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Oracle® Fusion Middleware PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成
11g リリース 1 (10.3.3)
B61649-01
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2 PackおよびUnpackコマンド・リファレンス

この項では、packおよびunpackコマンドの目的、構文およびパラメータを説明します。

2.1 Packコマンド

packは、ドメイン全体またはドメインのサブセットのスナップショットを含むテンプレート(.jarアーカイブ・ファイル)を作成するコマンドです。ドメインのサブセットを含むテンプレートを使用して、リモート・マシン上に管理対象サーバー・ドメインのディレクトリ階層を作成できます。

表2-1は、packコマンドを使用して作成したテンプレートに含まれるファイルとディレクトリを説明しています。

表2-1 Packコマンドを使用して作成されたテンプレートに含まれるファイルおよびディレクトリ

テンプレート・タイプ ファイルとディレクトリ

ドメイン

次の例外を含めて、ソース・ドメインのすべてのファイルとディレクトリが組み込まれます。

  • サーバーの起動時に作成される一時ファイル

  • サーバー・ディレクトリ

  • ドメインの作成時に自動的に作成されるセキュリティ・ディレクトリ内のファイル。DefaultAuthenticatorInit.ldiftおよびXACMLRoleMapperInit.ldiftなど。

WebLogic Server管理コンソールまたはその他のオンライン・ツールを使用して、ユーザー、グループ、ロールなどの追加のセキュリティ・データを構成した場合、そのセキュリティ・データはLDAPサーバーに格納されており、テンプレートには組み込まれません。最初にデータをエクスポートしてからターゲット・ドメインにインポートする必要があります。

管理対象サーバー

次のファイルとディレクトリは、デフォルトで組み込まれます。

  • ルート・ディレクトリにある、.cmd.sh.xml.propertiesini拡張子を持つすべてのファイル。

  • ドメインのSSL構成に定義されている、拡張子.pemを持つファイル

  • configディレクトリにあるすべてのファイルとサブディレクトリ

  • binディレクトリ

  • libディレクトリ

次のファイルとディレクトリは、デフォルトでは管理対象サーバー・テンプレートに組み込まれません

  • アプリケーションと特定のアプリケーション初期化ファイル

  • サーバーの起動時に作成される一時ファイル

  • サーバー・ディレクトリ

  • ドメインの作成時に自動的に作成されるセキュリティ・ディレクトリ内のファイル。DefaultAuthenticatorInit.ldiftおよびXACMLRoleMapperInit.ldiftなど。

テンプレート作成元のドメインのconfig.xmlファイルには、ターゲットのリモート・マシンのIPアドレスとポートを指定する管理対象サーバー定義が含まれている必要があります。そのドメインから作成する管理対象サーバー・テンプレートは、unpackコマンドを使用して、指定されたリモート・マシン上にconfig.xmlファイルに定義されている管理対象サーバーの管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリを作成するために使用できます。


2.1.1 Packコマンドの構文

pack -domain=domain -template=template -template_name="template_name" [-template_author="author"][-template_desc="description"] [-managed=true|false][-log=log_file] [-log_priority=log_priority]

2.1.2 Packコマンドのパラメータ

表2-2は、packコマンドのパラメータ一覧です。

表2-2 Packコマンドのパラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-domain=domain

必須

テンプレートの作成元ドメインの絶対または相対パス。

-template=template

必須

作成されるテンプレートのフル・パスまたは相対パス。テンプレート・ファイル名には、.jar拡張子を含める必要があります。

: packコマンドは既存のファイルを上書きしません。指定したファイル名が指定フォルダの既存ファイルと一致する場合、packコマンドは失敗します。

-template_name="template name"

必須

テンプレートを表す名前。このパラメータの値にスペースが含まれている場合にのみ、引用符で囲む必要があります。

-template_author="author"

オプション

テンプレートの作成者の名前。このパラメータの値にスペースが含まれている場合にのみ、引用符で囲む必要があります。

-template_desc="description"

オプション

テンプレートの説明。このパラメータの値にスペースが含まれている場合にのみ、引用符で囲む必要があります。

-managed=true|false

オプション

リモート・マシンに管理対象サーバーを作成するためにテンプレートを使用するかどうかを指定します。デフォルトはfalseです。このパラメータがtrueに設定されていると、管理対象サーバー・テンプレートが作成され、これにはSerializedSystemIni.datconfig.xmlnm_password.propertiesが組み込まれた最小限のファイル・セットが含まれます。また、管理対象サーバー・テンプレートに固有のdomain.propertiesファイルも含まれます。アプリケーションと特定のアプリケーション初期化ファイルは含まれません。結果のテンプレートを使用して、リモート・マシンに管理対象サーバーを作成できます。

-log=log_file

オプション

ログ・ファイルの名前。

-log_priority=log_priority

オプション

ログ・ファイルの優先度の設定。log4j優先度文字列を使用します。

有効なlog4j優先度文字列は、debuginfowarnerrorfatalです。優先度文字列の値は、Levelクラスで定義されたレベルに対応します。詳細は、http://logging.apache.org/log4j/docs/api/org/apache/log4j/Level.htmlを参照してください。


2.1.3 Packコマンドの例

C:\oracle\user_projects\domainsディレクトリに配置するmydomainという既存のドメインを元にテンプレートを作成するには、以下のコマンドを実行します。

pack -domain=C:\oracle\user_projects\domains\mydomain -template=C:\oracle\user_templates\mydomain.jar -template_name="My WebLogic Domain"

mydomain.jarというテンプレートが、C:\oracle\user_templatesディレクトリに作成されます。テンプレートの名前は、My WebLogic Domainです。

2.2 Unpackコマンド

unpackコマンドは、リモート・マシンの管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリに使用されるフル・ドメインまたはドメインのサブセットを作成します。

unpackは、現在のインストール内容と互換性のあるテンプレートのみと併用してください。以下のものをテンプレートとして使用できます。

ドメイン・テンプレートでunpackコマンドを使用すると、テンプレートに定義されているアプリケーション・ファイルとリソース・ファイルすべてを含むドメインが作成されます。また、起動スクリプトおよび特定のセキュリティ・ファイルと構成ファイルも作成されます。

管理対象サーバー・テンプレートでunpackコマンドを使用すると、以下を含む管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリが作成されます。

管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリ用のエントリもNM_HOME/nodemanager.domainsファイルに作成されます。ここで、NM_HOMEは、リモート・マシンの製品インストール用のノード・マネージャ・インストール・ディレクトリを示します。デフォルトでは、このディレクトリはWLS_HOME/common/nodemanagerに存在します。


注意:

デフォルトでは、アプリケーション・ファイルはpackコマンドを使用して作成された管理対象サーバー・テンプレートには含まれません。管理対象サーバー・テンプレートの作成元のドメインにアプリケーションが、external_stageモードによりデプロイされた場合、unpackコマンドを使用して作成する管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリには、外部でステージングされたアプリケーションは一切含まれません。管理対象サーバーを起動する前に、外部でステージングされたアプリケーション・ファイルにアクセス可能であることを確認する必要があります。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』ガイドの「ステージング・モードによるデプロイメント・ファイルのコピーの制御」を参照してください。


2.2.1 Unpackコマンドの構文

unpack -template=template -domain=domain [-user_name=username] [-password=password] [-app_dir=application_directory] [-java_home=java_home_directory] [-server_start_mode=dev|prod] [-log=log_file] [-log_priority=log_priority]

2.2.2 Unpackコマンドのパラメータ

表2-3は、packコマンドで使用可能なパラメータの一覧です。

表2-3 Unpackコマンドのパラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-template=template

必須

ドメインの作成元テンプレートのフル・パスまたは相対パスおよびファイル名。

-domain=domain

必須

作成するドメインの絶対または相対パス。

-user_name=username -password=password

オプション

テンプレートに現在定義されているデフォルトの管理者のユーザー名とパスワード。このユーザー名とパスワードの組合せは、管理サーバーの起動および管理サーバーとの接続に使用されます。デフォルトの管理者に新しいパスワードを指定した場合、パスワードは指定した値にリセットされます。

: デフォルトの管理者のパスワードがテンプレートに定義されていない場合は、指定する必要があります。

管理ユーザーがテンプレートに定義されていない場合は、-user_name-passwordパラメータを指定して新しいデフォルトの管理者を作成できます。

デフォルトの管理者とパスワードが現在テンプレートに定義されている場合は、-user_name-passwordパラメータを指定して新しい管理ユーザーを追加できます。

値は、カンマ、タブまたは次のリストの文字を含んではなりません: < > # | & ? ( ) { }。ユーザー名では、大文字と小文字が区別されます。

有効なパスワードは8つ文字 以上 の文字列で、大文字と小文字が区別されます。 unpack コマンドではパスワード値が暗号化されます。

: これらのパラメータは、管理対象サーバー・テンプレートを使用してドメインを作成する場合には使用できません。

-app_dir=application_directory

オプション

テンプレートに定義されているアプリケーションを格納するために使用するディレクトリのフルパス。

このパラメータは、テンプレートが個別のアプリケーション・ディレクトリをサポートしている場合にのみ使用できます。

-java_home=java_home_directory

オプション

Javaホーム・ディレクトリのフルパス。設定した場合は、ドメインの管理サーバーによって使用されるデフォルトのJVMが識別されます。

このパラメータは、管理対象サーバー・テンプレートを基にドメインを作成する場合には使用できません。

-server_start_mode=dev|prod

オプション

管理サーバーの起動モード(開発または本番)。

このパラメータは、管理対象サーバー・テンプレートを使用してドメインを作成する場合には使用できません。

-log=log_file

オプション

ログ・ファイルの名前。

-log_priority=log_priority

オプション

ログ・ファイルの優先度の設定。log4j優先度文字列を使用します。

有効なlog4j優先度文字列は、debuginfowarnerrorfatalです。優先度文字列の値は、Levelクラスで定義されたレベルに対応します。詳細は、http://logging.apache.org/log4j/docs/api/org/apache/log4j/Level.htmlを参照してください。


2.2.3 Unpackコマンドの例

C:\oracle\user_templatesディレクトリにあるmydomain.jarテンプレートを使用してC:\oracle\user_projects\domainsディレクトリにmynewdomain.jarというドメインを作成するには、以下のコマンドを実行します。

unpack -template=C:\oracle\user_templates\mydomain.jar -domain=C:\oracle\user_projects\domains\my_new_domain