能かどうかを確認します。

    4. 本番のキーストアの暗号化鍵の別名がテスト環境のキーストアと異なる場合、ポリシー構成のメッセージ保護を実行するすべてのポリシーのrcpt-key-aliasを更新する必要があります。

      Fusion Middleware Controlからドメインを選択します。次に、「WebLogicドメイン」メニューで、「Webサービス」→「ポリシー」を選択します。ポリシーを選択し、「編集」をクリックします。別名を更新します。


関連項目:

Oracle Fusion Middleware Web Servicesセキュリティおよび管理者ガイド』のポリシーの水平移行に関する項

20.2.2 アイデンティティ管理の既存の本番環境への移行

このシナリオでは、アイデンティティ管理コンポーネント(Oracle Internet Directory、Oracle Directory Integration Platform、Oracle Web Services Managerなど)がテスト環境にインストール済で、これらをすでに存在している本番環境に移行する必要があると想定します。

既存の本番システムでは、コンポーネントをインストールおよび構成済です。アプリケーションを、セキュリティ関連の構成を保持したままテスト環境から本番環境に移行する必要があります。この作業では、アプリケーション固有のデータをテストのアイデンティティ管理環境から本番のアイデンティティ管理環境に移行する必要があります。

アイデンティティ管理を既存の本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   Oracle Internet Directoryの既存の本番環境への移行

Oracle Internet Directoryを既存の本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. テスト環境でユーザーおよびグループを使用するように、Oracle Platform Securityを構成済の場合があります。テスト環境からユーザーおよびグループを移行するには、次の手順に従います。

    1. テストのOracleホームから次のコマンドを実行して、テストのOracle Internet Directoryインスタンスのデフォルト・サブスクライバを特定します。

      ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -h test_oid_host -p test_oid_port 
        -D "cn=orcladmin" -w "test_orcladmin_passwd" 
        -b "cn=Common,cn=Products,cn=OracleContext"
        -s base "objectclass=*"  orcldefaultsubscriber
      

      この問合せを実行すると、属性orcldefaultSubscriberの値が返されます。この値は、次の手順でdefault_subscriberとして使用されます。

    2. テストのOracleホームから次のコマンドを実行して、テストのOracle Internet Directoryインスタンスからユーザーを取得します。

      ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -h test_oid_host -p test_oid_port 
        -D "cn=orcladmin" -w "test_orcladmin_passwd" 
        -L -b "cn=users, default_subscriber"
        -s sub "objectclass=*" * orclguid > users.ldif
      
    3. 本番のOracleホームから次のコマンドを実行して、本番のOracle Internet Directoryインスタンスにユーザーを移行します。

      ORACLE_HOME/bin/ldapaddmt -h production_oid_host
        -p production_oid_port -D "cn=orcladmin"
        -w "production_orcladmin_passwd" -r -f ldif_filename
      

      -r引数を指定して、データを移行し、競合を解決します。ldif_filenameは、前の手順で取得したファイルです。

  2. テスト環境がステージング環境に設定されていて本番環境を模倣している場合、本番のOracle Internet DirectoryからテストのOracle Internet Directoryへの一方向レプリケーションを設定して、本番環境に存在しているすべてのユーザーおよびグループが、アプリケーションのテストに使用できるファンアウト・レプリカで使用できるようにすることをお薦めします。ファンアウト・レプリケーションは、本番と同期するテストのOracle Internet Directoryを保持し、リアルタイムで本番に追加されるすべてのユーザーおよびグループをレプリケートする機能も提供します。

    ファンアウト・レプリケーションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド』の次の各項を参照してください。

    • Oracle Internet Directoryレプリケーションの概要に関する項

    • Fusion Middleware Controlのレプリケーション・ウィザードを使用した一方向、双方向、またはマルチマスターのLDAPベース・レプリケーション承諾の設定に関する項

  3. Oracle Forms ServicesまたはOracle Reportsを使用している場合、リソース・アクセス記述子(RAD)を移行します。この手順は、手順1の説明に従って、デフォルト・サブスクライバをテスト環境から本番環境に移行済であることを想定しています。また、テストのOracle Internet DirectoryのユーザーのorclGUIDが本番のOracle Internet Directoryと同じであることも想定しています。

    次の手順に従います。

    1. 手順1aの説明に従って、デフォルト・サブスクライバを特定します。

    2. 次のコマンドを実行して、テストのOracle Internet DirectoryインスタンスからRADを取得します。

      ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -h test_oid_host -w test_orcladmin_passwd
         -p test_oid_port -D "cn=orcladmin"
         -L -b "cn=Extended Properties,cn=OracleContext, default_subscriber"
         -s sub "objectclass=*" * orclguid > rads.ldif
      
    3. 次のコマンドを実行して、本番のOracle Internet DirectoryインスタンスにRADを移行します。

      ORACLE_HOME/bin/ldapaddmt -h production_oid_host
         -p production_oid_port -D "cn=orcladmin"
         -w "production_orcladmin_passwd" -r -f ldif_filename
      

      -r引数を指定して、データを移行し、競合を解決します。ldif_filenameは、前の手順で取得したファイルです。

      このコマンドを実行すると、ファイルadd.logが、このコマンドを実行したディレクトリに生成されることに注意してください。add.logファイルで、RADの移行中に発生したエラーを確認します。エラーがある場合、エラーを修正し、コマンドを再実行してください。

作業2   Oracle Access Manager 11gの既存の本番環境への移行

このシナリオでは、テスト環境で行った増分変更を本番環境に移行します。


注意:

テスト環境と本番環境の両方の管理サーバーを起動する必要があります。

ポリシー構成情報をテスト・システムから本番システムにレプリケートするには、次の手順を実行します。

  1. 環境変数JAVA_HOMEを設定し、JAVA_HOMEをPATHに追加します。

  2. 次のWLSTコマンドを使用して、テスト・システムからポリシーをエクスポートします。

    exportPolicy(pathTempOAMPolicyFile='path_of_Temp_PolicyFile')
    
  3. ポリシー・ファイルを本番環境にコピーします。

  4. 次のコマンドを使用して、本番システムにポリシーをインポートします。

    importPolicy(pathTempOAMPolicyFile='path_of_Temp_PolicyFile')
    
作業3   Oracle Access Manager 10gの既存の本番環境への移行

Oracle Access Manager 10gを既存の本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. 本番環境で、Oracle Access Manager OAMCfgToolを使用して、アプリケーション用に同じポリシー・ドメインを作成します。次のコマンドが本番環境の値を指定していることを確認します。

    web_domain (The Host identifier is derived from this entry)
    protected_uris="uri1,uri2,uri3"
    app_agent_password=password to be provisioned for the WebGate
    ldap_host=hostname of LDAP server
    ldap_port=port of LDAP server
    ldap_userdn=DN of LDAP Admin User
    ldap_userpassword=password of LDAP Admin User
    oam_aaa_host=host of OAM server
    oam_aaa_port=port of OAM server
    

    uris_fileを使用してファイルにある保護されたURIおよび公開URIを指定している場合、ファイルを確認して正しいURIがリストされていることを確認します。

  2. テスト環境のOracle Access Managerのエンティティ(ポリシー・ドメインなど)に対してその他の変更を行った場合、本番環境で同じタイプの変更を行います。

作業4   Oracle Adaptive Access Managerの既存の本番環境への移行

Oracle Adaptive Access Managerを既存の本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. 必要なデルタ・データをテスト・システムから1つ以上のzipファイルにエクスポートします。次のタイプの項目をエクスポートできます。ポリシー、ルール条件、パターン、構成可能アクション、トランザクション、エンティティ、KBAの質問、KBAの検証、ルールで使用されるすべてのグループ・タイプ(アラート・グループ、アクション・グループ、ブラック・リスト・グループ、ホワイト・リスト・グループなど)。第20.2.1項作業10「Oracle Adaptive Access Managerの新しい本番環境への移行」の手順2を参照してください。

  2. 手順1で作成したzipファイルを本番システムにインポートします。第20.2.1項作業10「Oracle Adaptive Access Managerの新しい本番環境への移行」の手順3を参照してください。

  3. 必要に応じて、次の項目について本番システムを手動で更新します。

    1. スナップショットのエクスポートおよびインポートはアクション・グループおよびアラート・グループをコピーするだけなので、グループ・メンバーをテスト環境からエクスポートし、本番環境にインポートする必要があります。

      グループのエクスポートについては、Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイドのグループのエクスポートに関する項を参照してください。

      本番環境にグループをインポートするには、Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイドのグループのインポートに関する項を参照してください。

    2. oaam_extensions共有ライブラリを使用して、構成可能アクションのjarをパッケージ化します。

    3. ヘッダー、フッター、カスケード・スタイル・シート(CSS)、JavaScriptなどの、OAAMサーバーでカスタマイズされた項目を、テスト・システムから本番システムに手動でコピーします。これらの項目は、oaam_extensions共有ライブラリにあります。

    4. Oracle Adaptive Access Manager管理コンソールを使用して、KBA logic、OTP logic、およびポリシー・セットのオーバーライドを手動で再作成します。Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイドを参照してください。

    5. プロパティ・ファイル、リソース・バンドルおよびエンド・ユーザーJSP画面をテスト環境から本番環境にコピーします。これらの項目は、oaam_extensions共有ライブラリにあります。

    6. VADイメージをテスト環境から本番環境にコピーします。これはカスタムjar内にあります。

    7. プロパティ・ファイル、リソース・バンドル、VADイメージおよびエンド・ユーザーJSP画面をテスト環境から本番環境にコピーします。

  4. 次の手順を実行して、移行が正常に行われたかどうかを検証します。

    1. 本番環境へのグループのインポートについては、Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイドのOAAM管理コンソールとコントロールに関する項の説明に従って、OAAM管理コンソールにログインします。

    2. ポリシーに移動し、既存のグループ・リンクを確認して、テスト環境から新しく追加したルールおよびグループが本番環境に存在することを確認します。

    3. KBAモジュールに移動し、テスト環境に新しく追加したチャレンジ質問が本番環境に存在することを確認します。

    4. Oracle Adaptive Access Manager用に構成されたWebアプリケーションをテストします。ユーザーは、登録およびチャレンジ・フローにリダイレクトされます。この動作は、テスト環境での動作と同じである必要があります。

作業5   Oracle Identity Managerの既存の本番環境への移行

Oracle Identity Managerを既存の本番環境に移行するには、第20.2.1項作業6「Oracle Identity Managerの新しい本番環境への移行」の各手順に従います。

作業6   Oracle Identity Navigatorの既存の本番環境への移行

Oracle Identity Navigatorを既存の本番環境に移行するには、第20.2.1項作業7「Oracle Identity Navigatorの新しい本番環境への移行」の各手順に従います。

作業7   Oracle Platform Securityの既存の本番環境への移行

Oracle Platform Securityのポリシー・ストアと資格証明ストアの情報すべてをテスト環境から既存の本番環境に移行する必要があります。

  1. Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』のコマンドmigrateSecurityStoreを使用してのポリシーの移行に関する項の説明に従って、WLSTコマンドmigrateSecurityStoreを使用してポリシー・ストアを移行します。

  2. Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』のコマンドmigrateSecurityStoreを使用しての資格証明の移行に関する項の説明に従って、WLSTコマンドmigrateSecurityStoreを使用して資格証明ストアを移行します。

  3. 本番のLDAPにあるユーザーおよびグループは、LDAPにあるユーザーおよびグループと異なる場合があります。Oracle Platform SecurityアプリケーションのロールとLDAPのロールの間にマッピングがあります。アプリケーションのロールは同じままの場合がありますが、LDAPグループへのマッピングは、本番環境の対応するLDAPグループに対してマップするように変更される可能性があります。『Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』のアプリケーション・ロールの管理に関する項を参照してください。

  4. Oracle Web Services Managerを使用している場合は、『Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』の監査ポリシーの移行に関する項の説明に従って、監査ポリシーを移行します。

作業8   Oracle Web Services Managerの既存の本番環境への移行

Oracle Web Services Managerを既存の本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. MDSリポジトリに格納されているSOAコンポジット・アプリケーション、WebCenterまたはADFアプリケーションのポリシーを移行します。

    Fusion Middleware Controlを使用してこれを実行する手順は次のとおりです。

    1. テスト環境で、ドメインを選択します。次に、「WebLogicドメイン」メニューで、「Webサービス」→「ポリシー」を選択します。

    2. ポリシーを選択し、「ファイルにエクスポート」をクリックします。

      ポリシーがテスト環境上のファイルにコピーされます。

    3. ファイルの保存」→「OK」をクリックします。

    4. ファイルの保存先のローカル・ディレクトリの場所に移動し、必要に応じてファイル名を更新します。「保存」をクリックします。

    5. ファイルを本番環境にコピーします。

    6. 本番環境で、ドメインを選択します。次に、「WebLogicドメイン」メニューで、「Webサービス」→「ポリシー」を選択します。

    7. ファイルからインポート」をクリックします。ファイルを参照して選択し、「OK」をクリックします。

    8. テスト環境で、ドメインを選択します。次に、「WebLogicドメイン」メニューで、「Webサービス」→「ポリシー」を選択します。

    9. ページの右上にある「Webサービス・アサーション・テンプレート」をクリックします。

    10. ファイルにエクスポート」をクリックします。

    11. ファイルの保存」→「OK」をクリックします。

    12. ファイルの保存先のローカル・ディレクトリの場所に移動し、必要に応じてファイル名を更新します。「保存」をクリックします。

    13. 本番環境で、ドメインを選択します。次に、「WebLogicドメイン」メニューで、「Webサービス」→「ポリシー」を選択します。

    14. ファイルからインポート」をクリックします。ファイルを参照して選択し、「OK」をクリックします。

    15. ページの右上にある「Webサービス・アサーション・テンプレート」をクリックします。

    16. ファイルからインポート」をクリックします。ファイルを参照して選択し、「OK」をクリックします。

    WLSTを使用してポリシーを移行するには、次の手順を実行します。

    1. テスト環境から、次のWLSTコマンドを実行します。

      exportMetadata(application='wsm-pm',server='server_name', 
         docs='/assertiontemplates/assert_template_name',  
         toLocation='/tmp/owsmexport/')
      exportMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
         docs='/policies/policy_name',toLocation='/tmp/owsmexport/')
       
      
    2. /tmp/owsmexportディレクトリをテスト環境から本番環境にコピーします。

    3. 本番環境で、次のWLSTコマンドを実行します。

      importMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
        docs='/assertiontemplates/assert_template_name'',
        fromLocation='/tmp/owsmexport/') 
      importMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
        docs='/policies/policy_name',fromLocation='/tmp/owsmexport/') 
      
    4. カスタムビルド・ポリシーがある場合は、jarファイルをテスト環境から本番環境にコピーすることで、それらのポリシーを移行します。jarファイルは、次のディレクトリにあります。

      DOMAIN_HOME/lib
      

      関連項目:

      Oracle Fusion Middleware Web Servicesセキュリティおよび管理者ガイド』のポリシーの水平移行に関する項

  2. Oracle WebLogic Server JAX-WSアプリケーションでは、MDSではなく、wsm-seed-policies.jarに格納されたポリシーが使用されます。次のファイルをテスト環境から本番環境にコピーすることで、それらのポリシーを移行します。

    ORACLE_HOME/modules/oracle.wsm.policies_11.1.1/wsm-seed-policies.jar
    

    Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、これらのポリシーを移行することもできます。

  3. アプリケーションが最初に本番環境にデプロイされて以降、SOA、ADFまたはWebCenterアプリケーションのポリシー添付ファイルが変更された場合、これらを移行します。たとえば、ポリシーAは当初、BASIC 128アルゴリズムを使用してテスト環境で構成され、HelloWorldアプリケーションに添付されたとします。このアプリケーションが本番環境にデプロイされ、その後、テスト環境で、Basic 129アルゴリズムを使用するようにポリシーAを変更した場合などがこれに該当します。

  4. JAX-WSアプリケーションが最初にデプロイされて以降、このアプリケーションのポリシー添付ファイルが変更された場合、これらの添付ファイルを移行します。

20.3 Oracle SOA Suiteの本番環境への移行

次の各項目では、Oracle SOA Suiteをテスト環境から本番環境に移行する方法について説明します。

どちらのシナリオでも、テスト環境で次の操作を実行済です。

20.3.1 Oracle SOA Suiteの新しい本番環境への移行

このシナリオでは、第20.3項の説明に従って、Oracle SOA Suiteをテスト環境にインストール済で、これをまだ存在していない本番環境に移行する必要があると想定します。

この環境を新しい本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   ソフトウェアのインストールおよび初期構成の実行

関連項目:

Oracle SOA Suiteのエンタープライズ・デプロイメントの設定の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。

本番システムにソフトウェアをインストールして初期構成を実行するには、次の手順を実行します。

  1. RCUを使用して、本番データベースで必要なスキーマを作成します。『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  2. 第19.5.1項の説明に従って、Middlewareホームをクローニングします。Oracle WebLogic ServerホームとMiddlewareホーム内のOracleホームもクローニングされます。

  3. 構成ウィザードを使用して、Oracle SOA Suiteを構成し、ドメインを作成します。『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteインストレーション・ガイド』のOracle SOA Suiteの構成に関する項を参照してください。

  4. アイデンティティ管理コンポーネント(Oracle Internet Directory、Oracle Platform Security、Oracle Web Services Managerなど)をインストールして構成します。

    アイデンティティ管理コンポーネントのインストールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteインストレーション・ガイド』を参照してください。

    Oracle Internet Directoryでのユーザーとグループの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの保護』のOracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directoryの認証プロバイダにおけるユーザーとグループの構成に関する項を参照してください。

  5. アプリケーションで使用するカスタム・スキーマを作成します。たとえば、アプリケーションがテスト環境でカスタム・スキーマを使用する場合、本番環境でそのスキーマを作成します。

  6. インバウンド・ファイルまたはアウトバウンド・ファイルのディレクトリ構造を作成します。たとえば、/tmp/inbound_msgディレクトリからインバウンド・ファイルを読み取り、/tmp/outbound_msgディレクトリにアウトバウンド・ファイルを書き込むファイル・アダプタを使用している場合、これらのディレクトリを本番環境に作成します。同様に、Oracle B2Bが/tmp/inboundディレクトリからインバウンド・メッセージを読み取り、/tmp/outboundディレクトリにアウトバウンド・メッセージを書き込むリスナー・チャネルを使用している場合、これらのディレクトリを作成します。

作業2   リソース・アダプタ、データソースおよびJMSリソースの構成

リソース・アダプタ、データソースおよびJMSを構成するには、次の手順を実行します。

  1. データベース・アダプタを構成する方法は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』のデプロイメントに関する項を参照してください。

  2. AQアダプタを構成する方法は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』のOracle WebLogic Server管理コンソールでのデータソースの構成に関する項を参照してください。

  3. JMSアダプタを構成する方法は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』のアダプタ構成ウィザードを使用してOracle JMSアダプタを構成する方法に関する項を参照してください。

    管理コンソールを使用してこれらのリソースを構成する方法の詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソールのオンライン・ヘルプの次の各項目を参照してください。

    • リソース・アダプタの構成

    • JDBCデータソースの構成

    • JMSシステム・モジュールの構成およびJMSリソースの追加

作業3   新しい本番環境でのセキュリティの構成

セキュリティを構成する必要があります。手順は、環境およびアプリケーションの構成によって異なります。次の各手順は、Oracle Internet Directory、JKS証明書、Oracle Web Services ManagerおよびOracle Platform Securityを使用していることを想定しています。

  1. Oracle Internet Directoryでjpsrootノードを設定します。

    1. LDIFファイルを作成し、次の内容を記述します。

      dn: cn=jpsroot_soa_domain,dc=us,dc=oracle,dc=com
      cn: jpsroot_soa_domain
      objectclass: top
      objectclass: orclcontainer
      
    2. 次のコマンドを使用してノードをディレクトリに追加します(ORACLE_HOMEはアイデンティティ管理のOracleホームです)。

      ORACLE_HOME/bin/ldapadd -h oidhost -p oidport -D cn=orcladmin 
        -w "oid Adminpassword" -vf filename.ldif
      
  2. 必要に応じて、ユーザーおよびグループを本番環境に移行します。たとえば、ヒューマン・ワークフローのデモを使用している場合、これらのユーザーを移行します。

    1. ldapsearchコマンドを使用して、テスト環境のLDAPアイデンティティ・ストアからユーザーおよびグループをエクスポートします。これにより、後で本番環境のLDAPアイデンティティ・ストアにインポートするldifファイルが作成されます。ldapsearchコマンドは、アイデンティティ管理コンポーネントのORACLE_HOME/binディレクトリにあります。次に例を示します。

      ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -h test_oid_host -p test_oid_port 
        -D "cn=orcladmin" -w "test_orcladmin_passwd" -b "cn=Users,dc=us"
      
    2. 次の例で示すように、ldapaddmtコマンドを使用して、テスト環境からエクスポートしたldifファイルを本番環境にインポートします(ORACLE_HOMEはアイデンティティ管理のOracleホームです)。

      ORACLE_HOME/bin/ldapaddmt -h production_oid_host
         -p production_oid_port -D "cn=orcladmin"
         -w "production_orcladmin_passwd" -r -f ldif_filename
      
  3. B2BエンドポイントのすべてのJKS証明書をテスト環境から本番環境にエクスポートします。次に、これらを本番環境にインポートします。JKS証明書のエクスポートおよびインポートの詳細は、第7.3.3項を参照してください。

  4. MDSリポジトリに格納されているOracle Web Services Managerポリシーを移行します。

    1. テスト環境から、次のWLSTコマンドを実行します。

      exportMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
         docs='/assertiontemplates/**',toLocation='/tmp/owsmexport/')
      exportMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
         docs='/policies/**',toLocation='/tmp/owsmexport/')
       
      
    2. /tmp/owsmexportディレクトリをテスト環境から本番環境にコピーします。

    3. 本番環境で、次のWLSTコマンドを実行します。

      deleteMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
         docs='/assertiontemplates/**')
      deleteMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
         docs='/policies/**')
      importMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
         docs='/assertiontemplates/**',fromLocation='/tmp/owsmexport/') 
      importMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
         docs='/policies/**',fromLocation='/tmp/owsmexport/') 
      
    4. カスタムビルド・ポリシーがある場合は、jarファイルをテスト環境から本番環境にコピーすることで、それらのポリシーを移行します。jarファイルは、次のディレクトリにあります。

      DOMAIN_HOME/lib
      

    ポリシー添付ファイルがあり、Oracle WebLogic Serverのクローニング機能を使用している場合、添付ファイルはアプリケーションとともに移行されます。

  5. 第20.2.2項作業7「Oracle Platform Securityの既存の本番環境への移行」の説明に従って、ヒューマン・ワークフロー・アプリケーションのロールに関連するセキュリティ・ポリシーをテスト環境から本番環境にインポートします。

  6. 第20.2.2項作業7「Oracle Platform Securityの既存の本番環境への移行」の説明に従って、資格証明ストアの情報をテスト環境から本番環境にインポートします。

作業4   コンポジット参照をサポートするアプリケーションの新しい本番環境へのデプロイ

ご使用のコンポーネント・アプリケーションがEJBまたは通常の従来型Javaオブジェクト(POJO)を参照している場合、これらのアプリケーションをデプロイします。

  1. EJBモジュールをデプロイするには、Oracle WebLogic Server管理コンソールのオンライン・ヘルプのEJBモジュールのデプロイに関する項を参照してください。

  2. エンタープライズ・アプリケーションをデプロイするには、Oracle WebLogic Server管理コンソールのオンライン・ヘルプのエンタープライズ・アプリケーションの使用に関する項を参照してください。

作業5   コンポジット・デプロイメントの新しい本番環境への移行

プロジェクトをある環境から別の環境に移行するとき(たとえば、テスト環境から本番環境)、通常いくつかの環境固有の値(JDBC接続文字列や様々なサーバーのホスト名など)を変更する必要があります。構成プランと呼ばれる単一のテキスト(XML)ファイルを使用して、これらの値を変更できます。構成プランは、Oracle JDeveloperにおいて、またはWebLogicスクリプト・ツール(WLST)のコマンドを使用して作成されます。プロセス・デプロイメント時に、構成プランを使用して、次のターゲット環境にプロジェクトを適合させるために置き換える必要がある値をSOAプロジェクトで検索します。

コンポジット・デプロイメントの移行および構成プランの使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』のSOAコンポジット・アプリケーションの開発環境、テスト環境および本番環境への(からの)移行に関する項を参照してください。

作業6   ヒューマン・ワークフローの新しい本番環境への移行

ヒューマン・ワークフローを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. Data Migratorを使用して、ヒューマン・ワークフローのユーザー・メタデータ(ビュー、フレックス・フィールド・マッピング、休暇ルールなど)をテスト環境から本番環境に移行します。Data Migratorは、コマンドラインで実行できるantターゲットとして使用できます。これは、データの移行用の入力パラメータを指定して作成されるプロパティ・ファイル(migration.properties)をコールします。

    migration.propertiesファイルには、次の入力パラメータが含まれています。

    operationType = {EXPORT | IMPORT}
    objectType = {VIEW | RULE | APPROVAL_GROUP | TASK_PAYLOAD_FLEX_FIELD_MAPPING}
    name = name of VIEW or APPROVAL_GROUP or TASK_PAYLOAD_FLEX_FIELD_MAPPING
    user = username of VIEW or RULE
    group = groupname for RULE
    grantPermission = {true | false}
    migrateAttributeLabel = {true | false}
    override = {true | false} 
    skip = {true | false}
    migrateToActiveVersion = {true | false}
    

    次のスクリプトを使用します。

    ORACLE_HOME/bin/ant-t2p-worklist.xml
    

    コマンドの形式は次のとおりです。

    ant -f ant-t2p-worklist.xml
         -Dbea.home=BEA_HOME
         -Dsoa.home=SOA_HOME
         -Dmigration.properties.file=MIGRATION_PROPERTY_FILE_PATH
         -Dsoa.hostname=SOA_HOSTNAME
         -Dsoa.rmi.port=SOA_RMI_PORT
         -Dsoa.admin.user=SOA_ADMIN_USER
         -Dsoa.admin.password=SOA_ADMIN_PASSWORD
         -Drealm=REALM
         -Dmigration.file=MIGRATION_FILE
         -Dmap.file=MAP_FILE
    

    移行ユーティリティの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Process Managementモデリングおよび実装ガイド』のユーザー・メタデータ移行ユーティリティの使用方法に関する項を参照してください。

    次の手順に従います。

    1. PATH環境変数に、必要なJAVA_HOMEおよびANT_HOME環境変数が含まれており、それらがOracle SOA Suiteインストール内の場所を指していることを確認してください。

    2. migration.propertiesファイルを作成して、ワークリスト・アプリケーションのユーザー・メタデータ(ルール、ビュー、フレックス・フィールド・マッピング、休暇ルールなど)をテスト環境からエクスポートします。migration.propertiesファイルは任意の場所に作成できます。次の事項に注意してください。

      • 保護されていないフレックス・フィールド・マッピングのみエクスポートできます。

      • 保護された属性ラベルのみエクスポートできます。

      • 一度に1タイプのデータのみエクスポートできます。

      • 特定のユーザーまたはグループのデータをエクスポートしている場合、それらを別々の操作で移行する必要があります。

      • 属性ラベルは、フレックス・フィールド・マッピングをエクスポートする前にエクスポートする必要があります。

        属性ラベルをエクスポートするには、migration.propertiesファイルで次の値を使用します。

        objectType = TASK_PAYLOAD_FLEX_FIELD_MAPPING
        migrateAttributeLabel = true 
        

        フレックス・フィールド・マッピングをエクスポートするには、migration.propertiesファイルで次の値を使用します。

        objectType = TASK_PAYLOAD_FLEX_FIELD_MAPPING
        migrateAttributeLabel = false 
        

      たとえば、特定のユーザーのすべてのルールをエクスポートするには、migration.propertiesファイルに次の値が含まれます。

      operationType = EXPORT
      objectType = RULE
      name = ALL
      user = username
      group =
      grantPermission = true
      migrateAttributeLabel = false
      override = true
      skip = true
      migrateToActiveVersion = false 
      

      特定のユーザーのルールをエクスポートする場合は、パラメータgroupはブランクのままであることに注意してください。

      特定のグループのすべてのルールをエクスポートするには、migration.propertiesファイルに次の値が含まれます。

      operationType = EXPORT
      objectType = RULE
      name = ALL
      user =
      group = LoanAgentGroup
      grantPermission = true
      migrateAttributeLabel = false
      override = true
      skip = true
      migrateToActiveVersion = false
      

      特定のグループのルールをエクスポートする場合は、パラメータuserはブランクのままであることに注意してください。

    3. データをエクスポートします。次の例は、コマンドを呼び出し、パラメータを指定する方法を示しています。

      ant -f ant-t2p-worklist.xml
        -Dbea.home=/scratch/oracle/MW_HOME
        -Dsoa.home=/scratch/oracle/MW_HOME/AS11gR1SOA 
        -Dmigration.properties.file=migration.properties
        -Dsoa.hostname=hostname -Dsoa.rmi.port=7001
        -Dsoa.admin.user=weblogic 
        -Dsoa.admin.password=password
        -Drealm=jazn.com
        -Dmigration.file=/tmp/export_all_userRules.xml
        -Dmap.file=/tmp/export_all_userRules_mapper.xml
      
    4. アプリケーションが、本番システムにデプロイされたことを確認します。

    5. migration.propertiesファイルを作成して、ワークリスト・アプリケーションのユーザー・メタデータを本番環境にインポートします。次の事項に注意してください。

      • 一度に1タイプのデータのみインポートできます。

      • 特定のユーザーまたはグループのデータをインポートしている場合、それらを別々の操作でインポートする必要があります。

      • 属性ラベルは、フレックス・フィールド・マッピングをインポートする前にインポートする必要があります。

        属性ラベルをインポートするには、migration.propertiesファイルで次の値を使用します。

        objectType = TASK_PAYLOAD_FLEX_FIELD_MAPPING
        migrateAttributeLabel = true 
        

        フレックス・フィールド・マッピングをインポートするには、migration.propertiesファイルで次の値を使用します。

        objectType = TASK_PAYLOAD_FLEX_FIELD_MAPPING
        migrateAttributeLabel = false 
        

      たとえば、特定のユーザーのすべてのルールをインポートするには、migration.propertiesファイルに次の値が含まれます。

      operationType = IMPORT
      objectType = RULE
      name = ALL
      user = username
      group =
      grantPermission = true
      migrateAttributeLabel = false
      override = true
      skip = true
      migrateToActiveVersion = false 
      

      特定のユーザーのルールをインポートする場合は、パラメータgroupはブランクのままであることに注意してください。

      特定のグループのすべてのルールをインポートするには、migration.propertiesファイルに次の値が含まれます。

      operationType = IMPORT
      objectType = RULE
      name = ALL
      user =
      group = LoanAgentGroup
      grantPermission = true
      migrateAttributeLabel = false
      override = true
      skip = true
      migrateToActiveVersion = false
      

      特定のグループのルールをインポートする場合は、パラメータuserはブランクのままであることに注意してください。

    6. 前の手順で作成したファイルexport_all_userRules.xmlから本番環境にデータをインポートします。次の例は、コマンドを呼び出し、パラメータを指定する方法を示しています。

      ant -f ant-t2p-worklist.xml
        -Dbea.home=/scratch/oracle/MW_HOME
        -Dsoa.home=/scratch/oracle/MW_HOME/AS11gR1SOA 
        -Dmigration.properties.file=migration.properties
        -Dsoa.hostname=hostname 
        -Dsoa.rmi.port=7001
        -Dsoa.admin.user=weblogic 
        -Dsoa.admin.password=password
        -Drealm=jazn.com
        -Dmigration.file=/tmp/export_all_userRules.xml
        -Dmap.file=/tmp/export_all_userRules_mapper.xml
      

      データ(ルール、ビューなど)がユーザーに添付されている場合、このユーザーは、本番のSOAサーバーで使用可能なユーザーである必要があることに注意してください。

  2. 任意の.earファイルをデプロイするように、J2EEヒューマン・タスク・フォームをデプロイします。詳細は、第9.3.1項を参照してください。

  3. 必要に応じて、本番のメール・サーバー、インバウンド電子メール・アカウントおよびアウトバウンド電子メール・アカウントを使用して、ワークフロー通知構成を更新します。『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』のOracle User Messaging Serviceの構成に関する項を参照してください。

作業7   Oracle B2Bの新しい本番環境への移行

Oracle B2Bを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle B2Bインタフェースを使用してプロパティを構成することにより、Oracle B2Bシステム構成パラメータを移行します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のシステム・パラメータの構成に関する項を参照してください。

  2. Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のB2B構成のプロパティの設定に関する項の説明に従って、B2Bコマンドラインを使用してその他の構成プロパティを移行します。

  3. B2Bアグリーメントおよび取引パートナを本番環境に移行します。

    1. データをテスト環境からエクスポートします。次の例では、デプロイされた複数のアクティブなアグリーメントがエクスポートされます。

      ant -f ant-b2b-util.xml b2bexport -Dtpanames="Acme_GC_Agreement1, 
          GC_Acme_Agreement1" -Dactive=true -Dexportfile="/tmp/export.zip"
      
    2. データを本番環境にインポートします。次の例では、ファイル/tmp/export.zip内の要素がインポートされます。

      ant -f ant-b2b-util.xml b2bimport -Dlocalfile=true
           -Dexportfile="/tmp/export.zip"
      

      これらのコマンドの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のB2Bコマンドライン・ツールに関する項を参照してください。

  4. Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のチャネルの構成に関する項の説明に従って、本番のロケーションおよび証明書を使用してB2Bアグリーメントの外部エンドポイントを構成します。

  5. Oracle B2B環境がJavaコールアウトを使用して構成されている場合、コールアウト・ライブラリを手動で移行します。『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のコールアウトの管理に関する項を参照してください。

  6. Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のアグリーメントのデプロイに関する項の説明に従って、B2Bアグリーメントをデプロイします。

作業8   Oracle Business Process Managementの新しい本番環境への移行

Oracle Business Process Managementを新しい本番環境に移行するには、移行ツールを使用してOracle Business Process Managementのユーザー・メタデータ(組織、ダッシュボードなど)をテスト環境から本番環境に移行します。移行ツールは、コマンドラインで実行できるantターゲットとして使用できます。これは、データの移行用の入力パラメータを指定して作成される構成ファイルをコールします。

次のスクリプトを使用します。

ORACLE_HOME/bin/ant-t2p-workspace.xml

コマンドの形式は次のとおりです。

ant -f ant-t2p-workspace.xml
     -Dbea.home=BEA_HOME
     -Dbpm.home=BPM_HOME
     -Dbpm.t2p.migration.config=MIGRATION_CONFIG_FILE

次の手順に従います。

  1. PATH環境変数に、必要なJAVA_HOMEおよびANT_HOME環境変数が含まれており、それらがOracle SOA Suiteインストール内の場所を指していることを確認してください。

  2. 組織およびダッシュボードをエクスポートします。

    1. 構成ファイルを作成して組織をエクスポートします(そのファイルをantコマンドに渡します)。

      次に、組織をエクスポートする構成ファイルのサンプルを示します。

      <?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
       
      <testToProductionMigrationConfiguration xmlns="http://xmlns.oracle.com/bpm/t2p/migration/config"
       xmlns:ns2="http://xmlns.oracle.com/bpm/common" override="true" skip="true">
          <sourceEndPoint>
              <serverEndPoint>
                  <serverURL>t3://hostname:port</serverURL>
                  <adminUserLogin>admin_username</adminUserLogin>
                  <adminUserPassword>admin_password</adminUserPassword>
                  <realm>jazn.com</realm>
              </serverEndPoint>
          </sourceEndPoint>
          <targetEndPoint>
              <fileEndPoint>
                  <migrationFile>/tmp/bpm_organization.xml</migrationFile>
              </fileEndPoint>
          </targetEndPoint>
          <operation>EXPORT</operation>
          <object>ORGANIZATION</object>
          <objectDetails>
              <login>username</login>
              <password>password</password>
              <identityContext>jazn.com</identityContext>
              <organization/>
          </objectDetails>
      </testToProductionMigrationConfiguration>
      

      構成ファイルでは、次の要素でテスト環境用の値を指定する必要があります。

      • migrationFile: この要素は、エクスポート操作によって生成されたファイルを指定します。

      • serverURL

      • adminUserLogin

      • adminUserPassword

      • objectDetails: ログインおよびパスワード要素を更新します。

    2. 次のコマンドを使用して、組織をエクスポートします。

      ant -f ant-t2p-workspace.xml
           -Dbea.home=BEA_HOME
           -Dbpm.home=BPM_HOME
           -Dbpm.t2p.migration.config=ORG_MIGRATION_CONFIG_FILE
      
    3. 構成ファイルを作成してダッシュボードをエクスポートします。

      <?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
      <testToProductionMigrationConfiguration xmlns="http://xmlns.oracle.com/bpm/t2p/migration/config" xmlns:ns2="http://xmlns.oracle.com/bpm/common" override="true" skip="true">
          <sourceEndPoint>
              <serverEndPoint>
                  <serverURL>t3://hostname:port</serverURL>
                  <adminUserLogin>admin_username</adminUserLogin>
                  <adminUserPassword>admin_password</adminUserPassword>
                  <realm>jazn.com</realm>
              </serverEndPoint>
          </sourceEndPoint>
          <targetEndPoint>
              <fileEndPoint>
                  <migrationFile>/tmp/bpm_dashboard.xml</migrationFile>
              </fileEndPoint>
          </targetEndPoint>
          <operation>EXPORT</operation>
          <object>DASHBOARD</object>
          <objectDetails>
              <login>username</login>
              <password>password</password>
              <identityContext>jazn.com</identityContext>
              <userApplicationData>
                <ownerId>username</ownerId>
              </userApplicationData>
          </objectDetails>
      </testToProductionMigrationConfiguration>
      

      構成ファイルでは、次の要素でテスト環境用の値を指定する必要があります。

      • serverURL

      • adminUserLogin

      • adminUserPassword

      • migrationFile: この要素は、エクスポート操作によって生成されたファイルを指定します。

      • objectDetails: ログインおよびパスワード要素を更新します。

      • userApplicationData: ownerID要素を更新します。

    4. 次のコマンドを使用して、ダッシュボードをエクスポートします。

      ant -f ant-t2p-workspace.xml
           -Dbea.home=BEA_HOME
           -Dbpm.home=BPM_HOME
           -Dbpm.t2p.migration.config=Dashboard_MIGRATION_CONFIG_FILE
      
  3. 組織およびダッシュボードをインポートします。

    1. 構成ファイルを作成して組織をインポートします(そのファイルをantコマンドに渡します)。

      次に、組織をインポートする構成ファイルのサンプルを示します。

      <?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
      <testToProductionMigrationConfiguration xmlns="http://xmlns.oracle.com/bpm/t2p/migration/config" xmlns:ns2="http://xmlns.oracle.com/bpm/common" override="true" skip="true">
          <sourceEndPoint>
              <fileEndPoint>
                  <migrationFile>/tmp/bpm_organization.xml</migrationFile>
              </fileEndPoint>
          </sourceEndPoint>
          <targetEndPoint>
              <serverEndPoint>
                  <serverURL>t3://hostname:port</serverURL>
                  <adminUserLogin>admin_username</adminUserLogin>
                  <adminUserPassword>admin_password</adminUserPassword>
                  <realm>jazn.com</realm>
              </serverEndPoint>
          </targetEndPoint>
          <operation>IMPORT</operation>
          <object>ORGANIZATION</object>
          <objectDetails>
              <login>username</login>
              <password>password</password>
              <identityContext>jazn.com</identityContext>
              <organization/>
          </objectDetails>
      </testToProductionMigrationConfiguration>
      

      構成ファイルでは、本番環境用の値を使用して次の要素を更新する必要があります。

      • migrationFile: この要素は、エクスポート操作によって生成されたファイルを指定します。

      • serverURL

      • adminUserLogin

      • adminUserPassword

      • objectDetails: ログインおよびパスワード要素を更新します。

    2. 次のコマンドを使用して、組織をインポートします。

      ant -f ant-t2p-workspace.xml
           -Dbea.home=BEA_HOME
           -Dbpm.home=BPM_HOME
           -Dbpm.t2p.migration.config=ORG_MIGRATION_CONFIG_FILE
      
    3. 構成ファイルを作成してダッシュボードをインポートします。形式は、次の行を置換する以外は組織用と同じです。

         <sourceEndPoint>
              <fileEndPoint>
                  <migrationFile>/tmp/bpm_dashboard.xml</migrationFile>
              </fileEndPoint>
          </sourceEndPoint>
          <targetEndPoint>
              <serverEndPoint>
                  <serverURL>t3://hostname:port</serverURL>
                  <adminUserLogin>admin_username</adminUserLogin>
                  <adminUserPassword>admin_password</adminUserPassword>
                  <realm>jazn.com</realm>
              </serverEndPoint>
          </targetEndPoint>
          <operation>IMPORT</operation>
          <object>DASHBOARD</object>
          <objectDetails>
              <login>username</login>
              <password>password</password>
              <identityContext>jazn.com</identityContext>
              <userApplicationData>
                <ownerId>username</ownerId>
              </userApplicationData>
          </objectDetails>
      </testToProductionMigrationConfiguration>
      

      構成ファイルでは、本番環境用の値を使用して次の要素を更新する必要があります。

      • serverURL

      • adminUserLogin

      • adminUserPassword

      • migrationFile: この要素は、エクスポート操作によって生成されたファイルを指定します。

      • objectDetails: ログインおよびパスワード要素を更新します。

      • userApplicationData: ownerID要素を更新します。

    4. 次のコマンドを使用して、ダッシュボードをインポートします。

      ant -f ant-t2p-workspace.xml
           -Dbea.home=BEA_HOME
           -Dbpm.home=BPM_HOME
           -Dbpm.t2p.migration.config=Dashboard_MIGRATION_CONFIG_FILE
      

20.3.2 Oracle SOA Suiteの既存の本番環境への移行

このシナリオでは、稼働中の本番環境があり、アプリケーションまたは構成の変更を、本番環境への適用前にテストする必要があると想定します。テスト環境に、第20.3項で説明した環境と同じ環境があるものとします。

Oracle SOA Suiteを既存の本番システムに移行するには、次の手順を実行します。

  1. テスト環境で変更が行われ、その変更を本番環境に移行する必要がある場合、第20.3.1項作業2の各手順に従って、既存のリソース・アダプタ、データソースおよびJMSリソースを変更します。

  2. テスト環境にユーザーおよびグループを追加したか、またはセキュリティ・ポリシーや資格証明を変更した場合、第20.3.1項作業3の各手順に従って、これらを本番環境に移行します。

  3. コンポジット参照をサポートするテスト環境でEJBまたはPOJOを変更した場合、第20.3.1項作業4の各手順に従って、これらを本番環境に移行します。

  4. 構成プランの情報を変更した場合、これらの変更を本番環境にコピーします。構成プランの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』のSOAコンポジット・アプリケーションの開発環境、テスト環境および本番環境への(からの)移行に関する項を参照してください。

  5. テスト環境でヒューマン・ワークフローに対して変更を行った場合、第20.3.1項作業6の各手順に従って、これらを本番環境に移行します。

  6. テスト環境でOracle B2Bに対して変更を行った場合、第20.3.1項作業7の各手順に従って、これらを本番環境に移行します。

    tpanamesパラメータを使用して選択的にアグリーメントをエクスポートする場合、各zipファイルを個別にインポートする必要があることに注意してください。

  7. テスト環境でOracle Business Process Managementに対して変更を行った場合、第20.3.1項作業8の各手順に従って、これらを本番環境に移行します。

20.4 Oracle Business Activity Monitoringの本番環境への移行

次の各項目では、Oracle Business Activity Monitoringをテスト環境から本番環境に移行する方法について説明します。

どちらのシナリオでも、テスト環境で次の操作を実行済です。


注意:

Oracle User Messaging Service(UMS)は、SOAシナリオおよびBAMシナリオで使用されます。この機能およびアクションは、両方のシナリオにおいて似ていますが、小さな相違点があります。特にBAMでは、電子メール・ドライバのみがサポートされます。したがって、UMSの再構成手順は電子メール・ドライバにのみ適用されます。また、このリリースでは、BAMはUMSユーザー・プリファレンスを使用しません。したがって、UMS移行でのuserpref移行は、BAMには適用されません。テスト・システムから本番システムへのUMSの移行の詳細は、第20.5項を参照してください。

20.4.1 Oracle Business Activity Monitoringの新しい本番環境への移行

このシナリオでは、第20.4項の説明に従って、Oracle Business Activity Monitoringをテスト環境にインストール済で、これをまだ存在していない本番環境に移行する必要があると想定します。

次の作業を実行します。

作業1   BAMデータおよびアーティファクトのテスト環境からのエクスポート

テスト環境で、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを使用して、ORACLEBAMデータベース・スキーマをエクスポートします(ORACLE_HOMEはOracle DatabaseのOracleホームです)。

    ORACLE_HOME/bin/sqlplus "sys/password as sysdba"
    create or replace directory directory as 'path';
    grant read,write on DIRECTORY directory to oraclebam;
    exit;
    
    ORACLE_HOME/bin/expdp userid=oraclebam/bam@connect_id
           directory=directory dumpfile=orabam.dmp
           schemas=oraclebam logfile=oraclebam_date.log
    

    関連項目:

    Oracle Databaseユーティリティ(次のサイトにあります)の「Oracleデータ・ポンプの概要」およびOracleデータ・ポンプに関するその他の章。
    http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html
    

  2. ldapsearchコマンドを使用して、テスト環境のLDAPアイデンティティ・ストアからBAMユーザーをエクスポートします。これにより、後で本番環境のLDAPアイデンティティ・ストアにインポートするldifファイルが作成されます。ldapsearchコマンドは、アイデンティティ管理コンポーネントのORACLE_HOME/binディレクトリにあります。次に例を示します。

    ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -h test_oid_host -p test_oid_port 
      -D "cn=orcladmin" -w "test_orcladmin_passwd" -b "cn=Users,dc=us"
    
作業2   ソフトウェアのインストールおよび初期構成の実行

ソフトウェアをインストールして初期構成を実行するには、次の手順を実行します。

  1. RCUを使用して、本番データベースで必要なスキーマを作成します。『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  2. 第19.5.1項の説明に従って、Middlewareホームをクローニングします。Oracle WebLogic ServerホームとMiddlewareホーム内のOracleホームもクローニングされます。

  3. 構成ウィザードを使用して、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Activity Monitoringを構成し、ドメインを作成します。『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteインストレーション・ガイド』のOracle SOA Suiteの構成に関する項を参照してください。

作業3   LDAPプロバイダの設定

本番環境でBAMアプリケーションのLDAPプロバイダを設定します。

  1. Oracle Internet Directoryをインストールして構成します。

    Oracle Internet Directoryのインストールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteインストレーション・ガイド』を参照してください。

    Oracle Internet Directoryでのユーザーとグループの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの保護』のOracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directoryの認証プロバイダにおけるユーザーとグループの構成に関する項を参照してください。

  2. Oracle Internet Directoryの認証プロバイダを設定します。

    1. Oracle WebLogic Server管理コンソールから、「セキュリティ・レルム」→「myrealm」→「プロバイダ」を選択します。

      デフォルトの認証プロバイダは、レルム用に構成されています。

    2. 新規」をクリックして、新しい認証プロバイダを追加します。

    3. Oracle Internet Directoryに対してユーザーを認証するプロバイダのプロバイダ名(OIDAuthenticatorなど)を入力します。

    4. タイプ」でOracleInternetDirectoryAuthenticatorを選択します。

    5. OK」をクリックします。

    6. 「プロバイダ」タブで、新しく作成されたOIDAuthenticatorをクリックします。

    7. 制御フラグ」で「十分」を選択し、この認証プロバイダによってユーザーを正常に認証できる場合、その認証を受け入れ、続いて追加の認証プロバイダの呼び出しを行う必要がないことを示します。

    8. 「プロバイダ固有」タブを選択します。

    9. LDAPプロバイダの詳細を入力します。

    10. 保存」をクリックします。

    11. 「プロバイダ」タブで、新しく作成した認証プロバイダが最初になるように認証プロバイダを並べ替えます。

  3. 管理サーバーおよび管理対象サーバーを再起動します。

作業4   BAMデータおよびアーティファクトの新しい本番環境への移行

BAMデータおよびアーティファクトを本番環境に移行します。

  1. ldifファイルをインポートして、BAM JPSルート・コンテキストを作成します。次に、ldifファイルのサンプルを示します。

    dn: cn=jpsroot_bam_test,dc=us,dc=oracle,dc=com
    cn: jpsroot_bam_test
    objectclass: top
    objectclass: orclcontainer
    
  2. Fusion Middleware Controlを使用して、BAMアプリケーション・ポリシーおよびロールをLDAPに移行します。

    • ナビゲーション・ペインで、Oracle Business Activity Monitoringを含むドメインを右クリックし、「セキュリティ」→「セキュリティ・プロバイダ構成」を選択します。

    • Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』のFusion Middleware Controlを使用したドメイン・ストアの再関連付けに関する項の手順に従います。

  3. 本番環境で、テスト環境からOracle Internet DirectoryなどのLDAPプロバイダにエクスポートしたldifファイルから、BAMユーザーをインポートします(ORACLE_HOMEはアイデンティティ管理のOracleホームです)。

    ORACLE_HOME/bin/ldapadd -h production_oid_host -p production_oid_port
     -D "cn=orcladmin" -w "production_orcladmin_passwd" -vf ldif_filename
    
  4. 次のコマンドを使用して、テスト環境からエクスポートしたORACLEBAMデータベース・スキーマをインポートします(ORACLE_HOMEはOracle DatabaseのOracleホームです)。

    ORACLE_HOME/bin/impdp userid=system/password dumpfile=ORACLEBAM.DMP 
       remap_schema=oraclebam:oraclebam TABLE_EXISTS_ACTION=replace
    ORACLE_HOME/bin/sqlplus "sys/password as sysdba"
       alter user oraclebam account unlock;
       alter user oraclebam identified by bam;
    

    impdpが次のエラーをレポートする場合があることに注意してください。

    • ORA-00959: 表領域<source tablespace>は存在しません

      このエラーは、インポートする前にインポート・データベースに表領域を作成するか、またはREMAP_TABLESPACESを使用して、表定義で参照される表領域をインポート・データベースの表領域に変更することにより修正できます。

    • 11.2.0.2以前のバージョンのOracle Databaseを使用すると、索引統計のリストアで障害が発生する場合があります。この問題は、インポート後に索引統計を再作成することにより回避できます。

  5. コンポジットの一部として自動的にデプロイされるBAMセンサーを使用している場合、第20.3.1項作業5「コンポジット・デプロイメントの新しい本番環境への移行」の説明に従って、コンポジットをデプロイします。

  6. Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』のOracle User Messaging Serviceの構成に関する項の説明に従って、本番環境の電子メール・サーバー構成を変更します。

  7. Oracle Business Activity Monitoringの管理対象サーバーを再起動します。

20.4.2 Oracle Business Activity Monitoringの既存の本番環境への移行

Oracle Business Activity Monitoringを既存の本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   BAMデータおよびアーティファクトのテスト環境からのエクスポート

データおよびアーティファクトをテスト環境からエクスポートします。

  1. icommandを使用して、BAMアーティファクトをテスト環境からエクスポートします。このコマンドは、次のディレクトリにあります。

    (UNIX) ORACLE_HOME\bam\bin\icommand.sh
    (Windows) ORACLE_HOME\bam\bin\icommand.bat
    

    次に例を示します。

    icommand -cmd export -type dataobject -all 1 -PERMISSIONS 1 -OWNER 1 
      -file dataobject.xml
    icommand -cmd export -type folder -all 1 -PERMISSIONS 1 -OWNER 1 
      -file folder.xml
    icommand -cmd export -type report -all 1 -file reports.xml
    icommand -cmd export -type rule -all 1 -file rules.xml
    icommand -cmd export -type ems -all 1 -file ems.xml
    icommand -cmd export -type eds -all 1 -file eds.xml
    

    特定のタイプのすべてのアーティファクトをエクスポートするほかに、個別のアーティファクトをエクスポートできます。icommandを使用してアーティファクトをエクスポートする方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』のエクスポートに関する項を参照してください。

  2. ldapsearchコマンドを使用して、テスト環境のLDAPアイデンティティ・ストアからBAMユーザーをエクスポートします。これにより、後で本番環境のLDAPアイデンティティ・ストアにインポートするldifファイルが作成されます。ldapsearchコマンドは、アイデンティティ管理コンポーネントのORACLE_HOME/binディレクトリにあります。次に例を示します。

    ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -h test_oid_host -p test_oid_port 
    -D "cn=orcladmin"
    -w "test_orcladmin_passwd" -b "cn=Users,dc=us"
    
作業2   BAMデータおよびアーティファクトの本番環境へのインポート

データおよびアーティファクトを本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle BAM Architectを使用して、デフォルトで設定されているルールを非アクティブ化します。『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』のアラート・ルールのアクティビティ・ステータスの変更方法に関する項を参照してください。

  2. 第20.4.2項作業3「LDAPプロバイダの設定」の説明に従って、LDAPセキュリティ・プロバイダを設定し、それをデフォルトのプロバイダにします(まだ実行していない場合)。

  3. 本番環境で、テスト環境からOracle Internet DirectoryなどのLDAPプロバイダにエクスポートしたldifファイルから、BAMユーザーをインポートします(ORACLE_HOMEはアイデンティティ管理のOracleホームです)。

    ORACLE_HOME/bin/ldapadd -h production_oid_host -p production_oid_port
     -D "cn=orcladmin" -w production_orcladmin_passwd -vf ldif_filename
    
  4. Fusion Middleware Controlを使用して、BAMアプリケーション・ポリシーおよびロールをLDAPに移行します。

    • ナビゲーション・ペインで、Oracle BAMを含むドメインを右クリックし、「セキュリティ」→「セキュリティ・プロバイダ構成」を選択します。

    • Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』のFusion Middleware Controlを使用したドメイン・ストアの再関連付けに関する項の手順に従います。

  5. icommandを使用して、Oracle BAMアーティファクトをインポートします。このコマンドは、次のディレクトリにあります。

    (UNIX) ORACLE_HOME\bam\bin\icommand.sh
    (Windows) ORACLE_HOME\bam\bin\icommand.bat
    

    次に例を示します。

    icommand -cmd import -file dataobject.xml -UPDATELAYOUT 1 
       -MODE UPDATE -CONTINUEONERROR
    icommand -cmd import -file folder.xml -MODE OVERWRITE -PRESERVEOWNER
    icommand -cmd import -file reports.xml -MODE OVERWRITE -PRESERVEOWNER
    icommand -cmd import -file ems.xml -MODE OVERWRITE
    icommand -cmd import -file eds.xml -MODE OVERWRITE
    
  6. BAMセンサーを使用している場合、第20.3.1項作業5「コンポジット・デプロイメントの新しい本番環境への移行」の説明に従って、コンポジットをデプロイします。

  7. BAMサーバーを起動します。

20.5 Oracle User Messaging Serviceの本番環境への移行

次の各項目では、Oracle User Messaging Service(UMS)をテスト環境から本番環境に移行する方法について説明します。

これらシナリオでは、Oracle User Messaging Service(UMS)をテスト環境にインストール済で、これを本番環境に移行する必要があると想定します。最初の例は完全UMSインストールをテスト環境から新しい本番環境に移行する方法を示し、2番目の例は特定のUMS(デルタ)の変更をテスト環境から既存の本番環境にマージする方法を示します。


注意:

Oracle User Messaging ServiceをLDAPストアに対して構成された既存の本番環境に移行する間、Userprefs-UIオプションのみを使用してユーザー・プリファレンスを変更してください。WLSTコマンド(manageUserMessagingPrefs)の使用は、テスト・インスタンスから削除されたアイデンティティ・ストアのデバイス・プリファレンスを正しく移行しない場合があるため、お薦めしません。

20.5.1 Oracle User Messaging Serviceの新しい本番環境への移行

このシナリオでは、UMSおよび必要なすべてのサブコンポーネントを設定済、かつUMSドライバおよびユーザー・プリファレンスをテスト環境で構成済で、存在していない本番環境でUMSを確立する必要があると想定します。

次の作業を実行します。

作業1   ソフトウェアのインストールおよび初期構成の実行

ソフトウェアをインストールして初期構成を実行するには、次の手順を実行します。

  1. RCUを使用して、本番データベースで必要なスキーマを作成します。『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  2. 第19.5.1項の説明に従って、Middlewareホームをクローニングします。Oracle WebLogic ServerホームとMiddlewareホーム内のOracleホームもクローニングされます。

  3. 構成ウィザードを使用して、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Activity Monitoringを構成し、ドメインを作成します。『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteインストレーション・ガイド』のOracle SOA Suiteの構成に関する項を参照してください。

作業2   UMS関連の詳細の新しい本番環境への移行

UMSの詳細を新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. 本番環境で必要なUMSドライバを構成します。

    • Fusion Middleware Controlで、本番環境のドライバ情報を使用してUser Messaging Serviceを構成します。

    • WLSTコマンドdeployUserMessagingDriverを使用して、テスト環境と同様に複数のドライバをデプロイします。


      注意:

      その他のドライバをデプロイする別のオプションを確認するには、wls:/offline>プロンプトでhelp('deployUserMessagingDriver')を実行してください。

    • 本番環境で、カスタム作成済のビジネス条件を再作成します。この手順は、本番環境で一連の同じユーザー・プリファレンス・フィルタ設定が使用されるようにし、カスタムのビジネス条件が指定されているフィルタが確実に機能するようにするためには必須です。

    • 本番環境を再起動して変更を適用します。

  2. ユーザー・メッセージング・プリファレンスをテスト環境から本番環境に移行します。

    1. テスト環境で、次のWLSTコマンドを実行して、ユーザー・メッセージング・プリファレンスをバックエンド・データベースから指定した.xmlファイルにダウンロードします。

      wls:/offline> manageUserMessagingPrefs(operation='download',
          filename='/tmp/userprefs-dump.xml', url='t3://localhost:8001',
          username='username', password='password')
      wls:/offline> exit()
      

      注意:

      この例では、8001が、UMSが実行されている管理対象サーバーのポートです。これを適切な値に置き換えてください。

    2. /tmp/userprefs-dump.xmlファイルを本番環境にコピーします。

    3. 本番環境で、次のWLSTコマンドを実行して、ユーザー・メッセージング・プリファレンスをファイルからバックエンド・データベースにアップロードします。

      wls:/offline> manageUserMessagingPrefs(operation='upload',
         filename='/tmp/userprefs-dump.xml', url='t3://localhost:8001',
         username='username', password='password')
      

      注意:

      この例では、8001が、UMSが実行されている管理対象サーバーのポートです。これを適切な値に置き換えてください。

    4. 表示されるメッセージで正常にアップロードされたかどうかを確認します。WLSTコマンドライン・ツールを終了します。


      注意:

      ダウンロード操作およびアップロード操作を実行する別のオプションを確認するには、wls:/offline>プロンプトでhelp('manageUserMessagingPrefs')を実行します。LDAPストアにプロビジョニングされるユーザー・デバイスは動的であることに注意してください。テスト環境と本番環境の両方が同じLDAPストアを指すこと、または同じ情報セットを使用するように再構成されることを想定しています。

作業3   本番環境の検証

本番環境を検証するには、次の手順を実行します。

  1. UMSドライバで、サポートされているドライバに対する送受信機能をテストします。

  2. http://host:port/sdpmessaging/userprefs-ui URLを呼び出して、ユーザー・メッセージング・プリファレンスが正常にアップロードされるかどうかをテストします。目的のユーザーとしてログインし、メッセージング・チャネルとフィルタがテスト環境におけるものと同じであるかどうかを検証します。または、ユーザー・メッセージング・プリファレンスに基づいて配信されると予想されるメッセージの送受信を行います。

20.5.2 Oracle User Messaging Serviceの既存の本番環境への移行

このシナリオでは、UMSを移行する先の既存の本番環境があることを想定します。この場合、UMSの変更を既存の本番環境にマージする際に、それらの変更を検証します。

次の作業を実行します。

作業1   UMS関連の詳細の既存の本番環境への移行

構成変更はすべて、テスト環境と本番環境の両方に適用する必要があります。

  1. 本番環境で必要なUMSドライバを構成します。

    • Fusion Middleware Controlで、本番環境のドライバ情報を使用してUser Messaging Serviceを構成します。

    • WLSTコマンドdeployUserMessagingDriverを使用して、テスト環境と同様に複数のドライバをデプロイします。


      注意:

      その他のドライバをデプロイする別のオプションを確認するには、wls:/offline>プロンプトでhelp('deployUserMessagingDriver')を実行してください。

    • 本番環境で、カスタム作成済のビジネス条件を再作成します。この手順は、本番環境で一連の同じユーザー・プリファレンス・フィルタ設定が使用されるようにし、カスタムのビジネス条件が指定されているフィルタが確実に機能するようにするためには必須です。

    • 本番環境を再起動して変更を適用します。

  2. ユーザー・メッセージング・プリファレンスをテスト環境から本番環境に移行します。フィルタを更新したり、既存のフィルタ・セットに追加したりすることはできません。次のいずれかを実行する必要があります。

    • テスト環境でフィルタへの変更を行う場合、フィルタ・セット全体を削除し、新しいセットをアップロードします。

    • テスト環境で新しく作成されたか、または変更されたユーザー・デバイスおよびフィルタは、本番環境で次のURLを使用して作成または変更する必要があります。

      http://host:port/sdpmessaging/userprefs-ui
      
作業2   本番環境の検証

本番環境を検証するには、次の手順を実行します。

  1. UMSドライバで、サポートされているドライバに対する送受信機能をテストします。

  2. http://host:port/sdpmessaging/userprefs-ui URLを呼び出して、ユーザー・メッセージング・プリファレンスが正常にアップロードされるかどうかをテストします。目的のユーザーとしてログインし、メッセージング・チャネルとフィルタがテスト環境におけるものと同じであるかどうかを検証します。または、ユーザー・メッセージング・プリファレンスに基づいて配信されると予想されるメッセージの送受信を行います。

20.6 Oracle WebCenterの本番環境への移行

次の各項目では、Oracle WebCenterをテスト環境から本番環境に移行する方法について説明します。

どちらのシナリオでも、テスト環境で次の操作を実行済です。

20.6.1 Oracle WebCenterの新しい本番環境への移行

このシナリオでは、第20.6項の説明に従って、Oracle WebCenterをテスト環境にインストール済で、これをまだ存在していない本番環境に移行する必要があると想定します。WebCenter SpacesアプリケーションおよびカスタムのWebCenter Frameworkアプリケーションを移行します。

Oracle WebCenterを新しい本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   WebCenter Spacesアプリケーションおよび必須のデータのテスト環境からのエクスポート

WebCenter Spacesアプリケーションおよびこのアプリケーションに必須のデータをテスト環境からエクスポートします。

  1. WebCenter Spacesアプリケーションの必須データ(LDAPアイデンティティ・ストア、コンテンツ・サーバー、ディスカッション・フォーラム、Wikiなど)をエクスポートします。

    1. ldapsearchコマンドを使用して、ユーザー、グループおよびパスワードをLDAPアイデンティティ・ストアからエクスポートします。これにより、後で本番環境のLDAPアイデンティティ・ストアにインポートするldifファイルが作成されます。ldapsearchコマンドは、アイデンティティ管理コンポーネントのORACLE_HOME/binディレクトリにあります。次に例を示します。

      ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -h test_oid_host -p test_oid_port 
         -D  "cn=ldap_user" -w test_ldap_passwd -b "cn=users,dc=example,dc=com"
         -s subtree "objectclass=*" "*" orclguid -L > my_users.ldif 
      
    2. 次のコマンドを実行して、Oracle Content Serverをエクスポートします(ORACLE_HOMEはOracle DatabaseのOracleホームです)。

      ORACLE_HOME/bin/sqlplus "sys/password as sysdba"
      create or replace directory directory as 'path';
      grant read,write on DIRECTORY directory to user;
      exit;
      
      ORACLE_HOME/bin/expdp "sys/password@connect_id as sysdba"
         schemas=prefix_OCSERVER directory=directory dumpfile=filename
      

      関連項目:

      Oracle Databaseユーティリティ(次のサイトにあります)のOracleデータ・ポンプに関する章。
      http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html
      

    3. Oracle Databaseのエクスポート・ユーティリティを使用して、ディスカッション・フォーラムをエクスポートします(ORACLE_HOMEはOracle DatabaseのOracleホームです)。

      ORACLE_HOME/bin/export "sys/password@connect_id as sysdba"
         OWNER=prefix_DISCUSSIONS FILE=/tmp/df.dmp statistics=none
      
    4. 次のコマンドを使用して、Wikiをエクスポートします(ORACLE_HOMEはOracle DatabaseのOracleホームです)。

      ORACLE_HOME/bin/sqlplus "sys/password as sysdba"
      create or replace directory directory as 'path';
      grant read,write on DIRECTORY directory to user;
      exit;
      
      ORACLE_HOME/bin/expdp "sys/password@connect_id as sysdba"
         schemas=prefix_WIKI directory=directory dumpfile=filename
      

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのデータ移行のためのWebCenter Spacesアプリケーションのエクスポートとインポートに関する項を参照してください。

  2. 第20.3項の説明に従って、Oracle SOA Suiteをテスト環境から本番環境に移行します。

  3. すべてのアプリケーション・プロデューサ・データを移行する場合は、次の手順を実行します。

    1. Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter開発者ガイドの追加のポートレット構成に関する項の説明に従って、WSRPおよびJPDK移行ユーティリティを使用してプロデューサをエクスポートします。

    2. WebClipping用の移行ツールを実行します。次に例を示します。

      java -classpath ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/wce.jar:
       ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/wcptg.jar:
       ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/wcwebdb.jar:
       ORACLE_HOME/oui/jlib/http_client.jar:
       ORACLE_HOME/wlserver_10.3/server/ext/jdbc/oracle/11g/ojdbc5.jar
       oracle.webclipping.util.RepositoryMigrationTool  
       -sourceUsername prefix_PORTLET
       -sourcePassword password  -sourceDatabase{ host:port:sid } 
       -destUsername prefix_PORTLET  -destPassword password  
       -destDatabase { host:port:sid }
      

      このコマンドは1行で入力する必要があります。

  4. 次のWLSTコマンドを使用して、WebCenter Spacesアプリケーションをエクスポートします。

    connect('username','password','t3://hostname:port')
    exportWebCenterApplication(appName,fileName, 
          exportCustomizations=true, exportSecurity=true, exportData=true)
    

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのデータ移行のためのカスタムWebCenterアプリケーションのエクスポートとインポートに関する項を参照してください。

作業2   カスタムのWebCenter Frameworkアプリケーションのテスト環境からのエクスポート

カスタムのWebCenter Frameworkアプリケーションをテスト環境からエクスポートするには、次の手順を実行します。

  1. WLSTのexportMetadataコマンドを使用して、ソース・パーティションからファイル・システム上のディレクトリに、MDSリポジトリに格納されているアプリケーションのメタデータをエクスポートします。

    exportMetadata(application='app_name', server='server_name',
        toLocation='directory', docs='/**')
    
  2. 次のコマンドを使用して、ポートレットのカスタマイズおよびメタデータをテスト環境からエクスポートします。

    exportProducerMetadata(appName='app_name',fileName='filename')
    
  3. 次のコマンドを使用して、データをデータベースからエクスポートします(ORACLE_HOMEはOracle DatabaseのOracleホームです)。

    ORACLE_HOME/bin/sqlplus "sys/password as sysdba"
    create or replace directory directory as 'path';
    grant read,write on DIRECTORY directory to user;
    exit;
    
    ORACLE_HOME/bin/expdp "sys/password@connect_id as sysdba"
       schemas=prefix_WEBCENTER directory=directory dumpfile=filename
    

関連項目:

Oracle Databaseユーティリティ(次のサイトにあります)のOracleデータ・ポンプに関する章。
http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html

作業3   Oracle WebCenterの本番環境へのインストールおよび構成

Oracle WebCenterを本番環境にインストールして構成します。

  1. Oracle WebLogicサーバーをインストールし、Middlewareホームを作成します。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterインストレーション・ガイド』のOracle WebCenterのインストールとMiddlewareホームの作成に関する項を参照してください。

  2. RCUを使用して、本番データベースで必要なスキーマを作成します。『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  3. Oracle Universal Content ManagementはWebサーバーを必要とするため、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Tierインストレーション・ガイド』の説明に従って、Oracle HTTP Serverをインストールして構成します。

  4. Oracle WebCenter(Oracle Universal Content Managementを含む)をインストールします。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterインストレーション・ガイド』のOracle WebCenterのインストールに関する項を参照してください。

  5. 構成ウィザードを使用して、Oracle WebCenterを構成し、ドメインを作成します。「ドメイン・ソースの選択」ページで、すべてのコンポーネントを選択します(JRFは自動的に選択されます)。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterインストレーション・ガイド』のOracle WebCenterの構成に関する項を参照してください。

  6. WebCenter Spacesを外部のアイデンティティ・ストアに関連付けます。Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのアイデンティティ・ストアの構成に関する項を参照してください。

作業4   WebCenter Spacesのデータおよびアプリケーションの本番環境へのインポート

WebCenter Spacesのデータおよびアプリケーションを本番環境にインポートするには、次の手順を実行します。

  1. LDAPアイデンティティ・ストア、ポリシー・ストアおよび資格証明ストアをインポートします。

    1. Oracle WebLogic Serverでアイデンティティ管理用の認証プロバイダを作成します。Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのアイデンティティ・ストアの外部LDAPとの再関連付けに関する項を参照してください。

    2. 次の例で示すように、ldapaddmtコマンドを使用して、作業1でテスト環境からエクスポートしたldifファイルを本番環境にインポートすることにより、ユーザー、グループおよびパスワードをインポートします(ORACLE_HOMEはアイデンティティ管理のOracleホームです)。

      ORACLE_HOME/bin/ldapaddmt -h production_oid_host
        -p production_oid_port -D "cn=ldap_user"
        -w "production_ldap_passwd" -r -f ldif_filename
      
    3. 次のコマンドを使用して、ポリシー・ストアと資格証明ストアを再び関連付けます。

      connect('weblogic','weblogic', 'host:port')
      reassociateSecurityStore(domain="domain_name",
         admin="cn=admin_name",password="password",
         ldapurl="ldap://ldap_host:ldap_port",
         servertype="OID",jpsroot="cn=root_node")
      

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのデータ移行のためのカスタムのWebCenterアプリケーションのエクスポートとインポートに関する項を参照してください。

  2. コンテンツ・サーバーをインポートします。

    1. 作業1でエクスポートしたファイルを使用して、Oracle Content Serverのデータを本番データベースにインポートします。次のコマンドを実行します(ORACLE_HOMEはOracle DatabaseのOracleホームです)。

      ORACLE_HOME/bin/sqlplus "sys/password as sysdba"
      create or replace directory directory as 'path';
      grant read,write on DIRECTORY directory to user;
      exit;
      
      ORACLE_HOME/bin/impdp "sys/password@connect_id as sysdba"
         remap_schema=testprefix_OCSERVER:prod_prefix_OCSERVER 
         DIRECTORY=directory dumpfile=filename
         TABLE_EXISTS_ACTION=REPLACE
      
    2. 次のディレクトリをテスト・システムから本番システムにコピーします。tarを使用してテスト・システムのファイルを圧縮し、それを本番システムでリストアできます。

      WebCenter_ORACLE_HOME/ucm/vault
      WebCenter_ORACLE_HOME/ucm/weblayout
      
  3. ディスカッション・フォーラムをインポートします。

    1. SQLPlusを使用して、本番データベースに接続します(ORACLE_HOMEは本番データベースのOracleホームです)。

      ORACLE_HOME/bin/sqlplus "sys/password as sysdba"
      
    2. ターゲット・ユーザーを削除します。

      drop user prefix_DISCUSSIONS cascade;
      
    3. ターゲット・ユーザーを作成します。

      create user prefix_DISCUSSIONS identified by password 
       default tablespace prefix_IAS_DISCUSSIONS 
       temporary tablespace prefix_IAS_TEMP;
      
    4. 接続権限およびリソース権限をユーザーに付与し、SQLPlusを終了します。

      grant connect,resource to prefix_DISCUSSIONS;
      exit;
      
    5. ディスカッション・フォーラムのデータを本番データベースにインポートします。作業1でテスト・データベースからエクスポートしたファイルをインポートします(ORACLE_HOMEは本番データベースのOracleホームです)。

      ORACLE_HOME/bin/impdp "sys/password@connect_id as sysdba"
         FROMUSER=testprefix_DISCUSSIONS TOUSER=prod_prefix_DISCUSSIONS
         FILE=filename statistics=none
      
  4. Wikiをインポートします(ORACLE_HOMEは本番データベースのOracleホームです)。

    ORACLE_HOME/bin/sqlplus "sys/password as sysdba"
    create or replace directory directory as 'path';
    grant read,write on DIRECTORY directory to user;
    exit;
    
    ORACLE_HOME/bin/impdp "sys/password@connect_id as sysdba"
      REMAP_SCHEMA=testprefix_WIKI:prod_prefix_WIKI
      DIRECTORY=directory DUMPFILE=filename TABLE_EXISTS_ACTION=REPLACE
    
  5. すべてのアプリケーション・プロデューサ・データを移行する場合は、次の手順を実行します。

    1. Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter開発者ガイドの追加のポートレット構成に関する項の説明に従って、WSRPおよびJPDK移行ユーティリティを使用してプロデューサをエクスポートします。

    2. WebClipping用の移行ツールを実行します。次に例を示します。

      java -classpath ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/wce.jar:
       ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/wcptg.jar:
       ORACLE_HOME/webcenter/modules/oracle.portlet.server_11.1.1/wcwebdb.jar:
       ORACLE_HOME/oui/jlib/http_client.jar:
       ORACLE_HOME/wlserver_10.3/server/ext/jdbc/oracle/11g/ojdbc5.jar
       oracle.webclipping.util.RepositoryMigrationTool  
       -sourceUsername test_prefix_PORTLET
       -sourcePassword password  -sourceDatabase{ host:port:sid } 
       -destUsername prod_prefix_PORTLET  -destPassword password
       -destDatabase { host:port:sid }
      

      このコマンドは1行で入力する必要があります。

  6. 次のWLSTコマンドを使用して、WebCenter Spacesアプリケーションをインポートします。

    connect('username','password','t3://hostname:port')
    importWebCenterApplication(appName='appName', fileName='fileName')
    

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのデータ移行のためのカスタムWebCenterアプリケーションのエクスポートとインポートに関する項を参照してください。


注意:

組込みのOracle WebLogicサーバーのLDAPアイデンティティ・ストアを使用している場合、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのセキュリティの管理に関する項を参照してください。

保護されているとしても、組込みのLDAPアイデンティティ・ストアは、本番クラスのストアではないため、エンタープライズの本番環境では、外部のLDAPベースのアイデンティティ・ストア(Oracle Internet Directoryなど)に置き換える必要があります。



関連項目:

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのデータ移行のためのWebCenterアプリケーションのエクスポートとインポートに関する項を参照してください。

作業5   カスタムのWebCenter Frameworkアプリケーションの本番環境へのインポート

カスタムのWebCenter Frameworkアプリケーションを本番環境にインポートするには、次の手順を実行します。

  1. WLSTのimportMetadataコマンドを使用して、作業2でエクスポートしたファイルからアプリケーションのメタデータを本番システムのMDSリポジトリにインポートします。

    importMetadata(application='app_name', server='server_name',
      fromLocation='directory', docs='/**')
    
  2. 次のWLSTコマンドを使用して、作業2でエクスポートしたファイルからポートレットのカスタマイズおよびメタデータを本番環境にインポートします。

    importProducerMetadata(appName='app_name',fileName='filename')
    
  3. 次のコマンドを使用して、データをデータベースにインポートします(ORACLE_HOMEはOracle DatabaseのOracleホームです)。

    ORACLE_HOME/bin/sqlplus "sys/password as sysdba"
    create or replace directory directory as 'path';
    grant read,write on DIRECTORY directory to user;
    exit;
    
    ORACLE_HOME/bin/impdp "sys/password@connect_id as sysdba"
       REMAP_SCHEMA=test_prefix_WEBCENTER:prod_prefix_WEBCENTER
       DIRECTORY=directory dumpfile=filename TABLE_EXISTS_ACTION=REPLACE
    
  4. LDAPアイデンティティ・ストア、ポリシー・ストアおよび資格証明ストアをインポートします(まだ実行していない場合)。

    1. Oracle WebLogic Serverでアイデンティティ管理用の認証プロバイダを作成します。Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのアイデンティティ・ストアの外部LDAPとの再関連付けに関する項を参照してください。

    2. 次の例で示すように、ldapaddmtコマンドを使用して、作業1でテスト環境からエクスポートしたldifファイルを本番環境にインポートします(ORACLE_HOMEはアイデンティティ管理のOracleホームです)。

      ORACLE_HOME/bin/ldapaddmt -h production_oid_host
         -p production_oid_port -D "cn=orcladmin"
         -w production_orcladmin_passwd -r -f ldif_filename
      
    3. 次のWLSTコマンドを使用して、ポリシー・ストアと資格証明ストアを再び関連付けます。

      connect('weblogic','weblogic', 'host:port')
      reassociateSecurityStore(domain="domain_name",
         admin="cn=admin_name",password="password",
         ldapurl="ldap://ldap_host:ldap_port",
         servertype="OID",jpsroot="cn=root_node")
      
  5. 資格証明ストアとポリシー・ストアを移行します。

    1. 次のファイルをコピーし、jps-config-cred.xmlという名前を付けます。

      DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/jps-config.xml
      
    2. ファイルのコピーで、要素<serviceInstance provider="ldap.policystore.provider" name="policystore.ldap">のコピーを作成し、名前をpolicystore.ldap.sに変更します。

    3. policystore.ldap.sの<serviceInstance>要素を編集し、ドメイン名の値、jpsrootの値およびldap urlの値をソースの値に変更します。次に例を示します。

      <serviceInstance provider="ldap.policystore.provider" name="policystore.ldap.s">
        <property value="OID" name="policystore.type"/>
        <property value="bootstrap" name="bootstrap.security.principal.key"/>
        <property value="cn=test_domain" name="oracle.security.jps.farm.name"/>
        <property value="cn=jpsroot_webcenter_test" name="oracle.security.jps.ldap.root.name"/>
        <property value="ldap://hostname:port" name="ldap.url"/>
      </serviceInstance>
      
    4. 要素<serviceInstance provider="ldap.credentialstore.provider" name="credstore.ldap">のコピーを作成し、名前をcredstore.ldap.sに変更します。

    5. creditstore.ldap.sの<serviceInstance>要素を編集し、ドメイン名、jpsrootおよびldap urlの値をソースの値に変更します。次に例を示します。

      serviceInstance provider="ldap.credentialstore.provider" name="credstore.ldap.s">
        <property value="bootstrap" name="bootstrap.security.principal.key"/>
        <property value="cn=t2ptest_domain" name="oracle.security.jps.farm.name"/>
        <property value="cn=jpsroot_webcenter_test" name="oracle.security.jps.ldap.root.name"/>
        <property value="ldap://hostname:port" name="ldap.url"/>
      </serviceInstance>
      
    6. 要素<jpsContext name="default">のコピーを作成し、名前をsourceに変更します。

    7. <jpsContext name="default">要素を編集し、idstore.ldapへの参照を削除します。次にその結果を示します。

      <jpsContext name="default">
        <serviceInstanceRef ref="keystore"/>
        <serviceInstanceRef ref="audit"/>
        <serviceInstanceRef ref="policystore.ldap"/>
        <serviceInstanceRef ref="credstore.ldap"/>
      </jpsContext>
      
    8. 要素<jpsContext name="default">のコピーを作成し、名前をsourceに変更します。

    9. <jpsContext name="source">要素を編集し、policystoreおよびcredstoreの値を手順beで作成したソースを指すように変更します。

      <jpsContext name="source"> 
        <serviceInstanceRef ref="keystore"/>
        <serviceInstanceRef ref="audit"/>
        <serviceInstanceRef ref="policystore.ldap.s"/>
        <serviceInstanceRef ref="credstore.ldap.s"/>
      </jpsContext>
      
    10. ldapsearchユーティリティを使用して、ソース・フォルダの名前を検索します。

      ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -h test_host -p port 
        -D "cn=admin_name" -w "password" -b ""
        -s sub "cn=application name-*"
      

      結果に示されるフォルダ名の形式は、application name-nnnnです。たとえば、CustomApp-1646です。

    11. ldapsearchユーティリティを使用して、宛先フォルダの名前を検索します。

      ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -h prod_host -p port 
         -D "cn=admin_name" -w "password" -b "" 
         -s sub "cn=application name-*"
      

      結果に示されるフォルダ名の形式は、application name-nnnnです。たとえば、CustomApp-1646です。

    12. 次のJPS WLSTコマンドを使用して、資格証明ストアをインポートします。

      migrateSecurityStore(type="folderCred",
         configFile="DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/jps-config-cred.xml",
         src="source",dst="default",overWrite="true",
         srcFolder="source_ folder", dstFolder="destination_folder")
      
    13. ldapsearchユーティリティを使用して、アプリケーションの完全名を検索します。

      ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -h test_host -p port
        -D "cn=admin_name" -w "password" -b "" 
        -s sub "orclapplicationcommonname=application name*"
      

      アプリケーション名は、cn=で始まる行で返されます。次に例を示します。

      cn=CustomApp#V2
      
    14. 次のJPS WLSTコマンドを使用して、ポリシー・ストアをインポートします。

      migrateSecurityStore(type="appPolicies",
         configFile="DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/jps-config-cred.xml",
         src="source" ,dst="default",overWrite="true",
         srcApp="full_source_ application name",
         dstApp="full_dest_application name")
      

20.6.2 Oracle WebCenterの既存の本番環境への移行

このシナリオでは、Oracle WebCenterがインストールされ構成されている稼働中の本番環境があり、アプリケーションまたは構成の変更を、本番環境への適用前にテストする必要があると想定します。たとえば、WebCenter Spacesアプリケーションを変更済である、新しいバージョンのWebCenter Frameworkアプリケーションをデプロイする必要がある、または既存のセキュリティ・ポリシーまたは構成を変更済であると想定します。

変更を既存の本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   グループ・スペース・データのテスト環境からのエクスポート

グループ・スペース・データをテスト環境からエクスポートするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Databaseのエクスポート・ユーティリティを使用して、グループ・スペース・データをディスカッション・フォーラムからエクスポートします。

    ORACLE_HOME/bin/export "sys/password@connect_id as sysdba"
     $discussions_schema/$discussions_password file=discussions_forumid.dmp
     log=jive_forumid.log
      TABLES=jiveforum,jiveThread,jivemessage,jiveForumProp,jiveQuestion,jiveAnswer,
    jiveGateway 
     rows=y STATISTICS=None QUERY=\"WHERE forumid \= $forumid\"
    
  2. owc_wiki_export.sqlスクリプトを使用して、グループ・スペースをWikiからエクスポートします。このスクリプトは、次のディレクトリにあります。

    ORACLE_HOME/wikiserver/owc-wiki/WEB-INF/classes
    

    次のコマンドを使用します。

    ORACLE_HOME/bin/sqlplus "sys/password as sysdba"
    create or replace directory WC_PUMP_DIR as 'path';
    grant read,write on DIRECTORY WC_PUMP_DIR to user;
    @owc_wiki_export.sql
    
  3. グループ・スペースをテスト環境からエクスポートします。

    1. 管理権限を使用してWebCenterスペースにログインします。

    2. アプリケーションの上部にある「管理」リンクをクリックします。

    3. 「グループ・スペース」タブをクリックします。

    4. 「グループ・スペース」サブタブをクリックします。

    5. 表内の行を強調表示して、必要なグループ・スペースを選択します。

    6. 「ステータスの変更」ドロップダウンで、「オフライン」を選択します。

    7. 保存」をクリックします。

    8. ツールバーで「エクスポート」をクリックします。

作業2   グループ・スペース・データの本番環境へのインポート

グループ・スペース・データを本番環境にインポートするには、次の手順を実行します。

  1. ディスカッション・フォーラム・データのグループ・スペース・データを本番データベースにインポートします。作業1でテスト・データベースからエクスポートしたファイルをインポートします(ORACLE_HOMEは本番データベースのOracleホームです)。

    ORACLE_HOME/bin/impdp "sys/password@connect_id as sysdba"
      file=filename log=df_category.log ignore=y STATISTICS=None 
      FROMUSER=test_prefix_DISCUSSIONS TOUSER=prod_prefix_DISCUSSIONS
    
    imp sys/passwd@dbhost file=T2PTEST_category.dmp log=df_category.log ignore=y
      STATISTICS=None FROMUSER=TEST_DISCUSSIONS TOUSER=PROD_DISCUSSIONS
     
    imp sys/passwd@dbhost file=T2PTEST_forumid.dmp log=df_forumid.log ignore=y
      STATISTICS=None FROMUSER=TEST_DISCUSSIONS TOUSER=PROD_DISCUSSIONS
     
    imp sys/passwd@dbhost file=T2PTEST_forumid_perm.dmp log=df_forumid_perm.log
     ignore=y STATISTICS=None FROMUSER=TEST_DISCUSSIONS TOUSER=PROD_DISCUSSIONS
    
  2. owc_wiki_import.sqlスクリプトを使用して、グループ・スペース・データをWikiにインポートします。スクリプトを編集して、行DBMS_DATAPUMP.start_job(dp_handle)の前に次の行を追加します。

    DBMS_DATAPUMP.METADATA_REMAP(dp_handle,'REMAP_SCHEMA','source','target');
    
  3. 本番環境にディレクトリWC_PUMP_DIRを作成します。

  4. 作業1でデータベースからデータをエクスポートしたときに生成したファイルを、本番環境のWC_PUMP_DIRにコピーします。

  5. 次のスクリプトを実行します。

    ORACLE_HOME/bin/sqlplus "sys/password as sysdba"
    @owc_wiki_import.sql
    
  6. グループ・スペースをテスト環境からインポートします。

    1. 管理権限を使用してWebCenterスペースにログインします。

    2. アプリケーションの上部にある「管理」リンクをクリックします。

    3. 「グループ・スペース」タブをクリックします。

    4. 「グループ・スペース」サブタブをクリックします。

    5. 表内の行を強調表示して、必要なグループ・スペースを選択します。

    6. 「ステータスの変更」ドロップダウンで、「オフライン」を選択します。

    7. 保存」をクリックします。

    8. ツールバーで「インポート」をクリックし、エクスポートされたアーカイブを選択します。

  7. WebDAVを使用してテスト環境のグループ・スペースの下のフォルダをドラッグして、コンテンツ・サーバーのグループ・スペース・データを本番環境のグループ・スペースにインポートします。

作業3   WebCenterのグループ・スペース・テンプレートのテスト環境からのエクスポート

グループ・スペース・テンプレートをテスト環境からエクスポートするには、次の手順を実行します。

  1. 管理権限を使用してWebCenterスペースにログインします。

  2. アプリケーションの上部にある「管理」リンクをクリックします。

  3. 「グループ・スペース」タブをクリックします。

  4. 「グループ・スペース」タブで、「テンプレート」を選択します。

  5. ツールバーで「エクスポート」をクリックします。

作業4   WebCenterのグループ・スペース・テンプレートのテスト環境からのインポート

グループ・スペース・テンプレートを本番環境にインポートするには、次の手順を実行します。

  1. 管理権限を使用してWebCenterスペースにログインします。

  2. アプリケーションの上部にある「管理」リンクをクリックします。

  3. 「グループ・スペース」タブをクリックします。

  4. 「グループ・スペース」タブで、「テンプレート」を選択します。

  5. ツールバーで「インポート」をクリックし、エクスポートされたアーカイブを選択します。

20.7 Web層の本番環境への移行

次の各項目では、Web層を本番環境に移行する方法について説明します。

20.7.1 Web層の新しい本番環境への移行

次の各項目では、Web層を新しい本番環境に移行する方法について説明します。

20.7.1.1 Oracle HTTP Serverの新しい本番環境への移行

このシナリオでは、Oracle HTTP Serverをテスト環境にインストール済で、これをまだ存在していない本番環境に移行する必要があると想定します。テスト環境では、次の操作を実行済です。

  • Oracle HTTP Serverをインストールしました。

  • Oracleインスタンスおよび1つ以上のOracle HTTP Serverのコンポーネント・インスタンスを作成しました。

  • コンポーネントをFusion Middleware Controlを使用して管理する場合、既存のJRF対応のOracle WebLogic Server管理サーバーにOracleインスタンスおよびOracle HTTP Serverのコンポーネント・インスタンスを登録しました。

  • リクエストを1つ以上の仮想ホストにルーティングするように、mod_wl_ohsを構成しました。

  • SSLを1つ以上の仮想ホストに対して構成しました。

  • Oracle Single Sign-Onを構成しました。

  • mod_plsqlを構成しました。

  • mod_oradavを構成しました。

  • また、Oracle Access Managerを使用している場合があります。このシナリオでは、Oracle Access Managerのアクセス・サーバーは、テスト環境にはありません。これらのサーバーは、別の本番システムにあります。ただし、Webゲートはテスト環境で実行されています。

この環境を新しい本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   Oracleインスタンスおよびコンポーネントの作成

本番環境で、クローニングを使用してバイナリ・ファイルをインストールし、Oracleインスタンスおよび1つ以上のOracle HTTP Serverのコンポーネント・インスタンスを作成します。

  1. Oracle HTTP Serverを含むMiddlewareホームをクローニングします。第19.5.1項を参照してください。Middlewareホーム内のOracleホームもクローニングされます。

  2. Oracle Universal Installerまたはopmnctlコマンドラインを使用して、OracleインスタンスおよびOracle HTTP Serverのコンポーネント・インスタンスを作成します。

    • Oracle Universal Installerを使用してインスタンスおよびコンポーネントを作成するには、次の手順に従います。

      1. 次のスクリプトを実行します。

        (UNIX) ORACLE_HOME/common/bin/config.sh
        (Windows)ORACLE_HOME\common\bin\config.bat
        
      2. Oracle Fusion Middleware Oracle Web Tierインストレーション・ガイド』の手順に従います。

    • opmnctlコマンドラインを使用してインスタンスおよびコンポーネントを作成するには、次の手順に従います。

      1. コマンドラインから、次のディレクトリに移動します。

        (UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin
        (Windows) ORACLE_HOME\opmn\bin
        
      2. opmnctl createinstanceコマンドを使用して、1つ以上のOracleインスタンスを作成します。次に例を示します。

        opmnctl createinstance -oracleInstance /scratch/Oracle/Middleware/inst1
           -adminHost hostname -adminPort 7001
        

        このコマンドは、Oracleインスタンスを作成し、デフォルトで、それらのインスタンスをOracle WebLogic Server管理サーバーに登録します。

      3. opmnctl createcomponentを使用して、1つ以上のOracle HTTP Serverのコンポーネント・インスタンスを作成します。次に例を示します。

        opmnctl createcomponent -componentType OHS
            -oracleInstance /scratch/instances/inst1 -componentName ohs1
        
作業2   Oracle HTTP Serverの更新

Oracle HTTP Serverを更新します。

  1. 本番環境のhttpd.confファイルのバックアップ・コピーを作成します。次のディレクトリにあるhttpd.confおよびデフォルトでない任意のインクルード・ファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

    (UNIX) INSTANCE_HOME/config/OHS/ohs_component_name
    (Windows) INSTANCE_HOME\config\OHS\ohs_component_name
     
    
  2. 本番環境で、httpd.confファイルを編集し、次の変更を行います。

    • 新しいホスト名またはIPアドレスおよびポートを使用して、リスニング・ディレクティブを更新します(本番環境のOracle HTTP Serverが別のポートを使用している場合)。

    • ホスト名、IPアドレスまたはポート番号が定義されている場合、本番環境用の新しい値を使用してVirtualHostディレクティブを更新します。

    • テスト環境で構成されており、トポロジ(ホスト名、IPアドレス、ポート番号)情報またはその他のマシン固有の情報を持つ、デフォルトでない他のディレクティブを更新します。

  3. 任意のカスタム・コンテンツ(変更されたコンテンツ、htdocsディレクトリに追加されたコンテンツなど)を本番環境のOracle HTTP Serverにコピーします。

  4. オプションで、SSLを構成します。

    1. 本番環境のssl.confファイルのバックアップ・コピーを作成します。次のディレクトリにあるssl.confをテスト環境から本番環境にコピーします。

      ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs_component_name
       
      
    2. 本番環境で、ssl.confファイルを編集し、ホスト名、IPアドレスまたはポート番号が定義されている場合、本番環境用の新しい値を使用して仮想ホストのリスニング・アドレスを更新します。

    3. デフォルトでないウォレットがテスト環境で使用された場合は、次の手順を実行します。

      1. ウォレットをテスト環境からエクスポートし、本番環境にインポートします。ウォレットのエクスポートおよびインポートの詳細は、第7.4.4項を参照してください。

      2. 本番環境のssl.confファイルで、ウォレット・ロケーションを更新します(変更された場合)。

  5. mod_wl_ohsを使用している場合は、次の手順を実行します。

    1. 本番環境のmod_wl_ohs.confファイルのバックアップ・コピーを作成します。次のディレクトリにあるmod_wl_ohs.confファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

      ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs_component_name
      
    2. 本番環境で、mod_wl_ohs.confファイルを編集し、本番環境用のホスト名、IPアドレスおよびポート番号を使用してWebLogicHost、WebLogicPortまたはWebLogicClusterディレクティブを更新します。次に例を示します。

      WebLogicHost hostname | [IPaddress]
      WebCluster IPaddress_1:portnum1, IPaddress_2:portnum2, IPaddress_3:portnum3, ...
      
    3. SSLがmod_wl_ohs用に構成されている場合は、次の手順を実行します。

      • ウォレットをテスト環境からエクスポートし、本番環境にインポートします。ウォレットのエクスポートおよびインポートの詳細は、第7.4.4項を参照してください。

      • 本番環境のmod_wl_ohs.confファイルで、ウォレット・ロケーションのTrustedCAFileディレクティブを更新します(変更された場合)。

    4. テスト環境で、httpd.confファイルを検査して、mod_wl_ohs構成の一部またはすべてがこのファイルで定義されたかどうかを確認します。構成がこのファイルで定義された場合、本番環境のhttpd.confファイルの構成を本番環境用のホスト名、IPアドレス、およびポート番号を使用して更新します。

  6. mod_ossoを使用している場合は、次の手順を実行します。

    1. 本番環境のmod_osso.confファイルのバックアップ・コピーを作成します。次のディレクトリにあるmod_ossoファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

      ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs_component_name/moduleconf
      
    2. デプロイメント用の値を使用してmod_osso.confを編集し、次の情報を追加します。次に例を示します。

      LoadModule osso_module ${ORACLE_HOME}/ohs/modules/mod_osso.so
      
      <IfModule mod_osso.c>
       
      OssoIdleTimeout off
      OssoIpCheck on
      OssoConfigFile  ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs_component_name/osso/osso.conf   
       
      #Location is the URI you want to protect
      <Location />
      require valid-user
      #OHS 11g AuthType Osso    
      #OHS 10g AuthType Basic    
      AuthType Osso
       
      </Location>
       
      </IfModule>
      
  7. mod_PLSQLを使用している場合、次の手順を実行します。

    1. 本番環境の次の構成ファイルのバックアップ・コピーを作成します。そして、これらのファイルをテスト・システムから本番システムにコピーします。

      ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs_component_name/conf/moduleconf/plsql.conf 
      ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs_component_name/conf/mod_plsql/dads.conf 
      ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs_component_name/conf/mod_plsql/cache.conf
      
    2. ファイルを編集し、テスト環境に関する情報を含むプロパティの値を本番環境用の値に置き換えます。通常、dads.confファイルの次のプロパティを変更する必要があるだけです。

      PlsqlDatabaseUserName
      PlsqlDatabasePassword
      PlsqlDatabaseConnectString
      PlsqlNLSLanguage
      
  8. mod_oradavを使用している場合、次の手順を実行します。

    1. 本番環境の次の構成ファイルのバックアップ・コピーを作成します。そして、次のファイルをテスト・システムから本番システムにコピーします。

      ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs_component_name/conf/moduleconf/mod_oradav.conf.
      
    2. ファイルを編集し、テスト環境に関する情報を含むプロパティの値を本番環境用の値に置き換えます。通常、mod_oradav.confファイルの次のパラメータを変更する必要があるだけです。

      DAVParam ORACONNECTSN
      DAVParam ORAUSER
      DAVParam ORACRYPTPASSWORD
      
  9. 次のディレクトリにあるauditconfig.xmlへの変更を行った場合、本番環境でこのファイルのバックアップ・コピーを作成します。auditconfig.xmlファイルをテスト環境から対応する本番環境にコピーします。

    ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs_component_name/auditconfig.xml
    
  10. component-log.xmlへの変更を行った場合、本番環境でこのファイルのバックアップ・コピーを作成します。次のディレクトリにあるファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

    ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OHS/ohs_component_name
    
作業3   Webゲートの構成(オプション)

Oracle Access Managerを使用している場合、このシナリオは、テスト・システムと本番システムで同じOracle Access Managerサーバーが使用されていることを想定します。また、Middlewareホームをクローニングする場合、Webゲートのバイナリ・ファイルはOracleホームにインストールされています。

  1. 次の場所にあるconfigureWebGateプログラムを実行します。

    WebGate_install_dir/access/oblix/tools/configureWebGate
    
  2. テスト環境と同じ構成設定を使用して、本番環境の詳細を指定します。ただし、次の項目は除きます。

    • ホスト名

    • ポート

    • プライマリHTTP Cookieドメイン(オプション)

    • 優先HTTPホスト(環境に依存)

  3. httpd.confファイルを編集し、本番システム用の値を使用してWebゲート情報を更新し、LoadFile、LoadModuleおよびWebGateInstallDirディレクティブを変更します。次の例は、httpd.confファイルの抜粋、および変更する必要がある項目(太字で表記)を示します。

    #*** BEGIN WebGate Specific ****
     
    LoadFile "/webgate_path/access/oblix/lib/libgcc_s.so.1"
    LoadFile "/webgate_path/access/oblix/lib/libstdc++.so.5"
     
    LoadModule obWebgateModule "/webgate_path/access/oblix/apps/webgate/bin/webgate.so"
     
    WebGateInstalldir "/webgate_path/access"
    
作業4   プロセスの再起動

Oracleインスタンスのプロセスを再起動します。

ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl stopall
ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl startall

20.7.1.2 Oracle Web Cacheの新しい本番環境への移行

このシナリオでは、Oracle Web Cacheをテスト環境にインストール済で、これをまだ存在していない本番環境に移行する必要があると想定します。テスト環境では、次の操作を実行済です。

  • Oracle Web Cacheをインストールしました。

  • 2つ以上のOracleインスタンス(それぞれがOracle Web Cacheインスタンスを含む)を構成しました。

  • コンポーネントをFusion Middleware Controlを使用して管理する場合、既存のJRF対応のOracle WebLogic Server管理サーバーにOracleインスタンスおよびOracle Web Cacheインスタンスを登録しました。

  • Oracle Web CacheインスタンスをOracle Web Cacheクラスタとして構成しました。

  • サイトを作成し、サイト・サーバー間マッピングを構成しました。

  • Oracle Web CacheをSSL対応リスニング・アドレスを持つように構成しました。

  • キャッシュ・ルールを構成し、リクエスト・フィルタリング用のフィルタを定義しました。

この環境を新しい本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   OracleインスタンスおよびOracle Web Cacheインスタンスの作成

本番環境で、クローニングを使用してバイナリ・ファイルをインストールし、OracleインスタンスおよびOracle Web Cacheインスタンスを作成します。

  1. Oracle Web Cacheを含むMiddlewareホームをクローニングします。第19.5.1項を参照してください。Middlewareホーム内のOracleホームもクローニングされます。

  2. Oracleインスタンスおよびコンポーネントを作成します。Oracleインスタンスを異なるホスト上に作成し、それぞれにOracle Web Cacheインスタンスを含めます。

    Oracle Universal Installerを使用してインスタンスおよびコンポーネントを作成するには、次の手順に従います。

    1. 次のスクリプトを実行します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/common/bin/config.sh
      (Windows)ORACLE_HOME\common\bin\config.bat
      
    2. Oracle Fusion Middleware Oracle Web Tierインストレーション・ガイド』の手順に従います。

    コマンドラインを使用してインスタンスおよびコンポーネントを作成するには、次の手順に従います。

    1. コマンドラインから、次のディレクトリに移動します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin
      (Windows) ORACLE_HOME\opmn\bin
      
    2. opmnctl createinstanceコマンドを使用して、Oracleインスタンスを作成します。次に例を示します。

      opmnctl createinstance -oracleInstance /scratch/Oracle/Middleware/inst1
         -adminHost hostname -adminPort 7001
      

      このコマンドは、Oracleインスタンスを作成し、デフォルトで、それらのインスタンスをOracle WebLogic Server管理サーバーに登録します。

    3. opmnctl createcomponentコマンドを使用して、Oracle Web Cacheインスタンスを作成します。次に例を示します。

      opmnctl createcomponent -componentType WebCache 
          -oracleInstance /scratch/Oracle/Middleware/inst1 
          -componentName webcache1
      
  3. opmnctl registerinstanceコマンドを使用して、Oracleインスタンスをそのコンポーネントすべてとともに、管理サーバーに登録します。次に例を示します。

    opmnctl registerinstance -adminHost admin_server_host 
         -adminPort admin_server_port -adminUsername username 
         -adminPassword password
         -oracleInstance ORACLE_INSTANCE_dir -oracleHome ORACLE_HOME_dir
         -instanceName Instance_name -wlserverHome Middleware_Home
    
作業2   Oracle Web Cacheの更新

各Oracle Web Cacheインスタンスに対して、次の手順を実行します。

  1. 次のディレクトリにあるwebcache.xmlファイルをテスト環境から一時的な場所にコピーします。

    (UNIX) ORACLE_INSTANCE/config/WebCache/webcache_name
    (Windows) ORACLE_INSTANCE\config\WebCache\webcache_name
    
  2. 一時的な場所のwebcache.xmlに次の変更を行います。

    • 本番環境のWeb Cache管理パスワードがテスト環境のパスワードと異なる場合は、次の手順を実行します。

      • 本番環境のWeb Cacheインスタンスのwebcache.xmlファイルから<USER TYPE="INVALIDATION">要素のPASSWORDHASH属性の値をコピーし、この一時webcache.xmlの対応するPASSWORDHASH属性の現在の値を置き換えます。

      • 本番環境のWeb Cacheインスタンスのwebcache.xmlファイルから<USER TYPE="MONITORING">要素のPASSWORDHASH属性の値をコピーし、この一時webcache.xmlの対応するPASSWORDHASH属性の現在の値を置き換えます。

    • 本番環境において、元のサーバーの新しいホスト名またはIPアドレスとポート番号を使用して、各<HOST>要素および<VIRTUALHOSTMAP>要素のNAME属性およびPORT属性を更新します。

    • webcache.xmlの各<CACHE>要素に対して、次の項目を変更して本番環境のOracle Web Cacheインスタンスがあるホストに対応する値を置き換えます。

      • NAME、ORACLE_HOMEおよびHOSTNAME属性を更新します。

      • Oracleインスタンスのパスを検索し、置き換えます。

        注意: この情報は一度に1つのOracle Web Cacheインスタンスについて更新してください。他のOracle Web Cacheインスタンスが別のパスで実行されている別のOracleインスタンスで構成されている場合があるため、グローバル検索および置換えは行わないでください。

      • 各<LISTEN>要素に対して、IPADDR(ANY以外で構成されている場合)およびPORT(Oracle Web Cacheが本番環境で異なるポートを使用している場合)を更新します。

      • SSL対応のリスニング・アドレスのウォレット・ロケーションを更新します(異なる場合)。ウォレット・ロケーションは、各SSLリスニング・ポートの<WALLET>要素内で指定されます。

      • <IDENTITY>要素のUSERID属性およびGROUPID属性を更新します。

      • <OSWALLET>要素で、元のサーバーのウォレット・ロケーションを更新します(本番環境で異なる場合)。これは、Oracle Web Cacheによって使用され、SSL対応のオリジナル・サーバーと対話するウォレットです。

  3. 編集したwebcache.xmlを本番システムの次の場所にコピーします。

    (UNIX) ORACLE_INSTANCE/config/WebCache/webcache_name
    (Windows) ORACLE_INSTANCE\config\WebCache\webcache_name
    
  4. auditconfig.xmlに変更が行われた場合、auditconfig.xmlをテスト環境から対応する本番環境にコピーします。

    ORACLE_INSTANCE/config/WebCache/webcache_name/auditconfig.xml
    
  5. component-log.xmlに変更が行われた場合、最初にこのファイルを編集してログ・パスを更新し、それから.xmlファイルをテスト環境から対応する本番環境にコピーします。

  6. 次のディレクトリにあるOracle Web Cacheエラー・ページへの変更を行った場合、エラー・ページをテスト環境から本番環境の場所にコピーします。

    (UNIX) ORACLE_INSTANCE/config/WebCache/webcache_name/files
    (Windows) ORACLE_INSTANCE\config\WebCache\webcache_name\files
    
  7. テスト環境でSSL対応のリスニング・アドレスまたはOSwalletに対してデフォルトでないウォレットが使用された場合、テスト環境からウォレットをエクスポートし、それらを本番環境にインポートします。ウォレットのエクスポートおよびインポートの詳細は、第7.4.4項を参照してください。

20.7.2 Web層の既存の本番環境への移行

このシナリオでは、稼働中の本番環境があり、アプリケーションまたは構成の変更を、本番環境への適用前にテストする必要があると想定します。

  • Oracle HTTP Serverの場合、第20.7.1.1項の各手順を実行します。

  • Oracle Web Cacheの場合、第20.7.1.2項の各手順を実行します。

20.8 クラシック・コンポーネントの本番環境への移行

このシナリオでは、Oracle Portal、Oracle Forms Services、Oracle Reports、Oracle Business Intelligence DiscovererなどのOracle Fusion Middleware Classicコンポーネントをテスト環境にインストール済で、これらを本番環境へ移行する必要があると想定します。

次の各項目では、これらのコンポーネントをテスト環境から本番環境に移行する方法について説明します。

どちらのシナリオでも、テスト環境で次の操作を実行済です。

20.8.1 クラシック・コンポーネントの新しい本番環境への移行

このシナリオでは、Oracle Portal、Oracle Forms Services、Oracle ReportsおよびOracle Business Intelligence Discovererをテスト環境にインストール済で、これらのコンポーネントを存在しない本番環境に移行する必要があると想定します。

この項ではコンポーネントすべてを本番環境に移行する方法について説明しますが、コンポーネントの一部のみを移行することも選択できます。

この環境を新しい本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   データベースの新しい本番環境へのコピー

Oracle Database RMANユーティリティを使用して、データベースを本番システムに移行します。

詳細な手順は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。次のリンクから入手可能です。

http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html

各コンポーネントで使用するスキーマについては、付録Dを参照してください。

作業2   コンポーネントのインストールおよび構成

コンポーネントをインストールして構成するには、次の手順を実行します。

  1. 第19.5.1項の説明に従って、Middlewareホームをクローニングします。Oracle WebLogic ServerホームとMiddlewareホーム内のOracleホームもクローニングされます。

  2. Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererインストレーション・ガイドの説明に従って、コンポーネントをインストールして構成します。Oracle Portalの場合、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Single Sign-Onリリース10.1.3.4のインストールも含まれます。

    Oracle Portalの場合、「コンポーネントの構成」画面でOracle Internet Directoryへの接続の資格証明を指定します。

作業3   Oracle Portalの新しい本番環境への移行

Oracle Portalの構成を新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. テスト・インスタンスに、移行するページ・グループのリストを含むトランスポート・セットを作成します。トランスポート・セットの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』のトランスポート・セットの作成に関する項を参照してください。

  2. Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』のデータのエクスポートに関する項の説明に従って、データをテスト環境からエクスポートします。

  3. Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』のデータベース・リンクの作成に関する項の説明に従って、本番環境にテスト環境へのデータベース・リンクを作成します。

  4. ソース・ポータルからデータを移行する前に、まずこのポータルを登録する必要があります。登録すると、このソース・ポータルを選択し、トランスポート・セットのデータソースを指定するために使用できます。『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』のソース・ポータルの登録に関する項を参照してください。

  5. オブジェクトをインポートする前に、まずトランスポート・セットのコンテンツをターゲット・システムのトランスポート・セット表に移行する必要があります。これは、手順1で説明した登録済のデータベース・リンクを使用して、テスト環境からトランスポート・セットを取得することで実行します。トランスポート・セットの取得方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』のターゲット・システムへのデータの移行に関する項を参照してください。

  6. Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』のOracle Portalへのインポートに関する項の説明に従って、データをインポートします。

  7. Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』のユーザーおよびグループの移行に関する項の説明に従って、ユーザーおよびグループをテスト環境のLDAPディレクトリから本番環境のLDAPディレクトリに移行します。

  8. SSOMigユーティリティを使用して外部アプリケーション・リストをインポートします。

    1. テスト・システムにおいてエクスポート・モードでssomigを実行します。このコマンドは、ダンプ・ファイルを作成します。次に例を示します。

      ssomig -export -s orasso -p orasso_schema_password 
       -c tns_alias_for_sso_schema 
       -log_d directory_where_dump_needs_to_be_created 
       -log_f ssomig.log -d ssomig.dmp
      
    2. 前の手順で作成したダンプ・ファイルを指定して、本番システムにおいてインポート・モードでssomigを実行します。次に例を示します。

      ssomig -import -overwrite -s orasso -p orasso_schema_password 
       -c tns_alias_for_sso_schema -d ssomig.dmp 
       -log_d directory_where_dump_is_located -discoforce
      
  9. 次の各ファイルについて、保持する必要があるすべてのカスタマイズをテスト環境のファイルから本番環境のファイルにコピーします。

    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL/applications/portal/configuration/portal_plsql.conf
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL/applications/portal/configuration/portal_dads.conf
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL/applications/portal/configuration/appConfig.xml
    
  10. 構成ファイルを変更した場合、管理対象サーバーWLS_PORTALを再起動します。

Oracle WebCenterまたはOracle Portalがエクスポートおよびインポートを使用してテスト環境から移行されると、ポートレットのカスタマイズがトランスポート・セットに含まれることに注意してください。追加の手順の必要はありません。

作業4   Oracle Forms Servicesの新しい本番環境への移行

Oracle Forms Servicesを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを使用して、Oracleインスタンスで実行されているプロセスおよび本番環境の管理対象サーバーを停止します。

    ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl stopall
    DOMAIN_NAME/bin/stopManagedWebLogic.sh
                managed_server_name admin_url username password 
    
  2. Oracle Forms Servicesアプリケーション・ファイル(FMX、MMXおよびPLX)をテスト環境から本番環境にコピーします。これらのファイルの場所は、Formsの環境構成ファイルであるdefault.envに指定されている場合があります。

    ファイルが共有のネットワークの場所にある場合は、それらを本番環境にコピーする必要はありません。かわりに、その場所をdefault.envファイルに追加します。

  3. データベース移行ツールを使用して、アプリケーション関連データをテスト環境から本番環境のデータベースに移行します。

  4. 本番環境のデータベースを参照するように、SQL*Net構成ファイルにエントリを作成します。

  5. Formsアプリケーションは、シングル・サインオン・ユーザー名およびパスワードをデータベース接続文字列にマップします。この情報は、Oracle Internet Directoryに格納されます。Forms RADデータをテスト環境のOracle Internet Directoryから本番環境のOracle Internet Directoryに移行します。第20.2.1項作業2「Oracle Internet Directoryの新しい本番環境への移行」の手順3を参照してください。

  6. 保持する必要がある次のファイルのすべてのカスタマイズをテスト環境のファイルから本番環境のファイルにコピーします。

    ファイルのタイプ 場所
    Formsアプリケーション構成
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_FORMS/applications/formsapp_11.1.1/config/formsweb.cfg
    
    Formsサーバー構成
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_FORMS/applications/formsapp_11.1.1/config/default.env
    
    Forms HTMLテンプレート
    ORACLE_INSTANCE/config/FormsComponent/forms/server/base.htm
    ORACLE_INSTANCE/config/FormsComponent/forms/server/basejpi.htm
    
    WebUtil構成
    ORACLE_INSTANCE/config/FormsComponent/forms/server/webutil.cfg
    
    WebUtil HTMLテンプレート
    ORACLE_INSTANCE/config/FormsComponent/forms/server/webutiljpi.htm
    ORACLE_INSTANCE/config/FormsComponent/forms/server/webutilbase.htm
    
    Forms OHSディレクティブ構成
    ORACLE_INSTANCE/config/OHS/OHS_name/moduleconf/forms.conf
    

    Oracle HTTP Serverのforms.confファイルを変更した場合、Oracle HTTP Serverを再起動します。

    ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohs_name
    
  7. 次のファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

    ファイルのタイプ 場所
    Formsアプリケーション構成のクライアント側のダウンロード可能なプラッガブル・コンテンツ これらのファイルは、イメージなどのユーザー・カスタマイズであり、Webブラウザでアクセス可能な場所にあります。
    Formsトレース構成
    ORACLE_INSTANCE/config/FormsComponent/forms/server/ftrace.cfg
    
    Formアプリケーションの.ear
    ORACLE_HOME/forms/j2ee/formsapp.ear
    
    JVMコントローラ構成
    ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon/tools/jvm/jvmcontrollers.cfg
    
    FMA構成
    ORACLE_INSTANCE/config/FormsComponent/forms/search_replace.properties
    ORACLE_INSTANCE/config/FormsComponent/forms/converter.properties
    
    Formsユーティリティ固有構成ラッパー・シェル・スクリプト
    UNIX:
    ORACLE_INSTANCE/bin/frmbld.sh 
    ORACLE_INSTANCE/bin/frmcmp.sh 
    ORACLE_INSTANCE/bin/frmplsqlconv.sh
    ORACLE_INSTANCE/bin/frmxmlsg.sh 
    ORACLE_INSTANCE/bin/frmcmp_batch.sh 
    ORACLE_INSTANCE/bin/frmf2xml.sh 
    ORACLE_INSTANCE/bin/frmxml2f.sh 
    ORACLE_INSTANCE/bin/frmxmlv.sh
    Windows:
    ORACLE_HOME\bin\frmbld.bat
    ORACLE_HOME\bin\frmcmp.bat
    ORACLE_INSTANCE\bin\frmplsqlconv.bat
    ORACLE_INSTANCE\bin\frmxmlsg.bat
    ORACLE_INSTANCE\bin\frmcmp_batch.bat 
    ORACLE_INSTANCE\bin\frmf2xml.bat
    ORACLE_INSTANCE\bin\frmxml2f.bat
    ORACLE_INSTANCE\bin\frmxmlv.bat
    

    Formsユーティリティ固有構成ラッパー・シェル・スクリプトの場合、OracleホームおよびOracleインスタンスをすべて本番環境用の詳細に置き換えます。

  8. 次のコマンドを使用して、インスタンス内のコンポーネントを起動し、管理対象サーバーを起動します。

    ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl startall
    DOMAIN_NAME/bin/startManagedWebLogic.sh
        managed_server_name admin_url 
    
  9. Forms J2EEアプリケーションの.earファイルに対してカスタマイズ(デフォルトのFormsサーブレット・アクセスURLの上書きなど)を行った場合、Forms J2EEアプリケーションの.earファイルをカスタム・デプロイし、Forms J2EEアプリケーションのweb.xmlファイルにテスト環境と同様のサーブレットの別名を作成します。

作業5   Oracle Reportsの新しい本番システムへの移行

Oracle Reportsを本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. 次のOracle Reports Server構成ファイルで、テスト環境で行われた変更を本番環境のファイルにマージします。それらのファイルをテスト環境から本番環境に単純にコピーすることはできないことに注意してください。ファイルには、OracleホームとOracleインスタンスの名前や場所、ポート番号など、環境固有の情報が含まれている可能性があるからです。

    ファイルのタイプ 場所
    Reportsスタンドアロン・サーバー構成
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServerComponent/server_name/rwserver.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServer/server_name/jdbcpds.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServer/server_name/xmlpds.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServer/server_name/textpds.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServer/server_name/rwnetwork.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServer/server_name/component-logs.xml
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServer/server_name/logging.xml
    
    Reportsインプロセス・サーバーおよびサーブレット構成
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/cgicmd.dat
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/rwservlet.properties
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/rwserver.conf
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/jdbcpds.conf
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/xmlpds.conf
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/textpds.conf
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/rwnetwork.conf
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/logging.xml
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/logmetadata.xml
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/jazn-data.xml
    
    Reportsツール構成
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsTools/rwbuilder.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsTools/rwnetwork.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsTools/jdbcpds.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsTools/xmlpds.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsTools/textpds.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsTools/component-logs.xml
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsTools/logging.xml
    
    Reportsブリッジ構成
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsBridge/bridge_name/rwbridge.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsBridge/bridge_name/rwnetwork.conf
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsBridge/bridge_name/component-logs.xml
    ORACLE_INSTANCE/config/ReportsBridge/bridge_name/loggin.xml
    
    Reportsシェル・スクリプト
    (UNIX) ORACLE_INSTANCE/config/reports/bin/rw*.sh
    (Windows) ORACLE_INSTANCE\config\reports\bin\rw*.bat
    (UNIX) ORACLE_INSTANCE/config/reports/bin/reports.sh
    (Windows) ORACLE_INSTANCE\config\reports\bin\reports.bat
    (UNIX) ORACLE_INSTANCE/config/reports/bin/namingservice.sh
    (Windows) ORACLE_INSTANCE\config\reports\bin\namingservice.bat
    

  2. Oracle Reports Server構成ファイルに関連する次のOracle Fusion Middleware構成ファイルで、テスト環境で行われた変更を本番環境のファイルにマージします。それらのファイルをテスト環境から本番環境に単純にコピーすることはできないことに注意してください。ファイルには、OracleホームとOracleインスタンスの名前や場所、ポート番号など、環境固有の情報が含まれている可能性があるからです。

    ファイルのタイプ 場所
    JPS構成
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/jps-config.xml
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/jps-config-jse.xml 
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/system-jazn-data.xml
    
    Forms構成ファイルおよびReports構成ファイル
    Font setup, aliasing, subsetting, embedding:
    ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon/guicommon/tk/admin/Uifont.ali
    Printer configuration (UNIX only):
    ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon/guicommon/tk/admin/uiprint.txt 
    Toolkit configuration, encoding (UNIX only):
    ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon/guicommon/tk/admin/uTk2Motif.rgb 
    PPD files (UNIX only): 
    ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon/guicommon//tk/admin/PPD/*
    AFM files (UNIX only):
    ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon/guicommon/tk/admin/AFM/*
    

  3. テスト環境に追加のOracle Reports Serverコンポーネント・インスタンスを作成した場合、opmnctlを使用してそれらを本番環境に作成します。

  4. Oracle Reports Serverに関連するリソースに対して、次のアクションを実行します。

    • テスト環境で使用するすべてのフォントを環境変数REPORTS_FONT_DIRECTORYで指定されたディレクトリから本番環境にコピーします。デフォルトでは、フォントはORACLE_INSTANCE/reports/fontsにあります。

    • Common UNIX Printing System(CUPS)印刷構成を本番環境に移行します(該当する場合)。

      Oracle ReportsでCUPSを使用する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』のCUPSを使用したLinuxでの印刷の向上に関する項を参照してください。

  5. Reports定義ファイルおよびデータ表に対して、次のアクションを実行します。

    • テスト環境で使用されるレポート・ファイル(RDFファイル、JSPファイル、REPファイル、XMLファイルなど)を本番環境にコピーします。

    • JSP Webレポートを本番環境の次の場所にデプロイします。

      DOMAIN_HOME/servers/WLS_REPORTS/stage/reports/reports/web.war 
      
    • データベース移行ツール(Oracle Databaseのエクスポート・ユーティリティやインポート・ユーティリティなど)を使用して、RDFファイル内で参照されるReports固有のデータ表を本番環境のデータベースに移行します。

  6. Reportsのジョブ関連の構成ファイルに対して、次のアクションを実行します。

    • Reportsサーバーのキャッシュ・ファイルを本番環境の次の場所にコピーします。

      ORACLE_INSTANCE/reports/cache 
      
    • Reportsのスケジュール済ジョブ情報に関して、サーバー・データ(server_name.dat)ファイルを本番環境の次の場所にコピーします。

      ORACLE_INSTANCE/reports/server
      

      サーバー名は作成時に自動的に生成され、.datファイルにはサーバー名付きの名前を付けられるため、.datファイルの名前は、テスト環境と本番環境で異なることに注意してください。スタンドアロン・サーバーかインプロセス・サーバーかに応じて、ファイル名は次の形式のいずれかになります。

      ReportsServer_hostname_instanceName
      rep_wls_reports_hostname_instanceName
      

      本番環境のホスト名およびOracleインスタンス名を反映するようにファイル名を変更します。

  7. ジョブ・リポジトリまたはジョブ・ステータス・リポジトリがデータベースで構成されている場合、本番環境のデータベースに同じスキーマを作成し、データを移行する必要があります。

    1. 次のスクリプトを使用します。

      ORACLE_HOME/reports/admin/sql/rw_job_repos.sql 
      
    2. データベース移行ツール(Oracle Databaseのエクスポート・ユーティリティやインポート・ユーティリティなど)を使用して、スキーマRW_JOBS、RW_SERVER_JOB_QUEUEおよびRW_SERVER_QUEUEのテスト・データベースのデータを本番データベースに移行します。

  8. ユーザーおよびReports Serverのセキュリティ・ポリシー情報を移行します。『Oracle Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』のOracle Reportsの保護に関する項を参照してください。

  9. Oracle Internet Directoryをアイデンティティ・ストアおよびポリシー・ストアとして使用している場合、Forms RADデータをテスト環境のOracle Internet Directoryから本番環境のOracle Internet Directoryに移行します。作業2「Oracle Internet Directoryの新しい本番環境への移行」の手順3を参照してください。

  10. JAZN-XMLベースのアイデンティティ・ストアおよびポリシー・ストアをテスト環境で使用した場合、これらを本番環境のLDAPに移行します。『Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』のmigrateSecurityStoreコマンドを使用したポリシーの移行に関する項の説明に従って、WLSTコマンドmigrateSecurityStoreを使用します。

  11. Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』のコマンドmigrateSecurityStoreを使用しての資格証明の移行に関する項の説明に従って、WLSTコマンドmigrateSecurityStoreを使用して資格証明ストアを移行します。

  12. データベース・クローニング・ツールを使用して、すべてのデータベース・プロキシ・ユーザーを本番データベースに移行します。

  13. Reportsプラグインが登録されている場合、対応する.jarファイルを本番環境にコピーし、これらのファイルへのパスを環境変数REPORTS_CLASSPATHに追加します。

作業6   Oracle Business Intelligence Discovererの新しい本番環境への移行

Oracle BI Discovererを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. ユーザー・プリファレンスを変更した場合、次のファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

    ORACLE_INSTANCE/config/PreferenceServer/disco-comp-name/.reg_key.dc
    ORACLE_INSTANCE/config/PreferenceServer/disco-comp-name/pref.txt
    ORACLE_INSTANCE/config/PreferenceServer/disco-comp-name/defaults.txt
    
  2. Oracle BI Discovererの設定を変更した場合、次のファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_DISCO/applications/discoverer_11.1.1.3.0/configuration/configuration.xml
    DOMAIN_HOMEconfig/fmwconfig/servers/WLS_DISCO/applications/discoverer_11.1.1.3.0/configuration/configuration-preview.xml
    

    configuration.xmlファイルで、次の要素の値を本番環境を反映するように変更します。

    • applicationURL

    • oracleInstance

    • discovererComponentName

  3. サーバー構成ファイルを変更した場合、次のファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

    ORACLE_INSTANCE/config/OPMN/opmn/opmn.xml
    
  4. 次のファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

    ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs_name/moduleconf/module_disco.conf
    

    次の要素の値を本番環境を反映するように変更します。

    • WebLogicCluster。クラスタが存在する場合のみ有効です。

    • WebLogicHost

    • WebLogicPort

  5. 次のファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/base-descktop.xss
    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/blstyles.xss
    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/dc-blaf-review.xss
    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/dc-blaf.xsd 
    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/dc-blaf.xss 
    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/minimal-desktop.xss
    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/minimal-pda.xss 
    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/oracle-desktop.xss 
    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/oracle-pda.xss
    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/pocketPC.xss 
    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/simple-desktop.xss 
    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/configuration/swan-desktop.xss 
    
  6. 使用するファイルに応じて、次のディレクトリのファイルの一部またはすべてをコピーします。

    DOMAIN_HOME/servers/WLS_DISCO/stage/discoverer/11.1.1.1.0/discoverer/discoverer.war/custom_logos/
    

    使用されるファイルは、configuration.xmlファイルにリストされます。

  7. 同じデータベース・サービスのエントリを使用するには、次のファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。

    ORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.ora
    
  8. DISCOVERERスキーマをテスト環境から本番環境に移行します。Oracle Databaseのエクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティを使用してスキーマを移行できます。

    テスト環境と本番環境で同じデータベースを使用する場合は、データを移行する必要はありません。

  9. EULデータをテスト環境から本番環境に移行します。

    1. EULユーザーおよび空のEULを本番データベースに作成します。Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイドの新規データベース・ユーザーでのEnd User Layerの作成方法に関する項を参照してください。

    2. Discoverer Administratorを使用してEULスキーマをテスト・データベースからエクスポートして本番環境のデータベースにインポートすることにより、EULスキーマをテスト・データベースから移行します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイドのDiscovererのエクスポート・ウィザードとインポート・ウィザードの使用方法に関する項を参照してください。

    3. eul5_id.sqlスクリプトを実行して新しいEULに一意の参照番号を付けます。その後、Discovererのエンド・ユーザー・コミュニティ全体にEULへのアクセス権を付与します。このスクリプトは、次の場所にあります。

      ORACLE_ HOME/discoverer/util/eul5_id.sql
      

      詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer開発者ガイドのEnd User Layerの作成および保守に関する項を参照してください。

  10. カタログ・データをテスト環境から本番環境に移行します。

    1. 次のコマンドを使用して、カタログを本番のOLAPデータベースにインストールします。

      java -classpath d4o.jar oracle.dss.d4o.administration.D4OCommand install
        -h hostname -po port -sid sid -su "sys as sysdba" 
        -sp password -p d4osys-password -t users
      
    2. 次のコマンドを使用して、本番のOLAPデータベースのユーザーを承認します。

      java -classpath d4o.jar oracle.dss.d4o.administration.D4OCommand
       authorize -h hostname -po port -sid sid -p d4osys-password -u user
      
    3. OLAPコマンド・ユーティリティを使用して、Discovererカタログをテスト・データベースからエクスポートし、本番環境のデータベースにインポートします。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイドのDiscoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用したDiscovererカタログの管理に関する項を参照してください。

  11. ポートレット・データをテストのDiscovererメタデータ・リポジトリから本番のDiscovererメタデータ・リポジトリに移行します。

    1. Oracle Databaseのエクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティを使用します。

      インポートを複数回実行して、親表が子表の前に移入されるようにする必要がある場合があります。SQLエラーを回避するには、PTM5_PARTITION、PTM5_PORTLET、PTM5_VERSION、PTM5_INSTANCE、PTM5_SCHEDULE、PTM5_CACHE、PTM5_CUSTOMINFOという順序で実行する必要があります。

    2. 新しい本番設定を指すようにPortalのポートレット・プロバイダURLを変更します。

  12. PStoreデータを移行します。

    1. デフォルトの暗号化鍵を表WWSSO_PS_CONFIGURATION_INFO_Tから削除します。

    2. Oracle Databaseのエクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティを使用して、Discovererメタデータ・リポジトリのPStoreデータを移行します。

      ユーザー名とスキーマ名は、本番環境とテスト環境で同じである必要があります。

20.8.2 クラシック・コンポーネントの既存の本番環境への移行

このシナリオでは、Oracle Portal、Oracle Forms Services、Oracle ReportsおよびOracle Business Intelligence Discovererをテスト環境にインストール済で、これらのコンポーネントをすでに存在している本番環境に移行する必要があると想定します。

既存の本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   Oracle Portalの既存の本番環境への移行

このシナリオでは、テスト環境でOracle Portalに対して変更(ページの追加、ページへのコンテンツの追加、新しいユーザーおよびグループの作成、新しいユーザーおよびグループへの新しく作成したページへのページ・アクセス権限の割当てなど)を行ったことを想定します。

Oracle Portalを既存の本番環境に移行するには、第20.8.1項作業3「Oracle Portalの新しい本番環境への移行」の説明に従って、各手順を実行します。

作業2   Oracle Forms Servicesの既存の本番環境への移行

Oracle Forms Servicesを既存の本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Forms Servicesアプリケーション・ファイル(FMX、MMXおよびPLX)をテスト環境から本番環境にコピーします。これらのファイルの場所は、Formsの環境構成ファイルであるdefault.envに指定されている場合があります。

    ファイルが共有のネットワークの場所にある場合は、それらを本番環境にコピーする必要はありません。かわりに、その場所をdefault.envファイルに追加します。

  2. Oracle Fusion Middleware Forms Servicesデプロイメント・ガイド』のアプリケーションのデプロイに関する項の説明に従って、必要な構成変更を行います。

  3. コンポーネントを再起動します。

    ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl stopall
    ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl startall
    
作業3   Oracle Reportsの既存の本番環境への移行

Oracle Reportsを既存の本番環境に移行するには、第20.8.1項作業5「Oracle Reportsの新しい本番システムへの移行」の説明と同じ手順を実行します。

作業4   Oracle Business Intelligence Discovererの既存の本番環境への移行

このシナリオでは、本番システムのパフォーマンスを悪化させずに、最初にテスト環境を使用してビジネス領域を開発するためのEULを作成することを想定します。

Oracle BI Discovererを既存の本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. 作業6「Oracle Business Intelligence Discovererの新しい本番環境への移行」の手順1および5に示されている構成ファイルを移行します。

  2. DISCOVERERスキーマをテスト環境から本番環境に移行します。Oracle Databaseのエクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティを使用してスキーマを移行できます。

    テスト環境と本番環境で同じデータベースを使用する場合は、データを移行する必要はありません。

  3. Oracleデータベースのエクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティを使用して、スキーマをテスト・データベースからエクスポートして本番環境のデータベースにインポートすることにより、EULスキーマをテスト環境から本番環境に移行します。

    ユーザー名とスキーマ名は、本番環境とテスト環境で同じである必要があります。

20.9 Oracle Business Intelligenceコンポーネントの本番システムへの移行

この項では、Oracle Business Intelligenceをテスト環境から本番環境に移行する手順について説明します。


関連項目:

Oracle BIリポジトリ・ライフサイクル(リポジトリをテスト環境から本番環境に移行する際の考慮事項を含む)の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ・ビルダーズ・ガイドのマルチユーザー開発環境でのリポジトリ・ライフサイクルの管理に関する項を参照してください。

次のシナリオでは、Oracle Business Intelligenceコンポーネントをテスト環境にすでにインストール済かつ構成済で、これらを新しい本番環境または既存の本番環境のいずれかに移行する必要があると想定します。

20.9.1 Oracle Business Intelligenceコンポーネントの新しい本番環境への移行

この項では、Oracle Business Intelligenceをテスト環境から新しい本番環境に移行する手順について説明します。

このシナリオでは、Oracle Business Intelligenceコンポーネントをテスト環境にすでにインストール済かつ構成済で、これらを新しい本番環境に移行する必要があると想定します。

注意: 新しい本番環境への移行手順は、移行プロセスと同じです。

Oracle Business Intelligenceコンポーネントを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

作業1   (オプション)テスト環境のパッチ適用およびクローニング
  1. 準備完了になるまで、テスト環境にパッチを適用し、その環境をテストします。

    詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。

  2. 新しい構成設定を試す場合、レプリケートできるように変更をメモします。

  3. 第19.3.1項の説明に従って、copyBinaryスクリプトを使用して、テスト環境をクローニングします。

作業2   新しい本番環境へのクローン・アウト
  1. クローニングしたJar(作業1「(オプション)テスト環境のパッチ適用およびクローニング」で作成したもの)をテスト環境から本番環境にコピーします。

  2. 次のファイルを本番環境にコピーします。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_COMMON_HOME/bin/pasteBinary.sh
      ORACLE_HOME/jlib/cloningclient.jar
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_COMMON_HOME\bin\pasteBinary.cmd
      ORACLE_HOME\jlib\cloningclient.jar
      
  3. 本番環境に、JDK 1.6.4以降のバージョンがインストールされているか、JRockit(BIインストーラに付属)がインストールされていることを確認します。

  4. 第19.3.1項の説明に従って、pasteBinaryコマンドを使用して、新しい本番環境にクローニングします。

作業3   新しい本番環境でのBIドメインの作成

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionインストレーション・ガイドを参照してください。

作業4   新しい本番環境でのセキュリティの構成

デフォルトのOracle WebLogic Server LDAP以外を使用している場合、この作業を実行します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイドを参照してください。

作業5   Oracle BI Presentation Catalogのテスト環境から新しい本番環境への移行
  1. テスト環境でカタログ全体を圧縮します(7Zipを使用)。

  2. 新しい本番環境でカタログを解凍します。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドを参照してください。

  3. Fusion Middleware Controlを使用して、本番環境でのカタログの場所を設定します。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドのFusion Middleware Controlを使用してリポジトリをアップロードし、Oracle BI Presentation Catalogの場所を設定する方法に関する項を参照してください。

作業6   テストRPDおよびBI Presentation Catalogの新しい本番環境へのデプロイ
  1. 新しい本番環境でFusion Middleware Controlを使用して、RPDをアップロードします。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドのFusion Middleware Controlを使用してリポジトリをアップロードし、Oracle BI Presentation Catalogの場所を設定する方法に関する項を参照してください。

  2. 必要に応じて、管理ツールまたはOracle BI Server XML APIを使用して、リポジトリの接続プールおよびデータベース設定を更新します。RPDファイルには、テスト環境のデータソース接続情報が含まれていることがあります。その場合、それらを本番環境の接続設定に変更する必要があります。

    Oracle BI Server XML APIを使用してこの手順を実行する方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Edition統合ガイドのテスト環境から本番環境への移行に関する項を参照してください。

  3. (オプション)Fusion Middleware Controlの「容量管理」ページで「パフォーマンス」タブの「オンラインRPD更新の無効化」を選択して、本番リポジトリを読取り専用にします。

作業7   本番環境の新しいクラスタ・ホストへのクローン・アウトおよびスケール・アウト
  1. クローニングしたJar(作業1「(オプション)テスト環境のパッチ適用およびクローニング」で作成したもの)を新しいクラスタ・ホストにコピーします。

  2. 次のファイルを新しいクラスタ・ホストにコピーします。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_COMMON_HOME/bin/pasteBinary.sh
      ORACLE_HOME/jlib/cloningclient.jar
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_COMMON_HOME\bin\pasteBinary.cmd
      ORACLE_HOME\jlib\cloningclient.jar
      
  3. 第19.3.1項の説明に従って、pasteBinaryコマンドを使用して、新しいクラスタ・ホストにクローン・アウトします。

    注意: マスター・ホストで使用したMiddlewareホーム名と正確に同じ名前を新しいクラスタ・ホストで使用する必要があります。

  4. Fusion Middleware Controlを使用して、新しいクラスタ・ホストにスケール・アウトします。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドのFusion Middleware Controlを使用したシステム・コンポーネントのスケーリングに関する項を参照してください。

  5. 新しいクラスタ・ホストそれぞれに対して、前述の手順を繰り返します。

作業8   (オプション)グローバル一意識別子(GUID)のリフレッシュ

GUIDを含むLDAPディレクトリは、テスト環境と本番環境の両方でレプリカをファンアウトするため、通常、テスト環境と本番環境間で、LDAPディレクトリ内のGUID(アイデンティティ・ストア・ユーザー)をリフレッシュすることはありません。考えられるシナリオには次のようなものがあります。

  • BIテスト・サーバーおよび本番サーバーが両方とも、企業LDAPディレクトリに対して構成されている。

    LDAP GUIDをリフレッシュする必要はありません。

  • BIテスト・サーバーはテストLDAPに対して構成されていて、かつ本番サーバーは企業LDAPに対して構成されているが、テストLDAPは企業LDAPのファンアウト・レプリカである。

    LDAP GUIDをリフレッシュする必要はありません。

  • BIテスト・サーバーはテストLDAPに対して構成されていて、かつ本番サーバーは企業LDAPに対して構成されているが、テストLDAPは企業LDAPのファンアウト・コピーではない。

    LDAP GUIDのリフレッシュが必要です。詳細は、第20.9.4項「ユーザーGUIDのリフレッシュ」を参照してください。

作業9   新規エージェントおよびOracle BI Publisherのスケジュール済ジョブの有効化

新規エージェントがテスト環境で作成された場合、プレゼンテーション・サービスのカタログ・マネージャで各エージェントをクリックして有効化します。

Oracle BI Publisherのレポートは、BIプレゼンテーション・カタログに格納されているため、既存のレポート、およびテスト環境で作成された新しいレポートを使用できるようにする必要があります。

本番環境で、Oracle WebLogic Server管理者は、テスト環境と同じ名前を使用して、(Oracle BI Publisherのレポートが使用する)JNDI接続を作成する必要がありますが、テスト・データベースではなく本番データベースを指す必要があります。この方法により、すべてのレポートは自動的に、テスト環境のデータベースではなく本番環境のデータベースを指すようになります。設定を変更する必要はありません。

作業10   外部システムへのリンクの更新

静的コンテンツを本番環境(たとえば、ダッシュボードのJPG)、OWSMポリシー・ファイル、アクション・フレームワーク、および外部システムとの通信方法を指定するその他のポリシー・ファイルに忘れずに移行します。

作業11   BI関連アプリケーションの移行

(オプション) BI関連アプリケーション(Calculation Manager、Oracle Real-Time Decisions、ワークスペース、フィナンシャル・レポートおよびBIオフィス)を新しい本番環境に移行します。詳細は、これらのアプリケーションの適切な項を参照してください(ある場合)。

作業12   本番システムの検証

本番システムがテスト・システムを正確に表していることを検証します。

20.9.2 適用するパッチが少数ある場合のOracle Business Intelligenceコンポーネントの既存の本番環境への移行

この項では、適用するパッチが少数ある場合にOracle Business Intelligenceをテスト環境から既存の本番環境に移行する手順について説明します。

次の各手順では、Oracle Business Intelligenceコンポーネントをテスト環境にすでにインストール済かつ構成済で、これらを既存の本番環境に移行する必要があると想定します。

適用するパッチが少数ある場合にOracle Business Intelligenceコンポーネントを既存の本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

作業1   テスト環境および既存の本番環境へのパッチ適用

パッチは、一連のバグ修正を既存の本番環境に適用します。また、新しいバイナリ・ファイルおよびメタデータの更新も含まれます。

  1. 準備完了になるまで、必要に応じてテスト環境にパッチを適用し、テストします。

  2. マスター・ホスト上およびすべてのクラスタ・ホスト上で既存の本番環境にパッチを適用し、テスト環境と同じレベルにします。

    注意: パッチの適用には非BIパッチおよび個別パッチも含まれます。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware System Oracle Business Intelligence Enterprise Edition管理者ガイドのOracle Business Intelligenceシステムへのパッチ適用に関する項を参照してください。

作業2   テストRPDの既存の本番環境へのデプロイ
  1. (オプション)テスト環境で管理ツールおよびOracle BI Server XML APIを使用して、テストRPDと本番RPDのパッチ・マージを実行します。

    既存の本番環境に移行中で、テスト環境でRPDの変更を行った場合のみ、この作業を完了する必要があります。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ・ビルダーズ・ガイドのパッチ・マージの実行に関する項を参照してください。

  2. 本番環境でFusion Middleware Controlを使用して、使用するRPDをアップロードします。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドのFusion Middleware Controlを使用してリポジトリをアップロードし、Oracle BI Presentation Catalogの場所を設定する方法に関する項を参照してください。

  3. 必要に応じて、管理ツールまたはOracle BI Server XML APIを使用して、リポジトリの接続プールおよびデータベース設定を更新します。RPDファイルには、テスト環境のデータソース接続情報が含まれていることがあります。その場合、それらを本番環境の接続設定に変更する必要があります。

    Oracle BI Server XML APIを使用してこの手順を実行する方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Edition統合ガイドのテスト環境から本番環境への移行に関する項を参照してください。

  4. (オプション)Fusion Middleware Controlの「容量管理」ページで「パフォーマンス」タブの「オンラインRPD更新の無効化」を選択して、本番リポジトリを読取り専用にします。

作業3   テストのOracle BI Presentation Catalogの既存の本番環境へのデプロイ
  1. 次のように、新規または更新されたフォルダをテスト・カタログから本番カタログにドラッグ・アンド・ドロップします。

    1. 2つのカタログ・マネージャ・ウィンドウ(一方はテスト・カタログ、他方は本番カタログ)を開きます。

    2. 必要なフォルダをテスト・カタログから選択してコピーし、本番カタログに貼り付けます。

      注意: 同じコンテンツがテスト環境または本番環境で変更されたフォルダをコピーして貼り付けると、テスト環境のコンテンツが本番環境のコンテンツを上書きします。

      詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドを参照してください。

  2. 既存の本番環境でFusion Middleware Controlを使用して、新しいカタログの場所を指定します。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドのFusion Middleware Controlを使用してリポジトリをアップロードし、Oracle BI Presentation Catalogの場所を設定する方法に関する項を参照してください。

作業4   (オプション)グローバル一意識別子(GUID)のリフレッシュ

GUIDを含むLDAPディレクトリは、テスト環境と本番環境の両方でレプリカをファンアウトするため、通常、テスト環境と本番環境間で、LDAPディレクトリ内のGUID(アイデンティティ・ストア・ユーザー)をリフレッシュすることはありません。考えられるシナリオには次のようなものがあります。

  • BIテスト・サーバーおよび本番サーバーが両方とも、企業LDAPディレクトリに対して構成されている。

    LDAP GUIDをリフレッシュする必要はありません。

  • BIテスト・サーバーはテストLDAPに対して構成されていて、かつ本番サーバーは企業LDAPに対して構成されているが、テストLDAPは企業LDAPのファンアウト・レプリカである。

    LDAP GUIDをリフレッシュする必要はありません。

  • BIテスト・サーバーはテストLDAPに対して構成されていて、かつ本番サーバーは企業LDAPに対して構成されているが、テストLDAPは企業LDAPのファンアウト・コピーではない。

    LDAP GUIDのリフレッシュが必要です。詳細は、第20.9.4項を参照してください。

作業5   新規エージェントおよびOracle BI Publisherのスケジュール済ジョブの有効化

新規エージェントがテスト環境で作成された場合、(本番環境の)プレゼンテーション・サービスのカタログ・マネージャで各エージェントをクリックして有効化します。

Oracle BI Publisherのレポートは、Webカタログに格納されているため、既存のレポート、およびテスト環境で作成された新しいレポートを使用できるようにする必要があります。

本番環境で、Oracle WebLogic Server管理者は、テスト環境と同じ名前を使用して、(Oracle BI Publisherのレポートが使用する)JNDI接続を作成する必要がありますが、テスト・データベースではなく本番データベースを指す必要があります。この方法により、すべてのレポートは自動的に、テスト環境のデータベースではなく本番環境のデータベースを指すようになります。設定を変更する必要はありません。

作業6   外部システムへのリンクの更新

静的コンテンツを本番環境(たとえば、ダッシュボードのJPG)、OWSMポリシー・ファイル、アクション・フレームワーク、および外部システムとの通信方法を指定するその他のポリシー・ファイルに忘れずに移行します。

作業7   BI関連アプリケーションの移行

(オプション)BI関連アプリケーション(Calculation Manager、Oracle Real-Time Decisions、ワークスペース、フィナンシャル・レポートおよびBIオフィス)を移行します。詳細は、これらのアプリケーションの適切なユーザーズ・ガイドを参照してください。

作業8   本番システムの検証

本番システムがテスト・システムを正確に表していることを検証します。

20.9.3 適用するパッチが多数ある場合のOracle Business Intelligenceコンポーネントの既存の本番環境への移行

この項では、適用するパッチが多数ある場合にOracle Business Intelligenceをテスト環境から既存の本番環境に移行する手順について説明します。

このシナリオでは、Oracle Business Intelligenceコンポーネントをテスト環境にすでにインストール済かつ構成済で、これらを既存の本番環境に移行する必要があると想定します。

適用するパッチが多数ある場合にOracle Business Intelligenceコンポーネントを既存の本番環境に移行するには、次の方法のいずれかを実行します。

20.9.3.1 新しいハードウェアを使用できる場合の方法

適用するパッチが多数あり、新しいハードウェアを使用できる場合、Oracle Business Intelligenceコンポーネントを既存の本番環境に移行するには、この方法を使用します。

適用するパッチが多数あり、新しいハードウェアを使用できる場合にOracle Business Intelligenceコンポーネントを既存の本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

作業1   新しい本番環境への移行の手順の実行

注意: この作業には、新しいテストRPD/カタログと既存の本番環境のRPD/カタログのマージが含まれます。ユーザーが既存の環境を使用し続けながら、一度この作業を実行して問題を解決することが理想的です。ファイルが正しい場合、本番環境をロックし、マージを繰り返して、最新の変更を取得します。

詳細は、第20.9.1項を参照してください。

作業2   ユーザーの既存の本番環境から新しい本番環境への切替え

Oracle WebCacheのようにロード・バランサを使用して、ユーザーを標準URLから新しい本番環境にリダイレクトできます。

作業3   以前の本番環境の削除および次のパッチ用の本番環境の準備

この段階で、以前の環境を停止し、すべてのソフトウェアをアンインストールできます。必要に応じて、次のパッチ・セットをこのホストに適用し、手順を最初から再開できます。

20.9.3.2 新しいハードウェアを使用できない場合の方法

適用するパッチが多数あり、新しいハードウェアを使用できない場合、Oracle Business Intelligenceコンポーネントを既存の本番環境に移行するには、この方法を使用します。

適用するパッチが多数あり、新しいハードウェアを使用できない場合にOracle Business Intelligenceコンポーネントを既存の本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

作業1   本番環境の1つのホストへのスケール・バック

本番環境で、Fusion Middleware Controlの「容量管理」タブの「スケーラビリティ」ページを使用して、システム・コンポーネントをリストの最初のホストのみに適用するようにスケール・バックします。こうすることにより、既存の本番環境へのパッチ適用が非常に簡単になります。

詳細は、Fusion Middleware Controlのヘルプ・システムを参照してください。

作業2   本番環境のホストへのパッチ適用

この作業により、複数のクラスタ・ホストにパッチを適用する場合よりもユーザーの停止時間が短縮されます。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。

作業3   クラスタ・ホストの以前のソフトウェアの削除

クラスタ・ホスト上のOracle Business Intelligenceソフトウェアをすべてアンインストールします。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionインストレーション・ガイドを参照してください。

作業4   本番環境のクローニングおよびクラスタ・ホストへのクローニング

第20.9.1項作業7「本番環境の新しいクラスタ・ホストへのクローン・アウトおよびスケール・アウト」からの各作業を完了します。

20.9.4 ユーザーGUIDのリフレッシュ

認証プロバイダのデータソースとして使用されるディレクトリ・サーバーを変更した後にユーザーGUIDを更新することをお薦めします。両方のディレクトリ・サーバー(元のサーバーと新しいサーバー)に同じユーザー名が存在する場合、元のユーザーGUIDが、新しいディレクトリ・サーバーに含まれているユーザーGUIDと競合する場合があります。リフレッシュすると、システムは、新しいディレクトリ・サーバーに含まれているユーザーGUIDを参照するようになります。GUIDがリフレッシュされず、システムがユーザーGUIDの不一致を検出すると、認証エラーが発生する場合があります。

BI Presentation CatalogまたはRPDに格納されているGUIDは、次のように再同期できます。

この手順を開始する前に、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドのFusion Middleware Controlで通常管理されないOracle Business Intelligence構成設定の手動更新に関する項の情報をよく確認してください。

ユーザーGUIDをリフレッシュするには、次の手順を実行します。

この作業では、Oracle BI ServerおよびOracle BI Presentation Serverが再起動時にGUIDをリフレッシュするように、構成ファイルを手動で編集する必要があります。完了したら、これらのファイルを編集して、変更を削除します。Oracle Business Intelligence構成ファイルの場所の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドの構成ファイルがある場所を説明する項を参照してください。


注意:

GUIDをリフレッシュするには、Fusion Middleware Controlではなく、コマンドラインからシステム・コンポーネントを停止して再起動する必要があります。これには、管理サーバーおよび管理対象サーバーが含まれます。管理サーバーが停止した後はFusion Middleware Controlを使用できないため、Fusion Middleware Controlから管理サーバーを起動することはできません。

  1. NQSConfig.INIファイルを開いて編集します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドの構成ファイルがある場所に関する項を参照してください。

  2. 設定FMW_UPDATE_ROLE_AND_USER_REF_GUIDS = NOを検索し、この値をYESに変更します。

  3. Oracle BI Presentation Serverが再起動時にGUIDをリフレッシュするように、instanceconfig.xmlファイルを変更します。このファイルを編集して、次の指示の最後の行を追加します。

    <ps:Catalog xmlns:ps="oracle.bi.presentation.services/config/v1.1">
    <ps:UpgradeAndExit>false</ps:UpgradeAndExit>
    <ps:UpdateAccountGUIDs>UpdateAndExit<ps:UpdateAccountGUIDs>
    
  4. ターミナル・ウィンドウで、opmnctlパラメータのstopallおよびstartallを使用して、管理対象プロセスを停止して再起動します。パラメータstatusを使用して、プロセス・ステータス全体を確認できます。

    含まれるコンポーネントは、Oracle BI Presentation Server、Oracle BI Server、Oracle BIスケジューラ、Oracle BI Cluster ControllerおよびOracle BI JavaHostです。

    opmnctlコマンドの使用法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドのOPMNコマンドラインを使用してOracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントの起動および停止を行う方法に関する項を参照してください。

  5. NQSConfig.INIファイルを編集して、FMW_UPDATE_ROLE_AND_USER_REF_GUIDS = YESNOにリセットし、Oracle BI Serversを再起動します。

  6. instanceconfig.xmlファイルに追加した(再起動時にOracle BI Presentation ServerがGUIDをリフレッシュするように指示する)行を削除、noneに設定、またはコメント・アウトします(次の例のUpgradeAndExitを参照)。

    <ps:Catalog xmlns:ps="oracle.bi.presentation.services/config/v1.1">
    <ps:UpgradeAndExit>false</ps:UpgradeAndExit>
    <ps:UpdateAccountGUIDs>none<ps:UpdateAccountGUIDs>
    
  7. 更新したinstanceconfig.xmlファイルのためにプレゼンテーション・サーバーを再起動します。

  8. Oracle WebLogic Serverおよびシステム・コンポーネントも実行中であることを確認します。実行中でない場合、これらを再起動します。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドのOracle Business Intelligenceコンポーネントの起動と停止に関する項を参照してください。

20.10 Oracle Real-Time Decisionsの本番システムへの移行

次の各項目では、Oracle Real-Time Decisions(Oracle RTD)をテスト環境から新しい本番環境に移行する方法について説明します。

20.10.1 Oracle Real-Time Decisionsの新しい本番環境への移行

この環境を本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   Oracle RTDソフトウェアのインストールおよび初期構成の実行

Oracle RTDソフトウェアをインストールして初期構成を実行するには、次の手順を実行します。

  1. RCUを使用して、本番データベースで必要なスキーマを作成します。『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  2. 第19.5.1項の説明に従って、Middlewareホームをクローニングします。Oracle WebLogic ServerホームとMiddlewareホーム内のOracleホームもクローニングされます。

  3. 構成ウィザードを使用して、Oracle RTDを構成し、ドメインを作成します。Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisions管理者ガイドのインストール後のOracle RTDの構成に関する項を参照してください。この構成の目的では、ソフトウェアのみインストールの後にOracle RTDを構成する手順に従います。

次の各項目は、本番システムの設定および構成において考慮する必要がある重要な要素です。

  1. リポジトリ構成ユーティリティ(RCU)を使用している場合、接続プールは、本番環境に固有のデータベース接続を反映する必要があります。

  2. カスタム・ロールおよびセキュリティ設定の構成を行う際、本番環境の設定を反映するように設定パラメータを変更する必要があります。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisions管理者ガイドの「セキュリティ」を参照してください。

  3. テスト環境で定義されたすべてのパフォーマンス調整パラメータを、本番環境でも再作成する必要があります。これには、アプリケーション・サーバー・レベルとデータベース・レベルの両方のパフォーマンス・パラメータが含まれます。

作業2   Oracle RTDクライアント(使用する場合)の本番環境へのインストール

Oracle RTDクライアントは、顧客のフロントエンド・アプリケーションとのOracle RTDの統合に使用する場合、Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisions管理者ガイドで説明されている設定手順に従って、本番環境にインストールする必要があります。

クライアント・パラメータの構成は、本番アーキテクチャ固有の値を反映する必要があります。

作業3   インライン・サービスの移行

管理者が作業1を完了したら、テスト環境にあるOracle RTDインライン・サービスを本番環境に移行できます。

  1. インライン・サービスの本番環境への移行は、次の2つの方法で実行できます。

    • コマンドライン・デプロイメント: 詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisions管理者ガイドの「インライン・サービスのコマンドライン・デプロイメント」を参照してください。

    • Decision Studioデプロイメント: Decision StudioでのOracle RTDデプロイメントの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisionsプラットフォーム開発者ガイドの「インライン・サービスのデプロイ、テストおよびデバッグ」を参照してください。


      注意:

      インライン・サービスを移行する前に、Oracle RTDサーバーが使用するインライン・サービスに変更が行われた場合(たとえば、Decision Centerを介して)、管理者はまず、最新バージョンのインライン・サービスをDecision Studioにダウンロードし、それから本番環境に再デプロイする必要があります。

  2. インライン・サービスをある環境から別の環境に移行する場合、管理者はインライン・サービス内で編集する必要がある場合がある次の領域にも注意する必要があります。

    • サード・パーティAPIおよびサード・パーティJARファイルのコール

      追加した新しいjarファイルは、新しい環境の対応する場所に配置する必要があります。

    • サード・パーティWebサービスのコール

      ロケーション・パス、Webサービス・パラメータなどは、新しい環境で異なる場合、変更する必要があります。

    • インライン・サービス内のカスタム表への参照(場所、ユーザー名、パスワードなど)は、本番環境で異なる場合、編集してから再デプロイする必要があります。

    • データソースへの参照は、本番環境で異なる場合、編集してからデプロイする必要があります。これには、動的選択肢のデータソースの変更も含まれます(使用する場合)。

    • 新しい環境では望ましくない可能性があるデバッグ・コード(logInfo文、logTrace文など)への参照は、コメント・アウトするかインライン・サービスから削除し、それから再デプロイする必要があります。

  3. 外部オブジェクト(動的選択肢、外部ルールなど)を含むインライン・サービスには、次の考慮事項が適用されます。

    • 動的選択肢の場合:

      インライン・サービス構成の一部に動的選択肢がある場合、管理者は、テスト環境と本番環境が同じソースを共有しない場合には、動的選択肢を格納しているデータと表の両方を再作成する必要があります。

      インライン・サービスのデータソース要素も適切に変更する必要があります。

    • 外部ルールの場合:

      インライン・サービス構成の一部に外部ルールがある場合、管理者は、テスト環境と本番環境が同じソースを共有しない場合には、ルール・データを格納しているデータと表の両方を再作成する必要があります。

      インライン・サービスのデータソース要素も適切に変更する必要があります。

      また、本番環境で使用される外部ルール・エディタを、本番データベースを指すように構成する必要があります。

作業4   追加の本番用Oracle RTDコンポーネントの編集

Oracle RTDで管理者が行う必要がある場合がある追加作業には、次の作業が含まれます。

  1. モデル・スナップショット表の作成および構成。

    1. Oracle RTDモデル・スナップショット表は、RCUとツールsdexec/SDDBTool(インストール時に提供される)の2つの方法で本番環境に作成できます。

      RCUは、Oracle RTDプラットフォーム表と同じスキーマに必要なスナップショット表を作成します。一方、sdexec/SDDBToolを使用すると、管理者は別の場所に表を作成できます。

    2. モデル・スナップショット表を作成した後、Enterprise Managerコンソールを使用して、表にデータを移入するために必要な設定を構成します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisions管理者ガイドの「モデル・スナップショットの設定と使用方法」を参照してください。

  2. loadgenファイルの変更。

    本番環境でも使用されるloadgenファイルを管理者が作成済の場合、新しい環境に応じて次のパラメータを変更する必要があります(それぞれを特定のloadgen構成ファイル内で変更する必要があります)。

    1. ClientHttpEndpoints.propertiesファイル

    2. インライン・サービス名(変更された場合)

    3. loadgenスクリプトへの入力として使用する場合のデータファイルへのパス参照

    4. loadgenログ・ファイルへのパス

  3. バッチ・プロセス・ファイルの変更。

    RTDバッチ・モジュールを使用する場合、管理者は、環境固有のバッチ・ファイルで参照されるデータソースに注意を払い、必要に応じてファイルを変更する必要があります。

20.10.2 Oracle Real-Time Decisionsの既存の本番環境への移行

本番環境が作成された後、一般的なOracle RTDの増分変更には次の作業が含まれます。

作業1   Oracle RTDのパッチの更新

特定のパッチそれぞれが一意の機能拡張および既知のバグに対処しているため、管理者は、パッチの適用方法に関する固有の指示について、各パッチに付属のリリース・ノートを常に参照する必要があります。

作業2   インライン・サービスの更新

インライン・サービスの増分変更に関して、インライン・サービスの本番環境への移行では、完全な製品テスト環境から本番環境への移行で説明されている手順と同じ手順を実行します。

作業3   データソースの更新

追加のデータソースがインライン・サービスに増分追加される場合、管理者は、Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisions管理者ガイドの「データ・アクセスの構成」を参照する必要があります。

20.11 Oracle Enterprise Content Managementの本番システムへの移行

次の各項目では、Oracle Enterprise Content Management Suiteを本番環境に移行する方法について説明します。

どちらのシナリオでも、テスト環境で次の操作を実行済です。

20.11.1 Oracle Enterprise Content Management Suiteの新しい本番環境への移行

Oracle Enterprise Content Management Suiteを新しい本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

本番システムでは、Oracle Enterprise Content Management Suiteアプリケーションは、デフォルト構成の一部であるOracle WebLogic Server組込みのLDAPサーバーではなく、外部Lightweight Directory Application Protocol(LDAP)認証プロバイダを使用する必要があることに注意してください。ご使用のアプリケーションのアイデンティティ・ストアを次の外部LDAP認証プロバイダのいずれかと再度関連付けた後、管理対象サーバーの構成を完了し、それから管理対象サーバーをリポジトリに接続して、アプリケーションに最初にログインします。

  • Oracle Internet Directory

  • Oracle Virtual Directory

  • サード・パーティのLDAPサーバー

作業1   新しいデータベースの作成およびスキーマの移入

データベースを作成し、必要なスキーマを移入するには、次の手順を実行します。

  1. 新しいデータベースを本番システムに作成します。

  2. RCUを使用して、本番データベースで必要なスキーマを作成します。『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。

作業2   ソフトウェアのインストールおよび初期構成の実行

ソフトウェアをインストールして初期構成を実行するには、次の手順を実行します。

  1. 第19.5.1項の説明に従って、Middlewareホームをクローニングします。Oracle WebLogic ServerホームとMiddlewareホーム内のOracleホームもクローニングされます。

  2. Oracle WebLogic Server、Oracle Imaging and Process Management、Oracle Universal Content ManagementおよびOracle Universal Records Managementを構成します。Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイドのOracle Enterprise Content Management Suiteの構成に関する項を参照してください。

    Oracle IRMの構成の詳細は、作業3「Oracle Information Rights Managementの新しい本番環境への移行」を参照してください。この作業では、構成ウィザードを使用する方法ではなく、packおよびunpackを使用してOracle IRMを構成する方法について説明しています。

    構成するとき、Oracle UCMに対して実行する次のアクションに注意してください。

    • Oracle UCMをテスト環境と同じパスにインストールします。

    • JDBCコンポーネント・スキーマ画面で、本番データベースおよび新しくインポートされたスキーマを指定します。

    • インストール後、「Content Serverの構成」ページを完了します。本番環境のintraDocディレクトリをテスト環境と同じパスにします。

  3. Oracle UCM 10gリポジトリを使用していて、テスト環境のOracle UCMシステムで構成されている場合、全文が本番環境のOracle UCM 10gシステムで正しく構成されていることを確認します。

    Oracle UCM 10gサーバーを使用している場合、次のサイトにあるOracle Universal Content Managementページで説明されている手順を使用してそれをインストールすることに注意してください。

    http://www.oracle.com/technology/products/content-management/ucm/index.html
    
作業3   Oracle Information Rights Managementの新しい本番環境への移行

各デプロイメントが他のデプロイメントから完全に隔離されている必要のある顧客用のサービスとしてOracle Information Rights Managementをホストしている組織は、Oracle IRM開発ドメインのテンプレートを使用して、顧客の本番ドメインを構成できます。たとえば、Oracle On Demandは、この方法を使用してOracle IRMアプリケーションを新しい顧客に迅速にデプロイします。

ソース環境のOracle IRM管理対象サーバーを含むOracle WebLogic Serverドメインをパックして、ターゲット環境へのデプロイメントの準備をします。移行後、ターゲット環境には完全に構成されたOracle IRMサーバーがあり、サーバー、ホスト名、プライバシ・ポリシーURL、データベース、キーストアおよびSSL証明書を変更する必要があるだけです。

Oracle IRMテンプレートを新しい本番環境にロール・アウトするには、次の手順を実行します。

  1. テンプレートのOracle IRMドメイン・インストールを解凍します。テンプレートのパックおよび解凍の詳細は、『Oracle Fusion Middleware PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』を参照してください。

  2. 管理サーバーおよび管理対象サーバーを起動します。

  3. データベースに関する情報を変更します。

    1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

    2. 「ドメイン構造」メニューで、「サービス」→「JDBC」を開きます。「データ・ソース」を選択します。

    3. Oracle IRM」をクリックします。

    4. 「接続プール」タブを選択します。

    5. 本番環境のデータベースの情報を反映するように、次のエントリを変更します。

      • URL、データベース・ホストおよびポートの詳細。次に例を示します。

        jdbc:oracle:thin:@newhostname.domainname:port/sid
        jdbc:sqlserver://newhostname.domainname:port;database=database
        
      • ドライバ・クラス(データベース固有)。次に例を示します。

        oracle.jdbc.OracleDrivercom.microsoft.sqlserver.jdbc.SQLServerDriver
        
      • プロパティ: データベース・ユーザー名

      • パスワード: データベース・パスワード

    6. 保存」をクリックします。

  4. SSLを設定します。Oracle IRMの場合、管理対象サーバーに接続したときに証明書の受入れを求めるプロンプトをOracle IRM Desktopが表示しないようにSSLを有効にする必要があります。使用される証明書は、Oracle IRM Desktopを実行しているコンピュータ上でMicrosoft Internet Explorerによって信頼される必要があります。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの保護』のSSLの構成に関する項の説明に従って、Oracle WebLogic Serverに対する標準のSSL設定指示に従います。

  5. Oracle IRM管理対象サーバーに対する次の設定を変更します。Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用できます。または、構成ファイルirm-config.xmlを編集することもできます。Fusion Middleware Controlを使用するには、ナビゲーション・ツリーを開き、「IRM」をクリックします。「IRM」メニューで、「管理」→「一般設定」を選択します。「一般設定」ページで、次の項目を設定します。

    • サーバーURL。シール済コンテンツにシールされ、Oracle IRM Desktopが権限、鍵および設定をリクエストするために使用するURL値。この値は、通常ロード・バランサまたはOracle HTTP Serverを指すサーバーの公開URLです。デフォルト値は、https://irm.example.com/irm_desktopです。

      これは必須の設定で、指定する必要があります。

      または、setIRMServerURL WLSTコマンドを使用します。

      wls:/offline> connect('weblogic','welcome1','t3://adminServerHost:adminServerPort')
      wls:/base_domain/serverConfig> 
      setIRMServerURL('https://acme.example.com/irm_desktop')
      

      別の方法として、構成ファイルを編集し、構成ファイルのclassificationUrl要素を更新することもできます。

      <classificationUrl>https://irm.example.com/irm_desktop</classificationUrl>
      
    • プライバシURL。インストール用のOracle IRM使用状況プライバシ・ポリシーをホストするページへのURL。デフォルト値はありません。したがって、通常、ドメインの解凍後にこの設定を変更する必要はありません。デフォルトでは、組込みのプライバシ・ページが表示されます。

      または、setIRMPrivacyURL WLSTコマンドを使用します。

      wls:/offline> connect('weblogic','welcome1','t3://adminServerHost:adminServerPort')
      wls:/base_domain/serverConfig> 
      setIRMPrivacyURL('http://example.com/privacy')
      

      別の方法として、構成ファイルを編集し、privacyUrl要素を更新することもできます。

      <privacyUrl>http://example.com/privacy</privacyUrl>
      

      これはオプションの設定です。privacyUrl要素がない場合、構成済のプライバシ・ページがないことを意味します。

    • ステータス・ページのリダイレクト。代替のOracle IRM Desktopステータス・ページをホストするページへのオプションのURL。デフォルト値はありません。したがって、通常、ドメインの解凍後にこの設定を変更する必要はありません。デフォルトでは、組込みのステータス・ページが使用されます。

      または、setIRMStatusPageRedirectTarget WLSTコマンドを使用します。

      wls:/offline> connect('weblogic','welcome1','t3://adminServerHost:adminServerPort')
      wls:/base_domain/serverConfig> setIRMStatusPageRedirectTarget('http://example.com/status_pages', 'POST')
      

      別の方法として、構成ファイルを編集して、statusPageRedirectTarget要素を更新することもできます。

      <statusPageRedirectTarget>
          <uri>http://example.com/status_pages</uri>
          <method>POST</method>
      </statusPageRedirectTarget>
      

      これはオプションの設定です。statusPageRedirectTarget要素がない場合、構成済のステータス・ページのリダイレクションがないことを意味します。

  6. Oracle IRMの各インストールでは、インストール固有の鍵を使用してキーストアにアクセスする必要があります。解凍されたドメインには、キーストアがある場合があります。ある場合、このキーストアを削除し、パスワードの詳細をクリアして、新しいキーストアを作成します。

    1. キーストア・ファイルを削除します。デフォルトでは、キーストアは次のディレクトリにあります。

      DOMAIN_HOME/config/fmwconfig
      

      デフォルトのファイル名はirm.jksです。使用されるテンプレートによっては、別の名前が付けられている場合や、別のタイプが使用されている場合があります。

    2. キーストアのパスワードは、資格証明ストアに格納されています。パスワードがテンプレート・ドメインに設定されている場合、次のWLSTコマンドを使用してパスワードをクリアします。

      connect('username', 'password', 'localhost:7001')
      deleteCred('IRM', 'keystore:keystore_filename')
      deleteCred('IRM', 'key:irm.jks:oracle.irm.wrap')
      

      この鍵に対して、テンプレートに保存されているキーストア・ファイル名を使用します。

    3. Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイドのOracle IRMのキーストアの構成に関する項の説明に従って、新しいキーストアを作成します。

  7. 本番環境でテスト環境と同じLDAPストアを使用していない場合、ユーザーをテスト環境から本番環境に移行します。Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイドのアイデンティティ・ストアの外部LDAP認証プロバイダとの再関連付けに関する項を参照してください。

作業4   Oracle Universal Content Managementの新しい本番環境への移行

Oracle Universal Content Managementを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを使用して、OCSデータベース・スキーマをテスト環境からエクスポートします(ORACLE_HOMEはOracle DatabaseのOracleホームです)。

    ORACLE_HOME/bin/expdp \"sys/password as sysdba\" 
           schemas=test_env_schema_name 
           directory=directory dumpfile=ucm.dmp
    

    ダンプ・ファイルが、本番データベースがアクセスできる場所にあることを確認します。

  2. 次のコマンドを使用して、テスト環境からエクスポートしたOCSデータベース・スキーマをインポートします(ORACLE_HOMEはOracle DatabaseのOracleホームです)。

    ORACLE_HOME/bin/impdp \"sys/password as sysdba\" 
          remap_schema=test_env_schema_name:prod_env_schema_name
          directory=directory dumpfile=ucm.dmp
          TABLE_EXISTS_ACTION=REPLACE
    
  3. 外部データベースを使用した全文検索機能があるシステムでは、新しいデータベースを設定して新しい検索コレクションを保持します。

    Oracle Secure Enterprise Searchインスタンスを設定し、これをOracle UCMに対して構成するには、次の手順を実行します。

    1. Oracle Secure Enterprise Searchインストレーションおよびアップグレード・ガイドの説明に従って、Oracle Secure Enterprise Searchをインストールします。

    2. 新しいデータソースを作成して、Oracle Secure Enterprise Searchに接続します。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCの構成と管理』を参照してください。

      テスト環境と同じデータソース名を使用することをお薦めします。

    3. Oracle Universal Content Management Post Configurationページで、External Full Text Searchを選択し、データソース名を入力します。Oracle Fusion Middleware System Universal Content Management管理者ガイドのOracle SESとOracle UCMの構成に関する項を参照してください。

  4. Oracle UCMデータをテスト環境から本番環境に移行します。

    この手順では、データをintradoc、WeblayoutおよびVaultディレクトリから移行します。これらのディレクトリの場所は、intradoc.cfgのintradocDir、WeblayoutDirおよびVaultDir構成パラメータによって設定されます。このファイルは次の場所にあります。

    DOMAIN_HOME/bin
    
    1. テスト環境で、intradocディレクトリをアーカイブします。次に例を示します。

      tar -cvzf intradoc.tgz intradoc_dir
      
    2. テスト環境で、必要に応じてWeblayoutディレクトリおよびVaultディレクトリをアーカイブします。次に例を示します。

      tar -cvzf weblayout.tgz Weblayout_dir
      tar -cvzf vault.tgz vault_dir
      
    3. アーカイブ・ファイルを本番システムにコピーします。

    4. 本番環境で、次のファイルを変更し、IntradocDir、WeblayoutDirおよびVaultDirのエントリを更新します。

      DOMAIN_HOME/bin/intradoc.cfg 
      
    5. 本番環境で、intradocディレクトリをアーカイブ・ファイルからIntradocDirパラメータによって指定された場所に抽出します。次に例を示します。

      tar -xvzf intradoc.tgz
      
    6. 本番環境で、ファイルをWeblayoutアーカイブ・ファイルおよびVaultアーカイブ・ファイルからWeblayoutDirパラメータおよびVaultDirパラメータによって指定された場所に抽出します。次に例を示します。

      tar -xvzf weblayout.tgz 
      tar -xvzf vault.tgz
      
  5. 本番システムで、次のファイルを削除します。

    IntradocDir/data/contenttracker/config/sct.cfg
     
    

    このファイルは、サーバーの再起動時に再生成されます。

  6. 次のファイルを変更し、HttpServerAddressを、正しいアドレスを反映するように更新します。

    instance_dir/config/config.cfg
    
  7. 管理対象サーバーを再起動します。

新しい本番システムをテンプレートとして使用し、複数の本番システムにレプリケートするには、作業2「Oracle Universal Content Managementの既存の本番環境への移行」の手順に従います。ただし、次のファイルのパラメータIDC_Name、InstanceMenuLabel、InstanceDescription、HttpServerAddressおよびAutoNumberPrefixも変更します。

instance_dir/config/config.cfg

パラメータMailServerおよびSysAdminAddressを変更する必要がある場合もあります。

作業5   Oracle Imaging and Process Managementの新しい本番環境への移行

この手順ではOracle I/PMデータは移行されないことに注意してください。Oracle UCMで移行されるデータは、本番環境のOracle I/PMシステムからアクセスできません。

ワークフローの統合またはOracle Application Extension Framework(AXF)を使用している場合、この手順を始める前に、次の作業を実行済です。

  • 第20.3.1項の説明に従って、Oracle SOA Suiteをインストールして構成し、このテスト環境を本番環境に移行しました。

  • Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイドのOracle Enterprise Content Management Suiteのインストールに関する項の説明に従って、Oracle I/PMおよびOracle UCMをインストールしました。

  • Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイドのOracle Enterprise Content Management Suiteの構成に関する項の説明に従って、Oracle UCMを構成しました。

    Oracle UCM 10gサーバーを使用している場合、次のサイトにあるOracle Universal Content Managementページで説明されている手順を使用してそれをインストールすることに注意してください。

    http://www.oracle.com/technology/products/content-management/ucm/index.html
    
  • Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイドの既存のドメインの拡張に関する項の説明に従って、Oracle I/PMを構成して、SOAドメインを拡張しました。

  • ワークフローの統合に必要なすべてのSOAコンポジットをデプロイしました。次のものが含まれます。

    • テスト環境と本番環境の間で変更されたEnterprise Resource Planning(ERP)システム情報を更新しました。

    • 本番環境のWSDLファイルを指すようにOracle I/PM Web Serviceコールを更新して、ホスト名を変更し、ユーザー名およびパスワードが本番環境に対して正しいことを確認しました。

    (AXF統合コンポジットは、19cでデプロイされます。)

Oracle I/PMを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. 管理サーバーおよびOracle I/PM管理対象サーバーを起動します。

  2. Oracle UCM 11g管理対象サーバーが起動していることを確認します。Oracle UCM 10gを使用している場合は、Oracle UCM 10gの各サービスが起動していることを確認します。

  3. セキュリティ・プロバイダを構成します。

  4. 必要に応じて、Oracle I/PMのユーザーおよびグループを本番環境に移行します。

    Oracle I/PM管理対象サーバーに最初にログインしたユーザーが、サーバー全体のセキュリティとともにプロビジョニングされます。最初にユーザーがログインする前にOracle I/PMのアイデンティティ・ストアを外部LDAP認証プロバイダと再関連付けし、Oracle I/PM管理対象サーバーの構成を完了して、それをOracle UCMリポジトリに接続する方が簡単です。

    ldapsearchコマンドを使用して、テスト環境のLDAPアイデンティティ・ストアからユーザーおよびグループをエクスポートします。これにより、後で本番環境のLDAPアイデンティティ・ストアにインポートするldifファイルが作成されます。ldapsearchコマンドは、アイデンティティ管理コンポーネントのORACLE_HOME/binディレクトリにあります。次に例を示します。

    ORACLE_HOME/bin/ldapsearch -h test_oid_host -p test_oid_port 
      -D "cn=orcladmin" -w "test_orcladmin_passwd" -b "cn=Users,dc=us"
    
  5. システム定義をテスト環境からエクスポートします。

    次の事項に注意してください。

    • この手順では、ドキュメントはテスト環境から本番環境に転送されません。この手順は、アプリケーション、入力および検索によって定義される構造を移行するのみです。

    • ドキュメントは、サポートするOracle UCMリポジトリ内にあります。Oracle I/PMは、Oracle UCMのテストから本番への手順またはデータベース・ユーティリティを使用して転送されたドキュメントを認識しません。これらのドキュメントは、Oracle I/PMからアクセスできません。Oracle I/PMを使用して、新しいドキュメントをOracle UCMリポジトリにアップロードします。

    1. 次のURLを使用して、テスト・システムに管理者としてログインし、定義をエクスポートします。

      http://hostname:16000/imaging
      
    2. 「ツール」を開き、「定義のエクスポート」を選択します。

    3. コメントのエクスポート」に任意のコメントを入力し、「次へ」をクリックします。

    4. エクスポートするアプリケーションを選択し、「次へ」をクリックします。

    5. エクスポートする検索を選択します。各検索のすべての依存アプリケーションがエクスポートに含まれます。「次へ」をクリックします。

    6. エクスポートする入力を選択します。各入力のすべての依存アプリケーションがエクスポートに含まれます。「次へ」をクリックします。

    7. 選択した項目が正しいことを確認し、「次へ」をクリックします。

      変更を行う必要がある場合、ページの上部で適切なタイプの定義(アプリケーションなど)を選択し、選択した項目を修正します。ページの上部で「サマリー」を選択します。

    8. エクスポート・ファイルの作成」を選択します。

    9. ブラウザに応じて、ダイアログ・ボックスが表示され、ファイルを開くか保存することができます。このファイルは、指定した場所に保存されます。

  6. 入力サンプル・ファイルをテスト環境から本番環境にコピーします。ファイルの場所は、Oracle I/PM MBean SampleDirectoryで指定されます。

    Oracle I/PM MBeanの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Imaging and Process Management管理者ガイドのOracle I/PM MBeanに関する項を参照してください。入力サンプル・ファイルを使用して入力の定義を作成する方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Imaging and Process Management管理者ガイドの入力の定義の作成に関する項を参照してください。

  7. 次の例で示すように、ldapaddmtコマンドを使用して、テスト環境からエクスポートしたldifファイルを本番環境にインポートすることにより、ユーザーおよびグループを本番環境のLDAPアイデンティティ・ストアにインポートします(ORACLE_HOMEはアイデンティティ管理のOracleホームです)。

    ORACLE_HOME/bin/ldapaddmt -h production_oid_host
       -p production_oid_port -D "cn=orcladmin"
       -w "production_orcladmin_passwd" -r -f ldif_filename
    
  8. テスト環境がBPEL処理用に構成されている場合、資格証明ストアのBPEL証明書を本番環境にレプリケートする必要があります。

    1. 次のURLを使用してFusion Middleware Controlにログインします。

      http://hostname:admin_port/em
      
    2. ナビゲーション・ペインからドメインを選択します。

    3. 「WebLogicドメイン」メニューで、「セキュリティ」→「資格証明」を選択します。

      「資格証明」ページが表示されます。

    4. これは新しい本番システムであるため、マップは存在しません。「マップの作成」をクリックします。

      「マップの作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    5. マップ名」で、「oracle.wsm.security」と入力します。次に、「OK」をクリックします。

    6. 「資格証明」ページで、「キーの作成」をクリックします。

      「キーの作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    7. マップの選択」で、作成したマップを選択します。

    8. 「キー」に、鍵を入力します(これは、ワークフロー接続構成で使用される資格証明の別名です)。

    9. タイプ」に、「パスワード」を選択します。

    10. ユーザー名」に、管理ユーザーの名前を入力します。

    11. パスワード」に、管理ユーザーのパスワードを入力します。

    12. OK」をクリックします。

  9. 本番環境で、Oracle Web Services Managerのポリシー・ストアを構成します。

    Oracle Web Services Managerのポリシーは、Oracle WebLogic Serverデプロイメント・プランを使用して構成されます。テスト環境がデプロイメント・プランを使用してポリシーをWebサービスに適用するように構成されている場合、これらのポリシーを本番環境に適用する必要があります。実行する手順は、Oracle I/PMアプリケーションがどのようにデプロイされたかによって異なります。

    • Oracle I/PMアプリケーションがデフォルトのポリシーのみを使用してデプロイされた場合、デフォルトのポリシーはインストールによって本番環境に設定されたため、追加のアクションの必要はありません。

    • Oracle I/PMアプリケーションがOracle I/PMに付属のデプロイメント・プランのいずれかを使用してデプロイされた場合、本番環境がテスト環境で選択されたものと同じデプロイメント・プランを備えるように、次の手順を実行する必要があります。

      1. 次のコマンドを使用して、正しいプラン・ファイルを割り当て、既存のファイルを上書きします。

        cd MW_HOME/user_projects/applications/Domain_Name/server/ipm/plan/imaging-ws.war/WEB-INF
        cp policy-saml_token.xml weblogic-webservices-policy.xml
        
      2. 次のURLを使用して、Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

        http://hostname:admin_port/console
        
      3. 「ドメイン構造」ペインで、「デプロイメント」を選択します。

        「デプロイメントのサマリー」ページが表示されます。

      4. imagingデプロイメントを選択し、「更新」をクリックします。

      5. デプロイメント・プランのパス」で、「パスの変更」をクリックします。

        「アプリケーション更新アシスタント」ページが表示されます。

      6. パス」で、次のように入力します。

        MW_HOME/user_projects/applications/Domain_Name/server/ipm/Plan.xml
        
      7. 次へ」→「終了」をクリックします。

    • Oracle I/PMアプリケーションがカスタム・セットのポリシーを使用してデプロイされた場合、次の手順を実行して、ポリシーを本番環境に移行する必要があります。

      1. テスト環境で作成されたPlan.xmlファイルを関連ディレクトリとともに本番環境にコピーします。

      2. Oracle I/PMアプリケーション・デプロイメントをこのデプロイメント・プランを使用するように更新します。手順bgを実行します。ただし、カスタムのPlan.xmlファイルの場所を指定します。

  10. Oracle Fusion Middleware Oracle Imaging and Process Management管理者ガイドのシステム・セキュリティに関する項の説明に従って、SSLを有効にします。

  11. テスト環境でSSL対応のリスニング・アドレスまたはOSwalletに対してデフォルトでないウォレットが使用された場合、テスト環境からウォレットをエクスポートし、それらを本番環境にインポートします。ウォレットのエクスポートおよびインポートの詳細は、第7.4.4項を参照してください。

  12. 本番環境で接続を構成します。アプリケーションを本番環境にインポートするには、その前に本番環境でOracle UCMリポジトリおよびワークフロー・サーバーへのリンクを確立するOracle I/PMシステム接続オブジェクトを設定する必要があります。本番環境の接続の名前がテスト環境の接続と同じ名前である場合、インポートされる定義は、追加のアクションなしで正しくリンクされます。

    名前が異なる場合、Oracle I/PMインポート・ツールを使用して、目的の接続名を選択できます。

  13. 構成設定を変更します。Fusion Middleware Controlを使用して、Oracle I/PMの実行を制御するシステムMBean値を変更します。MBean値を変更する必要がある場合、Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイドのAgentUserおよびGDFontPath MBeanの構成に関する項の手順に従います。

  14. 入力エージェントのワーク・マネージャ構成が本番環境の値をまだ指定していない場合、Oracle Fusion Middleware Oracle Imaging and Process Management管理者ガイドのOracle WebLogic Serverワーク・マネージャ設定の変更に関する項の説明に従って、構成を更新します。

  15. ワークフロー・エージェントのワーク・マネージャ構成で本番環境の値をまだ指定していない場合、Oracle Fusion Middleware Oracle Imaging and Process Management管理者ガイドのWebLogic Serverワーク・マネージャ設定の変更に関する項の説明に従って、構成を更新します。

  16. ユーザー・プリファレンスは移行されないことに注意してください。ユーザーは、本番環境のOracle I/PMシステムでプリファレンスを再構成する必要があります。

  17. 本番システムで、Oracle Application Extension Framework(AXF)を含む管理対象サーバーのリスニング・アドレスを設定します。

    1. 次のURLを使用して、Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

      http://hostname:admin_port/console
      
    2. 「ドメイン構造」で、「環境」→「サーバー」を開きます。Oracle I/PM管理対象サーバーを選択します。これは通常、IPM_server1です。

      server_nameの設定」ページが表示されます。

    3. クラスタ化された構成またはロード・バランサを使用しない場合、「リスニング・アドレス」に、テスト環境上の名前の同等の名前を入力します。つまり、完全修飾ドメイン名を入力します。

    4. クラスタ化された構成またはロード・バランサを使用する場合は、次の手順を実行します。

      クラスタMBeanを確認します。FrontendHostおよびHTTPPortserver_nameページで指定済の場合、「フロントエンド・ホスト」に新しいホスト名を入力します。「フロントエンドHTTPポート」および「フロントエンドHTTPSポート」(該当する場合)に、ポート番号を入力します。

      これらが指定されていない場合、Web server MBeanを確認します。FrontendHostおよびHTTPPortserver_nameページで指定済の場合、「フロントエンド・ホストに新しいホスト名を入力します。「フロントエンドHTTPポート」に、ポート番号を入力します。

      Web Server MBeanでFrontendHostおよびHTTPPortが指定されていない場合、サーバー・ランタイムMbeanを確認します。ListenAddressおよびListenPortserver_nameページで指定済の場合、「リスニング・アドレス」にサーバーListenAddressを入力します。「リスニング・ポート」に、サーバーListenPortのポート番号を入力します。

      サーバー・ランタイムMbeanでリスニング・アドレスが指定されていない場合、「リスニング・ポート」にサーバーListenPortのポート番号を入力します。次に、「リスニング・アドレス」にローカルホスト名を使用します。

    5. Oracle I/PM管理対象サーバーを再起動します。

  18. システム定義を本番環境にインポートします。

    1. 次のURLを使用して、本番環境システムに管理者としてログインし、定義をインポートします。

      http://hostname:16000/imaging
      
    2. ツール」を開き、「定義のインポート」を選択します。

    3. ファイルの位置」で、「参照」をクリックし、手順5でテスト環境からエクスポートしたファイルの場所を参照します。

      ファイルを選択すると、「ファイル日」および「ファイルのコメント」フィールドが移入されます。

    4. 次へ」をクリックします。

    5. 各表から、インポートするアプリケーション、入力および検索を選択します。

      プラス記号(+)を選択すると、定義の説明が表示されます。リポジトリのプルダウンを選択すると、各定義を定義済のリポジトリ接続のいずれかに配置できます。

    6. 次へ」をクリックします。

    7. 検証フェーズでは、各定義のステータスを表示でき、「ドキュメント・セキュリティ」、「記憶域ポリシー」、「ワークフロー」および「全文オプション」を選択できます。Oracle Fusion Middleware Oracle Imaging and Process Management管理者ガイドの定義のインポート(インポート・ページの検証)に関する項を参照してください。

      赤のXマークが付いている定義はインポートできません。次の理由が考えられます。

      • 検索定義および入力定義の場合、必要なアプリケーションがインポートされませんでした。

      • セキュリティ・チェックに失敗しました。

      • アプリケーションが指定する接続が存在しません。

      • ワークフロー検証に失敗しました。

    8. 問題を修正します。すべての定義が有効になったら、「送信」を選択します。

      検証に成功すると、変更がコミットされます。エラーがある場合、ページに新しい例外が表示されます。エラーをすべて修正し、「送信」をクリックします。

  19. Oracle Application Extension Framework(AXF)の構成データベースを移行します。

    1. 次の表をテスト・データベース・スキーマからエクスポートし、本番データベース・スキーマに挿入します。

      • AXF_ACTIONS

      • AXF_ACTION_MENU

      • AXF_ACTION_PARAMETERS

      • AXF_COMMANDS

      • AXF_ENUM_ITEMS

      • AXF_ENUM_TYPES

      • AXF_METADATA_ATTRIBUTES

      • AXF_METADATA_BLOCKS

      • AXF_SOLUTIONS

      • AXF_SOLUTION_ATTRIBUTES

      • AXF_SOLUTION_PARAMETERS

      • AXF_XPATH_NAMESPACES

      • AXF_XPATH_ATTRIBUTES

    2. ワークフロー接続情報を、本番ワークフロー・システムへの接続を指すように変更します。

      本番環境で異なるワークフロー接続名を使用している場合、PARAMETER_VALUE列を更新します。手順12で作成したワークフロー接続を使用し、適切なSQLユーティリティを使用して、AXF_SOLUTION_ATTRIBUTES表のBPEL_CONNECTION行のPARAMETER_VALUE列を更新します。

      UPDATE AXF_SOLUTION_ATTRIBUTES SET PARAMETER_VALUE = '<ConnectionName>'
               WHERE PARAMETER_KEY = 'BPEL_CONNECTION'
      
    3. テスト環境でAXFソリューションのSOAコンポジットを作成済の場合、AXF11gソリューション・テンプレート・ガイドの説明に従って、本番環境でこのバージョンのコンポジットをデプロイします。

作業6   Oracle Universal Records Managementの新しい本番環境への移行

Oracle Universal Records Managementを新しい本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. テスト環境で、Oracle Fusion Middleware Universal Records Management管理者ガイドのアーカイブのエクスポートに関する項の説明に従って、構成設定(保存スケジュール、セキュリティ分類、トリガーなど)をエクスポートします。

  2. アーカイブを本番環境にコピーします。

  3. Oracle Fusion Middleware Universal Records Management管理者ガイドのアーカイブのインポートに関する項の説明に従って、アーカイブを本番環境にインポートします。

20.11.2 Oracle Enterprise Content Management Suiteの既存の本番環境への移行

このシナリオでは、Oracle Enterprise Content Management Suiteコンポーネント(Oracle Information Rights Managementなど)をテスト環境にインストール済で、これらをすでに存在している本番環境に移行する必要があると想定します。

既存の本番システムでは、コンポーネントをインストールおよび構成済です。アプリケーションをテスト環境から本番環境のOracle Enterprise Content Management Suiteに移行する必要があります。

Oracle Enterprise Content Management Suiteを既存の本番環境に移行するには、次の作業を実行します。

作業1   Oracle Information Rights Managementの既存の本番環境への移行

概念の証明またはパイロット(テスト)・デプロイメントを実行する組織は、運用サービスを本番環境にコピーし、既存のすべてのテスト・コンテンツ、コンテキストおよび権限を引き続き使用できます。

IRMサーバーURL(たとえば、protocol_schema:\\hostname:port\irm_desktop)は、テスト・コンテンツにシールされます。したがって、テストから本番への移行時にこの値を変更しないでください。このため、テスト・デプロイメントをインストールする際は、次の点を考慮してください。

  • テスト・システムのhttpから本番システムのhttpsに切り替えると、テスト環境でシールされたコンテンツが本番システムで動作しなくなるため、テスト・デプロイメントでSSLを構成します。

  • マシン固有のホスト名(mytestdeploymachine.example.comなど)ではなく、汎用ホスト名(irm.example.comなど)をテスト・デプロイメント用に使用します。

テストから本番へのインストールが完了した後、ドメイン名のDNSエントリをテスト・サーバーから本番システムに切り替えられます。必要に応じて、ポート・リダイレクションを使用して、テスト・デプロイメントIRMサーバーURLが本番環境デプロイメントを指していることを確認できます。

テスト・デプロイメントを本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. 本番データベースがテスト・データベースと異なる場合、Oracle IRMスキーマのバックアップを作成する必要があります。バックアップを本番データベースにリストアします。

  2. テスト・インストール中にOracle IRMキーストア設定を本番環境にコピーします。これは通常、irm.jksと呼ばれます。このファイルは通常、次のディレクトリにあります。

    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig
    
  3. Oracle IRM Java EEアプリケーションでは、前の手順でコピーしたキーストアのパスワードと、そのキーストアに格納されている各鍵が必要です。パスワードを指定しないと、Oracle IRM Java EEアプリケーションは鍵を取得できません。

    テスト環境で使用したパスワードよりもセキュアなパスワードを使用するように切り替えるには、続行する前にkeytoolコマンドラインを使用してパスワードを変更します。構文については、keytoolヘルプを参照してください。

  4. セキュアなパスワードを準備し、WLSTコマンドを使用してこのパスワードをOracle IRM Java EEアプリケーションに指定します。次の例では、管理サーバーに接続し、キーストア資格証明を設定します。

    connect("username", "password", "t3://adminServerHost:adminServerPort")
    createCred("IRM", "keystore:irm.jks", "dummy", "secureproductionpassword")
    createCred("IRM", "key:irm.jks:oracle.irm.wrap", "dummy", "secureproductionpassword")
    

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイドのキーストアのパスワードの設定に関する項を参照してください。

  5. 通常次のディレクトリにあるOracle IRM構成ファイル(irm-config.xml)をテスト環境から本番環境にコピーします。

    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig
    
  6. テスト環境の構成にはテスト固有の設定が含まれている場合があるため、ファイルの内容を確認する必要があります。Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用できます。または、構成ファイルirm-config.xmlを編集することもできます。Fusion Middleware Controlを使用するには、ナビゲーション・ツリーを開き、「IRM」をクリックします。「IRM」メニューで、「管理」→「一般設定」を選択します。次の設定を変更する必要がある場合があります。

    • プライバシURL: インストール用のOracle IRM使用状況プライバシ・ポリシーをホストするページへのURL。デフォルト値はありません。したがって、通常、ドメインの解凍後にこの設定を変更する必要はありません。デフォルトでは、組込みのプライバシ・ページが表示されます。

    • ステータス・ページのリダイレクト: 代替のOracle IRM Desktopステータス・ページをホストするページへのオプションのURL。デフォルト値はありません。したがって、通常、ドメインの解凍後にこの設定を変更する必要はありません。デフォルトでは、組込みのステータス・ページが使用されます。

    • キーストアの場所: パスは、リストアされたテスト環境のキーストアの場所を反映する必要があります。次にファイルの場所の例を示します。

      DOMAIN_HOME/config/fmwconfig
      
  7. 本番環境でテスト環境と同じユーザー・ストアを使用していない場合、ユーザーをテスト環境から本番環境に移行します。Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイドのアイデンティティ・ストアの外部LDAP認証プロバイダとの再関連付けに関する項を参照してください。

作業2   Oracle Universal Content Managementの既存の本番環境への移行

Oracle Universal Content Managementを既存の本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. 移行オプションまたは移行画面の上部のメニューから「構成テンプレート」オプションを選択します。

  2. アクション」から「新規テンプレートの作成」を選択します。

  3. サーバーの構成」で、SearchIndexEngineNameを選択します。

  4. コンテンツ・メタデータ」で、エクスポートするテキスト・フィールドを選択します。

  5. コンテンツ・プロファイル・ルール」で、エクスポートするルールを選択します。

  6. 個人情報データ」で、エクスポートするプロファイルを選択します。

  7. アクション」から「保存」を選択します。

  8. アクション」から「エクスポート」を選択します。

  9. 構成のバンドル」をクリックします。

  10. 「構成のバンドル」ページで、データをエクスポートしたときに作成したバンドルを選択します。「アクション」から「ダウンロード」を選択します。

  11. UCMにRecords Managerを使用していて、テスト環境から本番環境への増分移行を実行する場合、Oracle Fusion Middleware Universal Records Management管理者ガイドのインポートとエクスポートの管理に関する項の説明に従って、アーカイブをテスト環境からエクスポートし、これを本番環境にインポートします。

作業3   Oracle Imaging and Process Managementの既存の本番環境への移行

Oracle Imaging and Process Managementをテスト環境から既存の本番環境に移行するには、作業5「Oracle Imaging and Process Managementの新しい本番環境への移行」の説明と同じ手順を実行します。ただし、本番環境での定義の更新に関して、次の点に注意してください。

  • ある定義をテスト環境から既存の本番環境にインポートした場合、その定義が既存の定義と同じ名前であると、元の定義は上書きされます。インポートする既存の定義には、次のルールが適用されます。

    • アプリケーションであるフィールドが削除される場合、既存の検索定義または入力定義が、削除されたフィールドを参照していると、そのフィールドはインポートされません。

    • 検索定義または入力定義が、アプリケーションで現在定義されていないフィールドを参照する場合、その定義はインポートされません。

  • エクスポート・プロセスおよびインポート・プロセスでは定義を削除できません。テスト環境で検索を削除した場合、検索管理機能を使用して、本番環境で手動でこの検索を削除する必要があります。

  • 同じ名前の既存の入力定義があり、かつその入力定義がオンラインの場合、入力定義をインポートできません。その定義をインポートするには、まずそれをオフラインにする必要があります。

    1. 本番環境で、管理対象入力フォルダを開き、インポートする入力を選択します。

    2. オンラインで切替」を選択します。

作業4   Oracle Universal Records Managementの既存の本番環境への移行

Oracle URMを既存の本番環境に移行するには、次の手順を実行します。

  1. テスト環境で、Oracle Fusion Middleware Universal Records Management管理者ガイドのアーカイブのエクスポートに関する項の説明に従って、変更した構成設定をエクスポートします。

  2. アーカイブを本番環境にコピーします。

  3. Oracle Fusion Middleware Universal Records Management管理者ガイドのアーカイブのインポートに関する項の説明に従って、アーカイブを本番環境にインポートします。

20.12 Oracle Data Integratorの本番環境への移行

ここでは、Oracle Data Integratorをテスト環境から本番環境に移行する、次の3つのシナリオについて説明します。