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Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
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27 Oracle User Messaging Serviceの構成

この章では、Oracle User Messaging Service(UMS)の構成方法について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

27.1 ユーザー・メッセージング・サービスの概要

Oracle User Messaging Serviceは、ユーザーとデプロイされたアプリケーション間での双方向通信を可能にします。主な機能は次のとおりです。

27.1.1 コンポーネント

Oracle User Messaging Serviceを構成するコンポーネントには、次の3つのタイプがあります。これらのコンポーネントは標準のJava EEアプリケーションであるため、デプロイが容易であり、Oracle WebLogic Serverが提供する標準のツールを使用して管理できます。

  • UMSサーバー: UMSサーバーは、アプリケーションとユーザー間のメッセージ・フローを統合します。このサーバーは、アウトバウンド・メッセージをクライアント・アプリケーションから適切なドライバにルーティングし、インバウンド・メッセージを適切なクライアント・アプリケーションにルーティングします。また、このサーバーは、以前送信したメッセージのリポジトリを永続ストアで保守し、配信ステータスの情報を以前送信したメッセージに関連付けます。

  • UMSドライバ: UMSドライバは、UMSをメッセージング・ゲートウェイに接続し、UMSでサポートされている様々なプロトコルに対してコンテンツを適合させます。このドライバは、特定のインストールで使用できるメッセージング・チャネルに従って、相互に独立してデプロイまたはアンデプロイできます。

  • UMSクライアント・アプリケーション: UMSクライアント・アプリケーションは、メッセージの送受信に関するビジネス・ロジックを実装します。UMSクライアント・アプリケーションは、BPELワークフローの1手順としてメッセージを送信するSOAアプリケーション、またはWebインタフェースからメッセージを送信できるWebCenterスペース・アプリケーションの場合があります。

UMS自体を構成するコンポーネントに加え、メッセージング環境における他の主なエンティティは、各メッセージング・チャネルに必要な外部ゲートウェイです。これらのゲートウェイは、UMSまたはOracle WebLogic Serverの一部ではありません。UMSドライバは、広範に適合できるメッセージング・プロトコルをサポートしているため、企業の電子メール・サーバーやXMPP(Jabber)サーバーなどの既存のインフラストラクチャにUMSを統合できます。また、UMSは、SMPPをサポートするSMSサービスや、VoiceXMLをサポートする音声変換サービスの外部プロバイダに接続できます。

27.1.2 アーキテクチャ

図27-1に、Oracle User Messaging Serviceのシステム・アーキテクチャを示します。

柔軟性を最大にするために、UMSの各コンポーネントは、それぞれが個別のJava EEアプリケーションです。このため、UMSの各コンポーネントは相互に独立してデプロイおよび管理できます。たとえば、他のすべてのチャネルでのメッセージ配信に影響を与えずに、特定のドライバを停止して再構成できます。

UMSクライアント・アプリケーションとUMSサーバー間のデータ交換は、SOAP/HTTP WebサービスによるWebサービス・クライアントのリクエスト時に発生するか、リモートEJBとJMSによるBPELメッセージング・アクティビティのコールを介して発生します。UMSサーバーとUMSドライバ間のデータ交換は、JMSキューを介して発生します。

Oracle UMSのサーバーとドライバは、SOAまたはBAMとともに、それぞれのWebLogic Serverインスタンスにインストールされます。WebCenterのインストールには、UMSクライアント・アプリケーションとして機能するために必要なライブラリが組み込まれ、SOAインスタンスにデプロイされているサーバーを起動します。

図27-1 UMSのアーキテクチャ

図27-1の説明は次にあります。
「図27-1 UMSのアーキテクチャ」の説明

27.2 Oracle User Messaging Serviceの構成の概要

Oracle User Messaging Serviceによって、ユーザーは、Oracle JDeveloperを使用して開発し、Oracle WebLogic ServerにデプロイしたSOAアプリケーションから送信された通知を受信できます。

アプリケーション・レベルには、特定の配信チャネル(SMSや電子メールなど)に対する通知アクティビティがあります。たとえば、電子メール通知を送信するSOAアプリケーションを作成するときは、JDeveloperのコンポーネント・パレットからワークフロー内の適切な場所に、Emailアクティビティ・コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップします。アプリケーションでは、接続してから通知を送信します。

Oracle JDeveloperの詳細は、JDeveloperのマニュアルを参照してください。

ワークフロー参加者が通知を受信して転送できるようにするには、Oracle 11g Enterprise Managerを使用して、Oracle User Messaging Service環境を設定します。この環境を設定するには、ワークフロー・アプリケーションのデプロイ先と同じOracle WebLogic Serverに適切なドライバ・インスタンスを構成します(図27-2)。Oracle User Messaging Serviceには、電子メール、IM、SMSおよびボイスの各チャネルを介したメッセージングをサポートするドライバが含まれています。詳細は、第27.4項「ユーザー・メッセージング・サービス・ドライバの構成」を参照してください。

図27-2 Oracle Enterprise Manager 11g Fusion Middleware Control

EM Grid Control
「図27-2 Oracle Enterprise Manager 11g Fusion Middleware Control」の説明

ワークフローの参加者が実際に通知を受信するためには、メッセージのアクセスに使用するデバイスをユーザー・メッセージング・プリファレンスを介して登録する必要があります(図27-3)。

図27-3 ユーザー・メッセージング・プリファレンス

ユーザー・プリファレンス画面
「図27-3 ユーザー・メッセージング・プリファレンス」の説明

27.3 ユーザー・メッセージング・サービスの構成ページへのアクセス

ユーザー・メッセージング・サービスは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して構成します。Oracle Enterprise Managerの詳細は、Oracle Enterprise Managerのマニュアルを参照してください。

27.3.1 保管方法の設定方法

「基本構成」ページを使用して、メッセージング・サーバーのデプロイメント・タイプを設定し(つまり、ランタイム・データと管理データの保管方法を選択し)、メッセージ・フィルタの作成に使用するユーザー・メッセージング・プリファレンスのビジネス条件を追加(または削除)します。

「永続」(デフォルト)を選択すると、サーバーが再起動されたときに、エントリおよびメッセージング・ストアを永続化できます。一時モード(軽量なデプロイメントに推奨)では、メッセージング・サーバーは、再起動後にメッセージング・ストアに格納されたデータを保守しません。

27.3.2 ユーザー・メッセージング・プリファレンスのビジネス条件の追加または削除方法

「基本構成」ページを使用すると、ユーザー・メッセージ・プリファレンスでのメッセージ・フィルタの構築に使用するビジネス条件を追加または削除できます。ビジネス条件を使用したメッセージング・フィルタの作成の詳細は、「ビジネス条件の追加」を参照してください。

27.3.2.1 ビジネス条件の追加


注意:

ビジネス条件は、サーバー・インスタンスごとに格納されます。複数のインスタンスがある場合(1つのクラスタ内にある場合も同様)は、新しいビジネス条件を各インスタンスに個別に追加する必要があります。

ユーザー・メッセージング・プリファレンスにビジネス条件を追加する手順は、次のとおりです。

  1. 「追加」をクリックします。

  2. ビジネス条件の記述名を入力します。

  3. データ型(文字列、数値または日付など)を選択します。

  4. 「適用」をクリックします。

27.3.2.2 ビジネス条件の削除

ユーザー・メッセージング・プリファレンスからビジネス条件を削除する手順は、次のとおりです。

  1. 該当するビジネス条件を選択します。

  2. 「削除」をクリックします。

  3. 「適用」をクリックして、新規のビジネス条件を確認します。

27.4 ユーザー・メッセージング・サービス・ドライバの構成

Oracle User Messaging Serviceには、次のドライバが組み込まれています。


注意:

クラスタ環境では、管理対象サーバー・ノードごとに別々のメッセージング・ドライバを使用する場合は、すべてのドライバを個別に構成する必要があります。

UMSメッセージング・ドライバはインスタンスごとに構成されます。1つのみ構成した場合、その構成値は他のクラスタ・ノード上のドライバに移入されません。


27.4.1 ドライバの構成方法

ドライバを構成する手順は、次のとおりです。

  1. Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールに管理者としてログインします。

  2. Fusion Middlewareのフォルダを開きます(図27-4)。

    図27-4 UMSフォルダの展開

    図27-4の説明は次にあります。
    「図27-4 UMSフォルダの展開」の説明

  3. ユーザー・メッセージング・サービスのホーム・ページまで移動します。

  4. 「usermessagingserver(soa_server1)」をクリックします。「関連ドライバ」ページが表示されます。

    図27-5 UMSインスタンス関連のドライバ

    図27-5の説明は次にあります。
    「図27-5 UMSインスタンス関連のドライバ」の説明

  5. 「ローカル」タブを選択して、UMSサーバー・インスタンスと関連付けられているドライバにアクセスします。これらのドライバは、正しく構成されているかどうかによって、UMSサーバーに登録されている場合と登録されていない場合があります。「すべて」タブには、ドメインにデプロイされていて、すべてのUMSサーバー・インスタンスに登録されているドライバがすべてリストされます。

  6. リスト内で電子メール・ドライバを検索し、その横にある「ドライバの構成」アイコンをクリックします。

    構成ページが表示されます(図27-6)。

    図27-6 選択したドライバの「基本構成」ページ

    図27-6の説明は次にあります。
    「図27-6 選択したドライバの「基本構成」ページ」の説明

  7. 必要に応じて、「ドライバ固有の構成」セクションを開いて、ドライバ・パラメータを構成します。詳細は、第27.4.1.1項「ドライバのプロパティについて」を参照してください。

27.4.1.1 ドライバのプロパティについて

Oracle User Messaging Serviceの各ドライバは、アウトバウンド・メッセージをルーティングする際にメッセージング・エンジンで使用する共通プロパティ(表27-1に記載)を共有しています。通常、管理者は、このようなサービスのクオリティ(QoS)プロパティをドライバ・コスト(Cost)およびドライバ・スピード(Speed)、サポートされている電話会社(SupportedCarriers)、およびサポートされているプロトコル(SupportedProtocols)として設定します。ドライバ開発者は、サポートされている配信タイプ(SupportedDeliveryTypes)やサポートされているコンテンツ・タイプ(SupportedContentTypes)など、通常は管理者による変更が不要なプロパティを構成します。


注意:

「SendingQueuesInfo」などのプロパティは、高度な使用を目的としており、高度なデプロイメント・トポロジに対してのみ変更が必要です。

表27-1 共通ドライバ・プロパティ

名前 説明 必須プロパティ?

Capability

メッセージを送受信するドライバの機能を設定します。値は、SEND、RECEIVEおよびBOTHです。

Yes

Cost

ドライバのコスト・レベル(0〜10)。0は最も低いコスト、10は最も高いコストです。値がこの範囲にない場合、コストは0とみなされます。

No

DefaultSenderAddress

送信者のデフォルトのアドレス。ドライバがこれらのアドレスを使用するのは、送信者のアドレスが特定されていないメッセージを送信する場合、あるいは特定の送信者のアドレスが送信者アドレス・リストになく、アプリケーションが提供する送信者アドレスの使用をドライバがサポートしていない場合です。

No

SenderAddresses

ドライバがサポートしている送信者アドレスのリスト。ドライバによって提供された場合、メッセージング・エンジンは、このリストを使用してメッセージの送信者アドレスと照合し、そのドライバに送信メッセージをルーティングできます。

No

SendingQueuesInfo

ドライバの送信キューに関する情報。

Yes

Speed

ドライバの速度レベル(0〜10。10が最高速)。

No

SupportedCarriers

サポートされている電話会社のカンマ区切りのリスト。

No

SupportedContent Types

ドライバでサポートされているコンテンツ・タイプ。

Yes

SupportedDelivery Types

ドライバでサポートされている配信タイプ。

Yes

SupportedProtocols

サポートされているプロトコルのカンマ区切りのリスト。任意のプロトコルに対してアスタリスク(*)を入力します。

No

SupportedStatusTypes

ドライバでサポートされているステータス・タイプ。

No

SupportsCancel

メッセージの取消し操作をサポートします。

No

SupportsReplace

メッセージの置換操作をサポートします。

No

SupportsStatusPolling

特定のプロトコルについては、リモート・ゲートウェイのアクティブ・ポーリングを実行し、以前に送信したメッセージのステータスを確認する必要があります。このプロパティは、このようなステータス・ポーリングをドライバがサポートしているかどうかを示します。trueに設定されている場合、メッセージング・エンジンは、ドライバ接続のgetStatus()操作を起動します。

No

SupportsTracking

メッセージの追跡操作をサポートします。

No


27.4.1.2 パスワードの保護

ドライバの重要なプロパティ(パスワード)は、Oracle Enterprise Managerを使用して資格証明ストアに安全に格納できます。プロパティは、エンコード済資格証明フラグでマークされ、カスタムの入力フォーム・フィールドがあります。

ドライバの重要なプロパティを安全に格納する手順は、次のとおりです。

  1. 選択したドライバのドライバ構成ページに移動します。

  2. 「ドライバ固有の構成」セクションで、エンコード済資格証明フラグが設定されているプロパティを検索します。

  3. 資格証明のタイプを選択します(選択した資格証明のタイプに従って、ユーザー名またはパスワード(あるいはその両方)の入力が求められます)。次の3つのオプションがあります。

    • 間接パスワード、新規のユーザーの作成(デフォルトのオプション): ユーザー名と実際のパスワードを指定します。パスワードは、ユーザー名とともに資格証明ストアにキーの一部として格納されます。このキーと固定フォルダ(マップ名)は、ドライバ・デプロイメントのdriverconfig.xmlに格納されます。

    • 間接パスワード、既存のユーザーの使用: (以前に保存したパスワードを参照するために)資格証明ストアにある既存のユーザー名/キーを選択します。

    • クリアテキスト・パスワードの使用: パスワードを指定し、driverconfig.xmlに直接保存します。

  4. 「適用」をクリックして、変更内容を保存します。

  5. ドライバ・アプリケーションまたはコンテナを再起動して、変更内容を有効にします。

パスワードは、ドライバ・デプロイメント・ディレトリのdriverconfig.xmlで確認できます。間接パスワードの場合のフォーマットは、次のようになります。

value="->mapName:keyName"    (mapName is the driver target name, and the key is <parameter_name>.<username>)

電子メール・ドライバのOutgoingPasswordプロパティに関するdriverconfig.xmlのサンプル入力を次に示します。

<Property value="-&gt;
/Farm_base_domain/base_domain/server_soa/usermessagingdriver-email:
OutgoingPassword.ouser" encodedCredential="true" 
type="java.lang.String" mandatory="no" name="OutgoingPassword" description="oracle.sdp.messaging.EmailDriverConfig.outgoingPassword"/>

27.4.1.3 電子メール・ドライバの構成

電子メール・ドライバはメッセージを送受信します(つまり、このドライバのCapabilityプロパティは、デフォルトでBOTHに設定されています)。電子メール・ドライバは、SMTPでメッセージを送信し、メッセージの受信にはIMAPとPOP3のいずれかを使用します。

27.4.1.3.1 電子メール・ドライバの互換性

この項では、電子メール・ドライバの互換性機能について詳細に説明します。

電子メール・ドライバは、POP3、IMAP4およびSMTPの各プロトコルと互換性があります。

電子メール・ドライバの機能は次のとおりです。

  • 自動接続再試行

  • メッセージ送信にSMTPを使用

  • メッセージ受信にIMAP4およびPOP3を使用(ポーリングを使用)

  • スケーラブルおよび高可用性

  • メッセージ消失の防止および重複の回避

表27-2のゲートウェイ・ベンダーとバージョンが検証済です。

表27-2 電子メール・ドライバのゲートウェイ・ベンダーとバージョン

ベンダー バージョン

Oracle Beehive

リリース1(1.4.3)

Oracle Collaboration Suite

10g リリース1(10.1.2)

Microsoft Exchange

2003

Dovecot(IMAP4/POP3)

0.99.11

sendmail(SMTP)

8.13.1


27.4.1.3.2 共通プロパティ

次の共通プロパティは、このドライバの機能を示しています。これらの機能は、エンジンがアウトバウンド・メッセージをルーティングする際に使用されます。通常、ドライバ開発者が設定する一部のプロパティは変更不要ですが、他のプロパティは、ルーティング動作を変更するために、管理者が変更できます。SendingQueuesInfoなどの一部のプロパティは、高度な使用を目的としており、高度なデプロイメント・トポロジに対してのみ変更が必要です。これらのプロパティと使用可能な値の詳細は、DriverConfigPropertyNamesのjavadocを参照してください。

表27-3 共通の電子メール・プロパティ

名前 説明 必須 デフォルト値

InstanceName

インスタンス名(内部使用のみ)。

Yes

Email-Driver

Capability

メッセージの送受信機能。

Yes

Both

SupportedDeliveryTypes

サポートされている配信タイプ。

Yes

Email

SupportedContentTypes

サポートされているコンテンツ・タイプ。

Yes

text/plain, text/html, multipart/mixed, multipart/alternative, multipart/related

SupportedStatusTypes

サポートされているステータス・タイプ。

No

DELIVERY_TO_GATEWAY_SUCCESS, DELIVERY_TO_GATEWAY_FAILURE, USER_REPLY_ACKNOWLEDGEMENT_SUCCESS, USER_REPLY_ACKNOWLEDGEMENT_FAILURE

Cost

コスト。

No

N/A

Speed

速度。

No

N/A

SupportedCarriers

サポートされている電話会社。

No

N/A

Supported Protocols

サポートされているプロトコル。

No

N/A

SupportsCancel

メッセージの取消し操作をサポートします。

No

False

SupportsReplace

メッセージの置換操作をサポートします。

No

False

SupportsTracking

メッセージの追跡操作をサポートします。

No

False

SupportsStatusPolling

メッセージのステータス・ポーリング操作をサポートします。

No

False

SenderAddresses

送信者のアドレス。

No

N/A

DefaultSenderAddress

デフォルトの送信者アドレス。

No

N/A

SendingQueuesInfo

ドライバによるキュー情報の送信。

Yes

OraSDPM/QueueConnectionFactory:OraSDPM/Queues/OraSDPMDriverDefSndQ1


27.4.1.3.3 電子メールのカスタム・プロパティ

次に、このドライバに固有のプロパティを示します。これらは通常、リモート・ゲートウェイへのアクセス構成、および特定のプロトコルやチャネル固有の動作に関連します。

表27-4 カスタムの電子メール・プロパティ

名前 説明 必須? デフォルト値

MailAccessProtocol

電子メール受信プロトコル。設定可能な値はIMAPおよびPOP3です。電子メールの受信がドライバ・インスタンスでサポートされている場合のみ必要です。

No

IMAP

RetryLimit

この値は、なんらかの理由で接続が失われた場合の受信メール・サーバーへの接続再試行回数を指定します。デフォルト値は-1で、試行回数に制限がないことを示します。

No

-1

MailDelFreq

削除済メッセージを永続的に削除する頻度。単位は秒で、デフォルト値は600秒です。負の値は、メッセージを消去しないことを示します。POP3プロトコルの場合、メッセージは処理後に消去されます。

No

600

AutoDelete

この値は、メッセージの処理後にドライバがメッセージに削除のマークを付けるかどうかを示します。デフォルトは「無効」です。POP3プロトコルの場合、メッセージは常に処理直後に削除されます。

No

無効

Debug

この値は、ドライバがデバッグ・モードで実行されているかどうかを示します。有効になっている場合、電子メール・ドライバとメール・サーバー間のリクエストとレスポンスがJavaMailによってコンソールに出力されます。デフォルトは「無効」です。

No

無効

CheckMailFreq

電子メール・サーバーからメッセージを取得する頻度。単位は秒で、デフォルト値は30秒です。

No

30

ReceiveFolder

ドライバがメッセージをポーリングするフォルダの名前。デフォルト値はINBOXです。

No

INBOX

OutgoingMailServer

SMTPサーバーの名前。電子メールの送信が必要な場合のみ必須です。

No

N/A

OutgoingMailServerPort

SMTPサーバーのポート番号。通常は25です。

No

25

OutgoingMailServerSecurity

SMTPサーバーで使用されるセキュリティ設定。設定可能な値は「なし」「TLS」および「SSL」です。デフォルト値は「なし」です。

No

なし

OutgoingDefaultFromAddr

デフォルトの送信者アドレス(送信メッセージで指定されていない場合)。

No

N/A

OutgoingUsername

SMTP認証に使用するユーザー名。SMTP認証がSMTPサーバーでサポートされている場合のみ必要です。

No

N/A

OutgoingPassword

SMTP認証に使用するパスワード。SMTP認証がSMTPサーバーでサポートされている場合のみ必要です。パスワードのタイプ(「間接パスワード、新規のユーザーの作成」、「間接パスワード、既存のユーザーの使用」、「クリアテキスト・パスワードの使用」から選択)とパスワードが含まれています。

No

N/A

IncomingMailServer

受信メール・サーバーのホスト名。電子メールの受信がドライバ・インスタンスでサポートされている場合のみ必要です。

No

N/A

IncomingMailServerPort

IMAP4サーバーのポート番号(143または993)、またはPOP3サーバーのポート番号(110または995)。

No

N/A

IncomingMailServerSSL

IMAP4またはPOP3サーバーへの接続時にSSLを有効にするかどうかを指定します。デフォルトは「無効」です。

No

無効

IncomingMailIDs

ユーザー名に対応する電子メール・アドレス。各電子メール・アドレスはカンマで区切られ、対応するユーザー名がユーザー名リストに表示されているとおりに、リスト内で同じ位置に配置されている必要があります。電子メールの受信がドライバ・インスタンスでサポートされている場合のみ必要です。

No

N/A

IncomingUserIDs

ドライバ・インスタンスがポーリングするメール・アカウントのユーザー名のリスト。各名前はカンマで区切られている必要があります(例: foo,bar)。電子メールの受信がドライバ・インスタンスでサポートされている場合のみ必要です。

No

N/A

IncomingUserPasswords

ユーザー名に対応するパスワードのリスト。各パスワードはカンマで区切られ、対応するユーザー名がユーザー名リストに表示されているとおりに、リスト内で同じ位置に配置されている必要があります。電子メールの受信がドライバ・インスタンスでサポートされている場合のみ必要です。パスワードのタイプ(「間接パスワード、新規のユーザーの作成」、「間接パスワード、既存のユーザーの使用」、「クリアテキスト・パスワードの使用」から選択)とパスワードが含まれています。

No

N/A

ProcessingChunkSize

メッセージ・ポーリングごとに処理されるメッセージ数。デフォルトは100です。

No

100

ImapAuthPlainDisable

IMAPユーザー認証のプレーン・テキスト認証(AUTHENTICATE PLAINコマンド)を無効にするか有効にするかを指定します。デフォルトは「無効」です。

No

無効。このプロパティが無効の場合は、プレーン・テキストが許可されることを意味します。


27.4.1.3.4 クライアントAPI MessageInfoのサポート

次に、メッセージ配信関連のプロパティを示します。これらのプロパティは、クライアントAPIを介して指定されます。表27-5は、これらのプロパティに対するプロトコルまたはドライバの実装による影響を示しています。

表27-5 クライアントAPI MessageInfoのサポート

名前 説明 サポート

Expiration

Expirationは、期限が切れるまでのメッセージの存在時間を意味します。

False

Delay

Delayは、メッセージの送信までに必要な時間を意味します。

False


27.4.1.4 SMPPドライバの構成

SMPP(Short Message Peer-to-Peer)は、最も一般的なGSM SMSプロトコルの1つです。ユーザー・メッセージング・サービスには、事前作成のSMPPプロトコルの実装がドライバとして含まれています。このドライバは、ショート・メッセージを送受信できます。送信機能が有効な場合、SMPPドライバは送信用の送信ドライバとしてSMS-C(ショート・メッセージ・サービス・センター)にTCP接続を開きます。ドライバの受信機能が有効な場合は、受信用の受信ドライバとしてSMS-Cに別の接続を開きます。ドライバとSMS-C間のすべての通信に必要なのは、2つのTCP接続(両方ともドライバが開始する)のみです。


注意:

SMPPドライバは、SMPPプロトコルのバージョン3.4を実装し、このバージョンをサポートするSMS-CまたはSMSゲートウェイへの接続のみをサポートします。

27.4.1.4.1 SMPPドライバの互換性

この項では、SMPPドライバの互換性機能について詳細に説明します。

SMPPドライバは、SMPP v3.4のプロトコルと互換性があります。

SMPPドライバの機能は次のとおりです。

  • 自動接続再試行

  • ファイアウォール・トラバースにHTTPプロキシを使用

  • 認証構成

  • 構成可能なチャンク・サイズ

  • 一括送信

  • エンコーディング: UCS2、IA5、GSM_DEFAULT

  • 優先度設定

  • 構成可能なウィンドウ・サイズ

  • プレーン・テキスト・コンテンツのみを使用

表27-6のゲートウェイ・ベンダーが検証済です。

表27-6 SMPPドライバのゲートウェイ・ベンダー

ベンダー

Syniverse

Clickatell

Logica CMG

OpenSMPP(simulator)


27.4.1.4.2 共通プロパティ

次の共通プロパティは、このドライバの機能を示しています。これらの機能は、エンジンがアウトバウンド・メッセージをルーティングする際に使用されます。通常、ドライバ開発者が設定する一部のプロパティは変更不要ですが、他のプロパティは、ルーティング動作を変更するために、管理者が変更できます。SendingQueuesInfoなどの一部のプロパティは、高度な使用を目的としており、高度なデプロイメント・トポロジに対してのみ変更が必要です。これらのプロパティと使用可能な値の詳細は、DriverConfigPropertyNamesのjavadocを参照してください。

表27-7 共通のSMPPプロパティ

名前 説明 必須 デフォルト値

InstanceName

インスタンス名(内部使用のみ)。

Yes

SMPP-Driver

Capability

メッセージの送受信機能。

Yes

Both

SupportedDeliveryTypes

サポートされている配信タイプ。

Yes

SMS

SupportedContentTypes

サポートされているコンテンツ・タイプ。

Yes

text/plain

SupportedStatusTypes

サポートされているステータス・タイプ。

No

DELIVERY_TO_GATEWAY_SUCCESS, DELIVERY_TO_GATEWAY_FAILURE

Cost

コスト。

No

N/A

Speed

速度。

No

N/A

SupportedCarriers

サポートされている電話会社。

No

N/A

Supported Protocols

サポートされているプロトコル。

No

N/A

SupportsCancel

メッセージの取消し操作をサポートします。

No

False

SupportsReplace

メッセージの置換操作をサポートします。

No

False

SupportsTracking

メッセージの追跡操作をサポートします。

No

False

SupportsStatusPolling

メッセージのステータス・ポーリング操作をサポートします。

No

False

SenderAddresses

送信者のアドレス。

No

N/A

DefaultSenderAddress

デフォルトの送信者アドレス。

No

N/A

SendingQueuesInfo

ドライバによるキュー情報の送信。

Yes

OraSDPM/QueueConnectionFactory:OraSDPM/Queues/OraSDPMDriverDefSndQ1


27.4.1.4.3 カスタム・プロパティ

次に、このドライバに固有のプロパティを示します。これらは通常、リモート・ゲートウェイへのアクセス構成、および特定のプロトコルやチャネル固有の動作に関連します。

表27-8 カスタムのSMPPプロパティ

名前 説明 必須? デフォルト値

SmsAccountId

SMS-CのアカウントID。

Yes

N/A

SmsServerHost

SMS-Cサーバーの名前(またはIPアドレス)。

Yes

N/A

TransmitterSystemId

メッセージの送信に使用するアカウントID。

Yes

N/A

ReceiverSystemId

メッセージの受信に使用するアカウントID。

Yes

N/A

TransmitterSystemType

送信側システムのタイプ。デフォルトはLogicaです。

Yes

デフォルト値はLogicaです。

ReceiverSystemType

受信側システムのタイプ。デフォルトはLogicaです。

Yes

デフォルト値はLogicaです。

TransmitterSystem Password

送信側システムのパスワード。パスワードのタイプ(「間接パスワード、新規のユーザーの作成」、「間接パスワード、既存のユーザーの使用」、「クリアテキスト・パスワードの使用」から選択)とパスワードが含まれています。

Yes

N/A

ReceiverSystemPassword

受信側システムのパスワード。パスワードのタイプ(「間接パスワード、新規のユーザーの作成」、「間接パスワード、既存のユーザーの使用」、「クリアテキスト・パスワードの使用」から選択)とパスワードが含まれています。

Yes

N/A

ServerTransmitterPort

送信側サーバーのTCPポート番号。

Yes

N/A

ServerReceiverPort

受信側サーバーのTCPポート番号。

Yes

N/A

DefaultEncoding

SMPPドライバのデフォルトのエンコーディング。デフォルトはIA5です。ドロップダウン・リストから「IA5」、「UCS2」または「GSM_DEFAULT」を選択します。

No

IA5

EncodingAutoDetect

有効になっている場合、SMPPドライバは自動的にエンコードします。デフォルトは「有効」です。

No

有効

LocalSendingPort

SMPPドライバがSMS-Cへのメッセージの送信に使用するローカルTCPポート。

No

N/A

LocalReceivingPort

SMPPドライバがSMS-Cからのメッセージの受信に使用するローカルTCPポート。

No

N/A

LocalAddress

SMPPドライバをホスト管理するサーバーのホスト名(またはIPアドレス)。

No

N/A

WindowSize

SMSのウィンドウ・サイズ。値は正数である必要があります。デフォルトは1です。

No

1

EnquireInterval

SMS-Cへの問合せメッセージの送信間隔(秒単位)。デフォルトは30秒です。

No

30

ThrottleDelay

スロットル間の遅延(秒単位)。デフォルトは30です。

No

30

BindRetryDelay

バインド・エントリの試行間の最小遅延(秒単位)。デフォルトは30です。

No

30

ResponseTimer

SMPPリクエストとレスポンス間に許可された経過時間(秒単位)。デフォルトは30です。

No

30

RegisteredDeliveryMask

登録済配信ビット・マスク。デフォルトは0xFFで、遅延フラグ値を変更しません。

No

0xFF

RangeSetNull

trueに設定すると、BIND_RECEIVERのアドレス範囲フィールドがnullに設定されます。false(デフォルト値)に設定すると、アドレス範囲フィールドがSmsSystemIdに設定されます。デフォルトは「無効」です。

No

無効

PriorityAllowed

SMPPドライバに許容されている最高優先度。範囲は0(標準)〜3(最高)です。デフォルトは0です。

No

0

BulkSending

この値を「有効」(デフォルト値)に設定すると、複数のメッセージをSMS-Cに対して一括送信できます。

No

有効

PayloadSending

メッセージがSMS-Cに送信されるときにmessage_payloadパラメータが常に使用されるかどうかを決定します。デフォルトは「無効」です。

No

無効

SourceTon

SMPP受信側セッションを経由して提供されるESMEアドレスの番号のタイプ(TON)。デフォルトは0です。

No

0

SourceNpi

SMPP受信側セッションを経由して提供されるESMEアドレスの番号計画識別子(NPI)。デフォルトは0です。

No

0

DestinationTon

宛先の番号のタイプ(TON)。デフォルトは0です。

No

0

DestinationNpi

宛先の番号計画識別子(NPI)。デフォルトは0です。

No

0

ExtraErrorCode

エラー・コードのカンマ区切りのリスト。

No

N/A

MaxChunks

1メッセージに対する最大SMSチャンク数。デフォルトは-1(最大値なし)です。

No

-1(最大値なし)

ChunkSize

各SMSメッセージ・チャンクのサイズ。デフォルトは160です。

No

160

LongMessageSending

長いメッセージの送信をサポートします。デフォルトは「無効」です。

No

無効

DatagramMessageMode

データグラム・メッセージ・モードをサポートします。デフォルトは「無効」です。

No

無効


27.4.1.4.4 クライアントAPI MessageInfoのサポート

次に、メッセージ配信関連のプロパティを示します。これらのプロパティは、クライアントAPIを介して指定されます。表27-9は、これらのプロパティに対するプロトコルまたはドライバの実装による影響を示しています。

表27-9 クライアントAPI MessageInfoのサポート

名前 説明 サポート

Expiration

Expirationは、期限が切れるまでのメッセージの存在時間を意味します。

True

Delay

Delayは、メッセージの送信までに必要な時間を意味します。

False


27.4.1.5 XMPPドライバの構成

XMPPドライバは、XMPP(Extensible Messaging and Presence Protocol)を介したリアルタイム・インスタント・メッセージ(IM)の場合に、Oracle Fusion Middlewareからエンド・ユーザーへの一方向および双方向のアクセスを提供します。このドライバを使用すると、エンド・ユーザーは、選択したIMクライアントを介して、アラート通知を受信したり、複数のアプリケーションと相互にチャットすることができます。

27.4.1.5.1 XMPPについて

XMPPは、インスタント・メッセージおよびプレゼンスに対するXMLベースのオープン・プロトコルです。XMPPベースのソフトウェアは、インターネットを介して多数のサーバーにデプロイされており、世界中に何百万人ものユーザーがいます。XMPPは、ユビキタス電子メール・ネットワークに類似した、クライアントサーバー・アーキテクチャで構成されています。XMPPサーバーは、完全に分散化されているため、誰でも自分のサーバーを設定できます。メッセージングは電子メール・ネットワーク内と同様に実行され、受信者のアドレスにはユーザー名とホスト名が使用されます(例: username@host name)。

XMPPネットワークでは、ユーザーはXMPP(Jabber)IDによって識別されます。このIDは、ユーザーが接続する特定のXMPPサーバーのユーザー名とホスト名で構成されています。XMPPのエンド・ユーザーは、他のXMPPユーザーにインスタント・メッセージを送信するために、XMPPクライアントを使用してXMPPサーバーに接続します。ただし、XMPPはインスタント・メッセージに利用できる唯一のプロトコル・ネットワークではありません。XMPPには、拡張可能なモジュール型アーキテクチャがあります。これは固有のIMネットワークに統合され、XMPPユーザーが他のネットワーク上のユーザーと通信できるようになります。

UMSでXMPPドライバを使用するためには、Jabber/XMPPサーバーへのアクセス権と、ログインするUMS XMPPドライバ・インスタンスのXMPPアカウントが必要です。

27.4.1.5.2 XMPPドライバの互換性

この項では、XMPPドライバの互換性機能について詳細に説明します。

XMPPドライバは、XMPP(RFC 3920、3921)のプロトコルと互換性があります。

XMPPドライバの機能は次のとおりです。

  • 自動接続再試行

  • ファイアウォール・トラバースにHTTPプロキシを使用

  • プレーン・テキスト・コンテンツのみを使用

表27-6のゲートウェイ・ベンダーとバージョンが検証済です。

表27-10 XMPPドライバのゲートウェイ・ベンダーとバージョン

ベンダー バージョン

Jabberd

v1、v2

ejabberd

v2


27.4.1.5.3 サード・パーティ・ソフトウェア

XMPPドライバは、次のサード・パーティ・ソフトウェアを使用または必要とします。

表27-11 必要なサード・パーティ・ソフトウェア

名前 説明 バージョン

Apache Smack

このドライバは、Apache Smack XMPP Javaライブラリを使用してJabber/XMPPインスタント・メッセージ・サーバーに接続します。このドライバには、Smack(バージョン3.0.4)のライセンス・コピーが含まれています。

3.0.4

XMPPサーバー

オプション。独自のJabber/XMPPサーバーをダウンロードしてインストールするには、サーバーをhttp://www.jabber.orgで選択してインストールします。




注意:

既存のサーバーへのアクセス権がある場合、独自のXMPPサーバーのインストールは不要です。パブリック・サーバーのリストについては、http://www.jabber.orgを参照してください。

27.4.1.5.4 ドライバ・アプリケーション・アーカイブ(EAR)

$ORACLE_HOME/communications/applications/sdpmessagingdriver-xmpp.ear

27.4.1.5.5 共通プロパティ

次の共通プロパティは、このドライバの機能を示しています。これらの機能は、エンジンがアウトバウンド・メッセージをルーティングする際に使用されます。通常、ドライバ開発者が設定する一部のプロパティは変更不要ですが、他のプロパティは、ルーティング動作を変更するために、管理者が変更できます。SendingQueuesInfoなどの一部のプロパティは、高度な使用を目的としており、高度なデプロイメント・トポロジに対してのみ変更が必要です。これらのプロパティと使用可能な値の詳細は、DriverConfigPropertyNamesのjavadocを参照してください。

表27-12 共通のXMPPプロパティ

名前 説明 必須 デフォルト値

InstanceName

インスタンス名(内部使用のみ)。

Yes

XMPP-IM-Driver

Capability

メッセージの送受信機能。

Yes

Both

SupportedDelivery Types

サポートされている配信タイプ。

Yes

IM

SupportedContent Types

サポートされているコンテンツ・タイプ。

Yes

text/plain

SupportedStatusTypes

サポートされているステータス・タイプ。

No

DELIVERY_TO_GATEWAY_SUCCESS, DELIVERY_TO_GATEWAY_FAILURE

Cost

コスト。

No

N/A

Speed

速度。

No

N/A

SupportedCarriers

サポートされている電話会社。

No

N/A

Supported Protocols

サポートされているプロトコル。

No

N/A

SupportsCancel

メッセージの取消し操作をサポートします。

No

False

SupportsReplace

メッセージの置換操作をサポートします。

No

False

SupportsTracking

メッセージの追跡操作をサポートします。

No

False

SupportsStatusPolling

メッセージのステータス・ポーリング操作をサポートします。

No

False

SenderAddresses

送信者のアドレス。

No

N/A

DefaultSenderAddress

デフォルトの送信者アドレス。

No

N/A

SendingQueuesInfo

ドライバによるキュー情報の送信。

Yes

OraSDPM/QueueConnectionFactory:OraSDPM/Queues/OraSDPMDriverDefSndQ1


27.4.1.5.6 XMPPのカスタム・プロパティ

XMPPドライバには、次に示すカスタム・プロパティが組み込まれています。

表27-13 カスタムのXMPPプロパティ

名前 説明 必須 デフォルト値

IMServerHost

Jabber/XMPPサーバー・ホスト名。

No

N/A

IMServerPort

対応するJabber/XMPPサーバー・ポート。デフォルトは5222です。

Yes

5222

IMServerUsername

ログインに使用するJabber/XMPPユーザー名。ドメイン名がJabber/XMPPサーバーのホスト名と異なる場合は、完全なJabber IDを入力することもできます(例: oracleagent1@host.com)。注意: このユーザー・アカウントが存在せず、サーバーでアカウントの登録がサポートされている場合は、ユーザー・アカウントの登録が試行されます。

No

N/A

IMServerPassword

上にリストされているユーザー名に対応するパスワード。パスワードのタイプ(「間接パスワード、新規のユーザーの作成」、「間接パスワード、既存のユーザーの使用」、「クリアテキスト・パスワードの使用」から選択)とパスワードが含まれています。

No

N/A

SecurityMode

サーバーへの接続時に使用するセキュリティ・モード。使用可能なオプションは、「なし」(セキュリティは無効になり、暗号化されていない接続のみ使用されます)、「TLS」(可能な場合にはTLS暗号化によるセキュリティが使用されます)、「SSL」(SSL暗号化によるセキュリティが使用されます)。デフォルトは「TLS」です。

No

TLS

SASL Authentication Enabled

サーバーへのログイン時にSASL認証を使用するかどうか。SASL認証に失敗した場合、ドライバは非SASL認証を使用しようとします。デフォルトではSASLが有効になります。

No

有効


27.4.1.5.7 クライアントAPI MessageInfoのサポート

次に、メッセージ配信関連のプロパティを示します。これらのプロパティは、クライアントAPIを介して指定されます。次の表は、これらのプロパティに対するプロトコルまたはドライバの実装による影響を示しています。

表27-14 クライアントAPI MessageInfoのサポート

名前 説明 サポート

Expiration

Expirationは、期限が切れるまでのメッセージの存在時間を意味します。

False

Delay

Delayは、メッセージの送信までに必要な時間を意味します。

False


27.4.1.6 VoiceXMLドライバの構成

VoiceXMLドライバは、VoiceXMLで作成されたメッセージを送信する、Genesys VoiceGenieゲートウェイのアウトバウンド・コール・プロトコルをサポートしています。ゲートウェイは、音声変換合成を使用してメッセージを配信します。

27.4.1.6.1 VoiceXMLドライバの互換性

この項では、VoiceXMLドライバの互換性機能について詳細に説明します。

VoiceXMLドライバは、VoiceXML over HTTP(VoiceGenieゲートウェイ・プロトコル)のプロトコルと互換性があります。

VoiceXMLドライバの機能は次のとおりです。

  • VoiceXMLコンテンツのみを使用

表27-15のゲートウェイ・ベンダーとバージョンが検証済です。

表27-15 VoiceXMLドライバのゲートウェイ・ベンダーとバージョン

ベンダー バージョン

Genesys VoiceGenie

6.4.2


27.4.1.6.2 共通プロパティ

次の共通プロパティは、このドライバの機能を示しています。これらの機能は、エンジンがアウトバウンド・メッセージをルーティングする際に使用されます。通常、ドライバ開発者が設定する一部のプロパティは変更不要ですが、他のプロパティは、ルーティング動作を変更するために、管理者が変更できます。SendingQueuesInfoなどの一部のプロパティは、高度な使用を目的としており、高度なデプロイメント・トポロジに対してのみ変更が必要です。これらのプロパティと使用可能な値の詳細は、DriverConfigPropertyNamesのjavadocを参照してください。

表27-16 共通のVoiceXMLプロパティ

名前 説明 必須 デフォルト値

InstanceName

インスタンス名(内部使用のみ)。

Yes

VoiceXML-Driver

Capability

メッセージの送受信機能。

Yes

SEND

SupportedDelivery Types

サポートされている配信タイプ。

Yes

VOICE

SupportedContentTypes

サポートされているコンテンツ・タイプ。

Yes

text/vxml, text/x-vxml

SupportedStatusTypes

サポートされているステータス・タイプ。

No

DELIVERY_TO_GATEWAY_SUCCESS, DELIVERY_TO_GATEWAY_FAILURE

Cost

コスト。

No

N/A

Speed

速度。

No

N/A

SupportedCarriers

サポートされている電話会社。

No

N/A

Supported Protocols

サポートされているプロトコル。

No

N/A

SupportsCancel

メッセージの取消し操作をサポートします。

No

False

SupportsReplace

メッセージの置換操作をサポートします。

No

False

SupportsTracking

メッセージの追跡操作をサポートします。

No

False

SupportsStatusPolling

メッセージのステータス・ポーリング操作をサポートします。

No

False

SenderAddresses

送信者のアドレス。

No

N/A

DefaultSenderAddress

デフォルトの送信者アドレス。

No

N/A

SendingQueuesInfo

ドライバによるキュー情報の送信。

Yes

OraSDPM/QueueConnectionFactory:OraSDPM/Queues/OraSDPMDriverDefSndQ1


27.4.1.6.3 VoiceXMLのカスタム・プロパティ

VoiceXMLドライバには、次に示すカスタム・プロパティが組み込まれています。

表27-17 カスタムのVoiceXMLプロパティ

名前 説明 必須 デフォルト値

VoiceXMLOutboundServletURI

VoiceXMLゲートウェイのURL。

Yes

N/A

VoiceXMLOutboundServletUserName

VoiceXMLゲートウェイのユーザー名。

No

N/A

VoiceXMLOutboundServletPassword

VoiceXMLゲートウェイのユーザーのパスワード。

No

N/A

VoiceXMLOutboundServletDNIS

受信者の呼出し側ID表示で表示される数字。

No

N/A

VoiceXMLReceiveURL

VoiceXMLゲートウェイからの受信リクエストを処理するこのドライバのサーブレットのURL。フォーマットはhttp://<host>:<port>/usermessagingdriver-voicexml/receiveです。このプロパティが設定されていない場合のデフォルトの動作では、ローカル・コンテナのHTTPリスニング・ホストおよびポートが使用されます。デフォルトの動作は、最初のドライバ・インスタンスに対してのみ機能します。追加のインスタンスについては、コンテキスト・ルートが異なるため、/sdpmessagingdriver-voicexmlを正しいコンテキスト・ルートに置き換えて構成する必要があります。

No

N/A



注意:

Oracle HTTP Server(OHS)が構成されているクラスタ(高可用性)環境では、OHSポートを使用してVoiceXMLドライバの受信URLを構成しないでください。OHSポートを使用してVoiceXMLドライバの受信URLを構成すると、ドライバと競合します。

各Voice XMLドライバは、固有のWLSサーバーのポートで構成する必要があります。


27.4.1.6.4 クライアントAPI MessageInfoのサポート

次に、メッセージ配信関連のプロパティを示します。これらのプロパティは、クライアントAPIを介して指定されます。次の表は、これらのプロパティに対するプロトコルまたはドライバの実装による影響を示しています。

表27-18 クライアントAPI MessageInfoのサポート

名前 説明 サポート

Expiration

Expirationは、期限が切れるまでのメッセージの存在時間を意味します。

False

Delay

Delayは、メッセージの送信までに必要な時間を意味します。

False


27.4.1.7 ワークリスト・ドライバの構成

ワークリスト・ドライバを使用すると、ユーザーのWebCenter統合ワークリストへの統合のために、すべてのソースからの通知をワークリスト・タスクの形式でユーザーに送信できます。


注意:

ワークリスト・メッセージ・タスクには、WebCenterとBPELワークリスト・アプリケーションの両方からアクセスできます。WebCenterは、ワークリスト・メッセージ・ドライバがメッセージを送信するBPEL接続を検索するように構成されています。BPELワークリスト・アプリケーションでは、これらのメッセージベースのタスクがワークリスト項目としても表示されます。

この統合は、ワークリスト・チャネル(配信タイプ)をアプリケーションとエンド・ユーザーに対して公開することによって達成されます。ユーザーのワークリスト・チャネルを介して送信したメッセージは、ワークリスト・ドライバによって処理されます。ユーザー・メッセージング・サービスAPIのセマンティクスは、IMや電子メールなどの既存のチャネルのセマンティクスと同じです。このドライバが処理するのは、送信メッセージのみです。 ドライバ・アプリケーション・アーカイブ(EAR)は、$ORACLE_HOME/communications/applications/sdpmessagingdriver-worklist.earにあります。

27.4.1.7.1 ワークリスト・ドライバのインストール

メッセージング・ワークリストの機能を有効にするには、$ORACLE_HOME/common/templates/applications/oracle.ums.driver.worklist_template_11.1.1.jarで入手できる拡張テンプレートを使用して、WebLogic SOAドメインを拡張する必要があります。Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用してSOAドメインを拡張する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを起動します($ORACLE_HOME/common/bin/config.sh?U???I%ORACLE_HOME%\common\bin\config.cmd)。

  2. 「既存のWebLogicドメインの拡張」オプションを選択します。

  3. 目的のSOAドメイン・ディレクトリを選択します。

  4. 「既存の拡張テンプレートを使用してドメインを拡張する」オプションを選択します。

  5. 「参照」をクリックし、$ORACLE_HOME/common/templates/applicationsに移動します。

  6. 「oracle.ums.driver.worklist_template_11.1.1.jar」を選択します。

  7. Oracle Fusion Middleware構成ウィザードの残りのステップを完了し、SOAサーバーを再起動します。


注意:

SOA管理対象サーバーがリモート・コンピュータ上にある場合の特別な考慮事項: oracle.ums.driver.worklist_template_11.1.1.jar拡張テンプレートに含まれているSOAコンポジット・アプリケーション(sca_sdpmessagingsca-worklist-composite_rev1.0.jar)は、$DOMAIN_HOME/soa/autodeployにコピーされ、サーバーの再起動時に、SOAインフラ・ランタイムによって自動デプロイされます。ただし、SOAインフラ・ランタイムがリモート・コンピュータ上にあり、ドメインが-managed=trueオプション(使用するための適切なオプション)を指定して圧縮されている場合、このディレクトリはアーカイブに組み込まれません。したがって、コンポジットはSOA管理対象サーバーの再起動時にデプロイされません。

インストールを完了するには、$DOMAIN_HOME/soa/autodeployの内容をAdminServerコンピュータから、SOA管理対象サーバーが含まれているリモート・コンピュータ上の対応する位置にコピーして、SOA管理対象サーバーを再起動します。ディレクトリ構造soa/autodeployをリモート・コンピュータ上の$DOMAIN_HOMEに作成することが必要になる場合があります。


27.4.1.7.2 共通プロパティ

次の共通ドライバ・プロパティは、このドライバの機能を示しています。これらの機能は、エンジンがアウトバウンド・メッセージをルーティングする際に使用されます。通常、ドライバ開発者が設定する一部のプロパティは変更不要ですが、他のプロパティは、ルーティング動作を変更するために、管理者が変更できます。SendingQueuesInfoなどの一部のプロパティは、高度な使用を目的としており、高度なデプロイメント・トポロジに対してのみ変更が必要です。これらのプロパティと使用可能な値の詳細は、DriverConfigPropertyNamesのjavadocを参照してください。

表27-19 共通のワークリスト・プロパティ

名前 説明 必須? デフォルト値

InstanceName

インスタンス名(内部使用のみ)。

Yes

Worklist-Driver

Capability

メッセージの送受信機能。

Yes

SEND

SupportedDeliveryTypes

サポートされている配信タイプ。

Yes

WORKLIST

SupportedContentTypes

サポートされているコンテンツ・タイプ。

Yes

text/plain, text/html

SupportedStatusTypes

サポートされているステータス・タイプ。

No

DELIVERY_TO_GATEWAY_SUCCESS, DELIVERY_TO_GATEWAY_FAILURE

Cost

コスト。

No

N/A

Speed

速度。

No

N/A

SupportedCarriers

サポートされている電話会社。

No

N/A

SupportedProtocols

サポートされているプロトコル。

No

N/A

SupportsCancel

メッセージの取消し操作をサポートします。

No

False

SupportsReplace

メッセージの置換操作をサポートします。

No

False

SupportsTracking

メッセージの追跡操作をサポートします。

No

False

SupportsStatusPolling

メッセージのステータス・ポーリング操作をサポートします。

No

False

SenderAddresses

送信者のアドレス。

No

N/A

DefaultSenderAddress

デフォルトの送信者アドレス。

No

N/A

SendingQueuesInfo

ドライバによるキュー情報の送信。

Yes

OraSDPM/QueueConnectionFactory:OraSDPM/Queues/OraSDPMDriverDefSndQ1


27.4.1.7.3 カスタム・プロパティ

次のカスタム・プロパティが使用可能です。

表27-20 カスタムのワークリスト・プロパティ

名前 説明 必須 デフォルト値

BPELConnectionURL

接続先のBPELサーバーのURL。フォーマットは'http://<bpel-host>:<bpel-port>'です。このプロパティが設定されていない場合のデフォルトの動作では、ローカル・コンテナのHTTP接続URLが使用されます。




27.4.1.7.4 クライアントAPI MessageInfoのサポート

この表は、次の配信関連のプロパティに対するプロトコルまたはドライバの実装による影響を示しています。これらのプロパティは、クライアントAPIを介して指定されます。

表27-21 クライアントAPI MessageInfoのサポート

名前 説明 サポート

Expiration

Expirationは、期限が切れるまでのメッセージの存在時間を意味します。

False

Delay

Delayは、メッセージの送信までに必要な時間を意味します。

False


27.4.1.8 プロキシ・ドライバの構成

プロキシ・ドライバは、イントラネットやインターネットの他の場所でホスト管理されるFusion Middlewareメッセージング・サーバーに対するメッセージングWebサービス・クライアントとして機能します。このサービスは、SOAP over HTTP(Parlay X Multimedia Webサービス・プロトコル)を使用し、複数メッセージの送受信の他に、メッセージの配信ステータスも返します。ParlayX Webサービスは、UMSインスタンス間でメッセージをリレーします。このサービスを使用すると、イントラネット内の複数インスタンスから、プロトコル固有のドライバをすべて備えた終了インスタンスにトラフィックをリレーできます。この場合のドライバは、SMSCなどの外部ゲートウェイまたはSMTPやIMAPなどのメール・サーバー用に構成されています。

27.4.1.8.1 共通プロパティ

次の共通プロパティは、このドライバの機能を示しています。これらの機能は、エンジンがアウトバウンド・メッセージをルーティングする際に使用されます。通常、ドライバ開発者が設定する一部のプロパティは変更不要ですが、他のプロパティは、ルーティング動作を変更するために、管理者が変更できます。SendingQueuesInfoなどの一部のプロパティは、高度な使用を目的としており、高度なデプロイメント・トポロジに対してのみ変更が必要です。これらのプロパティと使用可能な値の詳細は、DriverConfigPropertyNamesのjavadocを参照してください。

表27-22 共通のプロキシ・プロパティ

名前 説明 必須 デフォルト値

InstanceName

インスタンス名(内部使用のみ)。

Yes

Proxy-Driver

Capability

メッセージの送受信機能。

Yes

SEND

SupportedDelivery Types

サポートされている配信タイプ。

Yes

EMAIL, SMS, VOICE, IM, WORKLIST

SupportedContent Types

サポートされているコンテンツ・タイプ。

Yes

*


SupportedStatusTypes

サポートされているステータス・タイプ。

No

DELIVERY_TO_GATEWAY_SUCCESS, DELIVERY_TO_GATEWAY_FAILURE

Cost

コスト。

No

N/A

Speed

速度。

No

N/A

SupportedCarriers

サポートされている電話会社。

No

N/A

Supported Protocols

サポートされているプロトコル。

No

N/A

SupportsCancel

メッセージの取消し操作をサポートします。

No

False

SupportsReplace

メッセージの置換操作をサポートします。

No

False

SupportsTracking

メッセージの追跡操作をサポートします。

No

False

SupportsStatusPolling

メッセージのステータス・ポーリング操作をサポートします。

No

False

SenderAddresses

送信者のアドレス。

No

N/A

DefaultSenderAddress

デフォルトの送信者アドレス。

No

N/A

SendingQueuesInfo

ドライバによるキュー情報の送信。

Yes

OraSDPM/QueueConnectionFactory:OraSDPM/Queues/OraSDPMDriverDefSndQ1


27.4.1.8.2 プロキシのカスタム・プロパティ

プロキシ・ドライバには、次に示すカスタム・プロパティが組み込まれています。

表27-23 カスタムのプロキシ・プロパティ

名前 説明 必須 デフォルト値

GatewayURL

ホスト管理されている11g UMS Webサービス・ゲートウェイのURL。このURLのフォーマットは、次のとおりです。

http://<host>:<port>/sdpmessaging/parlayx/SendMessageService

Yes

N/A

Username

メッセージング・ゲートウェイのユーザー名。

No

N/A

Password

ユーザー名のパスワード。

No

N/A

Policies

プロキシ・ドライバ・リクエストにアタッチされる、Oracle Web Services ManagerのWSセキュリティ・ポリシーのカンマ区切りのリスト。

No

N/A


27.4.1.8.3 クライアントAPI MessageInfoのサポート

次に、メッセージ配信関連のプロパティを示します。これらのプロパティは、クライアントAPIを介して指定されます。次の表は、これらのプロパティに対するプロトコルまたはドライバの実装による影響を示しています。

表27-24 クライアントAPI MessageInfoのサポート

名前 説明 サポート

Expiration

Expirationは、期限が切れるまでのメッセージの存在時間を意味します。

False

Delay

Delayは、メッセージの送信までに必要な時間を意味します。

False


27.5 ユーザー・メッセージング・サービスの保護

ユーザー・メッセージング・プリファレンスのユーザー・インタフェースおよびParlay X Webサービスは、Secure Sockets Layer(SSL)を使用してトランスポート・レベルで保護できます。デフォルトでは、デプロイされるすべてのWebサービスは保護されていません。本番環境にデプロイされるすべてのサービスに対して、Webサービス・セキュリティを有効にする必要があります。

UMSは、UMS Webサービスを保護するためのOracle Web Services ManagerのWSセキュリティ・ポリシーの使用をサポートしています。Oracle Web Services Managerの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの保護』のOracle Web Serviceのセキュリティ・ポリシーの使用に関する項を参照してください。

Webサービスの推奨セキュリティ構成では、Security Assertion Markup Language(SAML)トークンを使用して、Webサービス・クライアントとUMSの間でアイデンティティを受け渡します。SAMLトークンを使用する場合は、Webサービス・クライアントがユーザー名とパスワードをUMSに渡すかわりに、証明書の交換によってクライアントとUMSの間に信頼関係が確立されます。このキーストア構成が整うと、Webサービス・クライアントは、ユーザー・アイデンティティを渡すのみで、ユーザーを適切に認証していることを保証します。

UMS Webサービスで使用する推奨ポリシーは、次のとおりです。

27.5.1 通知に関するWebサービス・セキュリティ

様々なWebサービスに、対応する通知Webサービス(MessageNotificationPresenceNotification)が含まれており、これらはクライアント側で実行され、適合するイベントの発生時に通知(メッセージ配信ステータス、メッセージ受信、プレゼンス・ステータスの変更)を受信します。

この実装には、クライアントの通知時にWebサービス・セキュリティ(WSセキュリティ)を使用する機能がデフォルトでは備わっていません。つまり、サーバーは、クライアント側で実行中の通知WebサービスはWSセキュリティを使用していないと想定しているため、通知の送信時に自己認証を実行しようとしません。クライアント側でWSセキュリティを有効にした場合は、通知SOAPリクエストに必要なヘッダーがないため、サーバーからの通知が失敗します。

27.5.2 UMSサービス・セキュリティの有効化

UMS Webサービスのポリシーを有効にするには、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの保護』の管理コンソールでOracle WSMセキュリティ・ポリシーを構成する方法に関する項の手順に従って、ポリシーoracle/wss11_saml_token_with_message_protection_service_policyを選択します。この構成は、保護するサービスごとに繰り返す必要があります。

27.5.3 クライアント・セキュリティの有効化

Webサービス・クライアントのセキュリティは、プログラムで有効化する必要があります。Parlay Xメッセージング・クライアントAPIおよびクライアント・プロキシ・パッケージに関する項(『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』)に記載されているクライアント・ライブラリを使用すると、クライアント・オブジェクトの構築時にWSセキュリティ・ポリシー構成が提供されます。クライアント・コンストラクタは、Map<String, Object>のタイプの引数を使用します。通常、SAML認証の使用時は、エンドポイント・アドレスなどの必須プロパティに加えて、キー/値のペア(表27-25)を構成マップに追加する必要があります。

表27-25 クライアント・セキュリティ・キー

キー タイプ 一般的な値

oracle.sdp.parlayx.ParlayXConstants.POLICIES

文字列[]

oracle/wss11_saml_token_with_message_protection_client_policy

javax.xml.ws.BindingProvider.USERNAME_PROPERTY

文字列

<有効なユーザー名>

oracle.wsm.security.util.SecurityConstants.Config.KEYSTORE_RECIPIENT_ALIAS_PROPERTY

文字列

(オプション)ターゲット・サービスのキーストア別名。「クライアント別名」を参照してください。


例27-1 Webサービス・クライアントのセキュリティ

import oracle.sdp.parlayx.multimedia_messaging.send.SendMessageClient
 
...
 
Map<String, Object> config = new HashMap<String, Object>();
config.put(javax.xml.ws.BindingProvider.ENDPOINT_ADDRESS_PROPERTY, ums_url);
config.put(oracle.sdp.parlayx.ParlayXConstants.POLICIES, new String[] {"oracle/wss11_saml_token_with_message_protection_client_policy"});
config.put(javax.xml.ws.BindingProvider.USERNAME_PROPERTY, "test.user1");
 
SendMessageClient sendClient = new SendMessageClient(config);

27.5.4 キーストア構成

推奨WSセキュリティ・ポリシーを使用するには、OWSMに必要な公開鍵と秘密鍵の情報が含まれるキーストアを構成する必要があります。キーストアおよび対応する資格証明ストアのエントリを構成する方法は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの保護』のWLSTを使用した資格証明ストアの構成に関する項を参照してください。

  • Webサービス・クライアントとUMSサーバーの両方が同じドメインにある場合、これらはキーストアと資格証明ストアを共有します。

  • Webサービス・クライアントとUMSサーバーが異なるドメインにある場合は、UMS公開鍵をクライアント・ドメインのキーストアにインポートし、クライアント・ドメインの公開鍵をUMSキーストアにインポートする必要があります。

27.5.5 クライアント別名

ここで推奨しているSAMLポリシーなど、特定のWSセキュリティ・ポリシーを使用する場合、クライアントは、サーバーの公開鍵を使用してWebサービス・リクエストを暗号化する必要があります。ただし、通常はドメインごとにキーストアを1つのみ構成します。したがって、複数の他のドメイン内のWebサービスと通信するWebサービス・クライアントがあるドメインの場合は、OWSMで使用するデフォルトのキーストア・エントリを上書きすることが必要になる場合があります。

たとえば、アプリケーション「A」がUMS Webサービスに対するWebサービス・クライアントで、アプリケーション「B」が別のドメイン内のWebサービスに対するWebサービス・クライアントであるドメインがあるとします。この場合、AのリクエストはUMSドメインの公開鍵を使用して暗号化する必要があり、Bのリクエストは他のドメインの公開鍵を使用して暗号化する必要があります。この目的を達成するには、OWSMで使用するキーストア別名をリクエストごとに上書きします。

  • たとえば、UMS公開鍵を別名"ums_public_key"でインポートし、他の公開鍵を別名"other_public_key"でインポートします。

  • UMS Webサービス・クライアントの作成時に、例27-2に示すように、キーをoracle.wsm.security.util.SecurityConstants.Config.KEYSTORE_RECIPIENT_ALIAS_PROPERTYに設定し、値を"ums_public_key"に設定して受信キーストア別名パラメータを指定します。

    例27-2 クライアント別名

    import oracle.sdp.parlayx.multimedia_messaging.send.SendMessageClient
     
    ...
     
    Map<String, Object> config = new HashMap<String, Object>();
    config.put(javax.xml.ws.BindingProvider.ENDPOINT_ADDRESS_PROPERTY, ums_url);
    config.put(oracle.sdp.parlayx.ParlayXConstants.POLICIES, new String[] {"oracle/wss11_saml_token_with_message_protection_client_policy"});
    config.put(javax.xml.ws.BindingProvider.USERNAME_PROPERTY, "test.user1");
    config.put(oracle.wsm.security.util.SecurityConstants.Config.KEYSTORE_RECIPIENT_ALIAS_PROPERTY, "ums_public_key")
    SendMessageClient sendClient = new SendMessageClient(config);
    
  • 同様に、他のWebサービス・クライアントもキーストア別名を上書きする必要がありますが、正確なメカニズムは異なる場合があります。たとえば、JAX-WSクライアント・スタブを直接使用する場合は、上書きプロパティをJAX-WSリクエスト・コンテキストに追加できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの保護』のWebサービス・クライアントのポリシー構成の上書きに関する項を参照してください。

27.5.6 JMSリソースの保護

この(オプションの)手順では、セキュリティを向上させるために、管理者がOracle User Messaging ServiceのJMSリソース(キューなど)へのアクセスを制限できます。


注意:

この項では、JMSリソースを保護するために従う手順を詳細に説明します。Oracle User Messaging Serviceの新規インストール(Patch Set 2)から開始する場合は、次の手順に従ってください。

Patch Set 2にアップグレードしない場合、この手順は使用しません。

以前のリリースで作成したドメインをアップグレードする場合に、最新のリリース・ノートの手順を完了していない場合は、先に進む前に、その手順を完了してください。


JMSシステム・リソースを保護するには、OracleSystemRoleロールを持つUMSJMSSystemResourceという名前で始まるすべてのJMSサブデプロイメントをロックします(複数サーバーまたはクラスタ・デプロイメントではUMSに対して複数の自動作成リソースがある場合があります)。この操作は、WebLogicコンソールを使用して行うか、または、次のようにWLSTスクリプトを実行できます($ORACLE_HOME/communications/bin/secure_jms_system_resource.pyで入手できます)。

$ORACLE_HOME/common/bin/wlst.sh
$ORACLE_HOME/communications/bin/secure_jms_system_resource.py
--username=<admin_username> --password=<password>
--url=t3://<admin-host>:<admin-port> --jmsSystemResource
<UMSJMSSystemResource> --role OracleSystemRole

次に例を示します。

$ORACLE_HOME/common/bin/wlst.sh
$ORACLE_HOME/communications/bin/secure_jms_system_resource.py
--username=weblogic --password=<password> --url=t3://localhost:7001
--jmsSystemResource UMSJMSSystemResource --role OracleSystemRole

デフォルトでは、UMSシステムはJMSリソースにアクセスするためにユーザーOracleSystemUserとして実行されます。ユーザーOracleSystemUserが存在しない場合、または他のユーザーに付与されている他のロールを使用してUMS JMSリソースを保護する場合は、コンテナを起動するとき、次のJVMシステム・プロパティに別のユーザー名を指定することによって、UMSシステムで使用されるデフォルトのユーザー・アイデンティティを上書きする必要があります。

oracle.ums.system.user=<username>

たとえば、ユーザーがMySystemUserである場合は、-Doracle.ums.system.user=MySystemUserのようにコマンドラインでJVMシステム・プロパティを渡すことができます。

27.6 Oracle User Messaging Serviceのトラブルシューティング

ユーザー・メッセージング・サービスをデバッグするには、最初にサーバーの診断ログを確認します。ログには、例外、エラーまたは警告メッセージが含まれている場合があり、不正な動作に関する詳細とともに問題を修正するアクションが提供されます。次の表では、一般的なユーザー・メッセージング・サービスの問題をデバッグするための他の方法について説明します。

表27-26 UMSのトラブルシューティング

症状 考えられる原因 解決策

通知がSOA内のBPELまたはヒューマン・ワークフローから送信されない場合

SOAワークフロー通知の構成で通知モードが「NONE」に設定されています。

Oracle Fusion Middleware Controlを使用して、通知モードの設定を「EMAIL」または「ALL」に変更します。

電子メール通知が送信されない場合

UMS電子メール・ドライバの送信(SMTP)メール・サーバーの設定が正しくありません。

Oracle Fusion Middleware Controlを使用して、UMS電子メール・ドライバの次の設定を確認します。

  • OutgoingMailServer

  • OutgoingMailServerPort

注意: SMTPサーバー接続用の電子メール・クライアントで、これらを使用して値を検証します。


SMTPサーバーに、認証またはセキュアな接続(TLSまたはSSL)が必要です。

Oracle Fusion Middleware Controlを使用して、UMS電子メール・ドライバの次の設定を確認します。

  • OutgoingUsername

  • OutgoingPassword

  • OutgoingMailServerSecurity

エラー・メッセージ: 送信者アドレス = <アドレス>に対して一致するドライバが見つかりませんのために通知が送信されない場合

該当するチャネルに対するUMSドライバが特定のSenderAddressesリストで構成されていますが、アプリケーションが送信したメッセージに、一致しない送信者アドレスが設定されています。

注意: UMSサーバーは、アウトバウンド・メッセージの送信者アドレスを使用可能なドライバのSenderAddressesに対して照合(送信者アドレスが設定されている場合)して、メッセージの配信に使用する一致ドライバを検索します。ドライバに1つ以上のSenderAddressが設定されている場合、UMSサーバーは、一致する送信者アドレスが含まれているメッセージのみをそのドライバに送信します。

  • Oracle Fusion Middleware Controlを使用して、該当するUMSドライバの次の設定を確認します。

    SenderAddresses

    注意: SenderAddressesのフォーマットは、<配信タイプ>:<アドレス>のカンマ区切りのリストです。

    次に例を示します。

    EMAIL:sender@example.com, EMAIL:sender@example2.com

  • このドライバで、このチャネル(配信タイプ)のすべての送信者アドレスに対するアウトバウンド・メッセージを処理する場合は、このプロパティを空白のままにします。

  • 構成が異なる同じチャネル(配信タイプ)に対して複数のドライバ・インスタンスがデプロイされている場合は、SenderAddressesを使用して、ドライバ・インスタンスを区別します。たとえば、あるインスタンスは、SenderAddressesに特定の値を指定して、一致する送信者アドレスが含まれているアウトバウンド・メッセージのみを処理するように設定でき、他のインスタンスはSenderAddressesを空白のままにして、送信者アドレスが指定されていないすべてのアウトバウンド・メッセージ、または最初のドライバ・インスタンスと送信者アドレスが一致しないすべてのアウトバウンド・メッセージを処理するようにできます。

  • 構文が正しくないSenderAddresses(<配信タイプ>:が指定されていない場合など)は、ドライバ選択の目的についてはUMSサーバーによって無視されます。

電子メール・クライアントによる通知の受信に矛盾がある場合

UMS電子メール・ドライバの受信メール・サーバーの設定が、通知の送信先と同じ電子メール・アカウントで構成されています。

通知が同じアカウントに送信された場合、電子メール・クライアントが電子メールを表示できるようになる前に、UMS電子メール・ドライバが電子メールをダウンロードして処理する場合があります。

受信メール・サーバーの設定には排他的な電子メール・アカウントを使用してください。Oracle Fusion Middleware Controlを使用して、UMS電子メール・ドライバの次の設定を確認します。

  • IncomingMailIDs

  • IncomingUserIDs

SOAヒューマン・ワークフロー通知が送信されるが、アクション可能ではない場合

アクション可能な電子メール・アドレスがSOAワークフロー通知プロパティで構成されていません。

UMS電子メール・ドライバで構成された電子メール・アカウントのアドレスを使用して、SOAワークフロー通知プロパティでアクション可能な電子メール・アドレスを設定します。


ヒューマン・ワークフロー・タスクがアクション可能な通知を送信するように設定されていません。

JDeveloperでヒューマン・ワークフロー・タスクのアクション可能属性を設定し、SOAコンポジット・アプリケーションを再デプロイします。

SOAヒューマン・ワークフローのアクション可能な通知が送信されるが、応答後アクションが実行されない場合

UMS電子メール・ドライバの受信メール・サーバーの設定が正しくありません。

Oracle Fusion Middleware Controlを使用して、UMS電子メール・ドライバの次の設定を確認します。

  • MailAccessProtocol(大文字でIMAPまたはPOP3)

  • ReceiveFolder

  • IncomingMailServer

  • IncomingMailServerPort

  • IncomingMailServerSSL

  • IncomingMailServerSSL

  • IncomingUserIDs

  • IncomingUserPasswords

  • ImapAuthPlainDisable

注意: IMAPまたはPOP3サーバー接続用の電子メール・クライアントで、これらを使用して値を検証します。


メール・アクセス・プロトコルが正しくありません。

Oracle Fusion Middleware Controlを使用して、UMS電子メール・ドライバの次の設定を確認します。

  • MailAccessProtocol(大文字でIMAPまたはPOP3)


電子メール・サーバーがSSL対応です。

Oracle Fusion Middleware Controlを使用して、UMS電子メール・ドライバの次の設定を確認します。

  • IncomingMailServerSS


受信フォルダ名が正しくありません。

Oracle Fusion Middleware Controlを使用して、UMS電子メール・ドライバの次の設定を確認します。

  • ReceiveFolder

注意: 一部の電子メール・サーバーでは、値INBOXをinboxまたはInbox(つまり大/小文字を区別)と記述する必要があります。電子メール・サーバーに応じて適切な値を使用してください。


デフォルト以外の電子メール・クライアントが通知受信用に構成されています。ユーザーが承認リンクをクリックすると、デフォルトのメール・クライアント・ページが開き、このページで別の電子メール・サーバーに電子メールを送信できます。

デフォルトの電子メール・クライアントを、アクション可能な通知を受信するように構成します。

SOA BPELユーザー通知またはヒューマン・ワークフロー通知が正しい配信タイプ(電子メール、SMSなど)に送信されるが、間違ったアドレスに送信される場合

ユーザー・メッセージング・プリファレンスで、ユーザーが、BPELユーザー通知またはヒューマン・ワークフロー・ユースケースで使用するために、セルフプロビジョニング・メッセージング・チャネルを作成しました。

注意: ユーザー・メッセージング・プリファレンスのUIを使用すると、エンド・ユーザーは様々なユースケースに対する独自のメッセージング・チャネルを作成できますが、これらはBPELユーザー通知およびヒューマン・ワークフローに使用することを目的としていません。

BPELユーザー通知またはヒューマン・ワークフロー・ユースケースには、セルフプロビジョニング・メッセージング・チャネルは使用しないでください(つまり、デフォルトのチャネルとして設定しないでください。また、このようなユースケースに対するメッセージ・フィルタで使用しないでください)。BPELユーザー通知およびヒューマン・ワークフローでは、配信タイプ・プリファレンスに対してのみユーザー・メッセージング・プリファレンスが使用され、実際のアドレスはアイデンティティ管理システムのユーザー・プロファイルから取得されます。

注意: アイデンティティ管理システムのユーザー・プロファイルからのアドレスは、事前定義のチャネル名(「勤務先電子メール」、「業務用携帯電話番号」、「勤務先電話番号」、「Instant Messaging」など)を使用して、ユーザー・メッセージング・プリファレンスを介して使用可能です。BPELユーザー通知およびヒューマン・ワークフロー・ユースケースには、かわりにこれらの事前定義のメッセージング・チャネルを使用してください。