このガイドの最新情報

ここでは、このガイドで説明するOracle Fusion Middlewareの新しい管理機能と変更された管理機能について説明し、追加情報の参照先を示します。

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1（11.1.1.3）の新機能

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1（11.1.1.3）には、次の新機能と変更機能が含まれます。

• MDSは、DB2をサポートするようになりました。第13.3.1.1項を参照してください。

• クローニングの構文が変更されました。第19章を参照してください。

• Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、データソースを作成および変更するためのインタフェースを提供するようになりました。第9.2項を参照してください。

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1（11.1.1.2）の新機能

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1（11.1.1.2）には、次の新機能が含まれます。

• 診断フレームワーク。問題の検出、診断および解決を支援します。詳細は、第12章を参照してください。

• Oracle Commonホーム。Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびJava Required Files (JRF)に必要なバイナリおよびライブラリ・ファイルが含まれます。詳細は、第2.6項を参照してください。

• クローニングに関する変更。詳細は、第19章を参照してください。

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1（11.1.1）の新機能

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1（11.1.1）には、次のような多数の新機能と変更機能が含まれます。

• Oracle Containers for Java EEのかわりに、Oracle WebLogic ServerがOracle Fusion Middlewareに含まれるようになりました。Oracle WebLogic Serverは、エンタープライズ対応のJavaアプリケーション・サーバーです。堅牢、セキュア、高可用でスケーラブルな環境におけるミッション・クリティカルなアプリケーションのデプロイメントをサポートします。Oracle WebLogic ServerおよびOracle Fusion Middleware環境の概要は、第2.1項を参照してください。

• 多くの機能の新しいコマンド。多くのコンポーネントおよびサービスでは、Oracle WebLogic Server Scripting Tool（WLST）コマンドを使用するようになりました。たとえば、ログ・ファイルを構成するコマンドはWLSTコマンドです。WLSTの呼び出しの詳細は、第3.5.1項を参照してください。

• 特殊なタイプのリポジトリであるOracle Metadata Services（MDS）リポジトリには、特定タイプのデプロイ済アプリケーションのメタデータが格納されます。これには、ユーザーの組織で独自に開発されたカスタムのJava EEアプリケーションや、Oracle B2Bなどの一部のOracle Fusion Middlewareコンポーネント・アプリケーションが含まれます。MDSリポジトリの詳細は、第13.3項を参照してください。

• ウォレットおよびキーストア管理: 11gリリース1（11.1.1）では、OracleウォレットおよびJKSキーストアを管理するための新機能を提供します。

  • パスワードで保護されたウォレット

    以前のリリースではウォレットを作成する場合、管理者は必ずパスワードで保護されたウォレットを作成する必要がありました。このウォレットが作成されると、管理者は必要に応じて自動ログイン・ウォレットを作成できました。コンポーネントは実行時に自動ログイン・ウォレットが必要でした。自動ログイン・ウォレットがない場合、コンポーネント構成ファイルでパスワードを暗号化形式または不明瞭化形式で指定する必要がありました。

    11gリリース1（11.1.1）では、この動作が変更されました。パスワードで保護されたウォレットが作成されるたびに、自動ログイン・ウォレットも自動的に作成されます。これにより、管理タスクはパスワードで保護されたウォレットで実行でき、コンポーネントは実行時に自動ログイン・ウォレットを使用できます。そのため、構成ファイルにパスワードを保存する必要がなくなります。

    Fusion Middleware Controlでウォレットを作成する際にこの機能を使用するには、自動ログイン・チェック・ボックスを選択解除して、ウォレット・パスワードを入力する必要があります。これにより、パスワードで保護されたウォレットと自動ログイン・ウォレットの両方が作成されることに注意してください。

    新しいタイプのウォレットも導入されました。これは、スタンドアロンの自動ログイン・ウォレットです。このウォレットは、管理作業時および実行時にパスワードを求められることなく使用できます。Fusion Middleware Controlでウォレットを作成するときにこのウォレットを作成するには、自動ログイン・チェック・ボックスを選択します。このタイプのウォレットには、パスワードを指定する必要がありません。

    
    

    注意: ウォレットの作成時は、スタンドアロンの自動ログイン・ウォレットがデフォルトの選択になります。

    
    

  • ウォレットおよびキーストア管理ツール

    以前のリリースでは、Oracleウォレットを管理するためのグラフィカル・インタフェース・ツールはOracle Wallet Managerで、コマンドライン・ツールはorapkiでした。

    11gリリース1（11.1.1）では、Webベース・インタフェースのFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドライン・ツールを使用して、OracleウォレットおよびJKSキーストア・ファイルを管理できます。これらの新しいツールは、管理サーバーのコンテキストで動作するため、インスタンス間でキーストアを一元管理できるというメリットがあります。

    Oracle Wallet Managerも使用できますが、PKCS#11ウォレット（ハードウェア・セキュリティ・モジュール統合）の使用に限定されます。

    また、orapkiを使用してOracleウォレットおよびJKSキーストアを管理できますが、（インスタンス単位ベースで）ローカルの変更のみが可能です。orapkiを使用して、PKCS#11ウォレットおよびCRLを管理できます。

    次の表に、各種ツールとその機能を示します。

    ツール	Oracleウォレット	Javaキーストア（JKS）	ローカルの更新	分散更新	PKCS11	CRL	グラフィカルUI	コマンドライン
    orapki（10g、11g）	x	x	x		x	x		x
    Oracle Wallet Manager（11gにはありません）	x		x		x		x
    Fusion Middleware Control（11gの新機能）	x	x		x			x
    WLST（11gの新機能）	x	x		x				x