この章では、既存の高可用性環境Oracle Identity Management 11.1.1.2.0にパッチを適用して11.1.1.3.0にする方法について説明します。パッチを適用するには、次のタスクを実行します。
参照: トポロジについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイド』のOracle Identity Management環境のタイプに関する項を参照してください。 |
タスク2: Oracle WebLogic Server 10.3.2からOracle WebLogic Server 10.3.3への更新
タスク3: Oracle Identity Managementパッチ・セット・インストーラを使用したOracle Identity ManagementのOracleホームの更新
タスク4: Oracle Web Tierパッチ・セット・インストーラを使用したOracle HTTP ServerのOracleホームの更新
タスク8: Oracle Directory Service ManagerのOracle Virtual Directoryバージョン文字列の更新
注意: このパッチ・セットを適用する前、または既存のOracleソフトウェアにその他の変更を加える前に、Oracleソフトウェア、インベントリ、スキーマおよびドメインをバックアップしてください。Oracleソフトウェアおよびインベントリをバックアップする手順については、ご使用の製品の管理者ガイドを参照してください。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の「高度な管理: バックアップとリカバリ」を参照してください。 |
Oracle Identity Managementを移行する前に、次のサーバーとコンポーネントを停止する必要があります。
Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、IDMHOST1
およびIDMHOST2
で実行中の管理対象サーバーWLS_ODS1
およびWLS_ODS2
を停止する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項を参照してください。
IDMHOST1
管理サーバーを停止する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の管理サーバーの起動と停止に関する項を参照してください。
ノード・マネージャが実行されているコマンド・シェルを閉じて、IDMHOST1
およびIDMHOST2
で実行中のノード・マネージャを停止するか、ノード・マネージャ・プロセスを終了します。たとえばUNIXでは、コマンドkill -9
pid
を実行します。pid
は、ノード・マネージャ・プロセスのプロセスIDです。
IDMHOST1
およびIDMHOST2
で実行中のOracle Management Agentを停止するには、次のコマンドを実行します。
opmnctl stopall
opmnctl
コマンドライン・ツールを使用して、Oracle Internet Directory(OIDHOST1
およびOIDHOST2
で実行)、Oracle Virtual Directory(OVDHOST1
およびOVDHOST2
で実行)、およびOracle HTTP Server(WEBHOST1
およびWEBHOST2
で実行)で実行中のシステム・コンポーネントとプロセスをすべて停止する必要があります。
opmnctl stopall
Oracle Identity Management 11.1.1.2.0にOracle WebLogic Serverをインストールしている場合、IDMHOST1、IDMHOST2、OIDHOST1、OIDHOST2、OVDHOST1およびOVDHOST2でOracle WebLogic Serverを10.3.2から10.3.3に移行する必要があります。
WebLogic Serverを更新するには、My Oracle Supportアカウントが必要です。WebLogic Serverの更新には、次の2通りの方法があります。
Smart Updateツールを使用します。詳細は、『Oracle Smart Updateパッチおよびメンテナンス・パックのインストール』のメンテナンス・パックのダウンロードとインストールに関する項を参照してください。
アップグレード・インストーラを使用します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』のMy Oracle Supportからのアップグレード・インストーラのダウンロードに関する項を参照してください。
Oracle Identity Managementのパッチ・セット・インストーラを使用して、IDMHOST1
、IDMHOST2
、OIDHOST1
、OIDHOST2
、OVDHOST1
およびOVDHOST2
でOracle Identity ManagementのORACLE_HOME
を11.1.1.2.0から11.1.1.3.0に移行する必要があります。
手順については、第4章「Oracle Fusion Middlewareの最新パッチ・セットの適用」を参照してください。
インストールが完了したら、oracleRoot.sh
の確認ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスでは、インストールを続行する前に、構成スクリプトをrootとして実行するよう推奨されます。確認ダイアログ・ボックスを開いたまま、別のシェル・ウィンドウを開いて、rootとしてログインし、oracleRoot.sh
スクリプト・ファイルを実行してください。
注意: 既存の10g リリース2(10.1.2)または10g(10.1.4)Oracle Identity ManagementからOracle Identity Management 11gへのアップグレードを実行して11.1.1.2.0 Oracleホームを作成した場合は、oidRoot.sh スクリプトも実行する必要があります。 |
スクリプトが完了したら、確認ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。
ORACLE_INSTANCEでOracle HTTP Serverを構成している場合、Oracle Web Tierのパッチ・セット・インストーラを使用して、WEBHOST1
およびWEBHOST2
でOracle HTTP ServerのORACLE_HOME
を11.1.1.2.0から11.1.1.3.0に移行する必要があります。
手順については、第4章「Oracle Fusion Middlewareの最新パッチ・セットの適用」を参照してください。
パッチ・セット・アシスタントを使用して、Oracle Internet Directory 11.1.1.2.0のデータベース・スキーマを11.1.1.3.0に更新する必要があります。パッチ・セット・アシスタントでは、既存の11.1.1.2.0スキーマに対してインプレース・スキーマ更新が実行されます。
手順については、第5章「パッチ・セット・アシスタントによるスキーマの更新」を参照してください。
注意: トポロジ全体でスキーマを一度更新する必要があります。 |
次のものを起動する必要があります。
次のシステム・コンポーネントを起動する必要があります。
注意: OPMNを起動していない場合には、次のコマンドを実行して起動する必要があります。opmnctl start |
Oracle Internet Directoryプロセスを起動するには、次のOPMN
コマンドを使用します。
opmnctl startproc ias-component=oid_component_name
Oracle Internet Directoryインスタンスが起動していることを確認するには、次のopmnctl
ステータス・コマンドを実行します。
opmnctl status
例:
Processes in Instance: oid_inst1---------------------------------+--------------------+---------+---------ias-component | process-type | pid | status---------------------------------+--------------------+---------+---------oid1 | oidldapd | 31522 | Aliveoid1 | oidldapd | 31520 | Aliveoid1 | oidmon | 31449 | AliveEMAGENT | EMAGENT | 31448 | Alive
Oracle Virtual Directoryプロセスを起動するには、次のOPMN
コマンドを使用します。
opmnctl startproc ias-component=<ovd_component_name>
Oracle Virtual Directoryインスタンスが起動していることを確認するには、次のopmnctl
ステータス・コマンドを実行します。
opmnctl status
例:
[abcd@strasha11 bin]$ /u01/app/oracle/ps1/admin/ovd_inst1/bin/opmnctl status Processes in Instance: ovd_inst1 ---------------------------------+--------------------+---------+--------- ias-component | process-type | pid | status ---------------------------------+--------------------+---------+--------- ovd1 | OVD | 31658 | Alive EMAGENT | EMAGENT | 31657 | Alive
ORACLE_INSTANCEでOracle HTTP Serverを構成している場合、次のコマンドを使用して起動します。
opmnctl startproc ias-component=ohs_component_name
Oracle HTTP Serverインスタンスが起動していることを確認するには、次のOPMN
コマンドを実行します。
opmnctl status
例:
[abcd@stajz13 Disk1]$ /u01/app/oracle/ps1/admin/ohs_inst1/bin/opmnctl status Processes in Instance: ohs_inst1 ---------------------------------+--------------------+---------+--------- ias-component | process-type | pid | status ---------------------------------+--------------------+---------+--------- ohs1 | OHS | 7144 | Alive
次のように、startNodeManager.sh
スクリプト(UNIX。WL_HOME
/server/bin
ディレクトリにあります)またはstartNodeManager.cmd
スクリプト(Windows。WL_HOME
\server\bin
ディレクトリにあります)を使用して、IDMHOST1
およびIDMHOST2
で実行されるノード・マネージャを起動する必要があります。
UNIXオペレーティング・システムの場合:
MW_HOME/wl_server_n/server/bin/startNodeManager.sh
Windowsオペレーティング・システムの場合:
MW_HOME\wl_server_n\server\bin\startNodeManager.cmd
次のコマンドを実行して、IDMHOST1
管理サーバーを起動する必要があります。
UNIXオペレーティング・システムの場合:
MW_HOME/user_projects/domains/domain_name/bin/startWebLogic.sh -Dweblogic.management.username=weblogic -Dweblogic.management.password=password -Dweblogic.system.StoreBootIdentity=true
Windowsオペレーティング・システムの場合:
MW_HOME\user_projects\domains\domain_name\bin\startWebLogic.cmd -Dweblogic.management.username=weblogic -Dweblogic.management.password=password -Dweblogic.system.StoreBootIdentity=true
IDMHOST1
およびIDMHOST2
で実行されるノード・マネージャを起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のFusion Middleware Controlを使用した管理対象サーバーの起動と停止に関する項を参照してください。
IDMHOST1
およびIDMHOST2
で実行されるOracle WebLogic ServerのOracle Management Agentを起動するには、次のOPMN
コマンドを使用します。
opmnctl startproc ias-component=EMAGENT
Oracle Management Agentインスタンスが起動していることを確認するには、次のopmnctl
ステータス・コマンドを実行します。
opmnctl status
例:
Processes in Instance: wls_ods1---------------------------------+--------------------+---------+---------ias-component | process-type | pid | status---------------------------------+--------------------+---------+---------EMAGENT | EMAGENT | 10971 | Alive
11.1.1.2.0のOracle Internet DirectoryコンポーネントまたはOracle Virtual Directoryコンポーネントを使用しており、それらのコンポーネントにパッチを適用して11.1.1.3.0にした場合は、opmnctl updatecomponentregistration
コマンドを使用して、Oracle Enterprise Managerに表示されるバージョン番号文字列を手動で更新する必要があります。
手順については、第4.6.1.2項「Oracle Enterprise Managerに表示されるバージョン番号文字列の更新」を参照してください。
Oracle Directory Service ManagerのOracle Virtual Directoryバージョン文字列を更新するには、第4.7.2項「Oracle Directory Service ManagerのOracle Virtual Directoryバージョン番号の更新」に記載されている手順に従ってください。