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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Managementユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B61408-01
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2 Oracle Business Process Management Workspace(プロセス・ワークスペース)の開始

プロセス・ワークスペースはカスタマイズ可能なWebベースのインタフェースであり、タスクおよびプロセス・インスタンスに対するユーザーのロールと責任に応じたアクセスと管理を実現します。この章では、プロセス・ワークスペースの起動とログイン、プロセス・ワークスペースのインタフェースのナビゲーション、およびプリファレンスの構成の方法について説明します。

この章には、プロセス・ワークスペースの開始に役立つ次のトピックが含まれています。

2.1 プロセス・ワークスペースについて

表2-1は、プロセス・ワークスペースの対象となるユーザーを示しています。

表2-1 Oracle Business Process Management Workspaceのユーザー

ユーザー・プロファイル 説明

プロセス参加者

これは最も基本的なプロファイルであり、すべてのユーザーに共通です。これにより、次を行うことができます:

  • ユーザーまたはユーザーのグループに割り当てられた作業または委任された作業を、編成、検索、申告および実行します

  • 別のユーザーに作業を委任します

  • 個人用ルールを作成し、管理します - 例: 休暇中のタスクを誰に送信するか

  • ビューを定義し、共有します

  • 個人のプリファレンスを管理します

  • レポートとダッシュボードを表示します

これらのユーザーは組織全体に分散し、社外で作業する場合もあります。

プロセス参加者は、プロセスを開始するのみでなく、進行状況を追跡し、必要に応じて取り消すこともできます。

プロセス所有者

1つ以上のビジネス・プロセスを管理するユーザーです。これらのユーザーは、これらのプロセスでのプロセス・インスタンスの動きを認識する必要があります。そのためには、通常はダッシュボードを使用します。

これらのユーザーは、通常は運営組織の一部として社内のビジネス側に属しています。スーパーバイザである場合もあります。

管理者

管理ユーザーには2種類あります。

  • ビジネス管理者: プロセス・ワークスペースの管理を担当するユーザーです。たとえば、フレックス・フィールドの追加、外観の変更、Webアプリケーションが実行中であり、アクセス可能であることの確認などを行います。通常は、Fusion Middleware Control Consoleと、プロセス・ワークスペースが配置されているコンピュータにアクセスする必要があります。

  • プロセス管理者: プロセスの管理を担当するユーザーです。たとえば、共有ビューの作成、ロール、権限およびグループの割当てまたは削除、ロールのマッピングを行います。

スーパーバイザ

他のプロセス参加者からの報告を受けるユーザーです。プロセス・インスタンスが予期したとおりに実行されたことを確認するため、次を行います。

  • スタッフの作業にアクセスします。

  • 必要に応じて、作業の再割当てと委任を行います。

  • 報告を行う他のユーザーからのエスカレーションを処理します

  • 作業分担と生産性に関するレポートを生成します

  • 拡張ユーザー・プロパティを指定します


プロセス・アナリストは通常、Oracle Business Process Analysis SuiteまたはBusiness Process Composerを使用してプロセス・モデルを作成します。また、Oracle BPM Studio内部のプロセス・アナリスト・ロールを使用することもできます。

プロセス開発者は通常、Oracle BPM Studioを使用してビジネス・アプリケーションのコンポーネントのモデリングと実装を行います。また、基本的なプロセスをモデリングするためにOracle Business Process Composer (Business Process Composer)を使用することもあります。

2.2 プロセス・ワークスペースの起動とログイン

プロセス・ワークスペースを起動するには、Oracle SOA Suiteがインストールされている必要があり、SOAサーバーが実行中である必要があります。詳細は、インストールのドキュメントを参照してください。

プロセス・ワークスペースを起動してログインするには:

  1. 次のURLに移動します。

    http://host_name:port_number/bpm/workspace/

    host_nameは、Oracle SOA Suiteがインストールされているホスト・コンピュータの名前です。

    port_numberは、インストールで使用したポートです。

  2. ユーザー名およびパスワードを入力します。

    事前にシードされたユーザー名を使用して、管理者としてログインできます。アイデンティティ・ストアにデモ・ユーザー・コミュニティをロード済の場合は、jsteinまたはjcooperなどの他のユーザーを使用できます。

    ユーザー名とパスワードは、JAZNに提供されたユーザー・コミュニティに存在している必要があります。

  3. 「ログイン」をクリックします。

2.3 プロセス・ワークスペースのナビゲーション

プロセス・ワークスペースには、次の3つのデフォルトのページがあります。

デフォルトのタブ以外に、独自のカスタム・タブを作成し、これらの各タブがプロセス・ワークスペースで個別ページとして表示されるようにできます。カスタム・タブの作成の詳細は、第5章「Oracle Business Process Management Workspace(プロセス・ワークスペース)でのカスタム・ページの作成と編集」を参照してください。

この項は次のトピックで構成されています。

2.3.1 プロセス・ワークスペースの「タスク」ページについて

ユーザーがログインすると、図2-1に示すように、「ホーム」ページに「タスク」ページがデフォルトで表示されます。「タスク」ページには、ユーザーの権限と割り当てられたグループおよびロールに基づいてユーザーのタスクが表示されます。

図2-1 プロセス・ワークスペースの「タスク」ページ

この図については本文で説明しています。
「図2-1 プロセス・ワークスペースの「タスク」ページ」の説明

タスク・ページには、ユーザー・タスク・ページと「受信ボックス」がデフォルトで表示されます。「アクション」リストから実行できるアクションは、ログインしたユーザーの権限によって異なります。

タスク・ページでは、次のことを実行できます。

  • ワークリスト内のタスクに対して許可されているアクションを実行したり、共有タスクの獲得やチェックアウトを実行できます。また、個人のTo Doタスクを定義したり、サブタスクを定義できます。

  • ワークリスト・ビュー内のタスクを様々な基準に基づいてフィルタ処理できます。

  • 標準作業キュー(高優先度タスク、期日の近いタスクなど)を使用できます。作業キューを使用すると、カスタム・ビューを作成してワークリスト内のタスクのサブセット(高優先度タスク、期日が24時間以内のタスク、経費承認タスクなど)をグループ化できます。

  • カスタム作業キューを定義できます。

  • 別のユーザーのワークリストの一部へのプロキシ・アクセスを取得できます。

  • カスタム休暇ルールやカスタム委任ルールを定義できます。

  • グループの所有者に対して、共有タスクのタスク・ディスパッチ・ルールの定義を許可できます。

  • 完全なワークフロー履歴および監査証跡を収集できます。

  • タスクにデジタル署名を使用できます。


注意:

プロセス・ワークスペースにログイン中のユーザーの権限をOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control Consoleで変更した場合、その変更はそのユーザーがそれ以降にログインした後でのみ適用されます。このことは、アクティブなワークリスト・セッションが2つあり、1つは権限の変更前にユーザーがすでにログインしており、もう1つは権限の変更後に同じユーザーがログインするような状況でも同様です。1つ目の状況では、ユーザーの権限の変更はそのユーザーがログインしている間は適用されません。2つ目の状況では、ユーザーがプロセス・ワークスペースの2つ目のインスタンスにログインしたときに、権限の変更が適用されます。

「タスク」タブの詳細は、A.1項「プロセス・ワークスペースの「タスク」ページ」を参照してください。

2.3.2 プロセス・ワークスペースの「プロセス・トラッキング」ページについて

割り当てられたロールに基づいてビジネス・プロセスと相互作用するには、プロセス・トラッキング・ページを使用します。

図2-2 プロセス・ワークスペースの「プロセス・トラッキング」タブ

この図については本文で説明しています。
「図2-2 プロセス・ワークスペースの「プロセス・トラッキング」タブ」の説明

「プロセス・トラッキング」タブでは、次のことを実行できます。

  • 受信ボックスにある保留中のプロセス・インスタンスのリストを表示します。

  • タスクを実行します。つまり、特定のインスタンスに対してヒューマン・タスクを実行します。

  • 異なる基準によってインスタンスを検索します。

  • 検索結果をビューとして保存します。

  • 監査証跡を含むインスタンスの詳細を表示します。

  • 新規インスタンスを作成します(権限がある場合)。

  • インスタンスにファイルを添付します。

  • インスタンスにノートを追加します。

「プロセス・トラッキング」ページの詳細は、A.3項「プロセス・ワークスペースの「プロセス・トラッキング」ページ」を参照してください。

2.3.3 プロセス・ワークスペースの「標準ダッシュボード」ページについて

ダッシュボードは、プロセス実行およびユーザー・ワークロードを監視するための分析情報を提供します。ダッシュボードには、サマリー情報が表示され、インスタンス固有の情報にドリルダウンできます。

図2-3は、標準ダッシュボード・ページを示しています。

図2-3 プロセス・ワークスペースの「標準ダッシュボード」ページ

この図については本文で説明しています。
「図2-3 プロセス・ワークスペースの標準ダッシュボード・ページ」の説明

ダッシュボードの詳細は、第6章「Oracle Business Process Management Workspace(プロセス・ワークスペース)でのダッシュボードの使用」を参照してください。

2.4 プロセス・ワークスペースでのプリファレンスの設定

この項は次のトピックで構成されています。

2.4.1 ローカル言語でのプロセス・ワークスペースへのアクセス

ローカル言語でのプロセス・ワークスペースへのアクセスの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイドを参照してください。

2.4.2 プロセス・ワークスペースでのデジタル署名の指定

デジタル証明書は参加者の資格証明を確立します。証明書は認証機関(CA)によって発行されます。名前、シリアル番号、有効期限、証明書保有者の公開鍵のコピー(メッセージおよびデジタル署名の暗号化に使用)、証明書発行機関のデジタル署名(これにより、受信者は証明書が真正のものであることを確認可能)が証明書に含まれます。

デジタル署名を指定するには:

  1. プロセス・ワークスペースの右上隅で、「構成」をクリックします。

  2. 左側のナビゲーション・バーで、「証明書」をクリックします。

  3. 図2-4に示すように、決定の署名に使用する証明書をアップロードします。

    証明書を使用してタスクの結果に署名する場合は、証明書の発行者によって発行された1つの証明書のみでなく、証明書のチェーン全体をプロセス・ワークスペースから.P7B(PKCS7形式)ファイルとしてアップロードする必要があります。チェーン全体は、Internet Explorerを使用してエクスポートできます。Mozilla Firefoxでは、チェーンを.P7Bファイルとしてエクスポートすることはできません。このため、次の手順を実行できます。

    1. Mozilla Firefoxからチェーンを.P12ファイル(秘密鍵も含むPKCS12形式)としてエクスポートします。

    2. Internet Explorerに.P12ファイルをインポートします。

    3. Internet Explorerから.P7Bファイルとしてエクスポートし直します。

    4. そのファイルをプロセス・ワークスペースからアップロードします。

    図2-4 証明書のアップロード

    この図の説明が続きます
    「図2-4 証明書のアップロード」の説明

    システムに証明書を提示する場合は、次の点に注意することが重要です。これらのことに従わない場合、証明書を使用して、タスクに対する決定に署名できません。

    • PKCS7ファイル形式は、バイナリ証明書形式です。ディスクに格納されたスタンドアロン証明書ファイルを使用する場合は、このオプションを選択します。

    • PKCS12ファイル形式は、キーストア形式です。キーストア内に格納された証明書を使用する場合は、このオプションを選択します。

    • 証明書の内容をコピーして貼り付ける場合は、「証明書内容のタイプまたは貼付け」を選択し、BASE64でエンコードされたテキストをフィールドに貼り付けます。他の形式の証明書をこのフィールドに貼り付けないでください。同様に、証明書をアップロードする場合は、BASE64でエンコードされた証明書はアップロードしないでください。アップロードできるのは、PKCS12およびPKCS7形式のファイルのみです。

  4. Oracle BPM Worklistの右上隅の「ホーム」リンクをクリックして、タスク・リストに戻ります。

  5. 承認または却下するタスクをクリックします。

    タスクの詳細が表示されます。

  6. 「承認」または「却下」をクリックします。

    デジタル署名に関する詳細が表示されます。

  7. 署名ポリシーを持つタスクに対して、「署名」をクリックします。

    テキスト署名レポート・ダイアログ・ボックスが表示されます。

  8. 決定の署名に使用する証明書をリストから選択します。

  9. 使用しているWebブラウザのマスター・パスワードを入力します。

  10. 「OK」をクリックします。

    Webブラウザで、選択した証明書を使用して、テキスト署名リクエストの上半分に表示された文字列が署名され、選択したアクション(承認または却下)が実行されます。それに応じて、ヒューマン・ワークフロー・サービスのタスク・ステータスが更新されます。

証明書のアップロード方法および使用方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイドを参照してください。

2.4.3 プロセス・ワークスペースでの休暇期間の設定

休暇期間を設定する手順は、3.7.3項「プロセス・ワークスペースで休暇期間を有効にする方法」を参照してください。

2.4.4 プロセス・ワークスペースでのルールの設定

ユーザー・ルールおよびグループ・ルールを作成する手順は、3.7.1項「プロセス・ワークスペースでのユーザー・ルールの作成方法」を参照してください。

2.4.5 プロセス・ワークスペースでの通知プリファレンスの設定

通知プリファレンスを設定する手順は、3.7.4項「プロセス・ワークスペースで通知プリファレンスを設定する方法」を参照してください。

2.4.6 プロセス・ワークスペースでのアクセシビリティ・プリファレンスの設定

アクセシビリティ・プリファレンスを設定するには:

  1. プロセス・ワークスペースの右上隅で、「構成」をクリックします。

  2. 「構成領域」パネルで、「アクセシビリティ」を選択します。図2-5に示すように、「アクセシビリティの選択」ページが右ペインに表示されます。

    図2-5 アクセシビリティの選択

    この図の説明が続きます
    「図2-5 アクセシビリティの選択」の説明

  3. アクセシビリティ・プリファレンスを選択し、「OK」をクリックします。